しゅごキャラ!キュンキュン 第三十五話「アジャール家の秘密」 |
作者: My heart egg 2018年02月20日(火) 15時59分13秒公開 ID:y.W.qTLzo2E |
しゅごキャラ!キュンキュン35 第三十五話「アジャール家の秘密」 三人の男達の決意が固まった翌日の松野家の玄関では、二人の少年が友人が出てくるのを待っていた。二人の少年、光輝と唯世が、友人であるガララ=アジャールを迎えた時、唯世はガララが手にしているものに興味を持った。 唯世「ガララ君、それは何だい?」 ガララ「これは、蛇龍のお守りと言って、父が僕に渡してくれたんだ。このお守りの中には、蛇龍ガリュアジュラという、僕の国の守り神の歯の化石が入っているんだ。これを持っていれば、ガリュアジュラ様が僕を守ってくれる、そんな気がするんだ」 光輝「蛇龍ガリュアジュラ…きっと凄い龍だったんだろうな」 ガララ「僕は決めたんだ。二人と一緒に戦うって。もう闇の力に頼らないって!!」 唯世「うん、行こう!一緒にエッグメーカー社を倒そう!」 光輝「唯世、始めるぞ」 唯世「うん。お待たせ、光輝君」 二人「僕(俺)の心、アンロック!!」 光輝の合図で二人はキャラなりを始めた。そして三人はエッグメーカー社へ向かった。 一方、エッグメーカー社玄関では、ガララが持っていたキャラのアサンと、そのキャラの使用者がいた。エッグメーカー社はいつの間にか、ガララのクローンを作っていたのだ。 そこへちょうど、三人が辿り着いた。 闇ガララ「僕は、君たちを、通さないよう言われている……ここから、立チ去レ!!!」 光輝「やはり気付かれていたか。仲間を集めた方が良かったかな」 唯世「仕方ないよ。ここは二人で行こう。ガララ君は離れていて」 闇ガララ「ゴチャゴチャうるさい!ダークアンジュレーション!!」 防御態勢をとっていなかった二人と逃げようとしたガララは大ダメージを受けた。 闇ガララ「まだまだ!アビスダークスロー!」 さらに相手は追い打ち攻撃をガララに仕掛けた。技を受けたガララは地面に作られた大きな影に飲み込まれてしまった。 闇ガララ「あいつは影にでも閉じ込めておけばいいだろう。さぁ、戦いを続けようぜ!」 唯世「ガララ君になんてことを!ドーントゥグローリー!!」 唯世はガララが飲み込まれた場所に技を放ち、ガララを助けようとした。しかし何の意味もなかった。 唯世は、怒りを露わにし、敵への攻撃を続けた。 闇ガララ「怒れ怒れ。それがお前の本当の姿なんだろ?ならば、その怒りで心を闇に染めあげろ!!」 光輝「やめろ唯世!やめてくれ!」 唯世は光輝の言葉に耳を傾けず、相手に攻撃を与え続けた。 一方その頃、ガララは暗闇の中に一人でいた。その中で彼は、突如聞こえてきた声に苛まれていた。 ???「我が息子よ、強くなれ。兄を越えるのだ。私は本当は、お前に王位を与えたい」 ???「ガララ。無理をしてはダメよ?出来ないなら出来ないと言ってもいいの。母がいるから、子供のあなたが頑張りすぎては体を壊すわ」 聞こえてきたのは、父であるアジャリア王国の国王ドララと母である王妃マララの声だった。ガララは二人と話すことが嫌いだった。二人の声が聞こえなくなるよう、ガララは耳を塞いだ。 両親の声が聞こえなくなったので、安心したガララだが、そのすぐ後に、二人の男性の声が聞こえた。 ???「ガララよ。俺の可愛い弟よ。俺は父から、ガララに王位を譲ってやれと言われた。俺は、父の命に従おうと思う。お前はすごい。俺には無いものを持っている」 ???「そうだぜガララ。お前は胸を張っていいんだ。