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異世界大戦記8
日時: 2011/02/13 18:31:20
名前: ミクニップ

…3つの光…それは志…


…自身の過ちのために残る者…


…守りたいもののために旅立つ者…


…己の未来のため、運命に抗う者…


3つの志交わる時、新たな物語の幕が上がる…


そこに待ち受けるのは出会いか、それとも別れか…?


異世界大戦記8、始まります
メンテ

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Re: 異世界大戦記8 ( No.233 )
日時: 2011/12/21 09:29:21
名前: 孝(たか)

その頃の会議室……

大「うだ〜〜〜〜〜〜〜〜」
アグ「うだ〜〜〜〜〜〜〜〜」

大とアグモンが机に突っ伏して項垂れている。


実はあの後、全チーム辛くもモンスター達を倒した。

そして、スカーレット・ノヴァ・ドラゴンに全員で挑む。

唯でさえ攻撃力が6000というスカーレット。

しかし、それよりも攻撃力が高くなったサイバー・エンド・ドラゴンや、それに準ずる攻撃力になったフィールドマーシャルを倒した彼らには、多少の苦戦でどうにかなる戦いだった筈だった。

しかし、氷牙は彼らが自分達の的に相対している間に、場に合計で5枚のカードを仕掛けていた。

大やシャイングレイモンBMの渾身の一撃に対して、「くず鉄のかかし」で攻撃を防ぎ、反撃を…

またある時は「銀幕のミラーウォール」で彼らの威力を半減にし…

またある時は装備魔法「ファイティング・スピリッツ」による攻撃力の超過。

ファイティング・スピリッツには、相手モンスター1体につき、攻撃力が300上昇する効果がある。

彼らは総勢で23。

しかし、大は兎も角として、イクト・トーマHN・淑乃は戦闘要員では無いとしても、20名の戦闘要員が居る。

つまり、300×20で、6000の攻撃力の上昇により、スカーレットの攻撃力は12000という元々の攻撃力の約4倍近い上昇値だ。

そう簡単に勝てる相手ではない。

よって、全員の全力全開の一点集中同時攻撃でなんとか倒せたのだ。

特に、大は切り札中の切り札。

アグモンとの融合進化・マトリックス・エヴォリューションを発動。

シャイングレイモン・ライジングモードのフルパワーで、仲間の攻撃エネルギーを加えての突進だ。

相当の負担がかかっている。

その為、項垂れている………だけではない。


淑乃「それにしても、何よあの強さ。出鱈目じゃない!」

トーマ「全くだな。大の出鱈目加減にもほとほと呆れているというのに…」

ララ「そうよね。大とアグモンは素手で究極体デジモンと戦える力を持っているって言うだけでも驚きなのに…」

イクト「でも、あの氷牙って人、もっと凄かった。」

セイバーズ組は氷牙の底しれない力に戦々恐々としている。

何故なら、1時間の休憩をとって、体力や傷も回復した19名と4体。

総勢23人を相手に、たった一人で迎え撃ったのだ、あの氷牙は…。

スカーレット達モンスター5体を退けて1時間の休憩をはさみ、体力と傷をいやすと、訓練の大締めとして、氷牙一人VS全員と言う事になった。


氷牙は今全力が出せず、精々が普段の4割ほどしか出せない。

にも拘らず、全員の全力全開の一斉攻撃を、ただの身体強化の魔法だけで受け止めた。

12000?それがどうした。

たかが4割と侮る事なかれ。

今の氷牙をスカウターで計測してみよう。

今の状態での氷牙の最大出力は…約200億。

フリーザ?パーフェクトセル?

今の氷牙でもそいつら程度なら問題無く倒せるのだ。

流石に、魔人ブウ(完全悪)や超一星龍辺りなら苦戦するが。

あんなものはそうそうお目にかかれるものではない。

それを思えば、命がけの戦いをしているとは言っても、氷牙からみれば此処に居る全員は、ケツの青いガキでしかない。

悪い言い方ではあるが、高々20未満の青少年・少女達と、電子生命体の集まり。

2500年という歳月を生きた氷牙に勝てる者など、同じ位についている鏡夜や、自分達が仕えているラハール王位である。

彼らが全力を出して氷牙に与えたダメージは精々がかすり傷。

逆に、氷牙の攻撃は素手の攻撃ですら一撃で満身創痍にさせる程の威力である。

考えるまでもない。

どれだけ命がけの戦いを経験していても…存在自体の格が違い過ぎるのだ。


だが、彼らにもこれはこれで良い経験になったはずだ。

”上には上がいる”。

氷牙はそれを実践したにすぎないのだから……。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.234 )
日時: 2012/01/26 15:16:15
名前: カイナ

アグニモン「ファイアダーツ!」
ライ「剛・魔神剣!」

一方ちょっとした広間、そこでライと拓也が軽い模擬戦――どちらかの戦闘不能までやりあうのではなくどちらかが有効打を一撃入れれば勝ちというもの――を行っていた。さっきボロ負けしたくせに元気というかなんというか、審判を申し出たエルフィはそういうようにくすくすと笑っていた。ちなみにデルフィは既にエルフィの心の中に帰還している。
アグニモンの放った火の矢はライが右手に握った刀を地面に叩きつけるように振り下ろして作り出した衝撃波に阻まれ、アグニモンはくっと表情を歪ませるとその身体に炎を纏い、それが竜巻のように渦巻くのを見るとライもアグニモンに接近するため地面を蹴った。

