しゅごキャラ!キュンキュン 第二十三話 第二章 「進展する関係 〜歌唄の恋〜」 |
作者: My heart egg 2016年09月25日(日) 13時46分37秒公開 ID:dJ/dE12Tc8A |
しゅごキャラ!キュンキュン23-2 第二十三話 第二章「進展する関係〜歌唄の恋〜」 ここは小さな楽器店。ここでは一人の女性が歌を歌い終わり、休憩を取っていた。彼女の名は、ほしな歌唄。本名を月詠歌唄といい、上には兄、月詠幾斗がいる。彼女の周りにはたくさん男性がいる。まず、彼女の兄である月詠幾斗。次に、付き合っている男性である相馬空海。また時々だが、いとこの二人、辺里唯世と日黒光輝が近くにいることがある。ここで歌唄は悩んでいた。今年はどのようなチョコをあげようか、と。 イル「歌唄、もう帰ろうぜー」 歌唄「……ねぇ二人とも。ちょこっとした買い物に付き合ってくれる?」 イル「はぁ?疲れてるんだけ」 エル「行きましょう!ちょこっとした買い物、つまりチョコレートの材料を買うのですね?」 歌唄「ち、違うわよ!き、今日の晩御飯の材料よ!」 エル「いいえ、嘘をついてもダメなのです。さぁレッツゴーなのです!」 歌唄も何も言えなくなったので、これ以上何も言わず、準備に取り掛かり始めた。その時、控室のドアがノックされた。歌唄は返事をして、それに応えた。現れたのは意外な人だった。 ??「よっ!久しぶりだな」 歌唄「空海!?」 空海「ああ俺だ。何もそんな驚かなくてもいいじゃねーか。ほら、花束」 歌唄「わっ!ちょっと!普通花束投げて渡す!?あんたバカじゃない!?」 歌唄は急に花束を渡された(しかも投げ渡された)ことを怒った。だが空海はまるで言い返しをするかのように、ズカズカとこちらへ近づいてきた。 歌唄「な、何よ。謝っても許さな」 歌唄はその後何も言えなくなった。空海から唇を奪われたからだ。また強く抱きしめられたこともあり、身動きも出来なかった。空海の行動の一部始終を見ていた三匹のしゅごキャラは興奮するばかりだった。さらに空海は歌唄にこう言った。 空海「歌唄、やっぱお前の歌はすげーよ。胸にキュンときた。お前みたいな天使が、俺の彼女でホント良かった」 歌唄「空海……」 歌唄は抱きしめるのを強くした。しかしそれは空海を苦しめた。歌唄は首を強く締めたからだ。 歌唄「あんなんであたしが許すか、バカ!バカバカバカバカバカ!」 空海「ギブ!ギブギブギブギブギブ!俺が悪かった。ラーメン奢るから!」 歌唄は首を締めるのを止めた。そういえばお腹も空いていた。 歌唄「なら、にんにくラーメンの麺硬め、ネギ特盛、チャーシュー三つ追加したものを奢って貰おうかしら」 空海「いろいろ頼むな」 歌唄「何か文句ある?」 空海「いえ……」 歌唄「それじゃ行きましょ?」 歌唄は笑顔でそう言った。 歌唄(ラーメン食べれば、チョコ作りの悩みも少しは晴れるわよね。さぁて食べるわよー) 一方、日黒家では幾斗が何かを作っていた。その時、居間のドアが開く音がした。 幾斗「誰だ!歌唄か!?」 光輝「僕だよ。ただいま」 幾斗「何だ光輝かよ。脅かすなよ」 光輝「あぁごめん兄さん………ん?なんかいい匂い……この匂いは……チョコレート!?」 幾斗「くっそ、ばれたか」 光輝「幾斗兄さん!お願いします!僕にチョコの作り方を教えて下さい!」 幾斗「な、何だと?いや待て、教えて貰うならスウィッシュにしろ」 光輝「いや。スウィッシュからは手を借りない。キャラチェンジもせず、自分だけの力でチョコを作るって決めたんだ!」 幾斗「俺の力は借りるのか…まぁいいぜ、いろいろ教えてやる」 光輝「ありがとうございます!よろしくお願いします」 幾斗「やれやれ、それじゃまずこの作業からな」 これから日黒家では幾斗と光輝のチョコ作りが始まろうとしていた。 一方、歌唄と空海はラーメンを食べていた。そこで二人はある人物を見かけた。 歌唄「ねぇ空海」 空海「ん?どうした?」 歌唄「あそこにいるの、光輝よね?」 空海「ん〜?……マジだ。あいつ一人みたいだな」 歌唄「声かけてみる?」 空海「ん〜。声かけてみるか」 そう言って空海は光輝に近づく。光輝はただラーメンを食べていた。 空海「よっ、光輝」 光輝「わっ!空海、先、輩?」 空海「おぉそうだ。部活終わりのラーメンか……いいじゃねーか」 光輝「今日から発売の、ブラックムーンと呼ばれるラーメンです。真っ黒なスープに浮かぶ卵の黄身。まさに名前の通りですよ」 空海「へぇ、うまそうじゃねーか」 光輝「ところで、ここだけの話ですけど、バレンタインチョコ、作るんですか?」 空海「逆チョコってやつ?そうだな、歌唄に感謝の気持ちを届けるのもいいかもな」 光輝「いいじゃないですか。言葉と物で伝えれば、絶対伝わりますよ」 空海「そうか……やってやろうかな」 光輝「やった!一緒に頑張りましょうよ!俺も俺で作りますから」 空海「そうだな。あ、やべ、まだスープが残ってたんだった。わりー、俺戻るわ。じゃあな」 光輝「先輩、待って下さい!良ければこのビターチョコ、使って下さい!」 空海「お、サンキュー。チョコ作り、頑張ろうな」 光輝「はい!」 光輝は空海が席に戻るのを手を振って見送った後、スープを飲み干し、店を出て、近くの狭く暗い路地に入り、そのまま暗闇の中に消えた。彼の到着した場所はエッグメーカー社。そこでは玉名一彦が帰りを待っていた。 一彦「お帰りなさいませ、御前」 光輝はただ笑っていた。 |
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