俺たち兄は、今ここでお前を認めた」 二人の男性の声の正体は、第一王子ジララと第二王子ダララだった。ガララは兄の声も聞きたくなかった。ガララはもう一度耳を塞いだ。 兄たちの声がしなくなった後に聞こえてきたのは、さらにガララを苦しめる声だった。聞こえてきたのは、最近までの自分の声。友達を傷つけていた自分の声。re_birthに力を貸していたあの時の自分の声。 ガララはこれ以上嫌な声を聞きたくなかった。そこで、蛇龍のお守りを取り出して握った。 ガララ(ガリュアジュラ様、僕をお守りください。僕はもう、闇に囚われたく無いのです……光を、この手に!僕に、光を!!) ガララは祈った。すると、蛇龍のお守りが光り始め、ガララはその光に包まれた。そしてそのまま、地上へと向かった。 その地上では、光輝が暴走状態の唯世を止めようとしていた。なんと、唯世のこころのたまごが、黒く染まりかけていたのだ。唯世の力は強く、光輝一人では無理だった。力尽きた光輝は、唯世に剣を向けられた。 光輝がもうダメだと思ったその時、地下から一つの光の柱が現れた。光はどんどん収縮していき、一人の人間が姿を現した。そこにはガララがいたのだが、その姿はガララには見えなかった。そんな彼は身につけていたブレスレットを空にかざし、こう言った。 ガララ「出でよ、ガリュアジュラ!!」 ガララは自分の故郷の守り神である、蛇龍ガリュアジュラを呼び出した。 光輝、唯世は何も言えなくなった。ガララが自分で相手の技から抜け出したり、変わり果てたガララの姿や、大きな龍を見て、声を出せなくなった。 さらにガララは、もう一つすごいことを始めた。 ガララ「我が身に纏え………龍装!ガリュアジュラ!」 ガリュアジュラは咆哮で呼応し、魂と肉体を分離した。肉体は消え、残った魂はガララへ入った。ガララはガリュアジュラの力を纏い、龍神の力を得た。 長い尻尾を持ち、緑と橙を合わせた色の服を来たガララは、鋭い目付きで相手を睨んだ。 ガララ「バインドテイル!」 敵を怯ませたガララは素早く龍の尾を長く伸ばし、その尾で相手を縛った。 ガララ「二人とも、今だ!」 ガララは一旦退き、唯世と光輝に攻撃するよう促した。 唯世「ホワイトデコレーション!」 まず唯世が相手の心を浄化させた。次に動いたのは光輝だ。 光輝「ロックアンドブレイク!」 光輝は浄化された偽たまに、即座に攻撃を与えた。おかげで偽たまは壊れ、クローンのガララも消滅した。 光輝「手強い相手だった…」 唯世「光輝君、ごめん。僕が暴走したばっかりに…」 光輝「気にすんな。さぁて、決着をつけるか」 ガララ「待って。ここから先は、僕一人で行ってくる」 唯世「大丈夫なの?」 ガララ「平気だよ。本当の自分を取り戻したんだから」 唯世「……分かった。気をつけてね」 ガララ「うん。ありがとう」 そう言って、ガララは一人でエッグメーカー社のロビーへと向かった。 その時、突然巨大な氷がガララの前に飛んできた。 ガララは間一髪でそれをかわし、頭上を見上げた。そこにはガララが一番よく知る人がいた。 雪菜「コロナ様は相当お怒りよ。これからどうするつもり?」 ガララ「邪魔をするな!俺は進む!」 雪菜「待ちなさい!」 雪菜は高速で降下し、ガララの前に来た。 雪菜「ガララ君……覚悟しなさい」 雪菜は力を込め、技を出そうとしている。 それを見た唯世と光輝も武器を出した。ガララも攻撃態勢を取る。 エッグメーカー社の玄関で、またしても緊迫した空気が流れ始めた瞬間だった。 |
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