アグニモン「サラマンダー――」
ライ「風雷流剣術、一の太刀――」

そしてアグニモンはライが自らの射程距離に入った一瞬を見切って炎から飛び出して蹴りの構えを取り、ライもそれを見ると突きの構えを取る。

アグニモン「――ブレイクッ!!」
ライ「――突風刃!!」

直後、アグニモンの全てを粉砕するかの如き勢いの蹴りと、ライの右手に握られた刀から放たれる風を突き裂き真空を作り出すかの如き勢いの突きがぶつかり合う。その威力はほぼ同等、互いに押し返されると二人は両足で地面を掴んで体勢を立て直す。そしてアグニモンの身体がデジコードに包まれ、ライの身体が炎に包まれる。

アグニモン「アグニモン、スライドエボリューション!――」
ヴリトラモン「――ヴリトラモン!!」
ライ「借りるよ、ウマゴン! ディオエムル・シュドルク!!」

拓也は炎のビーストスピリッツ――ヴリトラモンへとスライドエボリューションを行い、ライも自らの身体を炎から生成した鎧に包み込むと今まで鞘に収めていた小太刀を抜く。

ヴリトラモン「コロナブラスター!!」

ヴリトラモンが両腕のルードリー・タルパナから放つ炎の弾丸をライはかわし、さらには刀に炎を纏わせて打ち返しながらヴリトラモンへの距離を詰める。そして地面を蹴って飛び上がるとヴリトラモン目掛けて二刀を振り上げ、一気に振り下ろすがヴリトラモンはそれを両腕を前でクロスさせ二つのルードリー・タルパナで受け止める。そして思いっきり両腕を振るってライを弾き飛ばすがその瞬間ライは右手の刀をヴリトラモンに向ける。

ライ「ウィンドブラスター!」
ヴリトラモン「ほぐっ!?」

ライが叫んだ瞬間刀から、単純な大きさはコロナブラスターが一回りほど小さくなったような感じの風の弾丸が発射され、予想してなかった反撃にヴリトラモンは怯んでその弾丸を顔面に受けてしまい、ライは受け身を取って着地すると二刀をクロスさせ、風を纏わせながらヴリトラモンに突進する。

ライ「くらえ、風神十文字!!!」
ヴリトラモン「ぐぅっ!!」

エルフィ「一本! そこまで!!」

ウィンドブラスターを受けた事による隙を突かれたヴリトラモンはライの放つ風の十字斬りをその身に受け、エルフィが有効打を取ったと判断し声をあげると拓也は進化を解除し、ライもディオエムル・シュドルクを解除する。

拓也「ってー……にしてもライ、いきなりコロナブラスターをコピーされるとは思わなかったぜ……」
ライ「風雷流は考え学び、周りを取り込んで常に進化する流派だからね。魔法とて例外じゃないよ」
拓也「そうなのか……」
ライ「それに、父さんも母さんも、アルフもどこかで強くなってるかもって思ったら俺もサボるわけにはいかないし。模擬戦付き合ってくれてありがと」

拓也の言葉にライがにししっと笑いながら返すと拓也はそうとだけ呟き、ライは虚空を見上げてそう呟くと拓也の方を見てまた笑いながらお礼を言った。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.244 )
日時: 2012/03/21 10:05:56
名前: ミクニップ

プシュゥ…


カービィ「お〜い。模擬戦やるのはいいんだけど、もうちょっと加減してくれないかな?…さっきからこの艦が揺れて、何人か船酔い…もとい戦艦酔いしちゃったから」
エルフィ「あ、すみません…」

…どうやらさっきの攻撃で艦が揺れたらしく、少しバツが悪そうな顔をしてやって来るカービィ。…そしてその隣には、何故だか顔が真っ青で口元を抑えている、中学1年生位の少女が…てか衣装際どいんだけど!?

???「ぉぉぅ…ふ、船酔いがここまでキツイとは…うぶ」
カービィ「…いやいや、できればここで吐かないでねあーちゃん。少女のゲロ吐きシーン何て、そんなの色々問題あるから止めてね…(汗)」
ライ「あーちゃん…?確かそれ、カービィさんの持ってた剣じゃなかったっけ?」
アロン「あ、あぁ…。我ら、元は魔王だったんだが…ある理由で剣に自信の魔力ごと魂を封印したのでな…。以来、自分の意志でこうして元の…言い方だと生前?の姿になる事もでき…ぁぁダメ、吐きそう…うぶっ」
カービィ「だぁぁぁぁ!!袋!というかバケツ!!」
エルフィ「は、はいぃ!!」



自主規制



カービィ「…まぁとにかく。やるのは構わないんだけど、もう少し加減してくれたら少し嬉しいかな?僕にとっても」
ライ「あっははは…」

バケツに顔入れてえずいている、色々問題がありそうなあーちゃんバックに、人差し指立てて少し真剣な表情で注意するカービィ。…冷や汗流れてるのはお約束である。

拓也「しっかし…、あのアロンって子。氷牙さんと同じ魔王らしいけど…マジ?」
カービィ「うん。ああみえてあーちゃん、ちゃんとした魔王らしいんだよ?…ちょっとした理由で神器に魂を封じ込めて、何千年という歳月を過してたけど、その前は仲間達と一緒に1つの魔界を収めてたんだって」
拓也「随分曖昧なんですね?」

