Re: 異世界大戦記8 ( No.83 ) |
- 日時: 2011/04/29 20:48:53
- 名前: ミクニップ
- アニー「…凄いです、本当に耐えてます…!」
自分や部隊では到底苦戦していた相手に、もはや疲労すら無いのではと思わせる程の戦いぶりを見せるカービィ達(ボーボボ供サボってます)。その戦いぶりから、これまで戦い抜いてきたのも納得がいく(やっぱりボーボボはサボってる)。
アニー「(お母さんが言ってた通りです、あの人達の強さは本物です。それに比べて…)」
弟も説得できない、まともに兵すら扱えない、さらには自身は母親と違って才能は平凡、魔力も他と比べてBとそんな大した事も無い…。管理局に入れたのも筆記じゃギリギリ、しかも殆ど親族だからという理由での推薦…。悲しい事に、自分にはいい所はほとんどと言っていい程無い。むしろ昔のティアナ(やさぐれ Ver)の方がまだ優秀と言っていい程の平凡…。
アニー「(…だ、ダメです!自分が暗くなったら士気に影響が出ます!だ、だから頑張らなきゃ…!!)えっと…、そろそろ鏡夜様から連絡が来るかと思いますけど…」 鏡夜『呼んだ?』 アニー「(じゃ、ジャスト!)あ、あの!!どうでしたか鏡夜様!?」 鏡夜『ばっちりだよ〜。見つけたよ【魔方陣】。しかも4つ』 アニー「(やっぱり…!)」
アニーが鏡夜を離脱させた理由…。それは、この無限に出てくる敵を見て不自然に思ったからである。いくらわんさか出てくると言っても、流石に限度位はある。それなのに出てくるというのは、何処かに召喚用の魔方陣が存在するとしか考えれないのである。
鏡夜『それでどーするの?僕なら此れくらいすぐに全部破壊できるけど?』 アニー「お、お願いします!!」 鏡夜『おっけー。それじゃあ…えいっ♪』
キュボォォォォォォォンッ!!
…まるで子供が小石か何かを投げるかのような気楽な感じで鏡夜が念話遮断した途端に上がった4つの爆風…。簡単ってそういう意味なのか。
鏡夜『ふうっ…、とりあえずおわったよ〜』 アニー「え、あ、ありがとうございます!後はこちらで何とかできますから、とりあえず休んでてくれて構いません!」 鏡夜『オッケ〜。…ま、どうせ暇だからこれから援護にいくね?それじゃ』
そういうと同時に切れた念話。そしてその言葉を聞いたアニーに、小さいながらも勝利への付箋が確定した。
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Re: 異世界大戦記8 ( No.84 ) |
- 日時: 2011/04/30 20:46:36
- 名前: 孝(たか)
- 鏡夜「あ、そうだ……あれを使おう…フフフ…一度やってみたかったんだよねぇ……科学者として…いや……漢として!!!!」
鏡夜は足早に戦場に駆けだす。
鏡夜「リンク!!」 リンク「なんだ?手伝ってほしいのか?」
鏡夜「うん。手伝え♪」 リンク「拒否権を行使する。」
鏡夜「拒否権を拒否する事を行使する。」 リンク「くれよ拒否権!?そう言うのは氷牙の役回りだろ!?」
鏡夜「駄目、今回は君で無いと意味がない。」 リンク「なんでだよ!?」
鏡夜「それは……こういう事♪」
ポチッとな。
何かのスイッチを取り出して無造作に押し、放り投げる鏡夜。
リンク「ホ〇ポ〇カプセル!?」
投げたカプセルは爆発し、大量の煙を巻き上げてある物が飛び出す。
リンク「こ、これは?!!?」 鏡夜「ふふん…どう?これで君でないといけない理由が判ったかな?」
リンク「……あぁ、嫌という程な…」
其処にあったのは…巨大な顔に手足がついた赤いロボットと、小さい顔に手足の付いたロボットだった。
鏡夜「僕はこっちに乗るから、君はこっちね。」
そう言って、鏡夜は小さい方に乗り込んだ。
リンク「へいへい。わかったよ…やりゃぁいいんだろやりゃぁよ!?」
言って、リンクはロボットの口から搭乗席に乗り込んだ。
鏡夜「いっくよおおおおおおおおおおお!!!合体だああああああああ!!!!」 リンク「どんと来い!!」
鏡夜「ラガン!!インパクト!!!」
小さいロボット…ラガンは手足を収納し、搭乗席のシャッターを閉め、首下からドリルを生やすと、大きな顔のロボット…グレンの頭に突き刺さった!!
