カケラ -2-
作者: 砕華   2011年03月26日(土) 20時15分39秒公開   ID:A3HN7yGmZxA


『我が名はレイド=クラシウォン、この屍の森を管理する、死神よ』


呟かれた言葉に、
自分も名乗らなければいけないのだという事が自然に理解できた
素性を明かす事はできないけれど、初めて会う人間に名前を教えたって
何の障害も起きないだろう
___..という、俺の勘だけで進めてみる


「ええと、俺h『レイド様、こいつ...いえ、この方はどちらにお通しすれば良いでしょうか?』...をーい?」


思い切り遮られたんだけど、なんなのコイツ喧嘩売ってんの?
ええと、デュークだっけ、管理補佐とか言ってたなぁ
もしかしてレイドの事、好き...とか?
うわぁ、あって早々ホ◯かぁ,,,きついなぁ。



『...貴様、良からぬ事を考えたであろう...デューク、まずは名を聞こうでわないか』

『...仰せのままに、しかしこのような一般庶民にも満たない者に名などあるのでしょうか』

「...さっきから聞いてりゃ鬱陶うっとうしいのぅお前はぁあああああ!!!!!!!」



あぁ、どうしよう
地が出た((

とりあえずこの時化た空気をなんとかしないと,,,
なんて言おう、なんて言おう、あぁ名乗ろう名乗ろうそうしよう(軽くパニック)


「俺h『HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!』とうとう頭イカレタかおっさん!!!?

『ええい黙れ!!!この方が笑うお姿は大変貴重なのだぞ!!!____...あぁ、美しいvV』



...やっぱそうなのかよおおおっ
そんな恍惚こうこつとした表情で、いやもう鼻血とかやばいから致死量越えてると思われるから!!
,...俺はいつから突っ込み役にまわってんだ?
ちょっと悲しくなって来たぞ、うぅ



『本当に貴様は面白い!!!!ほれ、早う名を言うてみせい』

『あれだけ大きな口を叩いたんだ、名前ぐらいあるのだろう?』



鼻で笑うデュークに、未だにハラを抱えているレイドを見て
若干キレそうになるのは当たり前だろう
つかデューク、お前鼻血こっち飛ぶから鼻息あらくすんなよ


すっと息を吸い込む
落ち着く為に、昔誰かに教わった

”言葉は言霊ことだま、言えば力になり、想えば自らが操れる
大地を想え、闇をうやまえ、曇りなき夜を仰げ
そして、その名を紡ぐのだ”



「我が名は_ヴェス・イヴェリ・ラトレイシア・ラグドール。...長いからシアって呼んで」



思いのほか良い感じの名前だったのか、長過ぎて覚えにくいのか、よくわからんが
レイドは厳しい目、デュークは呆然と立ちすくんでいた
いや、レイドはふわふわしてるようにしか見えないんだけどな


...あれ、死亡フラグ全開?







『...デューク様』

『なんだ』


闇の種族だけで行う影の会話
これは何人たりとも介入する事の出来ない何かにつつまれている
よって、少女,,,,シアには全く聞こえていない


『こいつ、何者なんでしょう?』

『我に聞くな...とりあえず、視えたであろう?』


こくりと頷くデューク、それに目敏く気付いたシアが首を傾げた
揺れる髪は色素の薄い白銀の絹、瞳は人形に埋め込まれた金色の石
それが、先程名を語った時に変わったのだ


漆黒を身にまとうという死神よりも深く濃く色づいた髪の先端
真っ赤に染まったその爛々らんらんと輝く獰猛どうもうな目。


暗黒と言う名に相応しい、今の彼女と相反する姿に

アノ神ノ気配ヲ感ジタ


■作者からのメッセージ
名前、わかりにくいですね
とりあえずラトレイシアが名前で、ラグドールは名字と思って下さい
む、昔かどうかわかりませんけど愛称で呼び合うのでシアにしましたww
...あぁ、ネームングセンスが無い

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