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作者: ルーク 2011年02月01日(火) 16時01分51秒公開 ID:gDpB60zr1as | |
「あのね、レイル…私、ずっと言いたかったんだよ」 誰もいない部屋に呟く。上を向いて、涙がこぼれないように我慢しているはずなのに、乾いた頬に雫が流れ落ちていった。 「あなたが………大好きだったんだよ」 右手に持った手紙がくしゃりと音を立てる。 なんで。なんでさよならもしないで行っちゃったの。もっと言いたいことがあった。半年、たくさんたくさん楽しい思い出を作ったけど、まだまだ足りないくらい言いたいことが、伝えたいことがあったの。でも、君は、もう、 いないんだね。 【エイクへ 何も言わずに出ていくことになってしまって、ごめん。今日、俺はキットリー家に引き取ってもらうことになった。本当のことを言うと、のどがつまって眠れそうにもなかったから、挨拶代わりに書置きをしておこうと思ったんだ。 本当は、もっと話したかった。もっと遊びたかった。もっと伝えたいことがあった。エイク、君には初めて会ったときからびっくりさせられっぱなしだったよ。使用人だった俺に、光をくれたんだ。本当に感謝してる。 一つだけ、お願い。俺は指輪をはずしました。俺は、もう君のそばにいることが、そばで守っていることができない。だから、君も指輪をはずしてください。もしまた婚約者を決めることがあった時、変に怪しまれたりしても困るだろうから。 じゃあ、行ってきます。さよなら。ありがとう。 レイル】 「こんなのって、こんなのってないよ……!」 私は手紙を握りつぶしたそのこぶしを机に叩きつけた。ふと、レイルにもらった指輪が光る。 ―指輪は外してください。 いや、いやだよ。今は、あなたにもらったこの指輪だけが私とあなたをつなげるものなんだもの。絶対に、はずしたりするもんですか…。 そのまま、しばらく私は泣き続けていた。 ⇒To Be Continued... |
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