拓也の疑問に、いまもえずいてるあーちゃん見ながら答えるカービィ。…今のあーちゃんを見たら、そうは思えないが。

カービィ「…ダークゼロと02も同じタイプ…つまり、あーちゃんの嘗ての仲間の魂を宿した神器を持ってるんだけど、どういう訳かあーちゃんは[未完成]らしいんだ。何でも本来あーちゃんは何個かのパーツで形成された剣らしくって、其々パーツがバラバラに封印されてるから記憶もかなりあいまいになってるとか?」
ライ「それはまた…」

そう言って、今は何故か寝転がっているあーちゃんに目をやるライ。…くどいようだが、そこには魔王らしさなんぞ微塵もない。

カービィ「コラあーちゃん?そんなはしたない事しちゃダメだろ?仮にも女の子なんだから」
アロン「ぁぅ〜気持ち悪い〜死ぬ〜…」
カービィ「…たしかあと10分程で目的地らしいから、それまでの辛抱だよ?」
アロン「ぁぅぅ〜〜〜・・・・」






数分後…



[ブリッジ]


局員「アニー隊長。とりあえず目的地に到着しました」
アニー「ありがとうございます。…とりあえず、敵の可能性もありますので、暫くは辺りを警戒しつつ、此処で待機しようかと思います。…異論はありますか氷牙さん?」
氷牙「いや、それで構わない」

目的地から飛び出して数十分。指定された場所に到着した一同。…だが、相手がオウマである以上は安心はできず、民間人の安全も考慮し、警戒を強めてゆく。だが…

氷牙「…可笑しい」
アニー「?どうかしたんですか?」
氷牙「…どういう事だ。[人所か、野生動物達の気配すら感じない]だと?」

その言葉を聞き、ギョッとするアニー。…ここ等へん一帯は、本来なら多数の原生生物達が独自の生態系を築き上げている。…それなのに氷牙は、人所かその生物達の気配すら感じないと言うらしい。…ハッキリ言えば、虐殺でもしない限り、そんな事はまずあり得る訳がない。

アニー「…!待機させてある小型偵察機を出してください!!」
局員「え、あ、はい!」

…嫌な予感がする。慌ててアニーは局員達に、艦に積み込んであった小型偵察機(サイファー)を起動させる。そして…


氷牙「!!」
アニー「っ!?」


…当たってしまった。


…サイファーを起動させて数分後。数機のサイファーが、オウマ達を映し出す。…惨たらしく惨殺された彼らの遺体を。



アニー「全艦に通達を!!警戒レベルをAまで上げ、待機中のメンバーを艦の護衛のため出撃させて下さい!敵の存在を確認次第、戦闘を許可します!!」


メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.245 )
日時: 2012/03/21 21:55:05
名前: カイナ

ライ「よっと」

暇だから、と艦の護衛を申し出たライとほっといたら心配だからという色んな意味で最もな理由で彼への同行を決めたエルフィ、その後ろにはライとすっかり意気投合し友達となった拓也もついてきていた。

ライ「あ〜っ、ひっさしぶりの外だ〜」
エルフィ「ちょっとライ、あんまり油断しないでよ?」
ライ「へ〜い」
拓也「ま、ずっと戦艦の中だったからな。あ〜空気が美味い気がする」

虐殺が起きたという危険な場所にもかかわらず暢気に伸びをするライをエルフィがたしなめるが彼はのんびりと柔軟体操をしており、拓也もライに同意するように深呼吸。エルフィはやれやれとため息をついた。と次の瞬間彼女は気づいたように顔を上げ、腰の銃に左手をやる。

ライ「魔神剣!」

しかしそれよりも早くライが刀を抜いて衝撃波を放っており、その衝撃波が何かに当たる手ごたえを見せる。そこには巨大なクワガタムシのようなものが立っていた。

拓也「あれはクワガーモン、いや、オオクワモン!?」

それを見た拓也が声を上げ、エルフィとライが拓也の前に立った。

エルフィ「拓也君! 下がって!」
ライ「進化するまでの時間は俺達が稼ぐ!」
拓也「頼むぜ!」

エルフィとライの言葉に拓也は人間状態では無力であると分かっているためかああと頷いてデジヴァイスを構え、エルフィとライは襲ってくるオオクワモンを迎え撃つ。

ライ「くらえ、魔王炎撃破・双!!」
エルフィ「電撃チャージ! ライトニングシュート!!」

まずライが二刀に炎を纏わせて振るうと共に炎を衝撃波のように放ち、炎がオオクワモンを呑み込むと続けてエルフィが銃に雷のマナをチャージ、電撃弾を放つ。

オオクワモン「ガアアァァァッ!!!」
エルフィ「っ!?」

しかし次の瞬間炎の中から何事もなかったかのようにオオクワモンが姿を現してエルフィに素早く突進し、威圧感に萎縮したか動く事が出来なかったエルフィは息を飲む。

ライ「この! 断空剣!!」

それを見たライが風を纏いながら飛び回転斬りを決める秘技で攻撃するがオオクワモンはまるで蚊に刺されたほども感じて無いかのように顎を閉じ始める。オオクワモンの必殺技、シザーアームズΩ、それはダイヤモンドをも切断してしまうという恐ろしい攻撃。人間であるエルフィの身体など紙のように斬り裂いてしまうだろう。

