Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.22 ) |
- 日時: 2015/01/16 22:27:40
- 名前: カイナ
- 風華VSタニヤの恋する乙女対決から数日が過ぎた。タニヤはあの戦いの後、森の管理人としてアカデミアに秘密裏に雇われ、たまにレッド寮に遊びに来たりしている。
まあ、それはさておき夜中。三沢大地は焔と共に浜辺を歩いていた。
三沢「特訓に突き合わせてすまないな、焔」 焔「いや、別に」
三沢のすまなそうな言葉に焔も素っ気なさそうに返す。以前タニヤにぼろ負けしてから彼は十代やライ達に日替わりで特訓の相手を頼んでおり、今日は焔が相手になっていたわけだ。
焔「まあ、無理するなよ?」 三沢「まあな」
焔と三沢は談笑しながら浜辺を歩く。が、その次の瞬間二人は浜辺を睨みつける。
???「キ、ヒヒヒヒヒ……」
そこには、今の今まで間違いなくいなかったはず、少なくとも気配のなかった存在がいた。金色の髪がぼさぼさに伸び、口元はこちらも髭が伸びっぱなし、サングラスで隠れてはいるもののその目からは溢れんばかりの殺気が漏れ出ている。
???「ジョーノウチィ……」
三沢「な、なんだ?……」 焔「お、お化けか?」
男性はそう地獄の底から響くかのような低い声を漏らし、三沢と焔はその光景に軽く引く。と、その声を聞いて人間がいるのに気づいたのか男性の注意が二人に向いた。
???「キ、ヒヒヒ、ガキどもぉ。ジョーノウチはどこだぁ? ここにいるのは分かってんだぁ……」
焔「ジョーノ……」 三沢「まさか、城之内さんの事か? いや、でもあの人がここにいるはずが……」
男性の呟くような、しかし耳に届いてくる声に焔が首を傾げると三沢が呟く。と、男性から殺気が飛んだ。
???「ジョーノウチはどこだっつってんだよ!! つべこべ言わずとっとと出しやがれぇっ!!!」
焔「っ……や、やばそうだな……三沢、ここは俺が引き受ける。急いで氷牙先生達を呼んできてくれ」 三沢「だ、だが!」 焔「お前、まだ本調子じゃないだろ? ここは任せろ!」
焔と三沢は話し合い、まだ本調子ではない三沢に戦わせるのは無茶と踏んだ焔は自分が相手をする間に三沢に氷牙達を呼んでくるように指示、三沢も渋々とはいえ頷くと「すぐに戻る!」と言い残して走り出す。
???「おいガキ! 待ちやがれ!!」 焔「おっと、俺が相手になってやるよ!」
男性が怒鳴り声で喚くが、その前に焔が立ちはだかってデュエルディスクを構える。それに対し男性もニヤァ、と口元を吊り上げて笑った。
???「面白ぇ、ジョーノウチをぶっ殺す前の肩慣らしをさせてもらうぜぇ」
そう呟いて彼もデュエルディスクを構える。
焔・???「「デュエル!!!」」
そして二人の声が重なり合った。
氷牙「ふんっふふんふふ〜んっ♪」
一方レッド寮。氷牙は船で本土から来た食料や消耗品の整理を行っていた。その全てが無駄のない配置に置かれており、使いやすさが極限にまで追及されている。
三沢「た、大変だっ!!」
と、そこに三沢が飛び込んできた。
氷牙「どうしたんだ、三沢? 今日は焔と特訓しているはずじゃあ?」 三沢「あ、はい。ですが、その帰りに不審者がいて、焔が足止めをしてるんですが……なんというか、城之内がどうのこうの……とにかく、正気とは思えないんです!」 氷牙「城之内?……分かった」
三沢からの報告を受けた氷牙は大雑把な説明ながらも、城之内を狙う不審者が何故かアカデミアに入り込んできたという事だけは理解し、頷く。 そして氷牙に呼ばれたレオや十代、翔に万丈目達が三沢の先導で浜辺の方に走り出した。
???「オラァ!! リボルバー・ドラゴンでダイレクトアタックゥ!! ガン・キャノン・ショットォ!!!」
焔「ぐああああぁぁぁぁぁっ!!! く、墓地に眠るV・HEROポイズナーの効果発動! ダメージを受けた時、幻影となって俺の魔法・罠ゾーンに置かれる!」LP4000→1400