グシャァ!!
ドリルが刺さった瞬間、リンクの搭乗席の頭上からドリルが貫通してきたので、全力で回避するリンク。
リンク「殺す気か!?危うく脳みそぶちまける所だったぞ!?」 鏡夜「そこは君の反射神経を信じてたから♪」
リンク「嘘を付け!?」 鏡夜「うん。これも仕様だよ♪」
そして、鏡夜が魔力を溢れさせると、二体のロボット…ガンメンに変化が訪れた。
まるで、変身のごとくグレンとラガンが変形していく!
鏡夜「人と魔族の二つの道が!螺旋(ねじ)って交わる螺旋道!」
リンク「幾千の次元を超え!悲しき結末打ち砕く!明日への希望をこの手で創る!!」
『『宿命合体!!グレンラガン!!!!』』
『『僕(俺)達を誰だと思っていやがる!!!!!!』』
今ここに
絶対無敵
天上天下
一騎当神
超絶怒涛
最強にして、最凶
燃える魂の塊が降臨した!!!
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Re: 異世界大戦記8 ( No.107 ) |
- 日時: 2011/05/02 20:32:56
- 名前: ミクニップ
アロン『ふ、ふぅおぉぉぉぉぉ!?ぐ、グレンラガンだ!グレンラガンだぞカービィ!!』 カービィ「はいはい、そうだねあーちゃん。声優繋がりだよね」
突如出現したグレンラガン見てテンション上がったあーちゃんに適当に返事しながら敵倒すカービィ。
鏡夜「よし、じゃあ一発やっちゃうよ!」 リンク「こうなったらヤケだ、アレをやる!!」
ガシッ!バキバキバキ!!
『必殺!グラサンブーメラン!!』
バシュッ!!
カービィ「ぬおぉぉぉぉぉ!?」
間一髪であった、グレンラガンが胸のグラサン引っぺがして投げ飛ばしたのを見て、自身がそのまん前でもあったために何とか横っ飛びで回避するカービィ。
カービィ「な、何すんだよこのアホぉぉぉぉぉぉ!?」 鏡夜「やっちゃった。テヘッ♪」 カービィ「死ね」
シュッ、ドスンッ!!グシャァン!!
カービィ「ごげぇ!?」 鏡夜「何するんだよもう!」
カービィがグレンラガン(正確には鏡夜が乗ってるラガン)目掛けてアロンダイトを投擲。それは見事に突き刺さるも、今度は鏡夜がグレンラガン操縦士、その鉄拳がモロに直撃する。
鏡夜「全く。味方に攻撃するなんて…。もう少し常識考えてよ」
カービィ・リンク『お前(貴様)にだけは言われたかないわこのマッド!!』
アロン『…私も乗りたいぞ』
二人の魂の叫びと、未だに突き刺さっているあーちゃんの呟きが木霊する。
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Re: 異世界大戦記8 ( No.108 ) |
- 日時: 2011/05/02 21:08:12
- 名前: 孝(たか)
- 鏡夜「ん?そんなに乗りたいなら乗せてあげようか?」
アロン『乗る乗る乗る!!乗りたい!乗せて!乗せやがれ!!!』
そう言うと、鏡夜はアロンをラガンの内側から引っ張る。
鏡夜「いっくよおおおお!!!」 アロン『へ?』
鏡夜「一撃………入!魂!」
ガシャアアアアアアアアアアアアンッ!!