ヴリトラモン「うぉっとおっ!!!」

しかしその次の瞬間、そうはさせんとばかりに拓也が進化した姿――ヴリトラモンがその鋏を力ずくで押さえていた。

ヴリトラモン「ギ、ギリギリセーフ……さてと、後は任せとけ!」

ヴリトラモンは一安心したように息を吐いてそう言うとエルフィに避難するように目線で合図、エルフィがオオクワモンから離れると彼は鋏を押さえられてじたばたしているオオクワモンの巨体を持ち上げた。

ヴリトラモン「うおおぉぉぉっ!!! らぁっ!!!」

そしてクワガーモンを思いっきりぶん投げて地面に叩きつけ、両腕のルードリー・タルパナを反転させオオクワモンに銃口を向ける。

ヴリトラモン「コロナブラスター!!」

ルードリー・タルパナから連射される炎の弾丸が次々にオオクワモンへと着弾、その次の瞬間ヴリトラモンの身体が炎に包まれた。

ヴリトラモン「フレイム! ストーム!!」
オオクワモン「ギョオオオォォォォッ!!!」

そしてヴリトラモンが回転すると放たれた炎の竜巻がオオクワモンを呑み込み、オオクワモンは炎に焼かれ苦しみの断末魔を上げていたがやがてがくりと崩れ落ち、その身体にデジコードを浮かび上がらせた。それを見るとヴリトラモンはオオクワモンに近づく。

ヴリトラモン「ヴリトラモン! スライドエボリューション!――」
アグニモン「――アグニモン!」

そしてアグニモンはその手にデジヴァイスを構える。

アグニモン「汚れた悪の魂を、このデジヴァイスが浄化する! デジコード、スキャン!!」

アグニモンはオオクワモンのデジコードをスキャンし、オオクワモンの身体が消え去る。それを見てからアグニモンは安心したように進化を解除した。

拓也「ふぅ、いきなり完全体のデジモンが襲ってくるとはな……二人とも、大丈夫だったか?」
エルフィ「あ、うん。なんとか」
ライ「危なかったー……エルフィを守ってくれてありがとな、拓也」

拓也は息を吐いてそう呟いた後二人に大丈夫かと問いかけ、エルフィが頷くとライもふぅと息を吐いて拓也に礼を言う。それに拓也は照れたように頭に手をやった。

拓也「礼なんていらねえって。仲間を守るのは当然だろ?……しかし、ここにいた奴らはまさかこいつらにやられたのか?」
エルフィ「流石に断言は出来ないわね」
ライ「しっかし、これがデジモンの本当の力ってやつか……はぁ……」

拓也のう〜んと考えながらの言葉にエルフィは首を横に振って返し、ライはさっきオオクワモンに手も足も出なかった事を気にしたのかため息をつく。と拓也が声を出した。

拓也「あ、いやいやオオクワモンは完全体デジモンだからさ! 完全体は俺が知ってる奴なんて月砕いた奴だっているんだからそんな気を落とす事ないって! ライ達だったら成熟期くらいは楽勝だって!」
ライ「あはは、サンキュー」

拓也の気を使うような言葉にライは苦笑してお礼を返した。
――――――――――――――――――――
ふぃ〜。
レオ「もの凄い取ってつけたようなライ達の苦戦ぶりだな。つーかヴリトラモンが出てからオオクワモン瞬殺しすぎじゃねえか?」
黙れ。元はといえば貴様がダブルスピリットエボリューションした輝一と輝二に完勝したのが悪いんだ!
レオ「お前がデジモンについて不勉強だったのが原因だろうが!!」
さーてまだ構想途中のパワードスーツによる戦力強化フラグっぽいのを立てといてっと……ところで現在他のとこってどうなってる事にします? いや別に書けってわけじゃないし、あ! この言葉もフリじゃないですよ!? まずはちゃんとここを一段落させるべきなので!!
ただ、カイとカノンノはケンイチのとこ行ってるでしょ? 日常パートで二人をケンイチ達の学校放り込もうかと画策してまして。
カイ「なんでじゃ!?」
ノリ? ま、それでは〜。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.246 )
日時: 2012/03/26 12:46:03
名前: 孝(たか)

ピシュン

氷牙『聞こえるか。お前達』

拓也「あ、氷牙さん。聞こえます。」

拓也達の前に氷牙の映る通信画面が出現した。

氷牙『現状を報告してくれ』

ライ「はい。艦を降りて少ししたら、突然、オオクワモンというデジモンが襲ってきました。」

また同じような、デジモンが出てこないとも限らないので周囲を警戒しながら現状を報告するライ。

氷牙『オオクワモン・・・完全体か…此処の周りは森のフィールド…昆虫型のデジモンにとって有利な場所だ。通常の倍の力を出してきたはず…あぁ、そう言えば拓也は炎の闘士だったな。』

エルフィ「はい。私達が牽制して、拓也君の進化の隙を埋めて、ヴリトラモンのパワーで撃破しました。あの虐殺は、デジモンの仕業なんでしょうか?」

エルフィが氷牙に聞こうとするが…

氷牙『可能性は無くは無いが、オオクワモンが犯人ではない事は確かだな。オオクワモンの必殺技は、シザーアームズΩ。ダイヤモンドすらも両断する鋏攻撃だ。カメラから見えた虐殺からして、デジモンであったとしたら、人型か獣型、あとは悪魔型のデジモンに限られる。』

