Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.78 ) |
- 日時: 2016/06/11 22:13:59
- 名前: ミクニップ
- ヴィヴィオ「代ちゃーん!」
氷牙「まったく。毎度毎度ヒヤヒヤさせやがるぜこの馬鹿は」 十代「おう!勝ったぜみんな!」
十代達の勝利を讃えるべく、2人に集まるメンバー達。
万丈目「というか焔。お前、いつの間に居たんだ?お前確か修行終わった後にそのまま別れた筈だぞ?」 焔「あぁ。その後にこの船が現れてな。しかもお前らが船に載せられたの見て、こりゃ何かあると思って、届かなくなる前に此奴使ってついさっき登って来た」 鏡夜「あ。それ僕がだいぶ前に暇潰しに造ったけど、飽きたから君にあげた奴だ」
そう言って焔が取り出したのは、ドウグ社製のフック付きロープ…では無く、鏡夜がゲームやってた時に暇潰しに造った特製のロン◯フックである。
剣一「にしてもお前、M・HEROはお前のフェイバリットだろ?十代に渡して良かったのか?」 焔「…別にいいよ。渡したのは念の為スペアとして取っておいたたカードの方だから。それに渡したからと言ってM・HEROは俺のフェイバリットの一つに変わりは無いし」
焔の言い方に何か引っかかるものがあるが、敢えて何も言わない教師陣。そして彼等とは対照的にアビドス陣営は…
家臣A「…申し訳ありませんでしたアビドス様。我々は…」 アビドス「言うな。…余は全部知っていたぞ。お前達が余の名誉を守る為に、手加減をしていたという事は」 家臣A「っ…!!」 アビドス「…すまなかった。余の為にお前達にその様な真似をさせてしまって。本当にすまない」
家臣達が自分の為に手加減していたことなど、アビドスは薄々ながら勘付いていた。故に、その様な事をさせてしまった自身の不甲斐無さ。力の無さを感じ頭を下げようとする。が、それを制したのは他でもない家臣達であった。
家臣B「お待ちください王よ!如何なる理由があろうとも、貴方様が頭を下げるべきではありません!」 アビドス「し、しかし…」 家臣C「貴方様は偉大なるファラオ。我々にとっては神にも等しき存在である貴方様が我々に謝られるなど、あってはなりません。…どうか、頭をお下げにならないでください」 アビドス「お前達…」
自分達が行った行為に対し、アビドスは許す所か謝ろうとした。それを見た家臣達も、自分達が行った行為を大いに恥じ、涙を流して静止した。 ふとそれを見た十代は何かに気付いたのか、一旦メンバーから外れるや、アビドスの所まで走って行く。
アビドス「…先程のデュエル、見事であったな遊城十代。余の負けだ」 十代「…」 アビドス「…?どうした。余は負けを認めたのだぞ?まだ何かあるのか?」
自分の前までやって来て、敗北宣言したにも関わらず、無言の十代に疑問を抱く。 …だがその疑問も、十代が深く頭を下げた事で驚愕に変わった。
十代「…ごめんなさい」 アビドス「……何故急に謝る?」 十代「俺、デュエルの前にお前に酷い事言っちまった。だから俺はお前に謝らなくちゃいけないから」 アビドス「デュエルの前…あ」
十代のその言葉に、アビドスを含む全員は思い出した。十代はアビドスに手加減されたかどうかと聞いた。そしてデュエルした事で家臣に手加減こそされたかも知れないが、アビドスの本当の実力を知り、彼を侮辱してしまった事を恥じたのである。
アビドス「…ハッハハハハ!何とまぁ律儀な奴だ!安心しろ。余は気にしてはおらん」 十代「で、でもさぁ…」 アビドス「じゃあお前は責任を取って、我と共に冥界に行くか?」 十代「ヴェぇ!?え、いやそれはちょっと…」
アビドスの冗談を聞いた十代は驚き、それを聞いて一瞬間に受けた飛び出そうとしたヴィヴィオを氷牙や焔が全力で止めに入る。
アビドス「冗談だ馬鹿者。…ならば余の友になれ。そしたら許してやる」 十代「アビドス…。ああ、判ったぜ!じゃあ今日から俺とお前は友達だ!」
現世と冥界。本来なら相容れぬ世界にいる者同士が、互いに握手を交わし、友となった。それを見た者達は彼等に拍手を送る。
アビドス「それと十代。コレを受け取れ」 十代「コレ…って!?」
握手を交わした後、アビドスは十代にあるカードを渡し、それを見た十代は驚く。無理も無いだろう。アビドスが渡したのは決闘龍である[ドラゴネクロ]、[ドラゴキュートス]の2枚であったのだから。
アビドス「安心しろ。此奴は此度の闘いで大いに満足したのか、お前達に興味を持ったらしく、お前達に力を貸したいそうだ」 十代「…一応こっちには光の決闘龍がいるから何とかなるが、信用できるのか?」 アビドス「大丈夫だ。余を信じろ」 カイ「なら、念の為に俺が預かろう。いいか?」 アビドス「構わん」
アビドスの力強いその言葉を信じられると判断し、2枚を受け取る。
アビドス「さて、と。そろそろ時間の様だ。お前達を地上に帰そう」 十代「もう行っちまうのか?」 アビドス「元々余はここに居てはならぬ存在だ。この別れも必然だ」
早速出来た友達がもうあの世へと旅立つのだ。別れも惜しむのは致し方が無い。
十代「…じゃあ100年後だ!俺が爺ちゃんになって死んじまったら、そん時にまたデュエルしようぜ!」 アビドス「わかった。いつまでも待ってやろう!3000年も待ったのだ、今更100や200など、数日と変わらぬよ」
十代「おう!じゃあな王様!また何時か会おうな!」 アビドス「さらばだ!現世で出会った唯一無二の友よ!」
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.79 ) |
- 日時: 2016/06/18 13:08:32
- 名前: カイナ
- カイ「……」
アビドスとのデュエルにより十代が友情を深めたその翌日の夜。かつてタイタンとの闇のデュエルが行われていた廃寮。カイは本来立ち入り禁止であるこの寮に、以前バルバトスとの戦いに備えて決闘竜スターダストを呼び出した時と同じく、再び無断侵入をしていた。これにもまた理由はあるのだが、もし事情を知らぬものに見られていた場合罰則は免れない。
カイ「……」
そしてカイは廃寮の広間に光の魔法陣を敷き、その中心に二枚のカードを置いてその二枚に手をかざして目を閉じていた。そのカードの正体は[冥界龍 ドラゴネクロ]と[冥界濁龍ドラゴキュートス]。これらも決闘竜の一体なのだがセブンスターズの持つ闇の力に支配されていたため、その力の浄化と本当に問題がないかの調査を彼は行っていた。
カイ「……多少闇に侵されているようだが、この程度なら浄化は簡単だな。部屋に帰って浄化して、明日か明後日には十代に返せそうだ」
安心したように呟いてパチンと指を鳴らす。それと同時に光の魔法陣が消え去り、カイは二枚の決闘竜を床から拾い上げるとカードケースに入れた。
カイ「さてと……」
そしてため息交じりに廃寮の広間の隅に置いていた荷物に目を向ける。その小さなカードケースからは明らかな闇の波動が見えており、その波動を見ているだけで身体の奥底から不快感がこみ上げてくるのをカイは感じていた。
カイ「浄化能力を高めた特別製のケースで汚染を食い止めるのが精一杯かよ……だが、セブンスターズも残り少なくなってきて少しは余裕が出てきたし。そろそろ本気で浄化に入るか」
今まではセブンスターズがどういう手で襲ってくるか分からないためこの闇の波動を放つカード――No.96ブラック・ミストの浄化に力を使いすぎるわけにはいかなかったが、セブンスターズは残り一名。余程の事がない限り対応に苦戦する事もないだろう今は、逆にNo.96が再び暴走する危険性を取り除いた方が賢明だと彼は判断していた。 そう呟きながら彼は再びパチンと指を鳴らす。と、同時に再び広間の床に魔法陣が敷かれた。しかしその光量は先ほどの魔法陣よりも多く、眩く神々しい光を放っている。それを確認してからカイはカードケースを魔法陣の中央へと運び、ケースを開く。
カイ「っ!?」
その瞬間、ケースから漏れ出ていた闇の波動が一気に増える。
??[ヒャハハハハハ! この時を待っていたぜェ!!] カイ「しまっ!?」
ケースの中から聞こえてくる声、それを聞くと同時に全てに気づいたカイは反射的にカードケースを手放す。だがもう遅く、溢れ出た闇がカイを包み込む。同時に彼の足元に敷かれていた魔法陣もどす黒く染まっていった。
その翌日の土曜日、レッド寮。
カノンノ「こんにちはー」 十代「よおカノンノ、どうしたんだ?」
ここを訪れたカノンノに十代が挨拶、用件を尋ねるとカノンノは首を傾げるようなポーズを見せた。
カノンノ「遊びに来たの。ね、カイいる?」 十代「へ? カノンノの所にいるんじゃねえの?」 カノンノ「え?」
カノンノの言葉に十代がそんな返答を見せ、カノンノも目を点にする。と、十代の隣に立っていた翔が頭をかいた。
翔「それがカイ君、昨日の夜から寮に帰ってきてないんだよ。てっきりカノンノさんの所に行ってるんだとばっかり思ってたっす」 カノンノ「いや、いくらカイでも女子寮には入れないって……」
翔の言葉にカノンノが呆れた様子でツッコミを入れる。
三沢「翔! 大変だ!」
と、今度は三沢が血相を変えて駆け寄ってきた。
翔「あ、三沢君」 三沢「緊急事態だ! 急いで保健室に来てくれ!」 翔「え?……ぼ、僕何か病気?」 三沢「説明は後だ!」
三沢の言葉を聞いた翔は保健室という単語に顔を青くするが、三沢は焦っているのか翔の腕を掴むとそのまま引っ張っていく。十代とカノンノもきょとんとした顔を見合わせた後、気になったのかその後を追いかけていった。
翔「そ、そんな……」
保健室で翔は愕然とした表情を見せながら膝を折る。
翔「なんで、なんで美海ちゃんが……」
その目の前のベッドでは翔の彼女である少女――美海が昏睡状態になっていた。その隣のベッドでは風華が同じように横たわっている。
