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異世界大戦記8
日時: 2011/02/13 18:31:20
名前: ミクニップ

…3つの光…それは志…


…自身の過ちのために残る者…


…守りたいもののために旅立つ者…


…己の未来のため、運命に抗う者…


3つの志交わる時、新たな物語の幕が上がる…


そこに待ち受けるのは出会いか、それとも別れか…?


異世界大戦記8、始まります
メンテ

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Re: 異世界大戦記8 ( No.209 )
日時: 2011/10/14 01:56:04
名前: 孝(たか)

氷牙「初めまして。提督の氷牙だ。君の名前は?」
ナチュ「あ…あう…////」

人見知りが激しいせいか、中々言葉を紡げないでいるナチュリー。

氷牙「ははは。ゆっくりでいいから、な?」
ナチュ「あ…な…ナチュ…リー…スパーク……です。」

氷牙「ナチュリーか。良い名前だな。」
ナチュ「あ……//////」

氷牙に頭を撫でられて顔を赤くするナチュリー。

氷牙「あ、そうだ。ほら。キャンディー嘗めるか?」
ナチュ「あり…がとう…///」

氷牙が手をクルリ回して、拳を開くと、大玉の飴が出てきた。

氷牙「どういたしまして。ほら。たくさん有るから、友達にも分けてきな。」

両手を叩くと30近い飴玉が大量に入ったバスケットをどこからともなく取り出して、ナチュリーにバスケットごと渡す。

ナチュ「あ…うん!///バイバイ…」

ナチュリーは控えめに手を振ってバスケットを持って友達たちの所へ向かった。

氷牙「さてと……じゃ、後は頼んだぞ、アニー?俺は、あの馬鹿(シャープ)を躾けてくる。」
アニー「あ…えと……お手柔らかに?」

氷牙「…ふ。判ったよ。」


数分後…

シャープ「何か用ですか?アンヴィレント提督殿…」
氷牙「いや、なに…”力が全て”だとかいうテンプレ野郎にお灸を据えてやろうかとな…」

シャープ「世の中力が全てだ!強い者が勝つ!弱肉強食こそ世の真実だ!!」
氷牙「あほか。”力だけじゃ意味がない”んだよ。力が全てなんてのは、”ど三流”の考えだ。」

シャープ「ふざけるな!力が無ければ何もできない!」
氷牙「”過ぎた力は災いを呼ぶ”とも言うがな。」

シャープ「それは弱者の考えだ!貴方はいいよな提督殿!貴方には強大な力がある!!その力で、全てを救ってきたはずだ!!」
氷牙「……強大な力か……確かに俺には膨大な魔力と、長寿たる経験がある…だがな……俺は、”自分の強大な力が憎くて仕方がない”とも思っている」

シャープ「!?それだけの力を持っているのに、力が憎いだと!?フザケルナ!?貴方はその強大な力を持っていながら、それが憎いだと?何も失っていない癖に!!」
氷牙「お前、力があれば何も失わないとでも思っているのか?だとしたら、お前はアニーを馬鹿にする資格は無い。アニーは本当の力がどう言うものか知っている。」

シャープ「んな!?俺が姉に劣っているだと!?階級なら俺が上だ!!」
氷牙「階級でしかモノを見れないのか?だとしたらお前は3流どころか、5流以下だ。その辺のチンピラと変わらん。」

シャープ「なんだと!?」
氷牙「力が全てだと?力があれば失うものは無いだと?驕るなよ小僧…」

シャープが氷牙に殺気を全開にしてぶつけるが、逆に氷牙はシャープの殺気よりも何倍も深く、濃い殺気をぶつける。

シャープ「!?!?!」
氷牙「力はただ力でしかない。例え強大な力を持っていても、それを制御出来なければタダの災いでしかない。」

シャープ「ハァ…ハァ…」
氷牙「お前は力がなかったから過去に救えなかった友が居たらしいが…俺はこの力のせいで故郷を、仲間を、友を、家族を失った。お前は他人のせいで失ったが、俺は俺の力で全てを失った。」

シャープ「ハァ…ハァ…くっ…!?」
氷牙「自分だけが地獄を味わったような、同情を誘うような真似をしてんじゃねぞクソガキが!?貴様以上の地獄を味わった奴は、この世には掃いて捨てるほど居るんだよ!!貴様程度の悲しみなど、本当の地獄を見た奴からすれば犬に噛まれたのと変わらんわ!!」

シャープ「なん…だとぉ!?!!」
氷牙「何度でも言おう。貴様の悲しみは絶望とは程遠いと言っているんだ!!力がなかったから?愚か者が!どんなに強大な力があろうとも、救えるのはほんの一握りだ!力を持っていても、お前は強くはなれん!」

シャープ「それは、テメェみたいに…強大な力を持っているから言える事、だ!何の力も持っていない俺の悲しみが…力を持っているテメェに判るか!?」

氷牙「判るか!?知りたくもないわ!!力だけを求めるなんてのは、自分の欲望を満たすだけの自己中心的な者だ!貴様は力を手に入れて何をする気だ!」

シャープ「俺は…俺は!!!」
氷牙「ふん…俺の殺気を浴びて立ち上がるか…良いだろう。力が全てだというなら、証明して見せろ。」

シャープ「ハァ…ハァ…なにぃ?」
氷牙「この水晶の中には、雷系魔法の奥義…雷系極大消滅魔法…”デストロイ・ギガ・デス”が封じ込められている。これは俺も使える魔法だが、相手に使われた場合、俺は防戦一方になる。」

シャープ「(この男が、防戦に回るしか無くなるほどの…力!!)」
氷牙「だが心せよ……これを習得し、モノにするのは、真の強者のみ…力だけを求める貴様が…どの程度、この魔法を使えるか見せて貰うぞ…そして理解しろ…”力が全て”がまやかしである事に…ではな。精々幻想に溺れるがいい。」

氷牙が立ち去って数分…

シャープ「これが…力…俺の求める強大な力…ふふふ…クククククク…クハハハハハハハ!!!!!!アーーハハハハハハハハハハ!?!手に入れた!!遂に俺は強大な力をこの手にぃ!?!?」

シャープは氷牙に渡された水晶を砕き、中に封じられていた”デストロイ・ギガ・デス”を習得した。

シャープ「アハハッハハハハハハ!?!漲る!!力が溢れ出る!!ふふふふ!アハハハハハハ!!!これだ!!これこそ俺が求める強大な力だ!!この力さえあれば…俺は…俺が…最強だ……!!!!」

氷牙の渡した水晶…それは技マシンと呼ばれるアイテム。

使い捨てではあるが、強大な技が簡単に手に入る貴重なものだ。

だがしかし……技と言うものは、それだけで強い訳ではない。

心・技・体。

心が未熟であれば技は児戯と化し、体が未熟であれば技は発せず。

技を持てどもそれを成す心・体が無ければそれは意味を成さない。

力はタダ、力。

それを振るうのは心。
それを成すのは己が身。

力だけでは何の意味も成さない。

それを…シャープ・スパークは理解していない。

何故氷牙がこの技を使われた場合に防戦しかできなくなるか…

氷牙程の実力があれば避けるのは容易い。

しかし、この技を使われて、避ける訳にはいかない。

そう…なぜならこの魔法は……威力が高過ぎるのだ。

避ければ自分は助かる…しかし、避けた先に町があればどうだろうか?

