千羽鶴-三章 千羽鶴 -(薄桜鬼二次創作 平千 SSL) | |
作者: 林檎頭巾 2011年11月12日(土) 14時57分20秒公開 ID:sTYIRFezUnY | |
千羽鶴が完成したのは、鶴を折り始めてから約5日後のことだった。皆の協力のお陰で、かなり早く完成した。 今、完成した千羽鶴は大きめの紙袋に入っている。それを提げて、藤堂は千鶴がいる病院へと向かっていた。学校からはさほど遠くない場所だ。 歩きながら、藤堂は考えていた。千鶴と会う時に、どんな顔をすればいいのかを。 千鶴は、怒るかもしれない。けれど、藤堂にとってそれはどうでもいいことだった。 彼女の顔さえ見ることができたら、十分だと思っているようだから。 受付で千鶴の病室を訊ねてから、藤堂は教えられた場所へと向かった。彼はまだどんな顔をして千鶴に会えばいいのだろう、と考えている。 考えているうちに、千鶴の病室の前まで来ていた。藤堂はドアの前で一つ、深呼吸してからコンコン、とドアをノックしたが、返事は無い。 (……?) 不審に思った藤堂はそっと引き戸を開け、中へと入った。 部屋には、最低限の調度品が置かれている程度で、無駄なものは何一つ無い部屋だ。 その部屋で、千鶴は眠っていた。すう、と寝息の音が聞こえる。 (寝てんのか…。道理で返事が無い訳だ……) 藤堂は千鶴の枕元に向かい、彼女の寝顔を見つめ、その頬に、髪の毛がかかって邪魔そうだな、と思った。 藤堂は眠っている患者を起こさないようにそっと頬にかかった髪を掃ってやった。 ⇒To Be Continued... |
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