と、否定する氷牙。

エルフィ「そう、ですか…」

氷牙『だが、俺の予想では敵はデジモンではない。基本的に、デジモンは大人しいのが大半だ。気性が荒いか捻くれてもいなければ襲う事の方が珍しいんだ。』

そういって、氷牙は真犯人は別にいると踏み、簡単にではあるがデジモンと言う生態を説明する。
一緒に居る拓也はデジタルワールドを冒険して居る為、すぐに納得している。

拓也「あ〜〜確かに…。」

氷牙『警戒は怠るな。そのまま警護を続けてくれ。何かあれば随時連絡する事、それから、30分置きに定時連絡も忘れないでくれ。』

「「「了解!」」」
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.248 )
日時: 2012/03/31 21:46:48
名前: ミクニップ

キィ…ン



アロン「!」
カービィ「?どうしたのあーちゃん?」

非常事態という事で、とりあえずアウムドラを防衛すべく出撃した一同だったが、突如また剣の状態になっていたアロンが反応を示した。

アロン「感じる…。力は薄いけどこの感じは…カービィ!この近くに私のパーツがいる!!」
カービィ「何!?」

パーツ…つまりはアロンダイトの一部がこの近くに…?

アロン「場所はハッキリとは解らないが、恐らく封印でもされてるのか、同じ力を感じる…!」
カービィ「そっか…。じゃあとりあえず氷牙に連絡を…!?」


ガキョッ!ばしゅっ!


何かの気配を感じ、すぐさまアロンを弓のように変形させ、矢を放つカービィ。矢が茂みの中へと入ったと同時に呻き声が上がり、そして茂みの中からは…


魔物「グ、グォォォ…!!」
カービィ「…!全部隊に通達!敵が出現!直ちに迎撃するよ!!」


その声と同時、まるで自分たちを囲むかのように多数の魔方陣が出現。そこからさらに多数の魔物が出現する。


オペレーター「敵の出現を多数確認!!識別は…ポケモン、悪魔…そして大さん達の持っていた情報に存在したギズモン:ATです!!」


氷牙「!?」
大「なん…だと!?」

ギズモン…。それは大達にとっては忘れる訳がない存在…。嘗て倉田という科学者がデジモン達の抹殺と人間界の支配を目論見作り上げた人口デジモン…。


氷牙「(どういうことだ?ギズモンは大達が全て…。まさか、倉田が…いや、そんな筈は…!)」
オペレーター「敵の数を検測…20…30…40…計70体を確認しました!」
アニー「全部隊に通達!敵の数は70体!此方には民間人を乗せたアウムドラが数機存在します!何としてもアウムドラを死守して下さい!!」


『了解!!』

メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.249 )
日時: 2012/04/02 22:37:18
名前: カイナ

いや〜、youtubeで[ポケモン 怖い話]というシリーズがありましたが……真面目に怖かった。特に森の洋館の怖い話、殺人事件犯人ナタネ説とか……いやぁ、あの描写ホラー小説書く時の参考にしようかな?……。
――――――――――――――――――――
拓也・輝二・輝一・泉「「「「スピリット、エボリューション!!!!――」」」」

アグニモン「――アグニモン!」
ヴォルフモン「――ヴォルフモン!」
レーベモン「――レーベモン!」
フェアリモン「――フェアリモン!」

敵の姿を確認したメンバーもアウムドラから出撃し、フロンティアメンバーは素早くスピリットエボリューションを行いヒューマンスピリットへと進化する。するとガオモンを連れて出撃したトーマが口を開く。

トーマ「先に注意しておく! あのギズモンには注意してくれ!」
ヴォルフモン「どういう事だ?」
トーマ「ギズモンの目から放たれるレーザーはデジモンをデジタマまで消滅させてしまう。今の君達もデジモンに進化しているとすれば……断言は出来ないが命の保障は出来ない」
レーベモン「厄介な……」

トーマのギズモンを指差しながらの言葉にヴォルフモンが問うとトーマはそう説明、それを聞いたレーベモンが表情を歪めながら呟くとその場に光が走る。

ライ「んじゃ、あのギズモンとやらは俺達に任せてくれ。来い! ガブリアス! ドダイトス!」
エルフィ「あべこべになっちゃうけど、ポケモンの相手はお願いね。おいで! カイリュー! エンペルト!」

ライとエルフィは二体ずつポケモンを出しながらそう言うと自分も武器を構え、それを見たトーマが口を開く。

トーマ「まさか! 君達も戦う気なのか!?」
ライ「当たり前じゃん?」
トーマ「無茶は止めておけ! ギズモン:ATは成熟期だがその戦闘力は完全体も寄せ付けない程なんだ!」

トーマの言葉にライが何言ってんのと言わんばかりの声質で返すとトーマはそう警告を見せる。するとエルフィから吹き出た闇が彼女の横に溜まり、それが一人の少女――デルフィを形成する。

デルフィ「心配ないわよ、ライはあんなのにやられるほど柔じゃないし、ライを傷つけるものは全てワタシが殲滅する」

デルフィはそこまで言うと二つのモンスターボール――本来なら赤い部分が何故か黒く塗られている――を二つ取り出し、投げ上げた。

デルフィ「さあ、蹂躙しなさい! シャンデラ! サザンドラ!」

その言葉と共に現れたのは紫色の炎を燃やすシャンデリアのようなポケモン――シャンデラに三本の頭を持つ凶暴そうな竜――サザンドラ。

ライ「よっしゃ、いくぜ! ディオエムル・シュドルク!!」

ライはそう言うや否や自らの身体を炎の鎧で包ませ、自分のドダイトスとガブリアス、さらにエルフィのカイリューを引き連れてギズモン:ATに突進。エルフィは自分のポケモンに指示を出すデルフィと共に後衛での指示と魔術援護に集中する……つもりだった。