その町は何の抵抗もできず、住民は気付かずに消滅している事だろう。

そう、氷牙は避けようと思えば容易く避ける事が出来る。

だが、避けないのではなく、避ける訳にはいかないのである。

シャープが手にした力は、そんな”破壊しか出来ない物だからだ”

氷牙は身を以って教えようとしている。

力はタダ力、使い方を間違えれば……それは破滅しか残らない。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.214 )
日時: 2011/10/22 05:32:32
名前: 孝(たか)

アウムドラに物資を運ぶのによるまでかかるという事なので、予定通りに昼から模擬訓練を始める事となった。


氷牙「今から、チームを発表するぞ。まずはAチーム。イクトとファルコモン、夢原のぞみ、夏木りん、織本泉。あと章悟。」

『『はい(おう)!』』

氷牙「次、Bチーム。トーマ・H・ノルシュタインとガオモン、源輝二、水無月かれん、秋元こまち、あと修治。」

「「はい!!」」

氷牙「そして、Cチーム。藤枝淑乃とララモン、春日野うらら、美々野くるみ、木村輝一、あと絵美里。」

「「はい(はーい)!!」」

氷牙「んで、最後にDチーム。神原拓也、大門大とアグモン、ライ、エルフィ。以上、19名と4体。各自、チームで集まれ。」

「「はい(おう)!!」」


各チーム作戦会議中…

Aチームは章悟と泉とりんが中心に作戦を立て…

Bチームはトーマを中心に作戦を立て…

Cチームは淑乃と輝一が中心に…

Dチームはライとエルフィが中心に…


それぞれがそれぞれの特徴を活かす作戦を立て…時間が経過する。


氷牙「よし。準備は良いか?」

一同『はい!!』

氷牙「混成チームで模擬戦とは言ったが、別に仲間同士でやる訳じゃない。そんなことすればバラバラにしてもワンマンで終わる。」

『『うんうん。』』

主に大とアグモンを見て頷く一同。

氷牙「よって…お前らの相手は……こいつらだ!武装錬金!!決闘盤の武装錬金!デュエルディスク!!…ドロー!ふむ…レベル1のチューニング・サポーターを捨て、パワー・ジャイアントを特殊召喚。レベルが5に下がる。ジャンク・シンクロンを召喚し、墓地からサポーターを復活。レベルの合計は9!シンクロ召喚!『A・O・Jフィールドマーシャル』!サポーターの効果で1ドロー!」

A・O・Jフィールドマーシャル 攻撃力2900

氷牙「墓地の光属性サポーターと、闇属性ジャンクを除外し、『カオスソルジャー‐開闢の使者‐』を特殊召喚!死者蘇生を発動!ジャイアントを蘇生!強欲な壺を発動!2ドロー!カードを1枚セット、二重召喚発動!更に命削りの宝札!5ドロー!」

開闢の使者 攻撃力3000

氷牙「ワン・フォー・ワン発動。手札のモンスターを捨て、デッキからレベル1のナチュル・チェリーを特殊召喚!開闢のレベルを1つ下げ、墓地からスティーラーを特殊召喚!ジャイアント、スティーラー、ナチュルをシンクロ!来い!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!更に、ジャンク・シンクロンを再び召喚!墓地からナチュルを復活!レモンにジャンクとナチュルをダブルチューニング!シンクロ召喚!叫べ!『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』!」


スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 攻撃力3500→5000


氷牙「異次元からの埋葬を発動!除外されたジャンクとサポーターを墓地へ戻す。星屑のきらめきを発動。墓地のレモンを選択し、6のジャイアント、1のスティーラー、1のサポーターを除外し、墓地からレモンを復活!」


レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻撃力3000

氷牙「そして伏せカード天使の施し発動!3ドローして2枚捨てる。貪欲な壺を発動!ジャンク二体とナチュル1体、さっき捨てたモンスター2体をデッキに戻し、2ドロー!カードを1枚セット。天よりの宝札!6ドロー!」

『『まだあるのか!?!?!』』

氷牙「融合を発動!手札のサイバー・ドラゴン3体を融合!来い!『サイバー・エンド・ドラゴン』!」

サイバー・エンド・ドラゴン 攻撃力4000

氷牙「苦渋の選択を発動!デッキから5体のモンスターを選択する!ジャンク・シンクロン3体と、共闘するランドスターの剣士2体を選択。どれを選んでも一緒だから、ランドスターを加える。他は墓地へ、更に融合発動!手札の戦士族ランドスターと場のドラゴン族シンクロのレモンを融合!来い!『波動竜騎士ドラゴエクィテス』!」

ノヴァ攻撃力5000→6000

氷牙「こいつ等を魔力値であらわすと…こうなる!」

ノヴァ 魔力値SS+

エンド 魔力値SS−

波動竜騎士 魔力値S+

開闢 魔力値S+

マーシャル 魔力値S

氷牙「さぁ……お前達はこいつらにどう対抗する?」


『『『ちょ!?ハードすぎやしませんか!?』』』

大「よっしゃぁ!!あの一番デケェ赤い竜は俺が相手してぇぜ!な!アグモン!!」

アグモン「おうよ兄貴!!」

『『『お前らそればっかだな!?!?』』』
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.215 )
日時: 2011/10/23 14:31:22
名前: カイナ

氷牙「あー待て待て。流石にいきなりスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの相手はきついからな。こいつはまずそれ以外のモンスターを倒してから、全員で戦ってもらう」

輝二「つまり、AチームからDチームが一チームにつきそのモンスター一体ずつを倒し、最後に全員でその赤い竜と戦ってもらう。というわけか」

氷牙「そういう事だ」

氷牙の制止の言葉と説明を聞いた輝二が返すと氷牙はそうそうと頷き、それを聞いた大は一瞬チッというようなつまらなそうな目を見せる。恐らく目の前に強そうな相手がいるのに喧嘩を売れないのがつまらないのだろう。すると大はサイバー・エンド・ドラゴンを見てゴキリと拳を鳴らした。

大「じゃあ、とっととあの銀色の機械竜をぶっ飛ばすか! 行くぞアグモン!!」
アグモン「おう!!」

大はそう言うや否やアグモンと共にサイバー・エンド・ドラゴンに向かっていき、それを見たサイバー・エンドは三本の首の先にそれぞれ一つある頭から一本ずつ一筋の光線を発射する。しかし大とアグモンは力強く地面を蹴ると跳躍、一瞬でサイバー・エンドの真ん中の頭の高さまで飛び上がった。

大・アグモン「「うおりゃあああぁぁぁぁっ!!!」」

そして一気にその頭目掛けて拳を叩き込み、それを受けたサイバー・エンドの巨体が吹っ飛ぶ。

氷牙「Dチームの相手はサイバー・エンド・ドラゴンに決定だな。頑張れよ」

エルフィ「スカノヴァを除けば一番強いのと戦う事になるとはね」
ライ「ま、なんとかなるって」
拓也「ああ、いくぜ!」

氷牙の言葉にエルフィはやれやれというように頭を振って呟くとライが二刀を準備しながら返し、拓也もそう言うとデジヴァイスを構える。それを聞くとエルフィもええと頷いてレイピアを構えた。そしてライの身体が炎に、エルフィの身体が光に包まれる。