三沢「発見した剣一先生によると、デュエルアカデミアの廃寮近くで倒れていたそうだ。何故二人がそこにいたかまでは分からんが……このダメージ、闇のデュエルのものに相違ない」 カノンノ「うん、間違いない……私達には分かる。これは、闇のデュエルのダメージ」 十代「って事はまさか、最後のセブンスターズ!?」
三沢は普通のデュエルならばありえないダメージから彼女らは闇のデュエルに敗北、この状況になってしまったと分析。その闇の力を感じ取れるカノンノが彼の分析を正しいものだと判断。闇のデュエルという言葉から最後のセブンスターズかと十代があたりをつけた。
三沢「今は剣一先生が、佐助やアルフと共に廃寮近くを調査している」 十代「俺達も行こう!」
三沢の言葉に十代が一番に返事、翔やカノンノも頷いて保健室を出て行くと廃寮へと走っていった。 そして十代、翔、三沢、カノンノの四人は廃寮近くへと辿り着く。
剣一「ぐあああぁぁぁぁっ!!!」
その時、剣一の悲鳴が響き渡った。
三沢「剣一先生!」
三沢が叫び、一行は悲鳴の方へと走る。そこにはデュエルで敗北し倒れる剣一と、既に敗北したのか傷だらけで倒れている佐助とアルフの姿があった。そして剣一と向かい合うように立つのはカノンノはもちろん、普通の人間である十代達でさえ分かる程に闇のオーラを立ち上らせている青年。だがその姿を見た十代達は硬直する。
翔「え……」 三沢「ば、馬鹿な……」 十代「……カ、カイ?」
それはカイだったのだから。
カノンノ「……違う。カイじゃない」
だが、それをカノンノが否定する。
カノンノ「ううん、身体は間違いなくカイ……だけど」
カノンノはそう言い、カイを睨みつける。
カノンノ「あなたは、No.96!!」
そしてびしっと指差してカイの身体を乗っ取った存在の正体を言い当てる。その言葉を聞いた瞬間カイもといNo.96はニヤリ、と頬を歪ませて笑った。
No.96「ヒャハハハ! よく分かったな!」
十代「なんでお前がここにいるんだ!? お前はカミューラが倒された後に封印されたはず!」
No.96の言葉に対し十代が彼を指差しながら吼えるように問う。
No.96「ククク、あんなちゃちな封印で俺を浄化しようなんておかしくって腹痛いわぁ〜。お前達の最近の闇のデュエルの中で生み出された闇の力を少しずつ吸収し、あいつが俺を本格的に浄化しようとした時にそれを解放。あいつの身体を乗っ取ったんだよォ!」 十代「お前……許さねえ!」
No.96は悪辣な笑みを浮かべながら説明、それを聞いた十代が怒りに顔を赤くしながら叫び、デュエルディスクにデッキをセットする。
カノンノ「待って、私が相手する。相手は闇のモンスターそのもの……なら、それを倒すのは私達の使命」
カノンノは静かにそう宣言、彼女から立ち上る覇気に十代も止めても無駄だと悟り、下がる。
No.96「おもしれえ、ならお前の力も吸収させてもらおうか! その時、俺は完全に復活する!」
カノンノ・No.96「「デュエル!!!」」
そして二人の声が重なり合った。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.80 ) |
- 日時: 2016/06/18 13:09:09
- 名前: カイナ
- カノンノ「私の先攻、ドロー! 私は魔法カード[光の援軍]を発動! デッキの上からカードを三枚墓地に送り、デッキからレベル4以下のライトロードの戦士を一人手札に加える。私は[ライトロード・ハンター ライコウ]を手札に加える。さらに光の援軍のコストによって墓地に送られた[ライトロード・ビースト ウォルフ]を特殊召喚! さらに[ライトロード・パラディン ジェイン]を召喚!」
ライトロード・ビースト ウォルフ 攻撃力:2100 ライトロード・パラディン ジェイン 攻撃力:1800
翔「レベル4のモンスターが二体!」
カノンノの場に光に誓いを立てた獣戦士と聖騎士が姿を現し、その姿に翔が歓声を上げる。
カノンノ「私はレベル4のウォルフとジェインをオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!! 光に誓いを立てし少女よ、今こそ守護天使へと昇格せよ! ランク4[ライトロード・セイント ミネルバ]!!」 ライトロード・セイント ミネルバ 攻撃力:2000
その宣言と共に彼女の場に光纏う聖女が降臨する。
カノンノ「ミネルバの効果発動! オーバーレイユニットを一つ使い、自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。その中にライトロードカードがあった場合、その数だけ自分はデッキからドローする」 ライトロード・セイント ミネルバ オーバーレイユニット数:2→1
聖女の周りを舞う光の球体の一つが聖女へと取り込まれ、彼女は両手から光を生み出すとカノンノのデュエルディスクに向けて放射。カノンノのデッキの上から三枚のカードが墓地へと送り込まれる。
カノンノ「墓地に送られたカードの中に存在するライトロードカードは[ライトロード・レイピア]と[ライトロード・ドラゴン グラゴニス]。よって二枚のカードをドロー!」
三沢「すごい! 手札が減るどころか一枚増えた!」
カノンノはこのコンボによってランク4のエクシーズモンスターを呼び出した上に手札を一枚増やすことに成功。三沢が感嘆の声を上げた。
カノンノ「私はリバースカードを二枚セットし、ターンエンド!」(手札五枚(内一枚ライコウ))
No.96「俺のターン、ドロー」
カノンノは二枚のカードで防御の布陣を敷きターンを終了。No.96も静かにカードをドローする。
No.96「俺は[アンブラル・グール]を召喚し、効果発動! このカードの攻撃力を0にし、手札から攻撃力0のアンブラルモンスター一体を特殊召喚する。俺は[アンブラル・アンフォーム]を特殊召喚!」 アンブラル・グール 攻撃力:1800→0 アンブラル・アンフォーム 攻撃力:0
三沢「まずい、レベル4のモンスターが二体……」
No.96の場にも二体のレベル4モンスターが並ぶ。
No.96「俺はレベル4のアンブラル・グールとアンブラル・アンフォームでオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!!」
二体のモンスターが闇の力となって宙を舞い、異次元の渦に巻き込まれる。それをエネルギーとして生み出されるのは光の塔。
十代「まさか!?」
No.96「現れろ、ランク4[No.39 希望皇ホープ]!!」 No.39 希望皇ホープ 攻撃力:2500
嫌な予感を感じ取った十代が叫んだ直後、No.96はカイの所有するナンバーズの一体、希望皇ホープを呼び出した。
翔「そんな、ホープまで取られちゃってたなんて……」
No.96「まだ終わりじゃねェ! 魔法カード発動[RUM−バリアンズ・フォース]! この効果で希望皇ホープをカオス化し、ランクアップする! カオス・エクシーズ・チェンジ!!」
翔の震える声に対しNo.96が宣言、ホープは赤黒い光に包みこまれ、その身をカオスへと投じる。
No.96「混沌を統べる赤き覇王。悠久の戒め解き放ち赫焉となりて光を打ち払え! 降臨せよ、ランク5[CNo.39 希望皇ホープレイV]!!! さらにバリアンズ・フォースの効果により、貴様のミネルバのオーバーレイユニットをホープレイVのカオス・オーバーレイユニットとする!] CNo.39 希望皇ホープレイV 攻撃力:2600
その呼び声に答えるかのように赤黒い光が打ち払われ、カオス化したホープが姿を現した。さらに聖女のオーバーレイユニットがホープレイVに奪われる。
カノンノ「そんな……ホープのこんなカオス・エクシーズ・チェンジ、私は知らない……」 ライトロード・セイント ミネルバ オーバーレイユニット数:1→0 No.96「ホープレイVの効果発動! このカードが希望皇ホープモンスターをオーバーレイユニットとしている時、一ターンに一度オーバーレイユニットを一つ使い、相手モンスターを破壊! その破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える! Vブレードシュートォ!!」 CNo.39 希望皇ホープレイV オーバーレイユニット数:4→3
震える声で呟くカノンノにかまわずNo.96はそう宣言、ホープレイVは剣に力を溜めるとそれを衝撃波としてミネルバへと放った。
カノンノ「っ、リバースカードオープン[禁じられた聖衣]! この衣を着用したモンスターは攻撃力が600ポイントダウンする代わりに効果の対象にならず、効果では破壊されない!」 ライトロード・セイント ミネルバ 攻撃力:2000→1400
しかしすんでのところで聖衣がその衝撃波からミネルバの身を守る。
No.96「チィ、しぶてェ! ならバトルだ! 希望皇ホープレイVでミネルバを攻撃! ホープ剣Vの字斬り!!」 カノンノ「きゃあああぁぁぁぁっ!!!」LP4000→2800
しかし聖衣は争いから身を守る力は持たず、聖女は混沌の力に取り込まれた希望の化身に斬り倒されてしまう。
カノンノ「く、でもミネルバの最後の効果発動! このカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、自分のデッキの上からカード三枚を墓地へ送る。その中にライトロードカードがあった場合、その数までフィールドのカードを選んで破壊できる!」
だがミネルバは最後の力を振り絞って光をカノンノのデッキに放射、再びカノンノのデッキから三枚のカードが墓地へと送られる。
カノンノ「墓地に送られたカードの中に存在するライトロードカードは[ライトロード・プリースト ジェニス]の一枚! よって希望皇ホープレイVを破壊する!!」 ジェニス[消えなさい、混沌に歪んだ希望よ!]