一方海岸。焔は男性の召喚したモンスターのダイレクトアタックをその身に受けてしまう。その身体に現実に銃弾を受けたかのような痛みが走った。
焔「(……この痛み、これはまさか闇のデュエル!? こいつ、セブンスターズか!?…)…俺のターン、ドロー! 俺は[M・HERO ガスト]を召喚し、手札を一枚捨て速攻魔法[マスク・チェンジ・セカンド]を発動! 風属性のガストを変身させ、[M・HERO カミカゼ]を変身召喚!! バトルだ! カミカゼでリボルバー・ドラゴンを攻撃!!」 M・HERO カミカゼ 攻撃力:2700
???「く……ヒヒヒ、痛くもかゆくもねえなぁ、この程度! トラップ発動[スクラップ・ガレージ]!! 俺の場の機械族モンスターが破壊され墓地に送られた時、墓地から破壊されたモンスター及び、それと同じ属性の機械族モンスターを二体まで選んで攻撃表示で特殊召喚する! 俺は闇属性・機械族の[リボルバー・ドラゴン]と同じく闇属性・機械族の[ブローバック・ドラゴン]と[振り子刃の拷問機械]を特殊召喚する! ただし、この効果で特殊召喚されたモンスターは表示形式は変更できず、攻撃力・守備力は0になり、特殊能力も無効になるがなぁ!!」LP4000→3900 リボルバー・ドラゴン 攻撃力:2600→0 ブローバック・ドラゴン 攻撃力:2300→0 振り子刃の拷問機械 攻撃力:1750→0
焔「(一瞬にして場に三体のモンスターを揃えやがった。そして、俺に手札はない。だが…)…カミカゼの効果発動! 戦闘で相手モンスターを破壊したことにより、デッキからカードを一枚ドロー!!…(…[V・HERO ミニマム・レイ]。今、俺の罠ゾーンには幻影になっているV・HEROポイズナーがいる。次のターン、もしあれをリリースして強力なモンスターのアドバンス召喚に繋げてきても、カミカゼは戦闘によっては破壊されず、さらに相手の攻撃をモンスター一体のみに抑制する。攻撃を耐えきって次のターン、ミニマム・レイを召喚、リリースして幻影のポイズナーを特殊召喚。その効果を使えば大抵のモンスターはカミカゼで戦闘破壊出来るはず…)…俺はこれでターンエンドだ!」
焔は一枚の手札に希望を託し、ターンエンドを宣言。すると、カードをドローした男性は「ククク」と不気味に笑い始める。
???「本当はジョーノウチに一番最初に拝ませてやりたかったがなぁ……拝ませてやるぜ……邪悪なる神ってヤツをよ……」
男性はそう呟いてデュエルディスクのフィールド魔法ゾーンを展開する。
???「俺はフィールド魔法[ダーク・ゾーン]を発動! 闇属性モンスターの攻撃力を500ポイントアップ!!」 リボルバー・ドラゴン 攻撃力:0→500 ブローバック・ドラゴン 攻撃力:0→500 振り子刃の拷問機械 攻撃力:0→500
辺りが闇のエリアへと変貌。次の瞬間、リボルバー・ドラゴンとブローバック・ドラゴンが闇に包まれた。
???「大地に眠る積年の恨みよォ! 今こそ出でて俺様に力を貸しやがれェ!!」 焔「あ、あ……あ……」
闇の中から出でる地に縛られし神、自縛神。それに焔は怯えたような声を漏らすのが精一杯だった。
???「ダイレクトアタックだァ!!!」 焔「ぐああああぁぁぁぁぁっ!!!」LP1400→0
そしてその攻撃が、焔にトドメを刺した。
???「チッ、手応えのねえ……あん?」
男性は浜辺に倒れ伏す焔を見下して舌打ちを叩く。が、突然その懐から携帯電話が鳴り出し、男性は電話を取る。
???「ンだよ? アァ? さっきの野郎が仲間を呼んだだとォ? その場から離れろだァ? ざけんなよ! テメエがジョーノウチがここにいるっつったんだろうが! そいつも叩きのめしてジョーノウチの居場所を!……チッ、分ァったよ」