ライ「借りるぜ、ウマゴン! ディオエムル・シュドルク!!」
エルフィ「光よ、我に力と加護を! フォース・オブ・シャイニング!!」

ライの呪文と共に彼を包んでいた炎がオレンジ色の鎧となり、頭に一本の角が生えた兜が被される。それと同じようにエルフィの身体を神々しい光がまるでオーラのように包み込む。それを見た拓也もデジヴァイスを左手に握り、右手を前に突き出す。すると右手にデジコードの輪が現れ、拓也はそれをデジヴァイスになぞらせるように滑らせる。

拓也「スピリット! エボリューション!」

その言葉と共に拓也をデジコードが包み込み、彼の身体がデジモンへと進化していく。彼が進化するのは過去デジタルワールドを救った伝説の十闘士、その中で炎を司る戦士。その名は……

アグニモン「アグニモン!!」

拓也のアグニモンへの進化が終了すると同時に三人はサイバー・エンド・ドラゴンの方に走り出す。そしてエルフィは彼らの数歩後を走りながら声を出した。

エルフィ「デュエルモンスターズの力がそのまま再現されているという事を前提にすればサイバー・エンド・ドラゴンはとんでもない攻撃力と守備の意味をなさない貫通効果があるはず! 防御より回避を優先するように、大さんにも伝えておいて!」
アグニモン「了解だ!」
エルフィ「あ、それとライ! ディオエムル・シュドルクがきつくなったらすぐ解除すること! いいわね!?」
ライ「分かってるって、こっちも焼け死にたくないし!」
エルフィ「信じてるからね!? じゃ、私は作戦通り後方支援でいくから!」

エルフィの指示にアグニモンが頷くとエルフィは目を吊り上げてライに注意、それにライがこくこくと頷いて返すとエルフィはそう言い、サイバー・エンド・ドラゴンから付かず離れずになるような距離を取り始める。それを一瞥した後ライとアグニモンはサイバー・エンド・ドラゴンに走り出した。

アグニモン「ところでライ、ディオエムル・シュドルクがきつくなったらってどういう意味なんだ?」
ライ「ああ、俺のこの技は言ってみれば超高温の炎を無理矢理鎧の形に定着させてるようなものでさ、長い時間使うと俺の身体の方が耐え切れないんだ。前は全身大火傷負って父さんにとんでもなく怒られたんだぜ。で、最悪の場合身体が溶けかねないらしいんだ」
アグニモン「そう、なのか……俺も炎のスピリットを使ってるが、そんな心配した事がなかったな……」
ライ「そりゃきっとデジモンに進化したからだろ? アルフ、弟もこれの氷属性版、ディオギコル・ギドルクってのを使ってて、そっちは長時間使うと最悪身体が凍りつくって弱点があるからさ、それらの技は二人一組前提で一定時間に一回近寄って互いに体温を一定に保つようにする。それでなかったら一定時間で解除するようにうるさく言われてんだよ」

アグニモンの疑問の声にライはそう返し、二人は多少話し合うと前を向きなおした。するとそれを見つけたように大がにっと笑みを浮かべてデジヴァイスを取り出した。いつの間にか大の右手には不思議な光が奔っていた。

大「いくぜ、アグモン! デジソウルチャージ! オーバードライブ!!」

大はそう叫びながらデジヴァイスに右手の光を叩き込む、とアグモンの身体が光に包まれた。

アグモン「アグモン進化! シャイングレイモン!!」

光が弾け飛び、その中から出てきたのは太陽のエネルギーを持つ光竜型デジモン。大はその肩に乗ると体勢を立て直したサイバー・エンド・ドラゴンを見る。それと同時にライとアグニモンも到着した。

大「この喧嘩! 日本一の喧嘩番長大門大と!――」
ライ「――実戦用武術風雷流! 空時ライ! そして――」
アグニモン「――炎の闘士アグニモン! またの名を神原拓也が――」

三人「「「――買い取ったぁっ!!!」」」

大の口上に続いてライとアグニモンが名乗りを上げ、三人が声を合わせて叫ぶ。凄くノリノリだった。

エルフィ「まったくもう、いきなり熱くなっちゃって……さあ、私も私の仕事を行わないとね」

それらをエルフィは後ろでくすくすと笑いながら呟き、真剣な目を見せる。このチームの欠点、それはエルフィを除くと全員が熱血漢揃い。それ自体は何も悪くないが場合によっては熱くなり過ぎて咄嗟に冷静な判断が出来なくなるという可能性を秘めている。エルフィの役割、それは後ろで三人の援護を行いつつ三人が必要以上に熱くなり過ぎないように歯止めを行うストッパーと三人に対して指示を行う司令塔としてのものだ。
そしてサイバー・エンド・ドラゴンが雄叫びを上げ、Dチームの模擬戦がスタートする。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.216 )
日時: 2011/10/27 22:25:47
名前: ミクニップ

アニー「…凄いですね、此」
氷牙「だろ?だから俺も鍛え甲斐がある」

ふと、興味でやって来たアニーへと意気揚々に語る氷牙。目の前ではサイバー・エンドのエヴォリューションバースト3連打を避けながら連撃を叩き込むライ、その隣で攻撃を避けながら、ジャブを決め込んでいるSグレイモンと、時折指示を飛ばしながら自分も参加している大、彼等の前に出て持ち前のスピードとパワーで相手を翻弄するアグニモン、そしてそんな3人が時折無茶をしそうになった時、冷静にサポートをするエルフィがいる。皆、何処か活き活きした表情をしている。

アニー「…皆さん、活き活きしてますね」
氷牙「大とかはともかく、…他の3人には守りたい大切なものがある。仲間、友達、夢、信じる道、そして愛するもの全て…。だから彼奴等は、どんなに辛くても頑張ろうとする…俺はそんな奴等の守ろうとしてるものを守らしてやるために、こうして修行という形で鍛えてやってるんだ」
アニー「…羨ましいです、私達とは全く大違いです。…私達には守るべきものも、ましてや目指すべきものもありませんから…」

寂しそうに、そして何処か羨ましそうにエルフィ達を見つめるアニー。そんな彼女を見て氷牙は、少し考え込んでから1つため息。そして彼女の頭に掌を置くや、ガシガシと撫で回す。

アニー「ふぇ!?ふぇぇあぅぇ…」
氷牙「全く、それでもお前はエリーの娘かよ?…あの馬鹿なら、豪快に笑ってこう言うんじゃねぇか?『無いんだったらこれから見つければいいさ。お前は若いんだから、そんなショボくれた爺ぃみたいな事言うな』ってさ」