コアドリルを突き刺す部分にアロンを根元までぶッ刺した。
アロン『ちょっ!?ええええええええええええええええ!?』 鏡夜「よいしょおおお!!!」
ゴリ!!という音を響かせながらアロンを左に捻る。
アロン『なななななななななんじゃこりゃあああああああああああああああ!?!?』
グレンラガンがオーマイガーというポーズで叫ぶ。
鏡夜「今日から君は、アロンダイト・GLモードだ!」 アロン『GLモード!?』
鏡夜「グレンラガンの頭文字を取っただけ♪さぁ!思う存分暴れるといいよ♪」
こうして、アロンは新しい体を手に入れたwww
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Re: 異世界大戦記8 ( No.109 ) |
- 日時: 2011/05/02 21:55:32
- 名前: ミクニップ
- アロン『ふ、ふぅぉぉぉぉぉぉぉ!?い、いいのか?本当にいいのか!?』
鏡夜「もち♪あ、でも制限時間は3分が限界っぽいから。それ以降は分離しちゃうよ」 アロン『それだけで充分だ!…うははははは!!夢にまで見たグレンラガン!その性能を見させてもらうぞ!!』
言うや否や、すっごいハイテンションで敵陣に突っ込むグレンラガン。
アロン『男の魂、炸裂パァァァァンチ!』
ドゴォォォォォン!!
アロン『俺を誰だと思ってやがるキィィィィィック!!』
ズドガァァァァァン!!
アロン『そしてお決まり!!ギィガ!ドォリル!!ブレイクゥゥゥゥゥゥ!!!』
ギャリギャリギャリギャリィィィィィッ!!!!!
…日本のことわざには、『水を得た魚』というのがある。水を与えられた魚は、滅茶苦茶活き活きしているように、その人に合った場で生き生きと活躍するようすのたとえである。…それはまさに、今本当のグレンラガンのように大量の敵をこれでもかと言いたい位に倒しまくってるあーちゃんみたいな感じである。ちなみにカービィ達はと言えば、そんなグレンラガンを見て、とりあえず勝利を核心したため、とりあえずのんびり見学させてもらう事にしたとかしないとか…
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Re: 異世界大戦記8 ( No.110 ) |
- 日時: 2011/05/02 22:10:55
- 名前: 孝(たか)
- 鏡夜「続いて第二弾♪えい♪」
ボフン!!!
グレンラガンに続き、現れたのは……
グレンラガンに似た黒いガンメン。
その名も…
鏡夜「ラゼンガン!!オーバーロード!!!」
グレンラガンをアロンとリンクに任せ、鏡夜はラゼンガンに乗り込んだ。
ラゼンガンは全身から細く、それでいてどこまでも長く伸びるドリルを無数に出現させた。
鏡夜「それそれそれそれえええええええええ!!!!!!」
グレンラガンとラゼンガンの大きな違い。
それは、ラゼンガンはトレースコックピットを採用していることである。
ラゼンガンは鏡夜の動作に反応して、同じ行動を取るのだ。
これにより、タイムラグのずれが極限まで少なくなる。
鏡夜「ラゼンガン式!!ギガ!ドリル!!ブレイクゥゥゥゥゥゥ!!!」
ラゼンガンの身体全体から全方位にドリルが伸ばされ、それらが全てギガドリルに変換。
敵を一掃した。
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Re: 異世界大戦記8 ( No.111 ) |
- 日時: 2011/05/02 22:44:37
- 名前: ミクニップ
…そんだこんだで数分後…
アニー「…えっと、一体全体これは…何が…?」
『ごめんなさい』
グレンラガンやラゼンガンで散々暴れまくり、終いには平地滅茶苦茶にしてやっと敵を全て片付けた鏡夜とあーちゃんだが…。いかんせん二人の暴走で荒地はさらにボロクソになってました。
