ring-a-ring if... 2 |
作者: ルーク 2011年03月16日(水) 10時21分53秒公開 ID:SECjYw56uE2 |
「ひ…っく、る、るい…?」 すっかりろれつが回らなくなってしまったレイは、赤い顔で僕を見つめた。 なんだよ。 「なんれるいが2りいるのぉ〜?」 「お前絶対酔ってるだろ」 「むぅ〜!れいよってないもぉん」 いやいやいやいや、酔ってないわけないから! ……っていっても無駄なんだろうな。 「いいかい、レイ」 「ん〜?」 酔っぱらって赤い顔のレイの肩を掴む。 「今日は、ベッドで寝てなさい。お母様には、どうにか隠しておくから。 いい?絶対に声を上げたり、部屋から出たり、部屋で騒いだりしちゃダメだからね!」 いい?と念を押すと、レイはこくんとうなずいた。 うーん、大丈夫なんだろうか。 「ルイさま、レイさまはいかがなさいました?」 食堂に行くと、メイド長が首をかしげてきた。 「ああ、レイなら寝てるよ。昼寝しちゃったみたいなんだ。えっと、レイ、すごく寝起きが悪いだろ?だから、その、そのままにしておいてくれる?」 頭で考えたセリフをそのまま出す。ちょっとどもったけど、大丈夫かな? しかしメイド長は僕の心配をよそに、そうでございますか、と僕を椅子に座らせた。 「では今日はお一人のご夕食ですが…」 「大丈夫だよ。持ってきて。レイにはあとで僕から持っていくから」 「ご夕食なら、わたくしたちが持っていきますわ」 「いいから!大丈夫!!」 「……そうでございますか」 一人だけで大きなテーブルで食事するのって、すごく変な感じがする。 後ろでメイドやら執事やら見てるし、食べにくい。 いつもなら気にしないんだけどな。変な感じ。 どうにか夕食を終えて、一人分の夕食のワゴンを押しながら部屋に戻る。 「レイ?」 小さく声をかけると、ベッドから小さな寝息が帰ってきた。 「なんだ、寝てるのか……」 ベッドの上ですやすや眠っている妹の頬をそっとなでて、ワゴンをベッドの横に置いておく。 「もう、疲れた……」 なんか気疲れしてた自分が馬鹿みたいに思えてきた。 メイド長も気にしなかったし、特に誰にもばれてない様子だったし。 僕も自分のベッドにもぐりこむ。 眠りに着くまで、さほど時間はかからなかった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「頭いたぁい……」 翌朝、目を覚ますとレイが頭を抱えていた。 二日酔いってやつだろうか。 「大丈夫?おなか減ってない?」 「ペコペコ……。ねえ、何で私のご飯がベッドサイドに置いてあるの? 私昨日何も食べてないの?なんで?」 ああ、レイのやつ、何も覚えてないのかよ。 まあ、このことは、僕だけの秘密にしておこうかな。 「レイ、昨日昼寝しちゃったんだよ。寝起き悪いのは知ってるから、起こさないでおいたらそのままレイが寝ちゃったんだろ」 とだけ言っておいて、メイドを呼んだ。 「お母様とお父様に内緒で、このご飯戻しておける? ごめんね、残しちゃって」 こう言わないと、ばれちゃうかもしれないし。 全く、気疲れさせるやつだよ、僕の妹は。 [終わり] |
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