氷牙みたいな若爺とは違い、アニーはまだ15。確かに彼女にまだ夢は無い。だが彼女の人生はまだ長い。無いならこれから見つければいいだけだ。

アニー「…でも、何だか自信がありません。魔力値も中途半端ですし、弟達よりも弱いし…。長所何てあんまりありませんし…」
氷牙「自信が無いのは何処も同じだ。だから自信が持てるように努力するんだよ。…大丈夫だ、例え自信が無くっても、少なくとも俺やエリーはお前を認めてる。だからシッカリしろよ」
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.217 )
日時: 2011/10/31 20:38:18
名前: カイナ

アニー「ありがとうございます……あっ!?」
氷牙「ん? っ!?」

アニーは氷牙にお礼を言った後模擬戦の方に目を戻すがその瞬間声を上げ、それを聞いた氷牙もそっちを見る、と彼も目を見開いた。サイバー・エンド・ドラゴンの三つの頭は空中にいるライの方を向いており、その口から発射された三本の光線が一筋の巨大な光線となってライに襲い掛かる。

氷牙「エターナル・エヴォリューション・バースト、いくらなんでもあれを真正面から受けるわけが……」

氷牙はそう呟く。しかしライの空中移動方法は六式・月歩のみ、とてもそれでかわしきれるような状況ではなかった。するとライはにっと笑みを浮かべ、二本の刀を自分より遥か上にぶん投げる。

氷牙「はぁ!?」

武器を投げ上げるなんて予想もしない行動に流石の氷牙も呆けた声を上げる、しかしその直後接近してきた光線は別の何かに防がれていた。そしてその直後ライの姿がそこから消える。

アニー「えっ!?」
氷牙「……なるほど、ドダイドスで攻撃を防ぎその隙をついてガブリアスで離脱したか」

アニーが驚きの声を上げると氷牙が光線を防いでいる正体とライが消えた謎を解き明かす。エターナル・エヴォリューション・バーストを防いでいたのはたいりくポケモンドタイトス、そしてライが消えたように見えたのは消えたのではなく、アニーの目が一瞬追いつかないほどの速さでマッハポケモンガブリアスがライを助けその場を離脱していたのだ。それからライはガブリアスの背中に乗って体勢を整えるとさっき投げ上げた二本の刀を空中でキャッチし、鞘に収めるとガブリアスに装備させている手綱を握る。

ドダイトス「ドダ〜……」
ライ「ありがとうドダイトス! 光合成で回復してて!」

エターナル・エヴォリューション・バーストを防ぎきったもののダメージは凄まじかったらしく、地上に着地した後ドダイトスは妙にふらついており、それを見たライがそう指示を行うとドダイトスはこくんと頷いて回復を始める。

エルフィ「ちょ……ちょっと!? 勝手にポケモン使ったら後で怒られるわよ!?」
ライ「大丈夫大丈夫! さっき戦った相手もポケモン使ってたんだからそれの対策!」
エルフィ「ふぅん……」

それを見たエルフィが慌てたように叫ぶがライはけらけらと笑いながらそう返し、それを聞いたエルフィはにやりと意地の悪い笑みを浮かべる。

エルフィ「分かったわ……レオさん、メリオルさんと別行動を取る時、基本的に私達の中のリーダーはあなたになっている。リーダー判断ってことで……後で怒られたら責任、よろしくね?」
ライ「え?…………」

エルフィは冷静にそう言った後小首を傾げながら素晴らしい笑顔でライにそう言い、それを聞いたライは思わず固まる。そしてエルフィは片手剣と銃を鞘とホルスターに収めるとモンスターボールを取り出した。

エルフィ「さあ、いきなさい! フーディン! ポリゴンZ!」

エルフィが呼び出したのは二本のスプーンを両手に一本ずつ持って髭を生やした超能力ポケモンとなんか変な姿になっているポリゴン。

ライ「ってポリゴン!? なんでエルフィが持ってんの!?」
エルフィ「ああ、私の方が何かと使えるからって無理言ってアルフから譲ってもらったの。パソコンにハッキングする時とか便利でしょ?」
ライ「ああ、そりゃ確かに……で、その姿は何!?」

ライの問いにエルフィはまたもや素晴らしい笑顔で返しながら説明し、それにライはうんと頷くが直後さらにポリゴンの姿が変わっている事にツッコミを入れる。それにエルフィはぎくっとなり、彼から目を逸らす。

ライ「エールーフィー!?」
エルフィ「あー、それが……前の侵入作戦でポリゴン2に内部地図データをインストールさせた時に変なプログラムを一緒にインストールしちゃったみたいで……プログラムに不具合が起きちゃったらしいの……あははは」

ライが声を荒げるとエルフィはあははと苦笑しながら説明し、ライはがくんと頭を下げる。

大「お前ら! なんかよく分からねえが痴話喧嘩は後にしてくれよな!?」
ライ・エルフィ「「ち、痴話喧嘩じゃないっ!!」」

大がサイバー・エンドの向かって左側の頭にアッパーをかましながら叫ぶと二人は顔を真っ赤に染め上げて声を合わせて叫び、直後エルフィはごほんと息をつく。そして前を見るとサイバー・エンドは新たなポケモンを新たな脅威と認識したのか真ん中の頭がこっちにエヴォリューション・バーストを放ってきたのが見えた。

エルフィ「フーディン、光の壁!」

しかしエルフィは素早く指示をし、フーディンの張った特殊技を半減させる壁がエヴォリューション・バーストの威力を押さえ込む。

エルフィ「ポリゴンZ、ロックオン! ターゲット、サイバー・エンド・ドラゴン!」

その隙にポリゴンZはフーディンと光の壁の間に立つとターゲット機能を作動させてエヴォリューション・バーストの先からサイバー・エンド・ドラゴンをロックオンする。そしてエルフィはサイバー・エンド・ドラゴンを力強く指差した。

エルフィ「破壊光線、発射!」

その言葉と同時に放たれた破壊光線は目の前にあった光の壁を砕き、威力が半減していたエヴォリューション・バーストを吹き飛ばしてサイバー・エンド・ドラゴンに着弾した。

サイバー・エンド・ドラゴン[グオオオォォォォッ!!!]
大「しゃあっ! 今だ、ジオグレイソード!!!」

それを見た大はそう叫んでデジヴァイスに右手の光を叩き込み、それと共に現れた巨大な剣をシャイングレイモンが振るいサイバー・エンドを斬りつける。

アグニモン「アグニモン、スライドエボリューション! ヴリトラモン!――」
ヴリトラモン「――コロナブラスター!!」

そして拓也は自らの姿をヒューマンスピリット――アグニモンからビーストスピリット――ヴリトラモンへと変え、ヴリトラモンは両腕のルードリー・タルパナの銃口をサイバー・エンドに向けると熱弾を連射する。

ライ「皆離れてー!」

直後ライの声が響く。彼はガブリアスの手綱を握りながら声を上げており、そのガブリアスは空中を高速旋回していた。というかマッハポケモンというだけあってスピードが速過ぎてライの声もドップラー効果により妙なものになっており、ライも手綱を握ってないと絶対振り落とされている。

ヴリトラモン「何するかは知らないが……ここにいたらろくでもない事になるのをヴリトラモンの野性の本能が察知してる」
大「ああ……シャイングレイモン、少し離れるぞ」
シャイングレイモン「おう!」