男性は電話相手に喚き散らした後、舌打ちを叩いてその場を後にする。彼の姿が闇に消えるのと、氷牙達が到着するのはほとんど同時だった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.23 ) |
- 日時: 2015/01/17 06:44:35
- 名前: カイナ
- 焔が謎のデュエリストに襲われた翌日。焔は保健室に収容されていた。氷牙の治療によって命に別状はないものの闇のデュエルによるダメージは凄まじく未だ昏睡、絶対安静状態にあった。
鏡夜「それで、三沢君。もう一度確認するけど……」 三沢「はい。焔を襲った不審者ですが、金髪がぼさぼさになっていて無精髭を生やし、それからサングラスを着用している長身の男性。ああ、そういえば頬がこけていました……」 氷牙「そして、城之内を執拗に狙っていたと思える言動……まさか」
鏡夜の確認に、三沢はもう何度も説明した不審者の外見的特徴を伝える。それを受けた氷牙がまさかと呟くと、翔が「心当たりがあるんすか!?」と叫ぶ。
氷牙「そんな特徴を持っていて、かつ、城之内を狙う。と聞けば……心当たりが一人だけある……」 鏡夜「バンデッド・キース」
氷牙の言葉を横取りにするように鏡夜が言う。
明日香「バンデッド……盗賊?」 三沢「き、聞いたことがある! かつて全米チャンピオンにまで上り詰めたが初心者に敗北した後、デュエル社会から姿を消した凄腕のデュエリスト……確か、ペガサス島のDVDで見た時は城之内さんに敗北していたはず……」
その名前を聞いた明日香が首を傾げると三沢がはっとした表情でそう説明を行い、氷牙がこくりと頷いた。と、レオが口を挟む。
レオ「だが、奴はペガサス島以来消息不明のはず……」 メリオル「何故彼が今になって?……それも、セブンスターズになってアカデミアを狙うの?」
レオとメリオル夫妻の呟きに氷牙は「分からん」と返す。
氷牙「とにかく、奴の狙いは城之内で、奴はこの島に城之内がいると思い込んでいるらしい……いないとばれて奴がこの島から脱出する前に捕らえる」 鏡夜「元より相手はセブンスターズ……僕達の相手であることは間違いないんだしね」 レオ「ああ。焔の仇はばっちり取ってやらないとな」
氷牙は城之内を守るためにも島にいる間にキースを捕らえる事を決め、鏡夜とレオもこくんと頷く。メリオルはその後ろで、何か考えている様子で腕組みをしていた。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.24 ) |
- 日時: 2015/03/08 05:30:20
- 名前: 孝(たか)
- 同日・・・緊急全校集会・・・講堂にて・・・
氷牙『え〜朝になって、急に始まったこの全校集会。生徒諸君に大事な話がある。今、このアカデミアに危険人物が密航してきた。』
ザワ、ザワザワ・・・
突然の事態に生徒一同にざわめきが起こる。それもそうだろう、普段火山地帯や森に近づかなければ基本的に安全なアカデミア島に危険人物がやってきたなどと知れば驚かない方がおかしい。
因みに本来なら校長がするべきなのだが、運が悪い事にまたもや鮫島校長は外せない用事でアカデミアを離れていたのだ。
順当にいけば教頭がやるべきではと思うのだが、その教頭と言えば、密航を許してしまった警備の者達に文句を言うだけ言って責任を取ろうとしないので仕方なく氷牙が出てきたにすぎない。
氷牙『既に、密航者の正体には見当が付いている。それがこいつだ。』
パッと、スクリーンに映し出される人物写真。
そこに映し出されたのは、アメリカンなバンダナを付け、はみ出た金髪と、無精髭、そしてサングラスを賭けた中年男性。
氷牙『奴の名はキース・ハワード。通称、バンデット・キース。元全米チャンピオンだったが初心者のトム少年に負けて以来は堕落し、ただのヤンキーとなっていたが、皆も知る通り・・・デュエルキングダムベスト8に残った実力者でもあったが、実はイカサマによるものであった事もあり、それでも城之内に負け、遂には行方不明になっていた。』
