(僕と君の想いが重なる日) ( No.5 )
日時: 2007/08/02 15:44:43
名前: 阿是羅◆T/m6vOA2DTM

今日は大嫌いな日直の日。
だけど今日はそんな日も・・・とても幸せな日になった。


夕日が教室を綺麗なオレンジに染めていて、日誌を書く綺麗な彼女の横顔もオレンジに染めていた。
俺、佐藤歩は運良く片想い中の菅原綾と日直になることができた。
・・・何故運良くかって?
それは今日、俺と日直をやるハズだった進藤が欠席だからだ。

俺は真剣に日誌を書く彼女を、正面からずっと見つめていた。
しばらくの間、彼女を見つめているがまったく気付かない。
・・・・・・ニブい。
そして彼女はやっと俺の視線に気付いて俺の顔を見ながら、

「佐藤くん?私の顔に何かついてる?」

と。
マンガとかでよくある質問だ、と俺は思った。
俺は小さい声で「別に何も?」と答えた。
その答えの後、彼女はまた目線を日誌へと戻した。

教室内は、かりかり・・・とシャーペンで字を書く音とカチッコチッと言う時計の音しかしなかった。
そんな中、彼女のほうから口を開いた。

「ねぇ、佐藤くん。」
「何?」
「・・・好きな人とか、いる?」

衝撃的な質問で、俺は目を丸くしながら彼女を凝視した。

「あはは♪その顔、いるんだねっ?」

と、明るい声で彼女はいった。
そして俺は、

「なんでそんなこと、俺に聞くの?」

と、逆に質問してみた。
すると、彼女は夕日のせいか分からないがほんのりと頬を紅く染めて俺の目をまっすぐと見て言った。

「・・・佐藤くんのこと、好きだから。かな?」
「・・・へっ!?」
「だ、か、らっ!佐藤くんのこと好きだから。」

突然の告白で俺は頭が混乱した。
えっ、と・・・。
片想い中の彼女が俺のことを好き、ということは・・・つまり、
両想い!?
そんなことを考えていると彼女が「返事は?」と聞いてきた。
・・・だから、俺は素直に言ったんだ。

「俺も、菅原のことが好きだ。」

その後、彼女は今までで一番綺麗に微笑んだ。


そして俺は彼女の唇にゆっくりと優しくキスをした。