ヴリトラモンの言葉に大も同意し、シャイングレイモンに離れるよう指示、二人と一匹はその場を離れるがその隙をつくようにサイバー・エンド・ドラゴンも動き出す。

ライ「ドダイトス、とおせんぼう!」

しかしそうはさせないとライが指示をし、それを聞いたドタイトスは両前足を地面に叩きつける。その瞬間何か不思議な力が働いてサイバー・エンド・ドラゴンの動きを封じ込めた。そしてぎゅんぎゅんぎゅんと旋回を繰り返していたガブリアスがその軌道を外れ、サイバー・エンド・ドラゴンに突進する。

ライ「いっけー! ドラゴンダイブ炎の高速矢(ライトニングアロー)!!!」

その言葉と共にガブリアスの身体が炎に包まれ、さらにその周囲に炎の分身が現れて共にサイバー・エンド・ドラゴンに突進する。

氷牙「シューティング・スター・ドラゴンのスターダスト・ミラージュみてえだな」

その光景を見た氷牙が思わずそう呟いた。そしてガブリアスの炎に包まれたドラゴンダイブと炎の兵隊による追撃と爆発がサイバー・エンドを襲い、爆発音と共にようやくドラゴンダイブによって発生した音が聞こえてくる。爆発による煙がサイバー・エンドを覆い隠し、ライとガブリアスは拓也達に合流する。エルフィもやってきており、ライがガブリアスから降りると一番に駆け寄る。

エルフィ「ライ、大丈夫!?」
ライ「あー平気平気。流石にディオエムル・シュドルクは耐久的にも時間的にももう限界だから解除するけど、戦えなくはないから」
ヴリトラモン「だが、これで倒せたのか?」
大「ここまでの連続攻撃だ、やれたとは思うけどな」

エルフィの心配するような言葉にライはそう返しながら炎の鎧ディオエムル・シュドルクを解除、それを一瞥した後ヴリトラモンはサイバー・エンド・ドラゴンを覆っている煙を見ながら呟き、それを聞いた大は頭をかきながらそう返した。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.218 )
日時: 2011/10/31 23:49:14
名前:

氷牙「………甘いな。俺の訓練を嘗めてもらっては困る…」

アニー「え?」

ボソリと氷牙は大達に聞こえないように呟く。

そして、何時の間にか手札が三枚に増えている。
約3分で1枚ドロー出来る設定らしい。

氷牙「速攻魔法"リミッター解除"発動!!エンドフェイズまで機械族の攻撃力は倍になり、エンドフェイズに破壊される。」

『ギャォォォォォオオオオオオ!!』

ビクンッとサイバー・エンド・ドラゴンが痙攣したかと思えば、青い瞳を真っ赤に染めて、巨大な体を倍の大きさにまで成長した。


VM「巨大化した!?」

SGM「アニキ!アイツの存在感が増した!!」

大「……おもしれぇ!火事場のクソ力って奴か!?根性あるじゃねぇか!行くぞシャイングレイモン!」

SGM「おう!」

大「チャージ!!デジソウル……バースト!!」
デジヴァイスバーストを横向きに変え、横のコネクタにデジソウルを読み込ませる。

大「限界を超えろ!!シャイングレイモン!!」

SGMB「ウオオオオオオオ!!シャイングレイモン!バーストモード!!」

兜が真紅の物に変わり、炎の翼と、炎の大剣、炎の盾を携えたシャイングレイモンの限界を超えた姿。

その名も……シャイングレイモンバーストモード。

拓也「俺もいくぜ!」

ヴリトラモンの進化を解き、再びデジヴァイスを構える拓也。

拓也「ダブルスピリット!!エヴォリューション!!うわあああああああああ!!」

ヒューマンとビースト、両方のスピリットを同時に使用した進化。

顔に、手に、足に体にスピリットが装着されていく。

アグニモンを基準に、ヴリトラモンのルードリータルパナ、翼、足を備えた姿。

その名は………

AM「アルダモン!!」
今、2体のデジモンがサイバー・エンド・ドラゴン・リミットオフに戦いを挑む!
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.219 )
日時: 2011/11/01 22:47:54
名前: カイナ

ほにゃ? リリカルフロンティア以外見てませんよ? 元々リリフロもなのはの世界観勉強のために読んでたらはまっただけですし。
――――――――――――――――――――
エルフィ「命(みこと)を育む女神の抱擁……キュア!」

エルフィの放った癒しの光がライの身体を包み込み、さっきの戦いやドラゴンダイブの反動によってか出来た傷やディオエムル・シュドルクによって出来た火傷を治癒する。それを受けたライは気持ちよさそうに目を閉じ、目を開けて両腕を回すとよしと頷いた。

ライ「んじゃ、拓也! 俺らも援護するぜ!」
アルダモン「は!? いや下がってろよディオエムルなんとかも使えなくなってんだから!」
ライ「大丈夫大丈夫! 元々俺ディオエムル・シュドルクはそんなに使用しないんだし!」
エルフィ「それに、これは模擬戦。黙って見ていても力にはならないわ」

ライの言葉にアルダモンが驚きと心配のような声を上げるがそのライはあっけらかんとした表情で言い、その後ろに立っているエルフィも静かに頷いて続ける。それにアルダモンは仕方ないというように息を吐いた。ちなみに大は既にシャイングレイモンバーストモードと共にサイバー・エンド・ドラゴンに殴りかかっている。

ライ「さてと……ドダイトスとガブリアスは疲れただろうしもう戻ってろ!」
エルフィ「フーディンとポリゴンZもね」

ライはさっきまで一緒に戦っていた二体のポケモンに対しそう言って二体をモンスターボールに戻し、エルフィも自分のポケモン二体をボールに戻す。

エルフィ「さて……とっておきはスカーレッド・ノヴァまで取っておきたかったんだけど……」

そう言うとエルフィは目を閉じ、何かに精神を集中する。すると彼女の胸辺りに一枚の闇に覆われたカードが現れ、エルフィは小銃を右手に持つとそのカードに銃口を向け引き金を引く。そのカードがパリィンと硝子が割れたような音を立てて木っ端微塵に砕け散り、カードに封じられていた闇が解放されその闇が一人の人間を形作っていく……その髪は闇に溶けるように真っ黒な色のものをボーイッシュな短髪にしており、瞳の色も吸い込まれそうな漆黒の色だ。

ライ「なっ……」
アルダモン「エルフィが……二人?……」

その姿を見たライが声を失い、アルダモンもそう呟く。闇が形作った存在は髪と瞳の色が真っ黒な以外はエルフィにそっくり、アルダモンはそれに驚いたようだがライは別の事に驚いていた。

ライ「デルフィ……な、なんで?……」
デルフィ「……」

そう呟くライを前に少女――デルフィはにたにたと笑っており、突然音もなく動き出す。それにライは僅かも反応できなかった。

デルフィ「久しぶり〜愛しのライー!」
アルダモン「い、愛しの!?」
ライ「ちょっ待っ、拓也、助けてー!」

エルフィそっくりのデルフィの満面の笑みでの言葉と突然抱きつくという行動にアルダモンがたじろぐとライが声を上げる、とエルフィがデルフィの背後から彼女の頭をガンと小銃で殴った。