カノンノが力強く光に誓いを立てた僧侶の名を呼ぶと、その姿が幻影となって出現。光の波動でホープレイVを破壊した後その姿を消していった。
No.96「チッ……だが希望皇ホープレイVのさらなる効果発動! このカードが相手によって破壊された時、自分の墓地のエクシーズモンスター一体をエクストラデッキに戻す事ができる。エクストラデッキに舞い戻れ、[No.39 希望皇ホープ]!!」
しかしただでは破壊されず、No.96はホープをエクストラデッキへと戻して再利用の機会を得る。
No.96「俺はリバースカードを一枚セットして、ターン終了だ」手札二枚
そしてNo.96は手札から一枚のカードを伏せるとターンエンドを宣言した。
簡易状況説明 カノンノ LP:2800 手札:五枚(内一枚ライコウ) モンスター:なし 魔法・罠:伏せカード一枚
No.96 LP:4000 手札:二枚 モンスター:なし 魔法・罠:伏せカード一枚 ―――――――――――――――――――― とりあえず書き上げましたNo.96暴走編。カノンノとのデュエルもちょいと書いて、今回やっておきたかったことの一つ「RUMによるホープのカオス化フラグと希望皇ホープレイV登場」は書けましたので、あとは「カイの魂をどうにか分離させてカノンノと共闘、シャイニング・エクシーズ・チェンジで決める」が出来れば目標は達成です。シャイニング・エクシーズ・チェンジはマジここでフラグ立てないとめんどくさいので。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.83 ) |
- 日時: 2016/06/19 02:28:00
- 名前: ミクニップ
- カノンノ「私のターン、ドロー!…よし。私は、[ライトロード・サモナー ルミナス]を召喚!」
サモナー ルミナス ATK:1000
カノンノ「ルミナスの効果発動!1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で。墓地からレベル4以下の[ライトロード]1体を特殊召喚する!私は墓地からたった今捨てたチューナーモンスター[ライトロード・アサシン ライデン]を蘇生!」手札4
アサシン ライデン ATK:1700
十代「よっしゃ!チューナーが来た!」
カノンノ「更に永続魔法[ライトロードの神域]を発動。そしてライデンの効果!デッキの上から2枚墓地に送って、その中にライトロードが居れば、相手ターン終了まで攻撃力が200アップ!落ちたのは・・・[ライトロード・ビースト ウォルフ]と[ネクロ・ガードナー]!ウォルフは自分の効果で蘇生!更にライデンの攻撃力アップ!神域の第二の効果!このカードが魔法・罠ゾーンに存在する限り、私のデッキからカードが墓地に送られる度に、このカードに”シャインカウンター”を1つ置く!」 神域SC:0→1
カノンノ「さぁ行くよ皆!私はレベル3のルミナスにレベル4のライデンをチューニング!」
☆3+☆4=☆7
カノンノ「英雄を先導せし光の君主。その力をもちて邪悪なる者を浄化せよ!シンクロ召喚!お願いします!大天使が一柱![ライトロード・アーク ミカエル]!」
アーク ミカエル ATK2600
カノンノ「更に神域の効果を発動。1ターンに1度、手札のライトロードモンスター1体を墓地に送り、それ以外のライトロードモンスターを回収する!私は、[ライトロード・メイデン ミネルバ]を墓地に送り、ライデンを回収!そして、手札から墓地に送られたミネルバの効果で、デッキから1枚墓地に送る!更に!ミネルバのモンスター効果で墓地に送られた[ライトロード・アーチャー フェリス]を自分の効果で墓地から特殊召喚!」
翔「ライトロード限定の死者転生っすね!」 三沢「しかもまたレベル4のチューナーか!」
アーチャー フェリス DEF:2000 神域SC:1→2
これにより、再びチューナーとそれ以外のモンスターが合わせて2体揃う。
カノンノ「そして、レベル4のウォルフにフェリスをチューニング!」
☆4+☆4=☆8
カノンノ「勇猛果敢な獣の戦士と、狩人が合わさる時、神聖なる騎士が産まれ出でる!シンクロ召喚!審判を下せ![神聖騎士パーシアス]!」
神聖騎士パーシアス ATK2600
十代「攻撃力2600のモンスターが2体!」 三沢「まるでライのローレベルシンクロ並みの速攻シンクロだな・・・」
カノンノ「ミカエルの効果!1ターンに1度、ライフを1000払う事で、フィールドのカードを1枚除外する!」LP2800→1800 No.96「除外だと!?」
そうして、No.96の最後のリバースカードをも除去して見せたカノンノ。
カノンノ「バトルよ!ミカエルでダイレクトアタック!」 No.96「くそがあああああああああ・・・なぁんちゃって!俺は!手札から[バトル・フェーダー]を特殊召喚!バトルフェイズを強制終了!」手札1
バトル・フェーダー DEF:0
カノンノ「むっ…!私は、カードを1枚セットしてターンエンド。そしてミカエルの効果でデッキトップからカードを3枚墓地に。手札2(ライコウ・ライデン)
伏せカードは除去出来たが、バトル・フェーダーによってダイレクトアタックを防がれてしまい、No.96の余裕綽々とした態度もあってか少々ムッとするカノンノ。
No.96「俺のターン、ドロー!・・・お、此奴はラッキー。俺は手札から[クリバンデット]を召喚!」
クリバンデット ATK:1000
No.96「そして俺はカードを1枚伏せてこのままエンドフェイズに入り、クリバンデットの効果発動!コイツをリリースする事で、デッキトップからカードを5枚めくり、その中から魔法、罠を1枚回収。残りを墓地へ送るカードだ」
つまりは必要な魔法、罠をサーチでき、尚且つ墓地肥しも出来るというメリットだらけのカードと言う訳である。
No.96「そんじゃぁいくぜぇ。1枚目ぇ![ネクロ・ガードナー]モンスターカードだ。2枚目ぇ![シャドール・ファルコン]コイツもモンスター。3枚目ぇ![シャドール・ビースト]またモンスターか。4枚目ぇ![シャドール・リザード]コレもモンスターだ。5枚目ぇ![影依融合]来たぜぇ魔法カード!コイツを手札に加え、残りを墓地へ送る。」手札1(影依融合) カノンノ「し、シャドール!?」
カノンノの顔が青ざめる。いや、恐怖を感じている。ライトロードを扱うカノンノが、青ざめる程に、シャドールと言うカード群は恐ろしい物なのだろう。
No.96「この瞬間!カードの効果で墓地に送られた[シャドール]達の効果が発動する!さぁシャドールの恐怖を味わいなぁ!!俺は、ファルコン・ビースト・リザードの順でチェーンを組むぜ。逆順処理で、リザードの効果でデッキからリザード以外のシャドールカードを1枚墓地に送る。[シャドール・ヘッジホッグ]を墓地へ送り、ビーストの効果でドロー。ファルコンの効果で、自身を裏守備で特殊召喚。そして、新たに墓地に送られたヘッジホッグの効果だぁ!ヘッジホッグ以外のシャドールモンスターを1枚サーチする。[シャドール・ハウンド]をサーチ。改めてターンエンドだぁ!」手札2(影依融合・シャドール・ハウンド)
翔「え、え〜と、アレがこうなってそれがどうなって?」 十代「うう、うがあああああああ!!わっけわかんねぇ!?」
うがあああああと頭を抱える十代と翔に、三沢が冷静に分析する。
三沢「つまり、シャドールは効果で墓地に送られると、様々な効果を発動できるカード群であり、ファルコンは裏守備で自己蘇生。ビーストはドロー。リザードはシャドール限定の墓地肥やし。ヘッジホッグはシャドールモンスター限定のサーチだ。チェーンを組むと言う事は、タイミングを逃さない誘発系の効果に違いない。」 十代「お、おう。1つずつ説明されたらなんとか理解出来たぜ。」 翔「これだからチェーン処理は面倒っス。」汗
カノンノ「私のターン、ドロー!私はミカエルの効果発動!ライフを支払い、シャドール・ファルコンを除外!」LP:1800 →800 No.96「だったら俺は罠カード[堕ち影の蠢き]を発動!デッキからシャドール1体を墓地に送り、俺のフィールドのシャドールを任意の数だけ表側守備表示にする!俺はデッキはから二枚目の[シャドール・リザード]を墓地に送り、ファルコンの表示を変更!」
シャドール・ファルコン DEF1400
罠カードの効果で現れたのは、黒い糸で吊り下げられた鳥型の不気味な操り人形だった。それを見た十代達に何かしらの違和感を感じる。
No.96「シャドール・ファルコンのリバース効果とシャドール・リザードの効果発動!先ずシャドール・ファルコンの効果で俺の墓地からファルコン以外のシャドールを裏守備表示で特殊召喚する!俺は墓地の[シャドール・ビースト]を特殊召喚!そしてリザードの効果でデッキから2体目の[シャドール・ヘッジホッグ]を墓地へ!そしてヘッジホッグの効果でデッキから2体目の[シャドール・ハウンド]をサーチだ!」手札3(影依融合・シャドール・ハウンド×2) カノンノ「じゃあこのままバトル!先ずはパーシアスでシャドール・ビーストを攻撃!そしてパーシアスには貫通効果がある!」
パーシアス ATK:2600 vs シャドール・ビースト DEF:1700
No.96「ケッ!だがビーストのリバース効果発動!デッキからカードを2枚ドローし、一枚捨てるぜ!」手札4 LP:4000 →2900 カノンノ「なら、今度はライトロード・アーク ミカエルでダイレクトアタック!」 No.96「無駄無駄ぁ!!俺は墓地のネクロ・ガードナーを除外して攻撃を無効にする!」
カノンノ「なら、私はカードを1枚セットしてこのままターンエンド!」手札2
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.84 ) |
- 日時: 2016/06/19 17:39:15
- 名前: カイナ
- No.96「俺のターン、ドロー。俺はリバースカードを一枚セットし、魔法カード[手札抹殺]を発動! 互いのプレイヤーは手札を全て捨て、新たに捨てた枚数分のカードをドローする。俺の手札は三枚、全て捨てて三枚ドロー! シャドール・ハウンドが効果によって墓地へ送られた事で効果発動! ハウンドの効果でパーシアスの表示形式を変更する。これは場合の任意効果のためタイミングを逃す事は無い!
