錨 3 |
作者: Florrie 2011年07月14日(木) 20時12分39秒公開 ID:4CIi0q99SDQ |
「――…カカシ。私のこと好きなの?」 キリハが呟く。 結婚してくれませんか、という問いに対して返ってきた答えは、期待外れではあった。 しかし、カカシは諦めて素直に頷いた。 「…ええ、好きですよ」 …じゃなきゃ、こんなこと言わないでしょう。 自棄気味にカカシが言うと、キリハは微笑む。 「結婚したって、イイことないよ? 私、多分任務に出るし」 …そんで滅多に帰ってこないし? 結婚したって一緒にいる時間、増えないよ? それでもいいの…? 試すように、キリハはこちらを見つめている。 ――お前が錨になってやったらどうだ、カカシ。 反応を窺うように、暗部の上層部に言われた時は正直気分は良くなかったが、…試してみようか、という気になった。 キリハが、求婚を鼻で笑い飛ばすのも、結婚したところで腰を落ち着ける気なんてサラサラないだろうことも、すべて了承済みだ。 それでも。 ――つづく。 |
|
■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集 |