エルフィ「ライにべたべたするな!」
デルフィ「あらあら、エルだって本当はこうしたいって思ってるんでしょ? こんな美しい顔と身体があるんだから自分の欲求に正直に生きなきゃ損じゃない?」
エルフィ「なっ!? わ、私は別、に……」

エルフィは最初こそ声を張り上げるがデルフィの率直な言葉を聞くと顔を真っ赤に染め上げる。

アルダモン「で……なんなんだ?」
エルフィ「あ、ごほん……彼女はデルフィ、私の心の闇と兵士としての心が形作った所謂私の負。最初はデルの事正直言って苦手だったんだけど、これから生き抜くためには彼女の力が必要。何より私自身を否定して生きるのは嫌だった」
デルフィ「エルは私を自分と認めた。だから私も私のために力を貸すというわけ……何より、こうして実体化出来ればライに迫りやすいしね」
アルダモン「……大変だな、ライ」
ライ「納得してほしくない……」

アルダモンの問いにエルフィは彼女の事を説明し、デルフィもくすっと笑いながら返した後どこか色っぽい目でライを見ながら続ける。それを聞いたアルダモンはライの方をどこか同情するような視線で見つめ、それにライはため息をつきながら答えた。

ライ「ご、ごほん! さあ、大さん一人じゃきついだろうしそろそろ俺達も援護に行くぞ!」
エルフィ「了解!」
デルフィ「ええ」

気を取り直すようなライの言葉にエルフィはこくんと頷き、デルフィもなんか怪しい笑みを浮かべながら両手を合わせて闇のマナをそこに集中、マナを広げるように手を離していき、巨大な鎌を作った。そしてアルダモンは両腕のルードリータルパナを展開するとサイバー・エンド・ドラゴンの方に向ける。

アルダモン「よし、いくぜ! ブラフマストラ!!」

その言葉と共にルードリータルパナから熱弾が連射される。その連射速度はさっきのヴリトラモンのコロナブラスターとは比較にもならない、そしてその隙を突いてライとエルフィは地上を走り、デルフィは闇のマナを背中に集中させると悪魔のような翼を作り出し、サイバー・エンド・ドラゴン目掛けて飛翔した。

大「ん? おぉっ!? エルフィお前その髪と目どうした!?」

それを見た大が驚いたように声を上げる。一応普通なら翼生やして空飛んでることから突っ込むべきなんだろうが、まあそこはそれなのだろう。

デルフィ「うるさい」

しかしデルフィは興味無さげな目で一蹴するとまるで死神が命を刈り取るかのごとく大鎌を一閃し、サイバー・エンドを斬りつける。それを受けたサイバー・エンド・ドラゴンの苦痛のような悲鳴を聞き、デルフィは顔をしかめるどころか恍惚そうな、ニタリという笑みを浮かべていた。

SGBM「ア、アニキ……エルフィ、どうしちまったんだ?」
大「俺が知るか……」

それを見た二人はそう呟き合っていたが、その次の瞬間聞こえてきた銃声で二人の意識がそっちに戻る。

SGBM「あっ! エルフィがもう一人!」
エルフィ「詳しい説明は後でするけど、彼女は私の分身みたいなものとだけ理解しといて!」

シャイングレイモンの声にエルフィはそう返しながら小銃をサイバー・エンド目掛けて連射し、さらにライが二刀で胴体を斬りつける。するとサイバー・エンド・ドラゴンの右の頭がライに頭突きをしてくる、なんかこう形としてはサイバー・エンドの右拳がライに向かっている感じだ。するとデルフィがその間に立ち――厳密に言えば浮遊だ――大鎌を構えた。

デルフィ「ライに、手は出させない」

その言葉と共に振るわれた鎌が右頭とぶつかりあい、ギリギリと鍔迫り合いが行われる。しかしやはり力の差が激しく、さらに単純な質量の違いもあるのかデルフィはすぐに押され始めた。

大「いっけえええぇぇぇぇっ!!!」

その次の瞬間シャイングレイモンバーストモードの振り下ろした大剣がサイバー・エンド・ドラゴンの右頭を叩き落し――とはいえ斬り落とすまでにはいかずすぐ元の位置に戻っていったが――デルフィはふぅっと息を吐く。しかし大に興味は無いのかすぐにふいっと目を逸らしていた。

ライ「大丈夫だったか、デルフィ?」
デルフィ「ええ、大丈夫。私が死ぬのはあなたが死んだ時、逆に言えば私が死ぬ時はアナタを殺してか――」
エルフィ「――それなら今ここでライに対する危険分子たるあなたを排除しましょうか?」

月歩の連発で宙に浮かんでいるライの言葉にデルフィはそう言うがそのことばが終わる前にエルフィ――光のマナを背中に集中し、天使風の翼を作って浮遊している――は額に青筋を作りながら彼女に銃を向ける。

大「しっかし、シャイングレイモンバーストモードの剣で斬れねえとは、なかなかやりやがるな」
アルダモン「ああ。ブラフマストラの連打もそこまでダメージを与えてるとは思えない」
ライ「確か、リミッター解除は機械族モンスターの攻撃力を倍にし、そのエンドフェイズに破壊する効果……だけどこれのエンドフェイズっていつだ?」
エルフィ「この戦いがエンドするまでじゃない?」

大の言葉にアルダモンが頷き、ライが首を傾げるとエルフィは首を横に振って冗談交じりに返す。そして未だにダメージを受けた様子を微塵も見せていないサイバー・エンドを見上げた。

エルフィ「まあ、デルとのコンビでの初陣にはちょうどいいかしらね?」
デルフィ「そうね……じゃあエル、さくっとヤッちゃおっか」

エルフィが右手に剣を握り、左手に小銃を握るいつものスタイルでそう言うとデルフィもくすくすと妖しく笑いながらサイバー・エンド・ドラゴンに大鎌を突きつけるように向けた。
――――――――――――――――――――
前に一度、ほんの少し登場した黒エルフィことデルフィ登場です。性格をさらっと説明すればライに対してヤンデレな小悪魔……なんですが仲間として戦わせるとした時のキャラが固定できません……。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.220 )
日時: 2011/11/19 22:57:52
名前: カイナ

サイバー・エンド・ドラゴン[グオオオォォォォッ!!!]