さらに俺は魔法カード[貪欲な壺]を発動! 墓地の五体のモンスター、ヘッジホッグ、リザード、ビースト、ハウンド、クリバンデッドをデッキに戻してシャッフルし、さらに二枚のカードをドロー!」 カノンノ「く……」 神聖騎士パーシアス 攻撃力:2600→守備力:2100
互いに手札交換に加え、No.96は効果によって墓地に送ったカードの効果を使ってパーシアスを守備表示へと強制変更、デッキからのサーチを行う。
No.96「まだだ! ククク、俺はリバース・マジックカード[影依融合]を発動!」
さらにNo.96は既に決めていたかのように魔法カードを発動。それを見たカノンノが身構える。
十代「影依、融合……どんなカードなんだ?」 三沢「名前を聞く限りでは融合カードの一種のようだが……」
十代は融合使いとしてそのカードを気にし、三沢も分析を行う。
No.96「そう。このカードは自分の手札またはフィールドのモンスターを融合するカード……だが、相手の場にエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが存在する時、このカードの融合範囲は己のデッキにまで及ぶ!」
翔「っ!? う、嘘!? なんなんすかそのインチキカード!?」
No.96の説明に翔が悲鳴を上げる。十代や翔達も融合誕生や未来融合―フューチャー・フュージョンというデッキ融合カードは使用するが、前者は発動時墓地に送る五枚のカードの中に素材がなければ融合が出来ないという不確定な要素があり、後者は実際の融合召喚までタイムラグが存在する。しかしこのカードは違う。条件こそついているがデッキの中から任意のモンスターを融合素材とし、タイムラグなしでの融合召喚を可能にする。そう言っているのだ。
No.96「俺はデッキのシャドール・ドラゴンと水属性のアイス・ハンドを融合! 影に囚われし竜よ、氷結の手よ、呪縛の渦に巻き取られ新たな傀儡と姿を変えろ、融合召喚!! 現れろ、レベル9[エルシャドール・アノマリリス]!!! シャドール・ドラゴンが効果によって墓地に送られた場合、魔法・罠を一枚破壊する。貴様の伏せカードを破壊だ!」 エルシャドール・アノマリリス 攻撃力:2700
カノンノ「っ」
No.96の場に紫色の糸に絡め取られた人形が現れ、それと共に融合によって墓地に送った竜の影がカノンノの場の伏せカードを破壊する。
No.96「さらに手札から[マスマティシャン]を召喚し、効果発動! このカードの召喚に成功した時、デッキからモンスターを一体墓地に送る事が出来る。俺は[シャドール・ヘッジホッグ]を墓地に送り、ヘッジホッグの効果発動! [シャドール・ファルコン]をデッキから手札に加える!」 マスマティシャン 攻撃力:1500
三沢「手札一枚の消費で最上級モンスターを呼び出し、さらに魔法・罠を破壊。さらにおろかな埋葬効果でデッキからモンスターサーチだと……」
No.96「バトルだ! エルシャドール・アノマリリスでライトロード・アークミカエルを攻撃!!」 カノンノ「く……でもミカエルの効果を発動! このカードが破壊された時、このカード以外の自分の墓地のライトロードの戦士を任意の数だけデッキに戻し、自分は戻した数×300ライフポイント回復する! 私はウォルフ二体、ジェイン、ジェニス、セイントミネルバ、ルミナスの六体をデッキに戻し、1800ポイントライフを回復!」LP800→700→2500
アノマリリスの攻撃にミカエルは破壊されるが、彼は最後の力を使い、墓地の光に誓いを立てた戦士達の力を借りてカノンノのライフを回復する。
No.96「だったら速攻魔法[神の写し身との接触]を発動だァ! 手札またはフィールドのモンスターを融合し、シャドールモンスターを融合召喚する! 俺はフィールドのアノマリリスと地属性マスマティシャンを融合! 全能の力を得た水の傀儡よ、英知の結晶よ、呪縛の渦に巻き取られ新たな傀儡と姿を変えろ、融合召喚!! 現れろ、レベル10[エルシャドール・シェキナーガ]!!!」 エルシャドール・シェキナーガ 攻撃力:2600
十代「バトルフェイズ中に、融合召喚!?」
No.96「さらに墓地に送られたエルシャドール・アノマリリスの効果発動! このカードが墓地へ送られた場合、俺の墓地のシャドール魔法・罠カード一枚を手札に加える。俺は当然[影依融合]を手札に加える!……だが安心しろ。影依融合は一ターンに一度しか発動できない効果を持つ。このターン影依融合はもう使えない」
しかしNo.96は攻撃の手を緩めず、さらに次のターンのさらなる攻撃の布石を打つ。
No.96「バトルフェイズ中に特殊召喚されたシェキナーガにも攻撃の権利がある! ゆけ、シェキナーガ! パーシアスを叩き潰せ!!」
そしてシェキナーガが動き出し、パーシアスを粉砕する。
No.96「リバースカードを一枚セットし、ターンエンドだ」手札二枚(一枚シャドール・ファルコン、一枚影依融合の可能性あり)
No.96はカードを一枚セットしてターンエンドを宣言した。
カノンノ「私のターン、ドロー! 私は魔法カード[強欲な壺]を発動し、カードを二枚ドロー!!」
カノンノの方もドロー加速カードを引き当て、カードをドローする。そしてそれを見るとニヤリと笑みを浮かべた。
カノンノ「魔法カード[死者蘇生]を発動! [ライトロード・アーク ミカエル]を特殊召喚し、効果発動! ライフを1000ポイント支払い、エルシャドール・シェキナーガをゲームから除外する!!」LP2500→1500 No.96「甘ェって言ってんだろ!? シェキナーガの効果を発動! 一ターンに一度、特殊召喚されたモンスターが効果を発動した時に発動でき、その発動を無効にし破壊する!!」
ミカエルはカノンノからの指示を聞き、剣に浄化の光を込めるがシェキナーガが闇の波動を放つと、光が黒ずみ、逆にミカエルを蝕み破壊する。
翔「そんな!?」 No.96「この効果の発動後、俺は手札のシャドールカードを一枚墓地に送る。だがこの時墓地に送られたシャドール・ファルコンはセット状態で特殊召喚される」 シャドール・ファルコン 守備力:1400(裏側守備表示)
結果的にミカエルがやられただけでなく、さらに相手の守りを固めてしまう結果に終わった。
カノンノ「……ふふふ」
だが、カノンノは不敵に笑う。
カノンノ「そう。この状況なら、あなたはこうするしかない」
カノンノはそう言い、分かっていたように頷く。その時、彼女の手札の一枚、先ほど強欲な壺でドローしたカードが光を放った。
カノンノ「この瞬間を待っていた! 私は[裁きの龍]を特殊召喚!!!」 裁きの龍 攻撃力:3000
その光を放つカードをカノンノはデュエルディスクに叩き付ける。その瞬間光が爆発、その光が止んだ時、光に誓いを立てし戦士達の切り札である裁きの龍がカノンノの場に降臨する。
三沢「そうか! だからミカエルの効果を使ったのか!」 翔「どういうことっすか!?」
その瞬間、三沢が全てを察したように頷いた。
三沢「エルシャドール・シェキナーガの効果は特殊召喚されたモンスターの効果発動をトリガーに発動する。だからそのまま裁きの龍を特殊召喚し、効果を発動したとしても防がれてしまう。だからカノンノは敢えてミカエルを囮にし、シェキナーガの効果を先に使用させたのだ。シェキナーガの効果は一ターンに一度、もはや防ぐ術はない!」 十代「この効果で全体除去してからのダイレクトアタックでカノンノの勝ちだ!」
カノンノ「裁きの龍の効果発動! ライフを1000ポイント支払い、このカード以外の全てのカードを破壊する!! ジャッジメント・ハウリング!!!」LP1500→500
カノンノのライフを吸収した龍の咆哮。それは罪の代償に関わらず悪しき存在全てに裁きを与える力。咆哮が光となって全てを包み込み、その光はやがてやんでいく。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.85 ) |
- 日時: 2016/06/19 17:39:37
- 名前: カイナ
- 翔「……な」
三沢「ん……」 十代「だとっ!?」
翔、三沢、十代が絶句する。光が止んだ時、No.96の場に新たなモンスターが出現していたのだ。
