魔属となったボク〜第十二話〜 |
作者: 零堵 2011年04月19日(火) 23時31分41秒公開 ID:YynBrr2ofCI |
もうこの体も慣れて来た頃、ユウリさんの家に妹のシオリさんがやって来たのでした。 「お姉さま、こんにちは〜ですわ」 ある晴れた日の事、そう言ってやって来たのは、ユウリさんの妹のシオリさんでした 「あら、シオリ、今日は何の用なの?」 「お姉さまにとっておきの情報を持って来たのですわ」 「とっておきの情報?」 「はい、実はですね?この月野町の奥にある、月野山に新たにフールが現れたんですの、この情報をお姉さまにお知らせしようと思いまして、やってきたのですわ」 「新しいフールの情報ね、ありがと、シオリ」 「いえ、当然の事ですわ?」 「じゃあ、恵?」 「はい?何でしょうか」 「早速、その月野山に向かうから、準備しなさい」 「僕も行くんですか・・・?」 「当り前よ、何か文句があるわけ?」 「い、いえ・・・、じゃあ出かける準備しますね」 そう言って、僕は動きやすい服装に着替えたのでした そう言えば初めて着替えたときに、いろいろな服があって大変驚いたけど・・・ ナース服とかメイド服とか軍服だって、あったし・・・ とりあえず僕が着られるような服を選んで、それを着て準備OKにして ユウリさんと一緒に月野山に向かう事にしたんだけど・・・ 月野山 月野山に向かう事になった、僕とユウリさん、妹のシオリさんは 「家でお菓子作って待っていますわ」と言って、お留守番で、僕達二人だけで来てみたはいいんだけど・・・ 「ユウリさん?」 「何よ?恵」 「あれ・・・なんです?」 そう言って僕が指さしたのは、地面に埋まっている何かでした その物体は、地面に刺さってる?って言う感じで、獣ような何かでした 「私に聞かれても困るわね・・・まあ、あれがもしかして最近現れたというフールなのかしら?」 「僕、あれ初めて見るんですけど・・・本当に生物?」 「生物に決まっているじゃない?ほら、動いてるし」 「ま、まあ確かに動いてはいますね・・・」 確かに見た感じ、なんか痙攣してるみたく、ブルブルと震えていました 「もしかして、抜けなくて震えてるのかな・・・」 「じゃあ、恵、引っ張って見なさいよ」 「ええ!?僕がですか!?」 「そうよ、さあ、ちゃっちゃとやりなさい」 「はあ・・・分かりました・・・」 僕は、そう言って、震えている何かをつかんで地面から取り出した その何かはよく見てみると、狼のような姿に、目が三つあって、かなり不気味な生物でした 「ギャオオオ!!」 その生物は、いきなり吠えて、僕に噛みついて来て、僕は驚いたのでした 「う、うわ!いきなり噛みついてきた!」 「よし、恵、そのままでいなさい!」 「え?」 そう言ったユウリさんは持ってきた鎌を構えて、その生物ごと僕の体をぶった切ったのでした 「うわあ!!僕の体ごと〜!?」 僕はマリオネットなので、痛みは全く感じてなかったけど、右腕が切られて、なんか変な感じがしたのでした 「グギャアアア!」 胴体を切りつけられた生物は、黒く変色していき、跡形もなく消え去り、その場に鉱石らしき物体が落ちていました 「鉱石を落としたと言うことは、やっぱりフールだったのね・・・」 「ユ、ユウリさん・・・」 「え〜と、この鉱石は・・・ブラッククリスタルか・・・レインボーじゃないか・・・」 「あの!ユウリさん!」 「何よ、恵」 「僕の右腕、切れたままですよ!?直して下さい〜」 「そうだったわね、ちょっと待ってなさい」 そう言って、ユウリさんは懐から、何か液体の入ったビンを取り出しました 「まさか・・・それって、前に使った?」 「そ、覚えてるなら話は早いわ、この超強力接着剤で、くっつけるわ」 そう言って、ユウリさんは、僕の腕に超強力接着剤を塗り、落ちていた右腕をくっつけたのでした 僕は、くっつけられながら、ますます人間離れしていくなあ・・・と思いました 「さあ、戻るわよ?恵」 「はい、分かりました」 こうして、フールを倒したので、ユウリさんの家に戻ると ユウリさんの妹のシオリさんが、お菓子を作ったのか、ご機嫌な表情で待っていたのでした 「お帰りですわ、お姉様」 「ただいま・・・シオリ、そのお菓子ってもしかして?」 「はい、私が作りましたわ、どうぞ召し上がってくださいませ」 「じゃあ、遠慮なく戴くわ、ありがとうね?シオリ」 「いえ、じゃあ、私は行くので、さよならですわ、お姉様」 そう言って、シオリさんはユウリさんの家から出ていったのでした 「あの、シオリさんって、お菓子作るの得意なんですか?」 「得意というか、趣味みたいなものね、あの子の、いっつも作っては、私にとか持ってくるわ」 「そうなんですか」 「せっかく作ってくれたんだから、戴くわよ」 そう言って、ユウリさんはお菓子を食べていたのでした・・・ |
|
■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集 |