サイバー・エンド・ドラゴンは咆哮を上げると三つの頭から一本ずつ光線――エヴォリューション・バーストを放って攻撃を行う、その標的はチームの紅一点ことエルフィとその心の闇が具現した存在――デルフィだ。

エルフィ・デルフィ「「遅いっ!!!」」

しかし二人はそれを華麗に空中を滑空してかわし、デルフィは自分の身の丈はあるだろう大鎌を振り上げる形に振り被ると思いっきり振り上げてサイバー・エンド・ドラゴンの身体を斬り裂き、そこにエルフィが左手に持っていた爆弾を数個投げつけ、それはサイバー・エンド・ドラゴンの目の前で爆発を起こす。しかしその爆発はダメージを与えておらず、サイバー・エンド・ドラゴンがまた咆哮を上げて三つの頭に光線を放つためのエネルギーが溜め込まれる。

アニー「!?」
氷牙「ほう」

しかしその放たれた光線はエルフィ、デルフィ、さらには他のメンバーに掠りもせずにあらぬ方向に飛んでいく。それにアニーが目を見開くと氷牙はくっくっと笑い、エルフィもくすりと笑みを見せた。

エルフィ「特殊な光と音によって相手の感覚を麻痺させる特性魔法爆弾、ヴィジョン・ボム。本来は幻覚を見せる事により白兵戦での兵士の混乱を起こす用途に使うものなんだけど、まさかほんとに機械相手にも使えるなんてね。我ながら凄いわ、この幻覚を上手く応用できればあるいは直接攻撃にも……」

エルフィはさっきの魔法爆弾を自分の左手にぽんぽんと作り出しながらそう呟く。恐らく今のサイバー・エンド・ドラゴンには彼女らの姿は上手く認知できていないのだろう、誰もいない空中やら地上やら、あらぬ方向にエヴォリューション・バーストを乱射している。

エルフィ「さてと、巻き添えくうのもごめんだし一旦退くわよ」
デルフィ「ええ」

二人はそう言うやいなやその場を離脱する。サイバー・エンド・ドラゴンの前にはシャイングレイモンバーストモードとその肩に乗って喧嘩番長大門大がやってきている。

大「どういうわけだが知らねえが、隙だらけだ!!!」
SGBM「はあああぁぁぁぁっ!!!」

大の言葉の直後、シャイングレイモンバーストモードは炎の大剣を振り上げ、一気にサイバー・エンド・ドラゴン目掛けて振り下ろす。その一撃をサイバー・エンド・ドラゴンは無防備にくらってしまうがそれによって相手の位置を特定したのか、あるいはヴィジョン・ボムの効力が切れたのか分からないがシャイグレイモンバーストモード目掛けてエネルギーを溜め始める。

大「させるかああああぁぁぁぁぁっ!!!」

しかしそうはさせんとばかりに大は飛び出し、その中央の頭を思いっきりぶん殴る。その一撃にサイバー・エンド・ドラゴンの巨体が吹っ飛んだ。

ライ「なあ、拓也……」
アルダモン「ん?」
ライ「拓也って、炎のスピリットの力で進化してるんだよな?」
アルダモン「ああ」
ライ「じゃあさ……」

ライはふとアルダモンに問いかけ、その問いにアルダモンはこくんと頷く。それからライはさっきサイバー・エンド・ドラゴンを生身の拳で吹っ飛ばした大を見た。

ライ「大さんは一体なんのスピリット使って進化したんだろうな?」
アルダモン「いや、大さんは人間だろ?」
ライ「いやー、あれもしかしたら新種のデジモンかもよ? こう、マサルダイモンとか」
アルダモン「お前失礼だろ、大さんは人間だって……多分……」

ライの冗談交じりだがどことなく本気っぽい言葉にアルダモンは苦笑しながら言うが、最後には流石に自信がないようにそう呟いた。それから二人はそれぞれライは二刀に炎を纏わせ、アルダモンは両手を重ねるように持っていき、そこに小さな火球を作り始める。

ライ・アルダモン「「はああぁぁぁっ……」」

そしてライは炎を纏った二刀を構え、アルダモンの両手の火球も巨大になる。

ライ「波動炎舞!!!」
アルダモン「ブラフマシル!!!」

二人の言葉と同時に、ライが振り抜いた二刀から放たれた炎がまるで舞うようにサイバー・エンド・ドラゴンを包み込み、そこにアルダモンが放った巨大な火球がサイバー・エンド・ドラゴンに直撃する。

ライ「やったか!?」
エルフィ「いや、まだ!」
デルフィ「しぶとい……」

ライの言葉にエルフィは首を横に振って叫び、デルフィはチッと舌打ちを叩くと大鎌を構えなおす。あの炎の中に特攻しようというのだろうか、いや、鎌を構えなおしていつでも飛び出せるように構えているところから見て流石にそんな無謀な真似を行うつもりはないらしい。恐らく炎が消えた一瞬を突いて突っ込むつもりだろう。

SGBM「うおおおぉぉぉぉっ!!!」
大「いぃっけええぇぇぇっ!!!」

しかしそんな無謀な真似を行う奴らがいた。シャイングレイモンバーストモードは炎の大剣を構えながらサイバー・エンド・ドラゴンに突っ込んでいき、大もその肩に乗って声を荒げる。そしてシャイングレイモンバーストモードの剣がサイバー・エンド・ドラゴンの胸を刺し貫いた。

サイバー・エンド・ドラゴン[グオオオォォォォッ!!!]
大「これで……終わりだああああぁぁぁぁぁっ!!!」

更に駄目押しとばかりに大がデジソウルを纏った拳をサイバー・エンド・ドラゴンの中央の顔面に叩き込む。その一撃についにサイバー・エンド・ドラゴンの中央の顔面が砕け散り、その一撃に耐え切れずにサイバー・エンド・ドラゴンは地に倒れ伏せる。そしてサイバー・エンド・ドラゴンは何故かデジコードを浮かび上がらせ、それを見たアルダモンは素早くサイバー・エンド・ドラゴンに近づいてデジヴァイスを取り出した。

アルダモン「汚れた悪の魂よ、このデジヴァイスが浄化する! デジコードスキャン!!」

そう言いながらデジヴァイスでサイバー・エンド・ドラゴンのデジコードをスキャンする。それが終わった時、サイバー・エンド・ドラゴンの姿は消え去っていた。

氷牙「よし、まずはDチームクリアだな。さっき見た通りだが俺が召喚した奴らには擬似デジコードを組み込んでいる。最終的にそれをスキャン出来れば模擬戦終了だ」
拓也「でも、それだったら輝二や泉、輝一が戦闘不能になったら終了出来ないんじゃねえか?」
氷牙「ああ……頑張れ」
メンバー『えぇっ!?』

氷牙の言葉に進化を解除した拓也が尋ねると氷牙は妙に適当に返し、それにメンバーは声を上げた。
――――――――――――――――――――
さて、Dチームの模擬戦終了させて次どのチーム戦わせます?……というか問題が一つ、Dチームは俺のオリキャラがいたからどうにかなったけど……残るチーム俺デジモンフロンティアしか元ネタ知りません! デジモンとセットで呼ばれてるのはセイバーズの人だと予想はつくけど他のってなんの作品!? 戦いも最悪トーマはリリフロで戦い見てるからまだギリギリどうにかなるけどそれ以外どうしようもないっす! 忠タロウさんとこのオリキャラも実際に戦ってるところくに見てないし!!
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.231 )
日時: 2011/12/13 21:05:04
名前: ミクニップ

一方…



カタカタカタカタ…


鏡夜「……」

こっちはアウムドラにある鏡夜の部屋。現在鏡夜は愛用のノートパソコンとにらめっこしながらキーを打ち込んでいる。画面には理解できない英単語が並べられており、恐らく何かのプログラムかと思われる。


ピコン!ピコン!