No.96「裁きの龍の効果にチェーンして速攻魔法[瞬間融合]を発動していたのさ! 俺はエルシャドール・シェキナーガとシャドール・ファルコンを融合! [エルシャドール・ミドラーシュ]を融合召喚したのさ! エルシャドール・ミドラーシュは相手モンスターの効果では破壊されない!!」 エルシャドール・ミドラーシュ 攻撃力:2200
No.96の場に存在するのはやはり紫色の糸で操られる異形の竜の人形の上に乗る、こちらもやはり紫色の糸で操られる緑色の髪をポニーテールにした少女。だが効果破壊耐性を持つとはいえ、裁きの龍の咆哮をもろにくらっていたためか、既に傷だらけになっている。
カノンノ「う、そ……」
だが、その姿を見たカノンノが呆然とした声を漏らす。
十代「っ、ま、まて、あいつは……」
同時に十代もまさかといわんばかりに声を漏らした。
カノンノ・十代「「ウィンダ!?」」
傷だらけの少女、それはカイの所有する精霊である彼の妹分とも言える存在、[ガスタの巫女 ウィンダ]だったのだ。だが普段快活だった彼女は現在まるで人形のように感情が無く、人間界のあらゆるものに興味を持って輝かせていた目にも光がない。するとNo.96が再び頬を歪めて笑い出す。
No.96「ああ、その女か? 俺がこいつの身体を奪い取ろうとした時に無謀にも邪魔してきやがったからなぁ、こんな小娘如きに邪魔されても俺は痛くもかゆくもないんだが、イラッと来たんでなぁ。闇の力で洗脳したんだ、今のこいつは俺の言いなりの人形だ」
十代「テメエ……絶対に許さねえ!!!」
No.96の言葉に十代が激昂するが、No.96は飄々とした笑みを崩そうともしない。
No.96「さあ、どうする? うっかり間違えて攻撃表示にしちまったからなぁ、いやこれはまずい。このままだと裁きの龍の攻撃でミドラーシュが破壊され俺は戦闘ダメージをくらってしまうなぁ?」
No.96はニヤニヤと笑いながらカノンノを煽る。
カノンノ「わた、しは……わた、しは……」
しかしカノンノは震えたまま同じ言葉を繰り返すのみ。
カノンノ「私は……メインフェイズ2に入る……」
三沢「な、何故だ!? 何故攻撃をしない!!」
カノンノは攻撃宣言を行わずにバトルフェイズの終了を宣言。それを聞いた三沢が声を上げた。
カノンノ「無理だよ、私には、あんなボロボロのウィンダを攻撃するなんて出来ないよ……」
カノンノは最愛の存在の妹分であり、自分にとっても妹のような親友のような大事な存在への攻撃が出来ないと、目から涙を零しながら漏らす。と、その時彼女の握るカードに再び光が走り、カノンノがそっちに目を向ける。
カノンノ「……うん、そうだよね……」
と、カノンノは目から涙を拭って立ち上がり、一枚の手札をデュエルディスクに差し込んだ。
カノンノ「魔法カード[エクスチェンジ]を発動!! 互いのプレイヤーは手札を全て公開し、相手のカード一枚を自分の手札に加える。しかし現在互いの手札は一枚、よってこの手札を交換する!」 No.96「チッ。影依融合を受け取りやがれ!」
カノンノの発動したカードの効果により、互いの残る一枚の手札が交換される。No.96は己のデッキのキーカードが奪われる事に舌打ちを叩きながら影依融合のカードを投げつけ、同時にカノンノから投げられたカードを受け取る。
No.96「っ!?」
そしてそのカードを見て驚愕に目を見開いた。
カノンノ「エンドフェイズに裁きの龍の効果でデッキから四枚のカードを墓地に送る。私はこれでターンエンド」手札一枚(影依融合) No.96「おっと、そのエンドフェイズに瞬間融合の処理が行われる」
カノンノがターンエンドを宣言した瞬間、No.96は先ほどの飄々とした様子での言葉に戻る。彼がそう言った時、エルシャドール・ミドラーシュ――ウィンダが「ぎひぃっ!」と悲鳴を上げる。突如ミドラーシュのバランスが崩れ、ウィンダの身体を支えていた糸が逆に彼女を拘束、腕や足が変な方向に曲がり始めていた。その下ではドラゴンの人形の身体にビシビシとヒビが入っている。
カノンノ「え!?」 No.96「瞬間融合によって融合召喚されたモンスターはエンドフェイズに破壊される」
バランスを崩したウィンダの腕や足を捻るように引っ張り、首や身体を絞めつける紫色の糸。ミシミシ、ビシビシとまるで筋肉が引き千切られたり骨にヒビの入るような音や、ウィンダのあぐ、ぎぃ、と短い悲鳴や息がしにくいのか「ぜひゅ」という呼吸音が断続的に聞こえてくる。目からは涙が流れ、口からは舌が飛び出てよだれが垂れ流され泡を吹いている。 だがわざとそういう演出の設定にしているのかミドラーシュはなかなか破壊されず、ついには先に破壊されたドラゴンの人形の破片までもがウィンダの柔肌に突き刺さっていく。
No.96「あーあ、一思いに楽にしてやったらよかったのに、いや全く酷い奴だ」
翔「お前に言われたくないっす!」 十代「お前、人をなんだと思ってやがんだ!?」 三沢「くそ、貴様などデュエリストの風上にも置けん!」
苦しみの声を漏らすウィンダを見ながらNo.96は愉悦の笑みを浮かべつつカノンノを煽っており、それに対し翔、十代、三沢が怒り心頭の様子で声を荒げる。そしてバキリという音が聞こえると共についにウィンダの右腕が変に捻じ曲がる。完全に骨が折れ、同時にウィンダは痛みに耐えきれなくなったのか白目を剥いて気絶、同時にバギィンという音を立ててミドラーシュの破壊処理が完了した。
No.96「いやぁ、何度見ても楽しい見世物だ。そこのガキどもはそれを見て戦意喪失しちまったしなぁ」
No.96は倒れているアルフと佐助を見ながらそう言う。普段精霊として見えずとも、デュエルになれば話は別。特に実際に精霊が宿っている事になるミドラーシュの今回の破壊処理は下手に小さな子供が見たらトラウマになる可能性すらあるほどのものだった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.86 ) |
- 日時: 2016/06/19 17:40:02
- 名前: カイナ
- No.96「おっと、俺のターンだったな。ドロー」
No.96はクックッと笑いながらカードをドロー。クククと笑う。
No.96「魔法カード[命削りの宝札]を発動。俺は手札が五枚になるようにデッキからカードをドローし、五ターン後のスタンバイフェイズに手札を全て墓地へ送る」
No.96はこのタイミングで最強クラスのドローカードを引き当て、手札を一気に増強する。
No.96「お前、俺の影依融合をエクスチェンジで奪い取って、俺のデッキの動きを止めようという算段だろ?……残念だったな?」
そう言い、No.96は手札の一枚をデュエルディスクに差し込む。
No.96「魔法カード[影依融合]を発動!!」
三沢「二枚目を引き当てたか!?」
No.96「だが、貴様の場にエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターは存在しない。よってデッキ融合は出来ない。俺は手札のシャドール・ハウンドと――」
No.96はそこまで言ってチッと舌打ちを叩く。
No.96「風属性のガスタの忍者カイを融合!」
十代「あれって、カイ!?」 翔「もしかして、エクスチェンジで……」
No.96が融合素材にしたカードに十代と翔が驚きの声を上げる。
No.96「チッ、こうでもしねえと使い物にならねえ! おらよ、返すぜ!!」
No.96はそう毒づいてカイのカードをカノンノに投げ返し、カノンノはそれを墓地に送る。
No.96「おら、融合召喚! [エルシャドール・ウェンディゴ]!! さらにハウンドが効果によって墓地に送られたことで裁きの龍の表示形式を変更!!」 エルシャドール・ウェンディゴ 守備力:2800
カノンノ「……かかったね」 裁きの龍 攻撃力:3000→守備力:2600
またも姿を現すシャドール融合体。だがカノンノはニヤリと笑い、そう言い放つ。
カイ[ふぅ、やっと出てこられた]
直後、カノンノの隣でカイが半透明の状態で姿を現した。
十代「カイ! なんで!?」 翔「え、カイ君!?」 三沢「どこにだ?」
十代が反応するが、精霊が見えない翔と三沢は辺りをきょろきょろと見回す。
カノンノ「私がエクスチェンジでカイを渡したのは、あなたは絶対になんらかの手でカイを墓地に送ると思ったから」 カイ[俺は魂だけでもお前の牢獄から抜け出し、カードに宿る。そしてカードがお前の手から離れれば、俺は解放される。そういう作戦さ……さあ、俺の身体を返してもらうぜ!]
