千羽鶴 -終章-(薄桜鬼二次創作 平千 SSL) |
作者: 林檎頭巾 2011年11月17日(木) 19時59分58秒公開 ID:sTYIRFezUnY |
暖かい陽射しが外には降り注いでいる。私は平助君と一緒に病院からの帰り道を歩いている。 私は今日、無事に退院した。平助君が病院まで迎えに来てくれて、着替えや千羽鶴が入った鞄を私の代わりに持ってくれている。 「私、鞄くらい自分で持てるのに」 ふて腐れたように言う私を平助君は見ながら駄目だ、と言った。 「お前、まだ病み上がりだろ?無理すんなって」 「む…無理なんてしてないよ!」 「激しい運動はしばらく禁止。だったんじゃねーのか?結構重量あるからな、これ」 「う……」 平助君の正論に私は何も言えずに黙ってしまう。 「ま、何はともあれ、良かったな。無事に退院出来て」 私の隣を歩きながら平助君は呟く。それが嬉しくて、私は自然と彼にありがとう、と返していた。 「平助君達が作ってくれた千羽鶴と、皆さんがお見舞いに来てくれたお陰だよ。本当にありがとう」 「礼なんていらねーよ。あ、そうだ千鶴。もう少し、お前に体力が戻ったら、オレと一緒に出掛けようぜ。行きたい所に連れてってやるからよ」 彼はそう提案してくれた。こんな提案を、私が断る訳ない。 「うん、約束だよ」 私は空いている平助君の手を握る。彼もぎゅっと私の手を握り返してくれた。 私は大好きな人と手を繋いでいる。自分から繋いだのに、少し恥ずかしい。 それはきっと、彼も同じ。 私は平助君には聞こえない程度の声で、大好きだよ、と呟いた。 |
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