しゅごキャラ!キュンキュン 第二十九話「re_birth、始動!」 |
作者: My heart egg 2017年04月10日(月) 14時14分39秒公開 ID:nBnmuT8fVXE |
しゅごキャラ!キュンキュン29 新たに登場する組織 re_birth エッグメーカー社の中で、真・エンブリオ捕獲を目的に立ち上げられた組織。現在知られているのは、コロナ=コロナ(御前)、アッシュ=玉名一彦、ホワイトスノウ=松野雪菜の三人。 第二十九話以降の新たな登場人物 アサン ガララが持つこころのたまごから産まれたしゅごキャラ。封印されている羽を持つ。力は凶悪だという。 第二十九話「re_birth、始動!」 re_birthという組織が作られたのは、年始ごろで、玉名一彦の青年時代を元にしたクローン、骨川骸の製作がまだ途中である時だった。 コロナ「一彦、真・エンブリオ捕獲はまだなのか?」 一彦「はい。見つからないままです」 優子「昨年一年間、腐卵を出しましたが、エンブリオになるものは無く…」 コロナ「…………」 一彦「しかしお喜びください。エンブリオ反応がこの地域に二つ存在するのです!」 コロナ「誰が持っているか掴めたか?」 一彦「いえ。しかし、怪しいと思われる者はおります」 コロナ「ほぅ、誰だ」 優子「誰なの、パパ」 一彦「日黒光一とひかりの間にできている二人目の子供、日黒煌という者です。エンブリオを手にしたという奇跡を起こした二人の子供にも、同様の奇跡が起こるとも考えられます」 コロナ「なるほどな。彼を見つけるのか?」 一彦「すでに手は打ってあります」 コロナ「では行動に移せ。抜かるなよ」 一彦「御意」 コロナ「それと、ここから別件なんだが……優子、席を外してくれるか」 優子「わかりました」 ここで優子が部屋から出た。 一彦「何でしょうか、別件とは」 コロナ「エッグメーカー社内で、新たに組織を作ろうと思う。その名前が決まらなくてな」 一彦「エッグメーカー社の中に、組織ですか」 コロナ「そうだ。何かいい名は無いか」 一彦「そうですね。re_birthはどうでしょうか」 コロナ「re_birth……か。再誕という意味だな」 一彦「そうです。イースター社の支配を終わった私達は、新たな技術を使い、再誕しました。御前がいるのもそのおかげですし、優子の腐卵を抜き出すことも、イースター社の者達が誰もしなかったこと。そして、クローン人間の作成、こころのたまごのクローン、偽たまを作ったのも私達です」 コロナ「なるほどな。では、そのre_birthにしよう。ならば次は、コードネームだな」 一彦「ふふふ、考えるのが楽しいですな。御前はコロナのままでよろしいのでは?」 コロナ「そうだな。俺もこの名のままで良いと思った。なら、お前はどうだ、一彦」 一彦「そうですね、アッシュはどう思いますか?」 コロナ「アッシュ……灰っていう意味だが、それでいいのか?」 一彦「アッシュには灰っていう意味もありますが、遺骨っていう意味もあります。燃え尽きても残る、という意味でアッシュとします」 コロナ「なるほどな。ならそうしろ。期待しているぞ、アッシュ」 一彦「御意」 こうしてre_birthが誕生し、二月に彼らは日黒煌と日奈森あみを誘拐した。そして現在、彼らがしようとしているのは………ガララ=アジャールの利用だった。 パーティが終わり、誰もいない家で一人ホッとしていたガララは、持っていたこころのたまごが動き出したのを確認した。 ガララ「ついに、産まれるのか…」 ガララがそう言った直後、たまごが割れ、しゅごキャラが現れた。とても禍々しく、恐ろしいキャラだった。 アサン「俺の名はアサン。共に新世界を作ろう、ガララ」 アサンは小さな手をガララの前へ差し出した。