No.96「……ククク」
カノンノとカイはびしっとポーズを決めて宣言。だがNo.96は笑みを消さなかった。
No.96「作戦通り? 面白ェ、なら俺はここで貴様らを消滅させ、この身体を完全に奪い取り復活してやる! 俺は魔法カード[悪夢再び]を発動! 自分の墓地の守備力0の闇属性モンスター二体を手札に加える! 俺は[アンブラル・グール]と[アンブラル・アンフォーム]を手札に加える! アンブラル・グールを召喚し、グールの効果で自身の攻撃力を0にして[アンブラル・アンフォーム]を特殊召喚!」 アンブラル・グール 攻撃力:1800→0 アンブラル・アンフォーム 攻撃力:0
翔「この流れは……」
No.96「俺はレベル4のアンブラル・グールとアンブラル・アンフォームでオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!! 現れろ、ランク4[No.39 希望皇ホープ]!!」 No.39 希望皇ホープ 攻撃力:2500
No.96は再びホープを呼び出した。
No.96「まだだ! 俺は[死者蘇生]を発動し、墓地の[シャドール・ファルコン]を特殊召喚! レベル6のエルシャドール・ウェンディゴにレベル2のシャドール・ファルコンをチューニング! シンクロ召喚!! 現れろ、レベル8[メンタルスフィア・デーモン]!! ウェンディゴが墓地に送られたことで墓地の[影依融合]を手札に加える!」 メンタルスフィア・デーモン 攻撃力:2700
さらにシンクロ召喚を行い、最上級レベルのシンクロモンスターをも呼び出しつつ、影依融合を再び手札に加えた。
No.96「さあバトルだ! メンタルスフィア・デーモンで裁きの龍を攻撃!!」
カノンノ「く……」
No.96の攻撃宣言を受けた科学の悪魔が裁きの龍を粉砕。
No.96「メンタルスフィア・デーモンの効果発動! このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する! 裁きの龍の元々の攻撃力は3000! その数値分ライフを回復する!」LP2900→5900
さらにその効果でライフを大幅に回復。
No.96「だがもう必要ねえ! これで最後だ!! 希望皇ホープでダイレクトアタック! ホープ剣スラッシュ!!」
カイ[墓地の[機甲忍者アクア]の効果発動! 相手モンスターの直接攻撃宣言時、自分の墓地にこのカード以外の忍者が存在する場合、墓地のこのカードをゲームから除外する事で攻撃モンスター一体の攻撃を無効にする! 水遁壁の術!]
カノンノへと襲い掛かるホープ。しかしカイが指示すると共に水の壁が阻み、ホープはNo.96のフィールドへと戻る。
No.96「チィ、俺はこれでターンエンドだ。だが、貴様の手札は貴様にとっては役立たず同然の影依融合一枚のみ、もはや勝ち目はない!」
カイ・カノンノ「[それはどうかな?]」
No.96の言葉に対し、カイとカノンノは強く宣言する。それにNo.96は一瞬目を丸くした後、ククッと笑った。
No.96「まさか貴様ら、この状況を次のドローだけで切り抜けられるとでもいうのか?」
カイ[当然だ]
No.96の馬鹿にするような言葉にカイは即答、それにNo.96が怯むとカイとカノンノはデッキに指をかけた。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.87 ) |
- 日時: 2016/06/19 17:40:19
- 名前: カイナ
- カイ[最強のデュエリストのデュエルは、全て必然! ドローカードさえも、デュエリストが創造する!!]
カノンノ「全ての光よ、力よ! 我が右腕に宿り、希望の道筋を照らせ!!」
その時、カノンノのデッキから光が放たれる。
カイ・カノンノ「[シャイニング・ドロー!!!]」
カノンノは引いたカードを確認する事なく、デュエルディスクへと差し込む。
カイ・カノンノ「[魔法カード[逆境の宝札]を発動! このカードは相手フィールド上に特殊召喚されたモンスターが存在し、私達の場にモンスターが存在しない時のみ発動できる! デッキからカードを二枚ドロー!!]」
正に絶体絶命という逆境を乗り越えるに相応しいカード。カノンノは現在使える二枚の新たなるドローカードをちらりと確認する。
カノンノ「魔法カード[精神操作]を発動! エンドフェイズまで相手フィールドのモンスター一体のコントロールを得る! ただしこの効果でコントロールを得たモンスターは攻撃できず、リリースも出来ない!」 カイ[俺達の希望、希望皇ホープを返してもらう!]
カイがそう宣言すると共にホープが光の粒子となって消え去り、そう思うとカノンノの場に再び光の粒子が集合。希望皇ホープが姿を現す。
No.96「おろかな! 攻撃も出来ず、リリースも出来ない今そいつはただの役立たず! シンクロ素材に使用しようにもエクシーズモンスターはレベルを持たない!」
カノンノ「分かってるよ」 カイ[だが、今の俺達にとって、希望皇ホープこそがこのデュエルの勝利の方程式を刻む鍵!]
その時、カノンノとカイの胸を繋ぐように光の紐が伸びているのと、希望皇ホープを神々しい光が包んでいるのを、精霊を見る力を備える十代は見た。
カイ・カノンノ「[私は希望皇ホープをシャイニング・エクシーズ・チェンジ!]」
No.96「シャイニング・エクシーズ・チェンジだと!?」
二人の宣言にNo.96が目を丸くする。
カイ[世界が絶望の闇に覆われし時、混沌を照らす一筋の希望の光が降臨する!] カノンノ「見参! ランク4[SNo.39 希望皇ホープONE]!!」 SNo.39 希望皇ホープONE 攻撃力:2501
No.96「な、なんだこれは……カオス・エクシーズ・チェンジとは違う……」
No.96は自らの知る混沌のランクアップとは違う、輝きのランクアップを見せたホープに怯む。
カノンノ「希望皇ホープONEの効果発動!」 カイ[自分のライフポイントが相手より3000ポイント以上少ない場合、オーバーレイユニットを三つ使い、自分のライフを1にする事で相手フィールドのモンスターを全て除外し、その攻撃力の合計分のダメージを与える!!] カイ・カノンノ「[パンドラーズ・フォース!!!]」LP500→1 希望皇ホープONE オーバーレイユニット数:3→0
No.96「な、ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP5900→3200
希望皇ホープONEは三つのオーバーレイユニットを取り込み、さらにカノンノのライフを極限まで吸収するとその力を浄化の光として解放。No.96の場のモンスターを全てフィールドから取り除き、No.96に大ダメージを与える。
No.96「ぐっ…(…だ、だが希望皇ホープONEのダイレクトアタックを受けても俺のライフはまだ残る……次のターン、影依融合でデッキ融合を行い、エルシャドールの一撃で残り一のライフくらい削り取ってやる……)」
No.96は光の波動により大ダメージを受けつつも、次のターンで逆転を狙う。
カイ・カノンノ「[さらに手札の[ZW−風神雲龍剣]の効果発動! 手札または自分フィールド上のこのモンスターを、攻撃力1300ポイントアップの装備カード扱いとして自分フィールド上の希望皇ホープモンスターに装備できる!]」 SNo.39 希望皇ホープONE 攻撃力:2501→3801
No.96「な、ん、だと……」
カノンノの場に出現したドラゴンが変形していき、ホープONEの手に剣となって握られる。No.96の顔に悲壮感が走った。
カイ「懺悔の用意は出来ているか!?」 カノンノ「行け、希望皇ホープONE!!」 カイ・カノンノ「[ホープ剣シャイニングスラッシュ!!!]」
No.96「ぐああああぁぁぁぁぁっ!!!」LP3200→0
ホープONEの斬撃がNo.96を捉え、No.96の悲鳴と共にこのデュエルは終結した。
No.96「が、ぐ、おっ……」
カノンノ「ていっ!」
デュエルに負けた瞬間闇のオーラを漏らしながら苦しみ出すNo.96にカノンノがカイの魂の宿るカイのカードをNo.96目掛けて投げつけ、それはNo.96が乗っ取っているカイの身体へと貼りつく。それと同時にカイの身体が輝き始め、闇のオーラを打ち消していく。
No.96「う、ぐ……じょ、浄化なんざ、されてたまるかよぉ!!!」
だがNo.96は諦め悪く抵抗。最後には一筋の闇となってばしゅんとカイの身体から抜け出ていずこかへと消え去っていった。
