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作者: ルーク 2011年01月25日(火) 14時28分14秒公開 ID:gDpB60zr1as | |
月は流れ、私エイクは17歳の誕生日を迎えた。 そして、話はその数日前、7月1日のことだった。私は、叔父さまと久々にやってきた父さまに呼び出された。 「どうなさったの?」 「ああ、エイク、君はもうすぐ17になるね?」 当たり前の質問をしてくる父さまに私は怪訝そうにうなずいた。 「うん。それで?」 「エイクの誕生日パーティーを、今年は第一回婚約者決めと一緒にしたいんだよ」 「え?婚約者?」 「おまえももうすぐ18…成人になるだろう?その時には未来のモーガン家当主として立派な女性になってほしいんだ。そのために、まずは婚約者を……」 「いらないもんっ!!」 私は思わず叫んでいた。婚約者?初めて聞く言葉に私は混乱していたのかもしれない。 「まだ婚約者なんていりません!立派な当主になるためにどうして婚約者が必要なのよ!?」 「落ち着いて、エイク」 そこで口を出したのは叔父さまだった。 「当主になるためには必要なことだよ。兄さんだって、安心して隠居したいんだ。わかってくれ」 「……〜〜〜っ」 なんだかもう、何が何だか分からなくなって、私は部屋を飛び出した。 「わ、エイク!どうしたんだよ一体」 自分の部屋に飛び込むと、本を読んでいたレイルが眼鏡を取り落とした。 18になったレイルは、私よりもぐんと背が高くなって、モノを書いたり読んだりするときには眼鏡をかけるようになった。それでも青く澄んだ瞳と長い黒髪は今も変わっていない。私とおそろいの赤いリボンも。 「婚約者?」 一通り話を聞いたレイルは顔をしかめた。慰めてくれているのか、レイルは私の頭をずっとなでてくれている。 「うん…。何か、ちゃんとした当主になるためには必要なこと、って言ってたけど、私はまだ婚約なんて、ましてや知らない男の人がペラペラしゃべりかけてくるなんて考えただけであり得ないわ」 「っていうか、まずエイクに婚約者っていなかったんだね」 「へ?」 だって、こういう良家のお嬢様ってたいてい婚約者の相手がいるものでしょ、とレイルが笑った。 「いないよ。良家って言ったって、貴族の中ではまだまだ下の方の階級だし。何か、誕生日にはいろんなところから貴族のご子息がたくさん集まってくるんですって。 ねぇレイル、お願い!パーティーの時には、私と一緒にいて!」 無茶なお願いだってわかってるけど、こんなこと言ったってあなたが困るだけだってわかってるけど。 一人じゃ心細いよ。 レイルはちょっと困ったように眉根を寄せると、ちょっと首をかしげた。 「どうだろ、俺自身としては一緒にいたいのは山々なんだけど、旦那さまがなぁ…」 「うー、やっぱりだめかなぁ…」 はぁ、こんなことなら誕生日なんか来なきゃいいのに。 そう思っていると、レイルが私の頭をポンポンと優しく叩いた。 「ん、俺もちょっと交渉してみるわ。そんなに心配するなって」 ⇒To Be Continued... |
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