田舎にそびえ立つ屋敷の謎
作者: 海老フライ   2024年08月30日(金) 03時01分44秒公開   ID:6OhVvnn6k8o
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「ここは昔、幸村家という貴族が住んでいたそうだ。」

俺が途方に暮れていた時に、不二と親しくしていたという東京から来た手塚がそう言った。


「この村の人でも知らないことなのに知っているのかい?」

「あぁ。俺の家は代々そういうものに関わっていてな。ここで不二がいなくなったと聞いて調べてきたんだ。」

手塚が言うには、不二が行方不明になっていることを知って自分の家にある書庫からこの屋敷のことを調べてくれたらしい。


「有名な家系だったらしいが、末裔である幸村精市が難病にかかり病院でこの屋敷に帰ることを夢見て治療を受けたが…帰れなかったらしい。」

「じゃあ、ここが壊されそうになると不幸になる理由って…」

「あぁ。成仏出来なかった幸村精市がこの屋敷に住み着いているんだろう。…ここからは仮説になるが。」

「…仮説?」

「屋敷に住み着いて地縛霊のようなものになってしまった幸村精市はここから出られない。この屋敷からも離れたくない、でも孤独になって寂しい…」

「っ!まさか寂しいから不二を!?」

「あぁ。不二も弟関係で家族との仲が良くなくなったからこの村に住む祖父母のところへ行った…寂しい気持ちを抱えてな。寂しいと思っている人を見つければ幸村精市は見逃さずに屋敷に引き入れるだろう。」

確かに辻褄が合う…不二はあの時不思議な声が聞こえるって言っていたし。


でも…俺じゃ役不足だったのか。
不二の寂しい気持ちは俺で紛れなかったのか。



⇒To Be Continued...

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