カイ「がはっ……」
十代「カイ! 大丈夫か!?」
カイ「っ……ああ。だが、No.96を取り逃がした……このデュエルであいつも大分消耗したから、もう余計な事は出来ないと思うが……あいつは俺達の予想をはるかに超える……」
カイが苦しげに息を吐き、十代が駆け寄って安否を問う。それにカイは自分は大丈夫だがNo.96を取り逃がしたことを悔しそうに言い、本来ならあそこまで消耗すれば長くはないはずだがと前置きしたうえで、No.96は今までの闇のカードとは違うと続ける。
三沢「うむ……このことは先生達に伝えるとしよう」 翔「けど……これでセブンスターズは全員倒せたんすか?」 カノンノ「ううん。No.96は別口と考えた方がいいと思う……」
三沢が話を纏め、翔がセブンスターズを全員倒せたのかなとこれで七人の闇のデュエリストを倒したことから問う。しかしカノンノは今回は別だと考え、まだ最後のセブンスターズは倒せていないと判断する。
十代「とりあえず、アルフ達を運ぼう」
十代はそう言って気絶したアルフ達の方に走っていき、三沢達も頷くとそれを追っていった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.88 ) |
- 日時: 2016/06/27 06:19:50
- 名前: 孝(たか)
- No.96との戦いから3日後・・・
佐助とアルフは日頃から鍛えていたのが功を成したのか、意識を取り戻しており、徐々に回復している。が、あと数日はこのまま養生しなければならない。
一方で、類は友を呼ぶと言うのか、鏡夜、氷牙、レオ達と同じく、剣一も驚異的な回復力で既に復帰している。
そして、美海と風華だが・・・意識は取り戻しているのだが、2人とも小柄な女子であるし、特に鍛えているわけでもないので、安静が必要。少なくとも、半月はこのままだろうとのこと。
ただ、美海には翔が、風華には三沢とタニヤがほぼ毎日のように見舞いに来ているので2人にとっては、まさに怪我の功名と言う奴である。
序に、アルフへの見舞いは、”女性陣面会禁止令”が出ている。あの、アルフ親衛隊の頭の中ピンク色の思春期丸出しの女子共が、床に伏せているアルフに手を出さないとも限らない。他にも、病室で騒がれては迷惑以外の何物でもないからである。
そんな平和になりつつあるアカデミアの職員室では・・・
クロノス「え〜。彼が今期新しく来た教育実習生の龍牙君なノーネ。」 龍牙「初めまして。この度、教育実習生として参りました。如何様(いかよう)龍牙です。若輩者ではありますが、何卒よろしくお願いします!」
と、如何にも人の良さそうな笑顔を向けてハキハキと自己紹介する龍牙。
氷牙「俺の弟と同じ名前か。(ボソ)なんかうさんくせぇ・・・」 レオ「如何様・・・いかよう・・・読み方変えたらイカサマっすね。」
鏡夜「あからさま過ぎて逆に清々しいね。何かしたら容赦しないけど。」 剣一「うわ。ワザとらしい笑顔だな。もっと鏡夜の兄貴みたいに不自然さのない笑みは出来ないものかねぇ・・・」
メリオル「見下してる気配が滲み出てるわね。絶対禄な奴じゃないわよ」 凛「う。寒気が・・・近づいたらうっかり骨を砕いてしまいそうです」
我らがチームディザスターズ(仮)は龍牙の本性を一発で見抜いており、最近では(と言うか設定はある物の一度も披露されていないが)成りを潜めていた凛の男性恐怖症が発動しかねない程の嫌悪感が滲み出ている事に、気付いていた。
クロノス「デュエルアカデミア本校でーハ、生徒達と100人切りデュエルをしてもらうノーネ。その内、勝率が7割、或いは50連勝すれば、晴れてアカデミアの教師に採用されますーノ。対戦相手は君が決めて良いノーネ。ただし、不正は許さないーノ。不正を行えば、とんでもなく恐ろしい罰が待っているノーネ。本当に、恐ろしいノーネ・・・」
クロノスは一度、それはそれは恐ろしい、”鏡夜の、鏡夜による、鏡夜が満足する為”の極刑執行をその目で見ているので、体験していなくともそれがどれ程恐ろしい物か知っている。そう、脅しではなく、正真正銘、恐ろしい罰が待っているのだ。
龍牙「心配には及びませんよ。そんな事はしませんから。(そう、俺にはこの指輪がある。決して見破る事などできはしない。教師になりさえすれば、こんなノッポなど軽く蹴落として俺が実技最高責任者に昇り詰めてやる。どうせコイツらもこの指輪の発するジャミングで魔法カードが発動できなければ赤子の手を捻るがごとしだ・・・)」
などと、教育者を目指す者とは思えない事をその笑顔に隠して考えている彼は・・・自分が如何に愚か者であるかを、身を持って知ることになるのだ。
それから1週間後のこと。
如何様龍牙は順調に勝利を収めて行き、47連勝を成し遂げていた。 因みに、戦績はと言うと・・・
ブルー男子1年15人。 ブルー女子1年5人。 ブルー女子2年4人。 ブルー男子2年4人。 ブルー男子3年2人。 イエロー1年5人。 イエロー2年4人。 イエロー3年4人。 レッド1年2人。 レッド2年2人。
1日で6〜7人相手にしていた計算だ。 この戦績を見ると優秀であると言えるが、”いくらなんでも速すぎる”。その様な違和感を覚える者が何人も居た。その極め付けが・・・
氷牙「なに?魔法カードが発動しない?」 枕田「そうなんです!あの龍牙って教育実習生の人とデュエルしてる時、魔法カードが反応しなくて・・・後で調べてみたら、ディスク自体に問題は何も無くて、他の人とデュエルした時は問題無く発動したんです。念の為、鏡夜先生にも見てもらいました。」
氷牙「お前もか・・・まさかとは思うが、お前もカードを奪われたなんて事は」 枕田「そうなんです!私の、ハーピィ・レディ−鳳凰の陣−が・・・」 氷牙「なんだと!?鳳凰の陣と言えば、相当のレアカードだぞ!?」
そう、龍牙とデュエルして負けた者達は、そのほとんどが魔法カードが反応を示さず、更には有効に使ってやると言ってレアカードを強奪していくと言う、外道行為を強制されていたのだ。
氷牙「これは由々しき事態だな。これだけの証拠があれば十分か?枕田、あのクソ野郎とデュエルした奴。特に、魔法カードが反応しなかったデュエルをした奴全員を集めてくれるか?場所は、第一デュエル場に。」 枕田「分かりました!すぐに声をかけてきます!」
枕田ジュンコが氷牙の所から去っていくと同時に、氷牙は剣一と三沢を呼びだしていた。
30分ほどして剣一と三沢が保健室に到着する。
氷牙「二人とも、よく来てくれたな。三沢、お前に大事な頼みがある。」 三沢「頼み、と言うのは?」 氷牙「教育実習生、如何様龍牙の粛正」
三沢「・・・やっぱり、あの噂は・・・」 氷牙「ああ。47人中、40人がクソ野郎とデュエルして魔法カードが反応しなかった。ディスクには何の問題も無かった。偶然で片づけていいものじゃない。そこで、だ。」 三沢「俺の出番ってわけですね。俺の地のデッキ。不動の超重武者。」
【超重武者】フルモンをコンセプトに作られた機械族カテゴリ。有名な【お触れホルス】を相手にしても不利にはならないと言えるデッキだ。
氷牙「頼めるか?奴の50連勝を止める事が出来ればそれでいい。48人目として、お前からデュエルを仕掛けてほしい。」 三沢「それはいいですけど、超重武者では奴の不正を暴く事は出来ないのでは?魔法カードをあまり使わないデッキですし。」 氷牙「言質が取れればいいのさ。超重武者には、装備カード扱いになる超重武者装留が居る。装備カードになるって事は、魔法&罠ゾーンに置かれる事になる。それはつまり、装備した後は魔法&罠と同じ方法で処理できるカードだ。魔法カードと勘違いさせればいいだけだ。」
三沢「・・・なるほど、魔法カードと誤認させて、動揺を誘えばいい。と言う事ですか」 氷牙「理解が速くて助かるぜ。そして、ここで剣一。お前の出番だ。」 剣一「ウッス。俺は何をすれば?」 氷牙「お前の隠密力を最大限に生かしてもらうぜ?」
剣一は無駄に素早いだけでなく、隠密行動も得意としている。子供のころからかくれんぼは大の得意で、鬼役の真後ろに居てもバレない位の隠密力だ。身体能力も高く、ついた渾名は電光のアサシン。
光ってんじゃねぇかというツッコミは無しだ。
氷牙「お前のその隠密力で、このボイスレコーダーにデュエル中の奴の発言を全て録音してほしい。それと、こっちはジャミング感知器。どちらも鏡夜の作成した逸品だから、性能はお墨付きだ。」 剣一「ウッス!任せてくれ!電光のアサシンの異名は伊達じゃねぇ!」 氷牙「・・・いつも思うが、光ってる隠者って矛盾してね?」