氷牙が調べた限りの情報を掲示していく。トム少年と聞いて、一同の記憶に「トムの勝ちデ〜〜ス」と、コミカルで陽気なI2社の会長が思い浮かんでいたりする。
氷牙『このバンデット・キースは、プロデュエリストの一人であり、伝説の一人でもある城之内克也が此処にいると言う情報を掴み、密航してきた事が判明した。そのせいで生徒の一人が意識不明の重体となっている。故に・・・今日より3日間。授業を取りやめ各寮内で待機していてほしい。その間に、警備の者達と教師陣で奴を捕縛する。よって、極力寮から出ることを禁ずる!もしどうしても寮を出なければならない用事がある場合は、必ず3人以上で行動する事。事前に寮長に用件を報告する事!もし、それらを破るようならば、容赦なく減点対象になるから覚悟しろ。場合によっては降格もあり得る。』
再びの宣言にどよめく生徒達。一方的に告げられる事態に既に思考はいっぱいいっぱいだ。
氷牙『今回の事件はそれほどの物だと言う事を心にとどめるように。そして、もし怪しい人物が居ても、絶対に追いかけるな。即座にその場から離れ、信頼のおける教師に連絡を入れろ!そして逃げろ!絶対にだ!・・・間違ってもデュエルを受けようなどと思うな。奴はイカサマなんぞしなくても十分強い。特にブルーの馬鹿共。自惚れて自分たちで捕縛してやろうなどと思うな。もしそんな考えを持っている奴がいるなら今すぐここに来い。お前達の自惚れなんぞ、ミジンコに毛が付いた程度だと言う事を叩きこんでやる。』
氷牙達の様な寮長・副寮長クラスの教師陣が他の教師陣とは格の違うレベルのデュエリストだと言う事は既に周知の事実。 そんな無謀な事をする様な馬鹿な生徒がいる訳無いと誰もが思って・・・
?「はっ。所詮はヤンキー崩れの”元”チャンプなら、この俺が瞬殺出来るっての」 氷牙『よし、その心意気は勝ってやる。そこの馬鹿ブルー。こっち来い。テメェのその自意識過剰な紙にも劣る薄っぺらい自信を一瞬で粉砕してやるから。Halley!Halley!!Halley!!!』
居た。初心者に負けた元チャンプの実力なんてたかが知れてると身の程知らずな馬鹿なブルーの生徒が一人いた。
言われ、その馬鹿ブルーは意気揚々と壇上に上がってくる。
氷牙「さて、情報によると、奴さんはシンクロもエクシーズも使用しない機械族のデッキを用いてラー・イエローの上位成績者を瞬殺したという。それを踏まえ、俺も同じ条件で相手してやる。お前のその自信をミキサーで細切れにされる位に粉々にしてやるから覚悟しろクソガキ。」
とうとう生徒に対してクソガキ扱いである。犠牲者が身内(仲間的な)である焔が残した情報だ。なんとしてでもこの様な馬鹿に教え込ませなければならない。
『『デュエル!』』
馬鹿青「先攻は貰いますよ!ドロー![古のルール]を発動!手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する!来い![ラビー・ドラゴン]!」
ラビー:ATK2950
ラビー・ドラゴン。あの、青眼の白龍に次ぐ攻撃力を持つドラゴン族通常モンスターであり、守備力も2900あると言う破格のモンスターである。
馬鹿青「更にカードを2枚伏せて、ターンエンド!どうです?1ターン目で「俺のターン!ドロー!」ちょ!?」手札2 氷牙「黙れ。たかだがその程度で調子に乗るな。フィールド魔法[ブラック・ガーデン]を発動。このカードがある限り、ブラック・ガーデンの効果以外でモンスターが召喚・特殊召喚された時、攻撃力を半分にし、そのモンスターのコントローラーから見て、相手のフィールドにローズ・トークンを攻撃表示で特殊召喚する。」
講堂が漆黒に染まる茨で埋め尽くされる。
氷牙「更に、[超重武者カゲボウーC]を召喚。効果により、コイツをリリースして、手札から[超重武者ビックベン−K]を特殊召喚!効果で守備表示に変更する。そして、モンスターを召喚、特殊召喚した事により、ブラック・ガーデンの効果で、ローズ・トークンを攻撃表示で特殊召喚する。」
