俺と彼女と非日常〜第六話〜俺と彼女と妹その2〜 |
作者: 零堵 2011年09月03日(土) 09時38分27秒公開 ID:LjOpF6jSo/I |
俺こと南山真琴(みなみやままこと)は、いつもと違った日常だった、まあ何故かと言うと、いつもと同じように家を出て、いつもと同じように俺の通っている学校、山之辺高校に辿り着く、まあここまでは、いつもと同じなんだが、今日は違っていた・・・何故かと言うと、昇降口で俺の悩みの種でもある、汐崎美咲(しおざきみさき)が、「今日のお昼、屋上に来てください」と言って来たからだ、だから俺は言われたとおりに、お昼の時刻、学校の屋上へと向かったのだった 屋上に向かうと、春の日差しがかんかんに照り付けていて、ちょっと暑く感じたりもしている、その屋上にいたのは、俺を呼び出した人物、汐崎美咲だった 「待っていました、南山さん・・・私、来ないかとおもっちゃいました」 いや、断ったらどうなるか判っていたから来たんだが・・・何故なら彼女は、ファンクラブまである大人気、その彼女の誘いを断った事をファンクラブのメンバーに知られたら、何されるか判らなかったからな? 「で・・・一体、自分に何の用・・・」 俺は、そう聞いてみた、すると彼女はこう言って来た 「実は、これを貴方に食べてもらいたくて、来てもらったんです」 そう言って俺に渡してきたものは、お弁当箱らしき物体だった 「え?お弁当・・・?」 「はい、貴方の事をおもって、朝五時から一生懸命作ったんです、友達も言ってましたし「ガンガンアタックしていったら?」と、だから受け取って下さい・・・」 そう顔を赤くしながら言ってきた、さてどうしよう・・・これが普通の男なら一発で「よろこんで受け取ります」とか「ありがとう!」とか言うだろう、普通ならばだが? だが俺は普通の男じゃないし、まず汐崎美咲と同姓、まあ女の子な訳であって、よろこんで貰う理由がないんだよな・・・、別に女の子大好き!とかじゃあないし・・・ 「えっと・・・自分のお弁当あるし・・・」 そう、俺は教室にある自分のかばんの中にお弁当を持参していたのだ、ちなみにこの山之辺高校は、給食が無く購買部で買うかお弁当を持参して来るのが当たり前になっている、ちなみに俺は弁当持参派だ、自分で作ってはいないけど 「そのお弁当ってもしかして・・・彼女に作って貰ったんですか!?」 言ってる事がおかしいよ!?何故俺が彼女がいるとか思われてるんだ? 「い、いや、普通に家族だけど・・・」 「何だ・・・そうですか・・・、良かったです、もし貴方に彼女がいたら即刻別れさせようと思ったので・・・」 怖いよ!何この子! 「じゃあ、これ・・・貰ってくれますよね・・・?」 「う、うん・・・とりあえず・・・ありがとう」 「いえ、貴方によろこんで貰えてよかったです、あ、あの・・・」 「何・・・?」 「貴方の事、まこって呼んでいいですか?貴方にむかって、栗谷さんがそう呼んでるのを聞いたので」 「ま、まあそれぐらいなら・・・」 「ありがとうございます!じゃあ私の事も美咲と呼んで下さいね?」 そう笑顔で言いやがりました、男が見たら一発で惚れちゃいそうな笑顔で 「そ、そう・・・じゃあ美咲さんと呼ぶよ・・・」 「出来れば呼び捨てで呼んで欲しかったんですけど・・・まあ、いいでしょう、あ、じゃあ私、戻りますね?」 そう言って、美咲は屋上から出て行った、残された俺はと言うと、この弁当を食べるか、教室に戻って持参している弁当を食べるかそう迷っていたのであった・・・ そして放課後、結局俺は美咲に貰った弁当と持参していた弁当を両方食べる事にした 美咲に貰った弁当の中身を見て驚く、何故ならご飯の上に「LOVE」とハートマークが書かれてあったからだ、うん、かなり恥ずかしい、人に見られたら死にたくなるような恥ずかしさだろ?これ・・・ だから俺は人に見られないように隠しながら、両方のお弁当全て完食した、ちょっと食いすぎてお腹痛くはなったけど・・・ そして授業も終わり、帰り支度をして家に帰って、ただいまと言うと 「お帰り〜お姉ちゃん〜」 そう言って来たのは、俺の妹である、南山亜季(みなみやまあき)だった、年はそんなに離れてなく、中学生である 「うん、ただいま」 「どうだった?私が作ったお弁当」 そう、俺は亜季にお弁当を作って貰っていたりしていたのだ、普通なら親や自分で作るのだが、何故か亜季が「お姉ちゃんのお弁当は私が作る!」と宣言して、実際に作って貰っている まあ、亜季は俺と違って料理が得意なので、助かっていたりもしている 「美味しかったよ、いつもありがと、亜季」 「ううん、お姉ちゃんに喜んで貰えて嬉しいから、毎日作るね?」 うん、お姉ちゃん思いの良い妹だよな、良い意味で そう言って自分の部屋に向かおうとすると 「お姉ちゃん・・・これ何?」 そう言って亜季が指差したのは、美咲に貰ったお弁当箱だった 「あ、これは・・・その・・・お弁当箱」 「何で、お姉ちゃんがお弁当箱持ってるの?私が作ってあげてるのに・・・?」 あの・・・笑顔でそう言ってるけど、なんていうか雰囲気がどす黒く感じるのは気のせいなんだろ〜か? 「え〜と・・・その、貰っちゃって」 俺は正直に話した 「誰から?」 「同じクラスの女子から」 「!、お姉ちゃん!」 「は、はい!」 「もうそういったのを貰ったら断って!私が作ってあげるんだがら!」 「う、うん」 「お願いね!」 「判った・・・」 「じゃあ、明日もその先もず〜っと私が作るからね!」 なんか独占されてる気分になるのは気のせいだろ〜か?まあ助かってるから別に問題は無いと思う・・・ こうして、俺の少し違った日が終わりを告げたのであった・・・ |
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