カイリュー「ギュー!!」

始まりはデルフィのサザンドラの放った破壊光線がギズモン:ATをちぎっては投げちぎっては投げのように物理攻撃で攻撃していたエルフィのカイリューにぶち当たった事だった。

エルフィ「ちょっとデル! あんたのサザンドラは敵と味方の区別もつかないの!?」
デルフィ「しょーがないじゃない、この子ってば動くものは敵か獲物かと思い込んじゃうんだもん。あぁ安心してね、ライだけは絶対に攻撃しないようきちんと“調教”してるから」
エルフィ「そういう問題じゃないでしょ!?」
デルフィ「さあシャンデラ、殲滅しなさい! 火炎放射!!」

エルフィの怒号にデルフィはしれっと返し、クスクスと笑いながらそう続ける。それにエルフィがまた怒鳴るがデルフィは無視してシャンデラに攻撃を指示。

カイリュー「ギューッ!!」
エルフィ「あんた絶対わざとでしょ!?」
デルフィ「事故よ事故。あーでもシャンデラの炎は魂を吸い取り燃やすはずだけど、カイリュー大丈夫かしらね?」
エルフィー「エンペルトー! ハイドロポンプでカイリューについた炎を消してー!!」

その火炎放射は確かにギズモン:ATに当たるが同時にカイリューにも当たっており、エルフィがまた怒鳴り声を上げるとデルフィは淡々と呟く。それにエルフィは涙目になりながらエンペルトに指示を送る。

アグニモン・ヴォルフモン・レーベモン・フェアリモン・トーマ・ガオモン『ふ、不安(だ)……』

それを見ていたメンバーはその凸凹コンビに不安の色を隠せないでいた。


ライ「どわっととと!?」

その瞬間ギズモン:ATの攻撃がライを襲い、ライはどうにか防ぐが少しばかり状況がやばくなる。その瞬間二人はキッとした目でそっちを見る。

デルフィ「サザンドラ! ライに牙を向くクズ目掛けて流星群!! でもライに掠らせでもしたらぶち殺す!!」
エルフィ「援護しなさいカイリュー! 竜巻!!」

二人の指示が飛んだ瞬間サザンドラは虚空からドラゴンの力から生み出した隕石を降り注がせ、避けようとしたギズモン:ATはカイリューの起こした竜巻に動きを阻まれ隕石の流星群がギズモン:ATに直撃する。さっきまでのちぐはぐなコンビネーションとは真逆、完璧なコンビネーション攻撃だった。

フェアリモン「……なるほどね。二人とも心の光と闇なだけに性格は正反対。でも大切な人を守りたいっていう恋する乙女としての共通点は確かみたいね」
ヴォルフモン「ギズモンはあいつらに任せるとしよう。俺達は……」

フェアリモンは同じ女の子ゆえか彼女らの本質を見抜いたようにそう呟き、ヴォルフモンもそう言うと彼らから目を逸らし、別の方を見る。

アグニモン「おう! 俺達はあのポケモンとかいうのを相手にすりゃいいんだろ!」
大「おう! 行こうぜ!!」

アグニモンの言葉にいつの間にかそこにいた大はぐるぐると右腕を回しながらそう声を上げた。
――――――――――――――――――――
とりあえずギズモンがデジモン抹殺のために生み出されたというのならばデジモンとなるフロンティアメンバーに相手させるなんて危険極まりない真似を馬鹿正直に行わせるのは文字のまんま危険と判断したのでライ達三人にポケモンを交えて戦わせてみました。ちなみにエルフィとデルフィのポケモンは、エルフィのは最初の未進化ポケモンが可愛いもの、デルフィのは設定や能力が恐ろしいものをイメージに選んでます。さて、少し彼らの新たな手持ちを整理して考えてみますか……。ところでポケモンならデジモンとどれくらい対抗できると思います? 一応それなりに能力が高いメンバーを選出したつもりですが……。
さーて、ここでライ達が少し危なくなったらようやく設定が完了した時の旅人メンバーの新兵器――パワードスーツ・ラグナロクのお目見えといきますかねぇ。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.250 )
日時: 2012/04/07 12:04:48
名前: カイナ

ライ「ぐぎぎぎぎ……」
ドダイトス「ドダァッ!」

ライは二刀をクロスして目の前から突進してきたギズモン:ATを受け止め、押されている彼を見たドダイトスが横からギズモン:ATにタックルをかまして吹っ飛ばすが、ドダイトスもガブリアスも疲れを溜めてきており、カイリューやエンペルト、サザンドラにシャンデラまで戦闘不能一歩手前、エルフィとデルフィも剣や鎌を振るっていたが流石に完全体をも寄せ付けないという殺戮マシーンデジモン相手に根本的には人間である彼らでは分が悪かった。

ライ「ちぃっ、ドダイトス! 最後の力を振り絞ってハードプラント!!」
ドダイトス「ド、ダァッ!!!」

ライの指示を聞いたドダイトスは力を込めて前足を踏み込み、巨大な樹木や蔦を地面から生やしてギズモン:ATを絡め取る。しかしドダイトスの最強レベルの技であるこれでさえ数秒の時間稼ぎにしかならないのは彼も分かっており、今の内にドダイトスとガブリアスをボールに戻しエルフィとデルフィも自分のモンスターをボールに戻す。

ライ「こうなったら、頼むぞ!――」
????[おい! 聞こえるか!?]