アニー「…えっと、私達を助けてくれてありがとうございます。…ですけどこれは流石に…」 鏡夜「え〜?敵は全員倒したからいいじゃん」 アニー「だ、だだだダメですよ!!一応この地を任されているんです!!こんな事知られたらお、おか、お母さんにこ、ころ…!」
…まぁ、確かにこの地を任されているこの子にとっちゃあ流石にこれは大目玉だろうな。
鏡夜「…あ、じゃあここら辺僕等が修復してあげよっか?」 アニー「ふぇぇぇぇ!?そ、そんな!?ダメですよ!!皆さんは客人であってそんな…」 カービィ「いいのいいの。元はと言えば鏡夜のせいだから任せてよ」
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Re: 異世界大戦記8 ( No.112 ) |
- 日時: 2011/05/03 00:46:13
- 名前: 孝(たか)
- 鏡夜「むぅ。確かに幾分かは僕のせいだけど。残りはアロンとリンクと、カービィのせいだろぉ」
リンク「ちょっと待て!?なんで俺のせいでもあるんだよ!?」
鏡夜「だって、グレンラガンにはアロン以外にも君も乗ってたんだからアロンと同罪だよ。」 リンク「うぐっ…」
カービィ「アロンやリンクに責任があるのは判るが、なんで僕まで?」 鏡夜「君がアロンやリンクや僕を止めずに、"呑気にお茶を飲んでたから"。つまり、止めれたかもしれない事を君は止めずに静観していた。その時点で君も同罪。だから、僕のせいだけではない。何か文句あるかな?」
カービィ「ある。最初からラゼンガンもグレンラガンも出さなければこんなことにはならなかっただろ?」 鏡夜「何言ってんの?じゃぁ君は、僕に極大広域殲滅魔法で一掃しろとでも言いたいの?そんなことしたらこの基地ごと消滅して、僕と氷牙くらいしか残らないよ?」
カービィ「なんで極大広域殲滅魔法なんだよ!?普通の広域魔法とかで良いだろうが!?」 鏡夜「ヤダ!」
カービィ「ニアがシモンのプロポーズ断ったときみたいな言い方で言っても駄目!!」 鏡夜「ブーブー。」
カービィ「ブータの真似しても駄目!!」 鏡夜「誰もブータの真似なんかしてないよ?何勘違いしてんの?」
素の表情で返されて青筋を幾つも浮かべるカービィだった。
それから更に数時間後…夜。
あれから襲撃も無かったので鏡夜はとりあえず適当に平地を戦う前の状態まで戻す事で修正した。
そして……
氷牙「ふぅ…勇輝の治療。終わったぜ?」
やっとこさ30時間の超大手術を終え、一息ついた氷牙。
ふと自販機で買った缶コーヒーを飲みながら基地の庭を見ると…
氷牙「ぶふううううううううううっ!?」
盛大にコーヒーを噴きながら驚いた。
氷牙「グレンラガンにラゼンガン!?!?!この30時間で何があったんだよ!?」
状況についていけなかった。
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Re: 異世界大戦記8 ( No.114 ) |
- 日時: 2011/05/05 23:56:16
- 名前: ミクニップ
…よし、本当はある事故で数年前に今度はピチューだけ次元漂流し、京都で詠春に助けてもらい彼の強さと剣技に憧れて弟子入りしたって事にしたかったけど、とりあえず鏡夜経由で知り合った事にしよう…
現実世界…麻帆良学園
学園長「ふむぅ…。魔法世界(あっち)じゃそんな事が起こっておるのか…」 ピチュー「はい…。今は鏡夜さん達が何とかしようとしていますから少しは安心かとは思えますけど…今でも不安は拭いきれません」
ピチュー等の経験したこれまでの経緯を聞いて、学園長は困ったように顎に手を添える。