鏡夜「ん?メールだ」

メールの受信を確認する画面が表示され、一旦作業を中止してメールを見てみる鏡夜。


差出人:ドラゴン
久しぶりだな。
連絡が遅れて申し訳ない、現在俺はある理由で未だにそちらの世界に行けない状況に陥っている。こっちは順調に物事がうまく行っているが、お前はどうなんだ?



ドラゴンと呼ばれる差出人から来たメールの内容を確認し、ちょっと笑みを作ると、鏡夜は慣れた手つきで返事を書く。



名前:ミッドナイト
こっちこそ久しぶりドラゴン。こっちは色々大変な事が起こってね、今は知り合いの薦めである所でちょっと休憩中だけど、そろそろ別の場所に移動しようと思ってる。場所はちょっと秘密だけど、友人の話じゃあちょっと緑も豊かな場所。
それで、前に話したと思うけど。次に会えるのは何時になるかな?



そんな文章を打ち込み、早々と送信する鏡夜。すると数分も経たない内に相手から返事が来る。



差出人:ドラゴン
暫くは無理だな。生憎こちらも早々厄介事に巻き込まれてしまってな?恐らく早くて2,3週間位だと思う。日にちが決まり次第、こちらから連絡を入れさせてもらう。…互いの健闘を祈らせてもらうぞ。



鏡夜「…ふぅ、それはどうも」

送られてきた本文を読み終え、とりあえずストレッチでもしてみる鏡夜。ふと、背後から視線を感じ、何時もの癖で咄嗟に剣を投擲。剣は壁に突き刺さるが、そこには誰もおらず…


「きゃはきゃは♪相変わらずやなぁ〜鏡夜はん。ウチが気ぃついて避けてやんかったら、さっきの剣で串焼きやったでウチ?」


そんな無邪気な声が聞こえたのはベッドの方。珍しく軽い眩暈を覚えながらも、いつの間にいたのか、ベッドに座って笑いながらこっちを見てる、右腕にドクロの装飾をあしらった灰色のブレスレッドをした少女を見てみる。

鏡夜「…確かドアの鍵、締めてあったと思うんだけど?」
???「あぁアレ?あないなモン、ウチやったら10円玉か名刺とかで開けられるし」

そう少女がケラケラ笑いながら放った言葉を聞き、とりあえず後で電子錠でも作っておこうと考えておく鏡夜。
この少女の名前はフラット。ちょっと変わった関西弁を喋るシャープの同い年の妹であり、ここに来た鏡夜を気に入ったのか、よく彼の前に呼んでも無いのに現れるのである。ちなみに鏡夜から見れば、神鈴程じゃ無いがちょっとした悩みの種でもある。

フラット「ほんで鏡夜はん。今ノーパソで何いじくっとったん?見た所何かのプログラムみたいやけど」
鏡夜「これ?昨日アニーに頼まれた奴だよ。何でもある機体のメインに使いたいらしくてね。丁度僕も暇だったし、とりあえず作ってみてる訳」
フラット「お姉やんが?ふ〜〜ん…。じゃあ[天月皇]の奴かも知れへんなソレ…」
鏡夜「[天月皇]…?」

フラットの言ったその言葉に興味を持ったのか、とりあえず聞いてみる鏡夜。
彼女曰く[天月皇]というのは、六星王と同時期にエリーによって造られた機体らしく、今は未完成のままアウムドラに積み込まれてるとか。

フラット「フレームとか構造とかの問題は無いんやけど…。どうもお母やんが納得のいく奴や無いらしくてな?設計図はあるんやけど、今は装甲の着いてない真っ裸のままこの艦に放置されとる訳や」
鏡夜「ふ〜ん?」

フラットのそんな話を聞きながら、鏡夜は久しぶりにある感情が芽生えたのを感じた。それは好奇心。子供のように純粋な鏡夜は、その未完成の機体の話を聞いて若干興味が沸いてきたのだ。

鏡夜「ねぇねぇフラット。それって何処にあるか知ってる?」
フラット「ん?多分お姉やんの事やから、このアウムドラの貨物室にあると思うけど…」

何だかワクワクしてる鏡夜に若干不信感を感じるも、とりあえず悪い事にはならないだろうと場所を教えるフラット。

鏡夜「じゃあじゃあ。ちょっとだけでいいから、僕に貸してくれない?別に変に弄くろう何て事はしないから」
フラット「う〜ん…。ウチは別にそないなのどーにでもしてくれて結構やけど、一応お姉やんに聞いとき?ウチの判断だけで決めてもてもアカンやろし。…それに探せばライドアーマーのパーツとかも転がってる思うから、そん位やったら勝手に持って帰ってもろてもかまへんと思うで?」
鏡夜「ホントに!?」

フラットのそんな言葉に、まるで玩具をもらった子供みたいな笑顔を見せる鏡夜。
メンテ
Re: 異世界大戦記8 ( No.232 )
日時: 2011/12/20 20:34:03
名前: ミクニップ

…さて、そんな感じで時間が過ぎて行き、されからもう3時間後…




氷牙「各機、エンジン及び機体の状況を確認しろ」

『1番機から6番機、全機のエンジン系統及び装甲に異常はありません!』

アニー「民間人及び積荷、機体のチェックはどうですか!?」

『はっ!先程確認しましたが、異常や取り残しは全くありません!!』


氷牙の訓練が終わった頃には、アウムドラへの積み込みと民間人の収容を終わらせていた。現在は氷牙とアニーの指導の下、最終チェックが行われている状況だ。

氷牙「よし、全アウムドラに通達。準備が整い次第、これより全機は指定された場所へと向かう。途中、野党の可能性も否定できないため、なるべく密集しながらの飛行を想定してほしい」

…そう、場所を指定して来たのはあのオウマだ。奴の事だから何を仕出かすのか分からない。しかもこちらには戦えない民間人もいる。迂闊な行動はできるだけ避けたい。

アニー「氷牙さん。先程カービィさんから伝達が来ました。皆さん、所定の位置に着いたので、何時でも発進してほしいとの事です」
氷牙「そうか。…で、この部隊に配属されてる初期戦力はどれ位だ?」

問題は此所だ。いくら氷牙達が最強と呼ばれていても、いくらか限界はある。初期戦力を確認し、今後の作戦を決めなければならないのだが…

アニー「はい…幾度の戦闘で、現在この部隊に存在する機体は…ジェガン2体にVF-171が2機、そして気休め程度にケーニッヒ・モンスターが1機と、その他ほぼ修復なまでにジャンクになった機体が多数…」
氷牙「ホント気休めにしかならない所か、かなり不安になりそうな程少ないな…。たった2小隊しかできねぇじゃん…」

鏡夜ならジャンクを再利用して何か作ってくれそうだが、現在奴は別の事に没頭中で無理だ。

アニー「…実を言うと、これ以外にもあるにはあるんですが…」
氷牙「あ?まだあったのか?」
アニー「はい。ちょっと訳があるんですけど…ゴニョゴニョゴニョ…」

何だかバツが悪そうな表情をしながら耳打ちするアニー。…そして聞く度に氷牙の表情も、何だか微妙な顔つきに…

氷牙「…あ〜、そら確かに扱い辛いわな」
アニー「…」
メンテ

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