ライが別のポケモンを呼び出そうとしたその瞬間突然彼のペンダントが光り出し、彼はちょっとタイミングが外されたようにふらつくとペンダントに目を落とす。

ライ「ウェルツさん!?」
ウェルツ[よし、通信感度は良好みたいだな。今のとこ時の旅人の状況はお前らが一番悪そうだし、ぱっぱと用件を説明する。あくまで人間であるお前らが人外の奴らと戦うための新兵器を作った。とりあえず、転送は終了してるから――]

ウェルツがそこまで言うと同時にギズモン:ATはハードプラントを引き千切って脱出し、ライに襲い掛かる。それを見るとライは二刀を鞘にしまい、右手でペンダントを握る。するとペンダントから、右手から溢れるように赤い光が放たれ始め、ライは願うように目を瞑る。

ライ「俺に力を貸してくれ……」

そしてそう呟くとカッと目を見開く。

ライ「来い、レーヴァテイン!!!」

その言葉と共にライを赤い光が包み、それは透明になっていくと彼の胸元を覆う鎧と篭手が展開され、さらに彼の頭にイヌミミとお尻にイヌ尻尾がつく。

ライ「ってなんだこの獣耳!?」
ウェルツ[ラグナの趣味だ……ちなみにアルフの方はネコになっている]
ライ「マジで!?」

ライが頭を押さえながら声を上げるとウェルツが呆れきった様子で返し、ライはまた驚きの声を上げる。その隙を突いてギズモン:ATが襲い掛かった。

ライ「せいっ!!!」

直後、ライはどこから取り出したのかダブルセイバーを一閃。するとそれに斬られたギズモン:ATの身体が炎に包まれ燃え尽きた。

ライ「すげ……」
ウェルツ[まあ、人外の存在とやりあう。がコンセプトだからな……後の細かい説明はそのパワードスーツ・ラグナロクのマニュアルを調べてもらった方が早いだろ。んじゃ、俺は次に危なそうなアルフ達の方に通信を入れるから]
ライ「父さんは?」
ウェルツ[今のとこあいつらは心配いらん]

さっきの戦闘で多少はダメージを与えていたとはいえさっきまで苦戦していた相手を一瞬で葬った事にライが呟き、ウェルツがそう返す。そしてそう続けて彼は通信を切り、ライはダブルセイバー――レーヴァテインをひゅんひゅんと振り回した。

ライ「よし! んじゃ試運転いくぜ!!」

ライがそう言ってギズモン:ATに突っ込もうとしたその瞬間、後ろから彼を掠めるように何かが飛びギズモン:ATを貫く。それにライは硬直し振り向く。そこには左手に普段より一回り大きな銃を握っているエルフィと、ライに銃口を向けたのにでも怒っているのだろうデルフィの姿があった。

エルフィ「ライ、新しい力が手に入ったからって舞い上がらないで」
ライ「お、おう……」

エルフィは淡々とそう言いながらドンドンドンと銃声を響かせてギズモン:ATを次々撃ち落とし、それをかわしエルフィの方に突っ込んでいくギズモン:ATを見るとデルフィがにやりと笑いながら大鎌を構えた。

デルフィ「せやぁっ!!!」

そして一閃した鎌がギズモン:ATを斬り裂き、後ろでそれを見ていたエルフィはそのギズモン:ATが消滅したのを見るとレイピアを抜いた。

エルフィ「まあ、やっぱりこのレイピアの方がしっくりきそうね。ライも普段通りに戦った方がいいわよ? ダブルセイバーなんて使ったこと無いでしょ? 本来この機体は私達が普段通りのコンディションで人外の存在と戦い合えるように作られたようだから」
ライ「へーい」

エルフィの言葉にライはダブルセイバーを消滅させ、二刀を引き抜く。

ライ「ディオエムル・シュドルク!!!」

そしてラグナロクの装甲以外に炎の魔力で武装を行い、ギズモン:ATに突っ込んでいった。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.251 )
日時: 2012/04/14 11:21:59
名前: ミクニップ


「…成程な…」



一方、ここは氷牙達の場所から、数10q離れた地点。そこから、見えてない筈なのに、まるで氷牙達の戦闘を観戦しているかのように見ている男がいた。



ブゥン…



ナイトメア「ふふふ、どうかね戦況は?」
「…ナイトメアか。思った以上に良いデータが取れそうだ」
ナイトメア「それはそれは」

突如隣に現れたナイトメアにも驚かず、淡々とした口調で話す男。

「…それで?アグニムが言っていた[例のモノ]はどうした?」
ナイトメア「つい先ほど、試作型が何体かできたらしいですな。…今は使い物にするための調節も終えたらしいですし、何時でも投入可能だと」
「ほぅ?それは楽しみだな?」

男がそう言葉を切った直後、ナイトメアは目の前に転送用の魔方陣を展開。氷牙達の場所に送るべく転送魔法を発動させる。

ナイトメア「あぁ…。楽しみですねぇ?先程偶然発見した餌達を襲わせてみたのですが…一体今度はどんな悲鳴が聞こえてくるのでしょうか?」
「…」

まるで目の前に神でも現れたかのような恍惚な表情を浮かべるナイトメア…。そして隣の男は正反対で全くの無表情だ。






ビー!!ビー!!