ビックベン−K:ATK1000→500→DEF3500 ローズ・トークン:ATK800×2体
因みに、今氷牙が使用しているのは三沢が持っている物と全く同じものである。
馬鹿青「そ、それがどうしたっていうんです?ただ守備力の高い壁を用意したって・・・」 氷牙「魔法カード[機械複製術]自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスター1体と同名のモンスターをデッキから2体特殊召喚する。ブラック・ガーデンの効果で、攻撃力が半分の500になったビックベン−Kを選択し、攻撃表示で2体特殊召喚。特殊召喚時に効果によって2体の表示形式を守備表示に変更。更にローズ・トークンを1体追加だ。」
ビックベン−Kが更に2体追加され、馬鹿青の場にはラビー・ドラゴンが一体と、ローズ・トークンが3体である。
氷牙「魔法カード[大嵐]。場の魔法罠を全て破壊する。」 馬鹿青「なっ!?俺のミラフォと奈落が!?」
余裕の態度を取っている者のミラーフォースは仕事しない。
氷牙「ビックベン−Kは超重武者に守備表示のまま攻撃できる効果を与え、守備力を攻撃力としてダメージ計算を行える。ビックベン−Kは3体。ローズ・トークンも3体。その差分の合計は幾つだ?」 馬鹿青「に、2700×3で、8100の、ダメージ・・・」 氷牙「つまり、デュエル2回分敗北決定だ!!自惚れも大概にしろ大バカ者が!!バトル!ローズ・トークンをうち砕け!!」
馬鹿青「う、うわあああああああああああああああ!?!?」
所要時間4分。カップ麺が出来上がる前に決着である。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.29 ) |
- 日時: 2015/03/10 20:36:24
- 名前: カイナ
- バンデッド・キースがアカデミアに急襲したことによりアカデミアの全授業が急遽休講、全生徒の外出禁止令が出された後、各寮の寮長と他数名教員――レッド寮は大徳寺とレオ。イエロー寮は樺山とタニヤ。ブルー男子寮はクロノスとブルー担当ではないが万一また無謀な馬鹿が出た時に今度は完膚なきまでに心をへし折らせるために鏡夜。ブルー女子寮は鮎川と凜が常駐、後はローテーション――で寮の警備にあたり、それ以外の教員及び警備員が数人でチームを組み島中を捜索する事となった。
沢中「それにしても、まさか元全米チャンプがいきなりアカデミアを強襲してくるとはな」 灘「でも不思議ですね? キースは城乃内さんを狙っているのになぜアカデミアに?……」
森の中、男子教員の沢中と灘が捜索しながら雑談を交し合う。
メリオル「二人とも、話すのは休憩時間にお願いできますか? 今はバンデット・キースの捜索に集中をお願いします。それと、聞く話によるとバンデット・キースはソリッドビジョンのダメージを増幅させる違法デュエルディスクを使用している、という情報があります。お気をつけて」
その二人にメリオルが闇のデュエルのダメージを誤魔化す説明を入れつつ注意をかけた。なお男性二人と女性一人というのはメリオルの身が危険に思えるが、仮にも武術家レオの妻、一般男性をなぎ払うくらいは朝飯前だしそもそも最低レオ、最悪氷牙達を敵に回すと分かっていてメリオルに襲い掛かるほどここの男性教員は基本的に馬鹿ではない。
コウモリ「……」
それに実は現在休憩中のカミューラが自分は動かずともしもべのコウモリをチームをこっそり監視、辺りの捜索に当たらせているため非常事態が起きればすぐに分かる。
灘「ああ、すいません。生徒を守るため、今は集中ですね!」 沢中「おう! バンデット・キースだろうがなんだろうが、俺が止めてみせる! 燃えるぜ、熱血だー!!」 メリオル「ええ。それに城之内も今はいろいろ大変な時期なので……ここで食い止めましょう」