学園長「むむむ…。事情は判った。…じゃが、ワシ等も最近出現した組織を相手にしていて中々手がつけられん状況なんじゃ…移住の話はちと難しいかもしれんのぉ…」 エリー「ほれみろアホピチュー。こんなご時世にそんな虫の良い事なんぞ早々起こる訳無いだろうがこの戯け者」 ピチュー「それは確かにそうだけど…。だけど、だからこそ此所に拠点を置くべきだと思うんだよ。例のテロリスト供が此所に来ない何て保証は無い、というか逆にここには強大な魔力が眠ってる世界樹や魔法使い達がいる!これを狙わない道理は無い筈だ!」 エリー「馬鹿者!だからと言ってはいそうですか何と言えるか!!それにもし敵が私達の存在を知ってこの学園を突き止めたらどうする気だ?敵だって自身に害をなす芽は早めに潰すだろう、そうだとしてもこの学園が戦場になるのは火を見るよりも明らかだぞ!?」 ピチュー「仮にそうだとしても、なおさらその影響で世界樹の魔力が暴走してみてよ。それこそさらなる大惨事が起こる!なおさら守るべきだ!!」
互いに全く正反対の主張が飛び交い、バチバチと目から火花が飛び散る程睨み合う義姉弟二人。そしてそんな二人を落ち着かせようと凛が割ってはいろうとするも、いかんせん二人の間に中々入れないでいる…。
凛「ふ、二人共!今はそんな事してる場合じゃ無いでしょ!?」 ピチュー「凛さんは黙ってて!今僕は義姉さんと話してるんですから!!」 エリー「そうだぞ凛。今私はこのボンクラ医者と話してる最中だ。だから邪魔するな!!」 ピチュー「誰がボンクラだこの年増女!」 エリー「何だとこの貧弱・扱いづらい・どうせネタで出したんじゃね?の三拍子揃った【スマブラ最弱キャラ】がぁ!!」 ピチュー「ひ、人が気にしてる事を…!だからあんた【管理局史上最悪の生物核弾頭兵器】って言われるんだろうが!!少しは昔みたいにお淑やかになれこのガサツ女!!」 エリー「(ブチッ!!)テメェコラ、マジでブッ殺すぞこの(ピー※自主規制)野郎がぁ!?」
…売り言葉に買い言葉とはよく言うな。片方が罵り始めた途端、それを火種にさらに片方が罵り始め、終いには大怪我してる癖に自主規制かかるような言葉とともにエリーの一方的な殴り合いに発展してしまい…。お陰でエリー宥めるべく数時間も浪費したのは言うまでもない…。
ミハル「…遅いですね、エリーさん達…」 神音「そうだなぁ…」
エリーがピチュー相手に一方的なタコ殴りしてる頃、こちらはとりあえずお昼でも食べようと言うことで食堂棟までやって来ているミハル達。
ミハル「…それにしても有難うございます、ルイージさんにミュウツーさん。後で自分のは…」 ルイージ「あ、いいのいいの。僕等の好意みたいなものだから気にしないでよ」 ミュウツー「ルイージの言う通りだ。とりあえず今回だけは私達がおごるとしよう、だから気にするな」
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Re: 異世界大戦記8 ( No.115 ) |
- 日時: 2011/05/07 08:20:31
- 名前: カイナ
- 仕方がない、ライ達三人は事故で時空転移を行ったという事にしてジンはそのサポートとしてアルフの方を助けに行ったら時空乱流が酷くて自分の力で帰れなくなったという設定にするか……。
―――――――――――――――――――― アルフ「もぐもぐ……」 ミハル・ミュウツー・ルイージ「「「……」」」
食堂で食事を取ろうとしている彼らの視界に一人の少年の姿が映り、三人は思わず黙り込む。すると少年――アルフがミハル達に気づいた。
アルフ「あ、ミハル……さんでしたっけ? それにえーっと……ルイージさんも」 ルイージ「あ、僕は名前覚えられてるんだ」 ミュウツー「……」