ガララは力がみなぎるのを感じた。 実はこうなったのには、理由があった。それはガララが唯世と別れ、一人で家に帰っていた時のことだ。一人になったガララはその時、リリスと名乗る女性と、ムーンナイトと名乗る男性に出会い、こころのたまごを貸してくれと二人に言われ、たまごを渡した。その後二人はたまごを孵す手伝いをし、困ったことがあったら尋ねろと、一枚の名刺を渡して去った。二人の手伝いによりガララの心は闇に染まり、アサンが産まれるきっかけとなった。 ガララが力を感じていた時、後ろでドアが開く音がし、帰宅者が口を開いた。 ??「ついに産まれたのね、ガララ君」 ガララ「お帰りなさい雪菜さん……いえ、今はホワイトスノウと呼んだ方がいいですか?」 雪菜「フフッ、誰にその名前を教えてもらったのかしら?」 ガララ「…………」 雪菜「まぁいいわ。それを孵したことで、あなたにはここで為すべきことが出来たわね。それを為すまであなたは帰れない。私があなたたちのことを頼まれたのは、あなたを手伝うため。それを忘れないことね」 ガララ「エンブリオは俺が見つける。お前達組織には、渡さない」 そう言ってガララは家を出た。外はそろそろ暗くなる。彼が行く場所は知れているので、雪菜はあえて止めなかった。 雪菜(フン、なによあの態度。これが闇の力だ、とでも言いたいのかしら。私だって……もう一度力を持てるなら、心を闇に委ねるわよ………) ムララ「ただいま。遅くなってごめんなさ……あれ?お兄ちゃんは?」 雪菜「あら、お帰り。ガララ君は、さっき出かけたわよ」 ムララ「もぉ、お兄ちゃんったら、どこ行ったんだろ」 雪菜「すぐ帰ってくるわよ、きっと」 雪菜はそう言いくるめて、台所へ立った。 一方その頃ガララは、唯世と光輝の二人といた。 ガララ「とある二人組が教えてくれた。エンブリオのことはタダセとコウキに教われ、と。さぁ、知っていることを教えろ!」 光輝「おい唯世!お前とガララ、パーティの時にすごく仲良く話してたよな?どうなってるんだ?」 唯世「まるで、操られているようだ。光輝君!僕の買い物の荷物、家に置いてきてくれる?」 光輝「それ今言うか?それにお前、ガララと戦う気じゃないよな?」 ガララ「さっさと教えろ」 唯世「………戦うつもりだよ」 光輝「まじかよ………もう、分かったよ!荷物置いたらすぐ来るからな!」 光輝はダッシュで光輝の家へ向かった。 ガララ「あの帰り道で、タダセは買い物に行くって言った。だから俺も上手くいけば会えると思ってた。あれだけ仲良くなったんだ、エンブリオのことも教えてくれるよね?」 唯世「エンブリオは、見つからない」 ガララ「それだけか?違うな。世の中には真・エンブリオがあるという話じゃないか」 唯世「それは、分からない。今までそれを手にした人はいないからだ」 ガララ「嘘だ。本当の話じゃ、それを手にした人が今までに二人もいるって聞いたぞ」 唯世「それは…………」 ガララ「もういいよ。君に話をしたのが悪かった。リリスとムーンナイトの二人が正しそうだ」 唯世「リリス?ムーンナイト?誰のことだ」 ガララ「真実を教えなかった者に、そのことは教えられない。その代わり、別のことは教えよう。アサン、キャラなりだ!」 アサン「ちゃんとした力が出せればいいけどな…」 唯世「だいたい予想していたよ。こんな怖いガララ君には、それ相応のしゅごキャラがいるだろうなって。行くよ、キセキ!」 キセキ「行くぞ、唯世!」 ガララ「俺の心、アンロック!」 唯世「僕の心、アンロック!」 月も出ていない闇夜に真っ白な光と紫色の光が輝き、二人はキャラなりを始めた。王子同士の戦いが、始まろうとしていた。 |
|
■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集 |