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作者: ルーク 2011年03月14日(月) 14時18分57秒公開 ID:SECjYw56uE2 |
「ルイ、お酒って飲んだことある?」 始まりは、片割れの突拍子もない一言だった。 「飲んだことあるわけないだろ。お母様とお父様に叱られるぞ」 「知ってるわよ。でもさぁ…?」 レイの目がきらりと光る。何か怪しいこと考えてるな、と何かが伝える。 こういうとき双子って便利っていうか、わかりやすいっていうか。 まぁ、もともとレイの思考は単純明快だけどさ。 「飲んでみたくない?」 「やめろよ。俺は叱られるのは勘弁してくれって感じなんだけど」 「え〜。でも、興味はあるでしょ?」 「まぁ、ないって言ったら嘘になるけど……」 まあ、ときどきお父様とお母様がワインなんかは飲んでたりして、酔ったらどうなるんだろうとか、お酒強いのかな、とか気にはなるけど。 「どの道、僕たちはお酒が飲める18歳までまだ5年もあるよ。ダメだって」 「5年も待てないもーん」 ぶう、とレイが頬を膨らます。 「今日お父様とお母様出張でいないし、ね、いいでしょ?」 「だめ!」 「〜っ、ケチ!」 言いながら、レイが小さな瓶を口に突っ込んできた。 「むぐっ!……」 赤い液体がのどを伝っていくのがわかる。 ……って!ダメだって! あわてて瓶を口から離す。後ろに倒れこんで、むせかえる。 うえ、なんか変な味。 「…何すんだよ!ばか!!」 「だって、無理にでもしないとルイは飲まないもん」 「誰が飲むかっ!」 ふん、と言ってレイはさっきまで僕を口をつけた瓶に口づけて、残りの液体を飲み干す。 「あぁ、こら!何してんだよ、ばか」 飲み干したとたん、レイの頬が真っ赤に染まっていく。 えぇ!?レイ、もしかして……。 「なんか、変な感じぃ…」 「おま、酔っただろ!!!」 ああー、もう、どうすんだよ、これ…! [つづく] |
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