しゅごキャラ!キュンキュン 第三十話「地獄の凶王子」 |
作者: My heart egg 2017年04月10日(月) 14時41分14秒公開 ID:nBnmuT8fVXE |
しゅごキャラ!キュンキュン30 第三十話「地獄の凶王子」 ガララ「キャラなり、エヴィルルシフェル、フェイタルフォーム」 唯世「キャラなり、プラチナロワイヤル」 二人のキャラなりは、まるで正反対だった。唯世の服装はキラキラと輝いていたが、ガララの服装はボロボロで、傷だらけであった。背中には翼が生えているのだが、胴体に鎖が巻かれていて動かせず、さらに鎖には棘がついているので、自傷行為にもなっていた。ガララはキャラなり時から致命的であった。 唯世「ガララ君、なんという姿に!」 ガララ「俺は、このままで……構わない!!オブリビオンミューティレーション!」 ガララは傷だらけなのだが、それでも動き始めた。ついには武器まで持ち、唯世に攻撃を開始した。その一撃は非常に重く、剣の一振りを受けただけで、唯世の武器は壊れてしまった。 唯世「なんて威力だ」 ガララ「もう一度!オブリビオンミュー……?!」 ガララは自身の傷の深さに耐えられず膝をついた。 唯世「ガララ君!もう戦うのはやめよう!」 ガララ「うるさい!だったらお前は、話して……くれるのかよ!」 唯世「それは…出来ない!」 ガララ「ならば、口を割ってもらうまでだ!!」 ??「そうはさせない!俺の心、アンロック!」 ??「俺の心、アンロック!」 そこへ二人の少年が駆けつけた。日黒光輝と藤田健だ。 光輝「キャラなり、フォーチュネイトクーリッシュ!」 健「キャラなり、ミコトスピリッツ!」 ガララ「ちょうどいい。コウキ、お前にも……見せてやる。アサン、フォームチェンジだ」 アサン「頃合いだな。行くぞ!」 その時突然、ガララは灼熱の炎に纏われ、フォームチェンジを始めた。ガララが身につけていた鎖は切れ、背中に生えている黒翼が姿を現した。 ガララ「エヴィルルシフェル、アンロックフォーム!」 光輝「アンロックフォーム……何かを解き放ったのか?」 ガララ「これが俺の真の姿。あの傷だらけの姿は、力をためるために見せた偽の姿だ。行くぞ!ダークアンジュレーション!」 唯世「ならばこちらも、ホーリークラウン!」 光輝「やめろ唯世!」 唯世は光輝と健の前に立ち、技を放った。そして、ガララの闇と唯世の光が衝突を始めた。 ガララ「残念だが、貴様の負けだ、タダセ。光は闇に飲まれる運命なんだよ!」 ガララの言葉と同時にガララの技はどんどん強さを増した。そして、闇は光を飲み込んだ。 光輝「唯世ーー!!」 光輝の声はもう、唯世には届かなかった。ガララの放った技は相手を永遠の闇に閉じ込める技だった。こちらから技を放たない限り、唯世は出られないのだ。 光輝にも健にも為す術がなかった。その時、 唯世「ドーントゥグローリー!!」 闇の中から唯世の声が聞こえたと同時に光がその場を包み込んだ。あまりの眩しさに盲目になってしまったガララは立ち尽くした。そこへ唯世の必殺技が当たった。 光輝「唯世!!」 健「すごい!唯世君が戻ってきた!」 光輝「チャンスは今しかない。健君!コラボ技だ!」 健「よし、行くぞ光輝!」 二人「ダイヤダストスパークル!!」 唯世の必殺技が当たったところへ二人の技も当たり、ガララは倒れ、キャラなりを解いてしまった。それと同時に、唯世も疲れにより倒れこんだ。そこへ光輝と健が駆け寄った。 光輝「唯世、しっかりしろ!」 健「光輝。唯世君は休ませよう。それよりもあっちの方が……」 健は疲れ切ったガララを指差した。 ガララ「チッ。まさか闇の中から出てくるとは……もう少しだったのに!」 ガララはもう一度キャラなりしようとした。そこへそれを止める者が現れた。 唯世「あれは、幾斗兄さんと歌唄姉さん?」 光輝「違う。あれは、俺たちの知る二人じゃない」 二人は無言でガララを連れ、どこかへ行ってしまった。光輝と健も、深追いはせず、唯世に付き添ってあげた。 一方、ガララは真っ暗な場所で目を覚ました。 ガララ「ここは、どこだ?」 ??「お目覚めのようだね、アジャール王国の王子」 誰かの声がした途端、ガララとその声の主がいる所だけ明かりが点いた。 ガララ「お前、誰だ!」 一彦「我が名は玉名一彦。またの名をアッシュ。君の仲間だ」 ガララ「仲間?お前もエンブリオを狙っているのか?」 一彦「そうだ。私はボスであるコロナ様に献上するために、エンブリオを探している」 ガララ「そうか。俺には関係ないな」 一彦「待て待て。まぁ話を聞け。エンブリオは、一人の願いを叶えたらそれで消えるわけではない。君の願いも叶えてもらえるさ。しかし、そのエンブリオを見つけるには、我々だけでは力不足だ。そこで偉大な力を持つ君に力を貸して欲しいのだよ」 ガララ「ふん、誰が仲間になどなるか」 一彦「仕方ない、ここはやはり彼女に任せるか。来たまえ、雪菜君」 一彦が雪菜を呼ぶと、一彦の背後から足音が聞こえ、雪菜が現れた。 雪菜「お呼びでしょうか、アッシュ様」 一彦「ガララ君の話し相手になってやれ。私は席を外す」 一彦はそう言って消えた。それから少し沈黙が流れた後、雪菜が先に口を開けた。 雪菜「ふぅ。帰ってくるのが遅かったから、探したじゃない」 ガララ「すいません……」 雪菜「それにしても、一人でエンブリオを探そうとするなんて、その考えが間違ってたわね。言ったでしょう、頼まれたのはあなたを手伝うためだって」 ガララ「………………」 雪菜「今後はちゃんと、アッシュ様の言う通りに動きなさい」 雪菜はそれだけ言うと、出てきた所へ戻りに行った。しかし、それをガララは許さなかった。 ガララ「待て!俺はアッシュとかなんとかの命令は絶対に聞かないぞ!俺がエンブリオを手にしても、あいつが横取りするに決まっている!だから……っ!?」 ガララはどこかに痛みを感じたため、話すのをやめ、怪我をした部分に触れた。少量ではあったが血が出ていた。ガララが傷口に触れた時、雪菜はこう話した。 雪菜「あなたが技を出して、私が戻るのを止めようとしていたのはだいたい予想がついていたわ。言っておくけど、大人には逆らわないことね。そして……あの方の名を軽々しく口にするな」 雪菜の声には少し怒気が含まれていた。雪菜は早歩きで去って行った。部屋にはガララがいる所のみ明かりがついていた。ガララが口を開けることは、無かった。 |
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