しゅごキャラ!キュンキュン 第三十六話「雪菜の気待ち」
作者: My heart egg   2018年03月30日(金) 18時06分51秒公開   ID:YVywAsc0v5U
しゅごキャラ!キュンキュン36

新たに登場する人物
ユキメ
雪菜が持っている偽たまから現れたしゅごキャラ。元々は雪菜が小学生の時にいたもの。生まれた時から少し闇の力があるので、昔も今もキャラチェンジした時の力だけで戦っている。

第三十六話「雪菜の気持ち」
あれから数分が経った。動きに変化が見られたのは、意外にも雪菜の方だった。なんと彼女は、武器を捨てたのだ。
雪菜「ガララ君……私の負けね」
雪菜の言動に、唯世と光輝は少し驚いた。あのままガララを傷つけるのではないかと、二人とも恐れていたからだ。
雪菜は少し間を置くと、また話し始めた。
雪菜「私、エッグメーカー社に入る前から、力を持っていたわ。それは、私がキャラ持ちだったから」
ここで唯世と光輝はさらに驚いた。
雪菜は二人が驚くのは関係なしに話を続けた。
雪菜「あれは、一昨年のことだった…」
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一昨年の冬、それはイースター社がエンブリオ捕獲計画に力を入れていた頃だ。その時イースター社では、ルル、歌唄、幾斗が×たま狩りに力を入れており、イースター社もこころのたまごを×たまに変えられる人を求めていた。募集要項を見た松野雪菜はユキメというしゅごキャラを持っていたので、即座にイースター社へと向かった。
しかし、そこで雪菜に告げられたのは、
「君は不必要だ」
この一言だった。
雪菜は知っていた。自分が持っているしゅごキャラには、少し闇の力があるということを。
そこで雪菜は、イースター社に見つからないよう、サポートをすることにした。
だが、あむ達ガーディアンは雪菜のサポートの効果を軽々と弱め、幾斗と歌唄を元の二人に戻していったのだった。
そして、イースター社が終わったと聞いた雪菜は、ユキメのしゅごたまを壊したのだった。
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話を終えた雪菜は、涙を流していた。
雪菜「イースター社が終わった後、エッグメーカー社が出てきたから、そこでなら力を発揮できるだろうと考えた私は、まずは自分でもう一度ユキメを出そうとしてみた。でも、歳も歳だったから、出ることはなかった。そこで仕方なくエッグメーカー社に入って、昔の力を取り戻した」
ガララ「しかし、しゅごキャラは戻ってこなかったんだよね…」
雪菜はこくんと頷き、ため息をついた。
雪菜「ガララ君とムララちゃんには、悪いことをしたって思っているわ。もちろん、あなた達ガーディアンにも……いくら謝っても許してもらえないとも思っているわ……それでも、このあたしを許してくれないかしら」
ガララ、唯世、光輝の三人は考えていた。
その時、雪菜の心から一つのしゅごたまが現れ、たまごが割れたと同時に、しゅごキャラが現れた。
??「久しぶりだね、雪菜ちゃん」
雪菜「ユキメ、なの?」
ユキメ「そうだよ。もぉ、すっかり私のことを忘れたの?」
雪菜「そんな…忘れる訳ないよ」
ユキメ「よかった。本当によかった……」
そう言いながら、ユキメは消えていくたまごの中に戻っていった。
雪菜「待って!行かないで!お願い!後一年私の隣にいて!」
ユキメ「ごめんね雪菜ちゃん。大人になったら、私の姿は見えなくなる…雪菜ちゃんはもう立派な大人だよ」
雪菜「そんな!私、自信がないよ…」
ユキメ「大丈夫。私はいつも、あなたの心の中にいるよ」
ユキメは最後にそう言って消えた。
雪菜「………ユキメ。ありがとう」
ガララ「雪菜。僕ももう、国に帰るよ。エンブリオを手にする必要がなくなったし、雪菜も必要ないんでしょ?」
雪菜「そ、そうね。私もエッグメーカー社を抜けることになるから、私も要らないわね」
ガララ「よし。それじゃあ今日はもう帰って、帰国の準備をしなきゃだな。ムララは驚くだろうな」
ガララはそう言って、唯世と光輝を帰り道に誘った。
雪菜「ガララ君、すごい友達を持ったわね……」
雪菜はそう呟くと、エッグメーカー社を振り返ることなく歩き出した。
ガララ、光輝、唯世が松野家に帰ってくると、ムララとりまが温かく出迎えてくれた。ガララは今回のことをムララに伝え、一週間後には日本を出発することを伝えた。ムララは泣き目をしていたが、兄の成長を感じたためか、すぐに泣き止んで、元気よく頷いた。
その日の翌日、ガララは初めてガーディアン以外の生徒と交流をした。ガララはそこで、ムララにたくさんの友達が出来ていたことに驚き、感心した。ガララもムララもとてもいい笑顔を見せていた。
そういった楽しい一週間はすぐに過ぎ、ついにガララとムララが帰国する日が来た。
ガララ「みんなには、すごくお世話になった。本当にありがとう」
唯世「また日本に遊びに来てね」
光輝「俺もガララを見習って頑張るよ」
空海「今度会った時は、龍装っていうのを見せてくれよな」
なぎひこ「少しだったけど、君と話せてよかった。ありがとう」
ムララ「あれ?今、なでしこの声が……」
なぎひこ「な、なんのことかな?」
ムララ「おかしいなぁ」
なぎひこ「大丈夫。またいつか会えるよ」
ムララ「そうだよね!りっかともくるみともりまとも、また会えるよね!」
りっか「もちろん!」
くるみ「絶対忘れないよ!」
りま「またたくさん、笑おうね」
やや「楽しかったよ!まったねー!」
ガララ「よし、別れもすんだし、そろそろ」
??「待って下さい!」
そこへ来たのは、花束と色紙を持った松野雪菜と、彼女を空港へ連れていくようにした三条海里と一之宮ひかるの三人だった。
雪菜「ガララ君、ムララちゃん。これにみんなからのメッセージが書かれているから、読んでね。もちろん、私も書いたから……」
海里「僕らは話す機会が少なかったから、こうしてプレゼントを作ろうと考えていたんです」
ひかる「僕も手伝った。だから僕らのことも、忘れないでほしい…」
ガララ「二人とも、ありがとう。雪菜もありがとう。そしてみんな、ありがとう」
これを最後に、ガララとムララは乗り場へと向かった。
雪菜「さて、私もそろそろ行こうかしらね」
光輝「待って下さい。これから、どうするんですか?」
雪菜「……国外にでも逃亡しようかしらね。あてはないけど、なんとかなるでしょう」
雪菜はそう言って元来た道を行った。
雪菜「あ、そうだ。日奈森あむのことだけど…」
唯世「オリジナルのあむちゃんのことか!?」
雪菜「そう。彼女は今、玉名家にいるわ。その家から出たくないそうよ」
唯世「家から、出たくない?」
雪菜はそれには答えずに行ってしまった。
光輝「唯世、どうする?」
唯世「今なら、あむちゃんを取り戻せるかもしれない…」
今、唯世の決意は固まった。そして、こう言った。
唯世「来週、関係者を全員呼んで、ガーディアン会議を行う」
唯世の発言により、日奈森あむ奪還計画が、始まろうとしていた。
■作者からのメッセージ
いつも読んでいただきありがとうございます。著者のMy heart eggです。
ついに留学生登場編が終了しました。次回からはこの小説も第3期へと突入します!

そこで!次回作ですが!
用語集第二弾を投稿したいと思います!
現在鋭意制作中!
お楽しみに!

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