アルフはミハルを見て少し首を傾げながら言い、ミュウツーはちょっと目を逸らすがルイージは即答する。それにルイージとミュウツーはそれぞれ苦笑と引きつった表情を見せ、ミハルがアルフに尋ねた。
ミハル「というよりアルフ君、なんであなたここにいるんですか?」 アルフ「うん、僕達はダークゼロさんのチームにいたんだけど最近時空が不安定でしょ? それによって現れた時空乱流に僕とライとエルフィが巻き込まれちゃって。ライとエルフィは氷牙さんがいる時空にいて都合よく合流できたみたいだからよかったけど、僕らこの時空じゃ知り合いがいないみたいだから困ってたんだけどとりあえず食事を取ろうってジンが」 ルイージ「そういえば、君誰? 見覚えがないんだけど……」
ミハルの問いにアルフはそう説明を返し、最後に彼の向かいで食事を取っている黒髪金目の少年――食事を取りながらどことなくミハル達を訝しげな目で見張っている――を見て言う。それにルイージが首を傾げると少年――ジンが口を開いた。
ジン「俺はジン・ソルディア、ライとアルフとは概念上幼馴染に分類される関係でレオさん達のパトロンでもある。ライ達が時空乱流に巻き込まれたという報告を聞き特別に行動許可を取って助けに来たんだが……時空乱流の乱れが酷すぎて帰るわけにもいかなくなった」 ミュウツー「帰るわけ? 今の状態だと時空転移だけでも大変なはずだぞ」 ジン「俺ら時空族は様々な時空を転移する技術に特化している、相応の設備があれば今の状況でも転移は可能だ……だが、慌ててたから取ったのが自由行動許可のみでこの状況でも帰れるほどどころか未成年の多人数用時空転移設備の個人使用許可自体を取ってない上に時空乱流の影響で新たに許可を取りようもない状況に陥って……我ながら情けない……」 アルフ「ジ、ジン、元気出して……」
ジンの自己紹介と説明のような台詞を聞いたミュウツーがそう尋ね返すとジンはさらりとそう言うものの最後の方は我ながら呆れきったように頭を押さえて言葉も沈んでいっており、アルフがそうフォローを行わなければいけない始末。それに三人は思わず黙り込んでしまった。
ジン「ご、ごほん。取り乱した」 ミハル「でも、あなたがそんな技術を持っているのならば力を貸していただければ――」 ジン「――断る」
恥ずかしそうに目を瞑りながら咳をするジンにミハルがそう言うとジンはすぐさまミハルの方を見て即答する。
ルイージ「えっ!? な、なんで!?」 ジン「掟だ、我らはその時空の存在自体の危機あるいは我らの種族の者がその危機に手を貸していると判明している時を除き我らの技術を許可なく口外してはならない。あぁ、自由行動許可を取っているから別に戦力として助けるという意味だったならば何も問題はない」 アルフ「あ、言っとくけど僕に聞いても無駄だよ? もちろん戦力としてならお手伝いするけど」 ミュウツー「何を暢気な! 掟なんか捻じ曲げろ!」 ジン「俺達にとって掟を破る事は自らの命を否定するに等しい。それに幸か不幸か今のところ時空乱流は時空転移が出来ないほどの影響こそあるが時空の存在自体に影響を与えるほどではないからな。第一俺は半人前、時空転移に関する専門知識はそこまで持っていない。以上だ」
ジンはそこまで言い終えるとこれ以上話をするつもりは無いというように食事を再開し、アルフはごめんなさいと頭を下げる。それにこれ以上は無駄だと悟ったかミュウツーは諦め、彼らは食事を持ってくると丁度空いている二人の隣の席に座る。 ちなみに彼らが食事を終えた頃にエリーと凛、そしてエリーにぼこぼこにされたピチューが食堂にやってくるがピチューの顔面ぼこぼこの姿を見たアルフが思わずぎゃあと悲鳴を上げたりジンの姿を見たエリーがハッキングの犯人と叫んで彼に掴みかかったのは全くの余談である。
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