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.90 ) |
- 日時: 2016/06/30 00:13:53
- 名前: カイナ
- 剣一「止めてくれ…中学時代の後悔を穿り返さないでくれ…」
氷牙「いいからさっさといけよ。後焼きそばパン宜しくな」 剣一「パシリか!?」
そんな中学生みたいなやり取りを交わしながら部屋を出る剣一。…そして剣一が出て行ったのを確認するや、氷牙の顔がまるで悪魔か何かの様な歪んだ笑みを浮かべる。
氷牙「さぁ〜てと…。デュエルの後どうしてやろうかねぇ…ケケケケッ…!!」
龍牙の明日はいったいどうなるのだろうか。そして一方件の龍牙はといえば…
龍牙「クククッ…これで合計47連勝。いやぁ〜早いもんだねぇ〜」
場所は彼に宛がわれた実習生用の部屋。非常に下品な笑みを浮かべながら、左手薬指に付いている指輪を撫でる龍牙。そう、この男は確かに不正を働いていたのだ。コイツは表の顔こそさわやかな好青年っぽいが、本性は非常に下劣。実力こそちゃんとやればできそうではあるのだろうが、その性格ゆえに努力などしてすらいない為、たかが知れていた。 薬指についている自作した、指輪型の妨害電波発生装置を使い、ディスクに誤作動を起こし、魔法カードを読み込めなくして勝利するという非常に技術の無駄遣いにも程がある行為をしていた挙句、カツアゲもしていたのである。
龍牙「いやぁ〜本当に指輪様様だぜ。この指輪のお陰で俺は無敗。バカな糞餓鬼共からもレアカードを巻き上げられる。本当にウハウハだぜ」
仮にも教師を目指している者が、生徒をクソガキ呼ばわりである。
龍牙「後3勝すれば、俺は念願のアカデミアの教師。人生バラ色勝ち組街道まっしぐら!いやぁ〜うまくいきすぎて逆に怖いなぁ!!」
不正をしての連勝記録なのでハッキリ言って偉くも糞もへったくれも無いのだが、完全に調子をこいて馬鹿笑いする龍牙。…もし此処に氷牙辺りがいれば、無言で顔面に右ストレートでも叩き込んでいるだろう。 が、そんな不正まみれの勝利も、すぐに瓦礫となるのだが…
その翌日、龍牙は次のカモを探しながらデュエルアカデミアの廊下を闊歩していた。ただ勝つだけではない、レアカードを持っていて、なおかつ倒せば教員からの評価も高まるような優等生。それが彼の狙いである。
????「龍牙先生」
龍牙「っと」
背後から突然自分を呼ぶ女性の声に反応し、龍牙は外面の爽やかな笑顔を見せながら振り返る。
龍牙「やあどうも、メリオル先生。しかし、私を先生とは、私はまだ若輩の教育実習生ですよ?」
メリオル「これは失礼いたしました。50連勝が近く、もはや教員決定は決まったようなものだという噂を聞いていたもので」
その相手――メリオルは美しい笑顔を見せながら龍牙を褒め、龍牙も美女と言って差し支えないメリオルに褒められてついにやけた顔になってしまう。
メリオル「ところで、龍牙先生に少しお願いがあるのですが……」
龍牙「ええ、私でよければ」
褒められて調子に乗ったのか、龍牙はメリオルからのお願いを内容も聞かずに承諾する。
メリオル「実はラー・イエローの三沢大地君がオベリスク・ブルーへの昇格を打診されていまして。龍牙先生からも実力を測ってもらいたいのですよ」
龍牙「ふむふむ、なるほど…(…ラー・イエローの秀才三沢大地か……そういう奴ほど魔法カードによるコンボを使ってくる。力押ししか能のないバカ共より倒しやすそうだな…)…分かりました。私でよければご協力しましょう」
メリオル「では、こちらへ」
龍牙から了承を得たメリオルは彼を連れてデュエル場に歩く。もはや教員決定目前となった龍牙は得意気な笑みを隠そうともしていないが、彼の前を歩くメリオルが黒い笑みを浮かべていたことに気づかない。メリオルは学生時代、演劇部の主演女優を行っていた演技力をいかんなく発揮して龍牙を誘導していたのだ。
三沢「魔法カード[ボンディング−H2O]を発動! フィールドのハイドロゲドン二体とオキシゲドン一体を合成し、[ウォーター・ドラゴン]を特殊召喚! ウォーター・ドラゴンでスチームジャイロイドを攻撃だ!」 翔「うわぁー!」
デュエル場、そこでは三沢と翔がデュエルを行っており、三沢の魔法カードにより呼び出された水の竜が翔のフェイバリットカードを破壊、そのダメージによりデュエルの決着がついた。それを見たメリオルはいつの間にか手に持っていた扇子をパチン、と鳴らす。と、翔がびくっと身震いを見せた。
翔「あ、あー、やっぱり三沢君は強いっすねー。魔法カードのコンボがすごく参考になるっすー」
三沢「と、当然だ。俺の魔法コンボに死角はない!」
身震いを見せた後、どことなく棒読み気味で喋る翔。三沢もどこかカチカチとしたぎこちない挙動でそれに返していた。
龍牙(やはり魔法カードが鍵か……)
その会話から龍牙は勝利を確信し、ニヤリと笑みを向ける。
???「龍牙先生♪」
と、別の女性の声が龍牙の名を呼んだ。
龍牙「(あの生意気な枕田と一緒に、天上院の取り巻きをしていた女子か…)…えーと、浜口さんだったかな?」 ももえ「きゃっ、先生みたいなイケメンに名前を覚えてもらえているとは、光栄ですわ」
龍牙は少女――ももえの方を向いて一応形式的に相手をし、ももえは恥ずかしそうに両手を頬に当てていやんいやんと首を振り、腰を振る。明日香ほどではないが割と膨らんでいる胸がその時にふるんと揺れ、つい龍牙の目が胸元を覗いてしまう。男の性である。
ももえ「龍牙先生、頑張ってくださいね? ももえ、応援しておりますわ」 龍牙「ああ、ありがとう」
ももえからのエールを爽やかな笑顔で受け取る龍牙。そのままももえがルンルンと鼻歌交じりに去っていくのを見届けながら、龍牙はククッと笑みを見せた。
龍牙(デュエルが強いだけでこんなにもてるとはな。俺の教育でデュエル界を支配した暁には俺専用のハーレムを作るのも悪くはない……)
デュエルアカデミアの女子は外見のレベルが高いものが多く、龍牙は彼女らのハーレムを作ろうかと画策をし始める。
ももえ「……ケッ、あんなイケメンでもなんでもない、それもジュンコを悲しませた男を褒めるなんて……はらわたが煮えくり返りそうですわ。腹立たしい」
一方龍牙から離れ、デュエル場を出たももえはすぐさま表情を変貌。今にも唾を床にでも吐き捨てそうな顔を見せていた。
ライ「ははは……悪い。エルフィには“あんな奴を褒めるなんて演技でもいや!”って断固拒否されてさ……」 ももえ「私だってイヤですわ! あ〜んな、人の胸を見てイヤらしく下品な笑みを浮かべるような男なんて! 近寄りたくもない! あの舐め回すような視線を思い出すだけで怖気が走ります!」
ももえの前に立つ少年――ライの苦笑いしながらの謝罪にももえは声を荒げ、ふんっと顔を背けた後、ぐいっと右手をライの前に無造作に差し出した。
ももえ「約束の報酬をいただきたいですわ」
ライ「はいはい。アルフの寝顔ブロマイドが五枚と、保健室入院中のアルフへの面会権な。ただしエルフィかヴィヴィオかカノンノの同伴が条件だからな」
ももえ「分かってますわ♪」
この通り、ももえはアルフの写真や本来女性陣面会禁止となっているアルフへの面会を可能にする権利を報酬として提示。龍牙の注意を引く役目を引き受けていたのだ。
ももえ「きゃわ〜♪ アルフ様の寝顔……ああ、これだけでイッてしまいそう……」
ももえは恍惚とした顔を見せながらアルフの寝顔ブロマイドを観賞、その身体をぞくぞくっと震わせながら満足そうにその場を去っていった。
一方デュエル場、上機嫌になった龍牙は三沢と対峙しデュエルコートに上がっていた。
三沢「龍牙先生、よろしくお願いします」
龍牙「ええ。楽しいデュエルをいたしましょう」
三沢の礼儀正しい挨拶に対し、龍牙は人当たりのいい笑顔を浮かべて返しつつ、さりげなく左手中指につけている指輪をいじる。
龍牙(これでよし。このリングから発される特殊な電磁波はデュエルディスクの魔法カードのシステムを麻痺させる。だが俺のデュエルディスクはプロテクト済み、これでお前の魔法コンボとやらは使えずじまいというわけだ。この勝負、もらった)
龍牙は栄光あるデュエルアカデミアへの就職と、近い未来に訪れるデュエル界の支配とハーレムを夢見て笑みを浮かべる。
三沢・龍牙「「デュエル!!!」」
その未来が、このデュエルによって破滅へと導かれることなど、露ほども知らずに。
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