灘と沢中の言葉にメリオルもそう返す。
???「ジョーノウチィ……」
メリオル・灘・沢中「「「!?」」」
その時、いきなりそんな地獄から響くかのような声が聞こえてきた。そしてキヒヒヒヒという気味の悪い声が聞こえてきたと思うとバンデット・キースが森の闇の中から姿を現した。
キース「ジョーノウチはどこだァ?」
灘「で、出たな! メリオル先生、下がっていてください!」
キースを見た灘がメリオルに下がるように指示、メリオルが「えっ!?」と驚愕の声をあげていると沢中と灘がキースの目の前に立ちはだかる。
沢中「心配するな! プロに匹敵する実力だろうが、二人がかりなら勝てる! なによりも女性を守るのは男として当然だ!!」
沢中も燃えているかのような熱い言葉でそう言い、教員二人はデュエルディスクを展開。キースも気味悪く笑いながらデュエルディスクを展開。
キース・灘・沢中「「「デュエル!!!」」」
そして三人の声が重なり合う。
それからデュエルが続く。
キース「魔法カード[融合]を発動! スクラップ・ガレージによって特殊召喚されたリボルバー・ドラゴンとブローバック・ドラゴンを融合する! 融合召喚!! [ガトリング・ドラゴン]!!!」 ガトリング・ドラゴン 攻撃力:2600
それぞれ回転式拳銃と自動式拳銃の頭部を持つ二体の機械竜が融合し、回転式機関銃の頭部と両腕を持つ機械竜が姿を現した。
キース「ガトリング・ドラゴンの効果発動! ガトリング・ドラゴンの三つの銃口は二分の一の確立で射撃が成功し、フィールド上のモンスターを射撃成功の数だけ破壊する!! ガトリング・ショットォ!!」
キースの宣言と共にガトリング・ドラゴンの頭部の両腕のガトリング部分が回転。その内の両手のガトリングから弾丸が掃射され、灘の場の光神機−轟龍と沢中の場の裁きを下すもの−ボルテニスを破壊。二人の場ががら空きになってしまう。
キース「バトルだ! ガトリング・ドラゴンでダイレクトアタック!! この瞬間速攻魔法[リミッター解除]を発動! 機械族モンスターの攻撃力を倍にする!」 ガトリング・ドラゴン 攻撃力:2600→5200 灘「うわああぁぁぁっ!!!」LP3000→0
リミッターが外されたガトリング・ドラゴンの弾丸掃射が灘をなぎ払い、沢中が「灘先生!」と叫んだ後、キースを睨む。
沢中「貴様、よくも! しかしこのターン終了時、ガトリング・ドラゴンは破壊される! 次のターン、俺のン熱血指導だぁ!!」 キース「キヒャヒャヒャ! 甘ェなァ! 速攻魔法[融合解除]を発動だァ!! ガトリング・ドラゴンの融合を解除し、素材となった二体のモンスターを特殊召喚!! これでリミッター解除の自壊デメリットは消え、バトルフェイズ中の特殊召喚のためこの二体にも攻撃権が存在する!!」 リボルバー・ドラゴン 攻撃力:2600 ブローバック・ドラゴン 攻撃力:2300
沢中が熱く叫ぶが、キースは手札の一枚を使用して追撃準備を整え、絶句している沢中目掛け再び高笑いを見せる。
キース「ヒハハハハハ! リボルバー・ドラゴンとブローバック・ドラゴンでダイレクトアタックゥ!!! ダブル・ガン・キャノン・ショットォッ!!!」 沢中「ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP3500→0
ガトリング・ドラゴンほどの弾幕ではないものの、代わりに正確な射撃が沢中を撃ち抜き、彼を吹き飛ばす。闇のデュエルのダメージにより、二人とも昏倒していた。
キース「ヒ、ヒャヒャヒャヒャ! よお、テメエ……痛い目見たくなかったらおとなしくジョーノウチの居場所を教えやがれェ」
メリオル「……そうはいかないわね」
キースの脅すような言葉に対しメリオルは毅然と言い放ち、デュエルディスクを展開。