オペレーター「隊長!さらに転送魔法の出現を確認!!こ、今度のは今までのとは違います!!」
アニー「回線を開いて下さい!!」

さらなる敵の出現を確認し、すぐさま確認するアニーと氷牙。…どうやら魔方陣は前方にあるらしいが、その大きさはどうしてか小さい。が…


氷牙「…何だ、[アレ]は?」


魔方陣が消え、恐らくそこから出てきたと思われる[ソレ]…。数は3体、中央の一体は一見して兵士と思われる男性…。しかしその目は虚ろで、何処か上の空だ。だが、異様なのは彼だけでは無い。


アニー「…人、ですよね?」


形からすれば人だ。…だが、全身を覆う黒いボディスーツと何もないフルフェイスのヘルム…。まるで無を表すかのようなその姿は、はっきり異様だと確認できる。




「…う、ウォォォォォォぉぉ!!」



オペレーター「た、隊長!中央の兵士らしき人物から高エネルギー反応!!…かなり大きいです!」
アニー「!?」



[ゾンダァァァァァァァァァァァ!!]



考えてる暇もなく、目の前にいた一体は雄叫びを挙げながら、その姿を醜悪な、機械と生物が入り混じったような姿へと変貌させてゆく。…そして、今度は近くにあった、戦闘機や戦車の残骸を取り込みながら巨大化してゆく…。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.255 )
日時: 2012/04/14 22:54:39
名前: 孝(たか)

氷牙「ちぃっ!?まさかこんな厄介な野郎が犯人だったのか?!」

アニー「氷牙さん!あれは…アレは一体何なんですか!?」

突然現れた機械生命体に驚きをあらわにするアニー。

氷牙「奴の名は機械生命体”ゾンダー”三重連太陽系で創られ、知的生命体にゾンダーメタルが寄生する事で誕生するメタルモンスター機械や無機物と融合して強化変形する。そして、完全体にまで成長するとゾンダー胞子を散布させ、仲間を増やし続け…最後には、全ての生物をゾンダー化…機械昇華してしまう恐ろしい兵器だ。そして、獅子王凱の居た世界で地球の侵略を企てていた。」

アニー「兵器…」

氷牙「……だが、ゾンダーメタルを含む制御プログラムZマスターは本来、人のマイナス思念…いわゆる怒りや悲しみといったストレスなどを昇華する事を目的として三重連太陽系紫の星で開発されたシステムだった。しかし、マイナス思念を無くすためには発生源である有機生命体自体をマイナス思念を持たない機械生命体に昇華させればよいという判断を下したZマスターは、紫の星を手始めに全宇宙の機界昇華を開始するようになった」

アニー「つまり…」

氷牙「あぁ…ギズモン:ATなんかよりよっぽど性質が悪い…触れれば最後…取り込まれてゾンダーの仲間入りだ…」

アニー「皆さん!逃げて!!!!」

アニーは外の人員に避難勧告をだす。


ヴリトラ「逃げろったって!」

ヴリトラモンは後から出てきたガルーラと力比べ中である。

シューツ「これだけの乱戦中どうやって…!?」

ウィンド・オブ・ペインで敵を凪払っていくシューツモンが苦悶の表情でつぶやく。


氷牙「…鏡夜!例のプログラムはどうなった!?」

鏡夜に通信を繋げ、怒鳴る様に聞く氷牙。

鏡夜「あんなちょろいプログラムなんて1時間もかかる訳ないでしょ。ほら。」

そういって、鏡夜はデータをブリッジに送信した。

氷牙「サンキュー!プログラム起動!シンクロフィールドシステム作動!エネルギー解放!全防衛組へのリンク開始!」

オペレ「了解!」

オペレ2「プログラム起動確認!シンクロフィールド増大中!200…220…250…260…270…300!周囲30キロ圏内への展開完了しました。」

オペレ3「各防衛組への通信リンク同調を確認しました!いつでもいけます!」

氷牙「アニー。ここの隊長はお前だ。承認を」

アニー「は、はい!トレースシステムの発動を承認!トレースオン!」

オペレーター一同『了解!トレースシステム…ドライヴ!』

氷牙「イグニッション!!!」

プログラムの発動と共に氷牙が光の粒子に変換される。


ライ「な、なんだ?この結界?」

氷牙『安心しろ。鏡夜に頼んでいた物が発動しただけだ。』

ライ「氷牙さん?」

氷牙『今から俺がお前達全員と同調する。』

エルフィ「ぜ、全員って…30人くらいますけど!?」

氷牙『大丈夫だ。問題ない。』

大「そうは言うけどよ!同調ってどういう事だよ!?オラ!!」

ギズモン:ATを殴り飛ばしながら質問する大。

氷牙「簡単に言えば、大がアグモンとマトリックスエボリューションしてるのと同じ原理だ。」

大「なるほど、わかった。」

氷牙『ま、もっと噛み砕いて言えばだ。俺が出来る事を、お前達も出来るようになるってのと同じだ。俺はお前達で、お前達は俺。そんな感じだ。』

イクト「よくわからない…」

氷牙『あ〜〜理解するな。感じろ。行くぞ!トレースオン!!シンクロ開始!インストール!』
メンテ

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