ring-a-ring 23 |
作者: ルーク 2011年01月30日(日) 09時19分19秒公開 ID:gDpB60zr1as |
「……ほう、そういうことなんだぁ」 「そうなの。ねぇどうしよう、私、どうすればいいんだろう」 今日は、ミッツの家に遊びに…もとい相談しに来ている。初めて彼女の家に行った時、あっさりと「お嬢様なんでしょ」と見破られてしまい、すべてを話したからか、よく相談しに行くんだけど。 ミッツは少し考えこんでから、ずいっと私に顔を近づけてきた。 「ね、エイクさ、レイルのこと、好きなんでしょ」 「え、何でわかるの!?」 私は抱え込んでいたクッションを強く抱きしめた。 わかるよ、とミッツはほほ笑んだ。 「だって、エイクのことだもん。私、エイクとレイルのことならなんでもお見通しよ!」 「う〜……」 「で、まだすぐにレイルが出発するわけじゃないんでしょ」 「ん、2ヶ月後くらいかな…」 「微妙ね〜。でも、それだけ時間があるんだったら、残りの時間の密度を濃くすればいい話よ。こんなこと言うのは酷かもしれないけど…」 ごめん、とミッツは首をすくめた。 私は首を横に振って立ちあがった。 「ううん、ありがと。そうだよね。そうするしかないよね。ちょっと楽になったよ。じゃぁ…」 「うん、たいして力になれなくてごめんね」 私はさっきまで抱きしめていたクッションをミッツに投げた。ミッツがクッションを受け止める、ぽふっという音がした。 「力になれないなんてそんなことないよ。ミッツはいつも私の相談に乗ってくれて感謝してる。大好きだよ、ミッツ!」 「〜っ、もう、エイクってば…。かわいすぎるんだって!私も大好き!」 ミッツが笑顔で私に抱きついてくる。 「ん、ありがと…」 そうだね、私、やっとわかったよ。 私、未来に悲観してばっかりだ。でも、それじゃだめなんだよね。 今を精いっぱい生きることしかできない私たちだからこそ、今を精いっぱい楽しむ。それだけなんだ。 ありがとう。私に大切なことを教えてくれて、ありがとね、ミッツ。 やっぱりあなたは私の大事な友達だよ。 だから、私が今できることは……! [つづく] |
|
■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集 |