Re: 短筆部文集 // 3冊目 (マイペースに製作中!) ( No.78 ) |
- 日時: 2008/02/29 21:48:51
- 名前: 深月鈴花
- ラジオの収録を終えたあと、そのまますぐ打ち合わせ室で雑誌の取材が2本。
それも終えあたしはもう1度ラジオの収録をしたとこに戻ってきていた。 「あ、鏡魅ちゃん、いつもの?」 「はい!」 にこやかに笑顔を振りまきながら、今日のラジオで読み切れなかった葉書や手紙の入ったダンボールを抱えた。ずっしりと重く、私はよろよろしながら傍にいた男性スタッフに手渡す。 「それじゃあ、これ!よろしくお願いしますね!」 男性スタッフは、何のことかわかっているのでああ、と言ってそれを受取る。軽く持つそれは、やっぱり男の人だと違うんだなぁ、とぼんやり思った。 「しっかし、いつも思うけどこれ全部読んでるのかい?」 …あれ、こういうのってなんだったかな?………あぁ、そうだ。 「グモン(※愚問)ですよー!読むのすっごく楽しいんです!」 「すごいねぇ。それじゃあ、いつもみたいに自宅に宅配しとくから。」 2日くらいで届くと思うよ、とその男性スタッフは付け足した。
そう、あたしはいっつもこの大きなダンボールにいっぱいの葉書を、家で寝る前に全部読む。 本当に楽しい。それに何より勉強になる。 中には相談事とかもたくさんあって、その中でも重くて、暗くて、悲しくて、辛い悩み事を抱えてる人も数人いる。 そんなときに、あたしのところにメッセージをくれる。これってあたしを頼ってくれてるってことでしょ?なら、きちんとお返事もしないとあたしが嫌だから。だから、やってるだけ。ただの自己満足。 ある程度は有名になったし、最近はオフがほとんどないくらい忙しい日々。 これからもっともっと仕事が増えていくはずなんだから(これ予定ね!)、時間がなくなってくるとは思うけど。 やっぱり出来る限りは、ってゆーかこれからもずっとこうやっていられたらなぁ、って思うんだ―……
あたしは、裏口の戸のドアノブに手をかけ、ゆっくりと開けた。芸能人は、こちらから出入りすることが決まっている。騒ぎになっては困るからだ。 たまぁに、熱狂的なファンがこれをどこから聞き出したのか出待ちしていることがあるのだが……今日は違うようだ。 ファンと触れ合うのが好きなあたしにとっては、微妙なところなのだけれど。 そろ〜っと外に出て、やっとあたしは玄関の変化に気がついた。 女の人が、いっぱいいた。 何事かと思ったけど、ちょっと耳を立てていたら、すぐに理解した。 『出待ち』だ。 しかも、『CROSS』の。 どこから聞いたのだろう、しかもこんなに。ぱっと見て20人ほどいるだろうか。 やっぱり、『CROSS』は違うなぁ……とかって感心している場合ではない。 少人数ならばいいものの、この人数だ。騒ぎになるのは、まず間違いないだろう。 などと思っていたところ、後ろの戸の向こうから、何やら声が。 聴覚に異常に長けているあたしには、その声の主が誰か一瞬でわかってしまった。 急いで裏口の戸を開けると、そこにはびっくりした様子の『CROSS』の二人。 ………ああ、やっぱり。
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>>70の続き
(変なとこできってごめんなさい、あさぎちゃん;鏡魅は好き勝手に動かしちゃって大丈夫なので!むしろどうぞやってください!)
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