メリオル「私はセブンスターズに対抗するため選出された七星門の鍵の守護者、空時メリオル。セブンスターズが一人、バンデッド・キース……あなたにデュエルを申し込む。あなたが勝てたら正直に城乃内の居場所を教えて差し上げますわ」
毅然とした態度でデュエルを申し込み、挑発するように丁寧な言葉で言い放つ。それにキースは再びキヒヒ、と笑い声を見せた。
キース「セブンスターズだの七星門だのはどうでもいいんだがよォ……俺はジョーノウチを叩き潰してえだけだからよォ……だが、ジョーノウチの居場所が分かるってんなら、まずはテメエから血祭りにあげてやるぜェ!!!」
叫び、キースもデュエルディスクを構える。
メリオル・キース「「デュエル!!!」」
そして二人の声が重なり合った。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.30 ) |
- 日時: 2015/03/11 03:45:18
- 名前: 孝(たか)
- キース「先攻は俺だぁ!ドロー!!へへぇ!魔法カード[古のルール]を発動!手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚出来るカードだぁ!来い![デビルゾア]!!」
デビルゾア:ATK2600
キース「カードを2枚伏せて、ターンエンドぉ!!」 メリオル「私のターン。ドロー!私は[アーマード・ビー]を召喚!そのまま効果発動!相手モンスター1体の攻撃力を、エンドフェイズまで半分にする!”タウン・スピアー”!!」
アーマード・ビーが尻尾の先にある巨大な毒針をデビルゾアの眉間に突き刺すと、毒によってもがいていくうちに弱体化していく。
アーマード・ビー:ATK1600 デビルゾア:ATK2600→1300
キース「デビルゾアの攻撃力が!?」 メリオル「アマード・ビーをリリースして、魔法カード[孵化]を発動!リリースしたモンスターよりレベルが1つ高い昆虫族モンスターをデッキから特殊召喚するわ!来なさい!究極の名を持つ蟲の王よ![アルティメット・インセクトLv5]!」
アーマード・ビーが繭に包まる。その繭に罅が入ると、内側から強烈な閃光がほとばしる。
究極蟲Lv5:ATK2300
メリオル「バトル!アルティメット・インセクトでデビルゾアを攻撃!丸呑みにしてやりなさい!」
『シギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』
ガブッ!グチャ!ゴリッ!ブチッ!
その見た目に恥じない不気味な雰囲気通り、グロテスクにデビルゾアを捕食してしまった。
キース「ちっ!女のくせに、えげつねぇ攻撃しやがるぜぇ」LP4000→3000 メリオル「あら、よく言うでしょ?女は魔物だって。カードを3枚伏せてターンエンド。」手札1 キース「罠発動![リビングデッドの呼び声]!デビルゾアを墓地より復活!!俺のターン。ドロー!」手札3
メリオルがターンを終える直前にデビルゾアを復活させるキース。ドローカードを確認するとすぐに別の手札を手に取る。
キース「速攻魔法![帝王の烈風]!アドバンス召喚する時、相手モンスター1体を自分のモンスターの代わりにリリース出来る!アルティメット・インセクトをリリースしぃ、[ブローバック・ドラゴン]をアドバンス召喚!」
ブローバック:ATK2300
キース「そしてそのまま効果を発動ど「罠発動!」なにぃ!?」 メリオル「[奈落の落とし穴]!攻撃力1500以上のモンスターが出た時、そのモンスターを破壊し、除外する!」 キース「ちぃっ!!なら、デビルゾアで攻撃だぁ!!”デビルズクロー”!!」 メリオル「更に罠発動。[ライヤー・ワイヤー]墓地の昆虫族モンスターのアーマード・ビーを除外し、相手モンスター1体を破壊する!デビルゾアには再び墓地に戻って貰うわ。」
自分のモンスターを生贄に召喚されたブローバック・ドラゴンは、次元の彼方へ、攻撃してきたデビルゾアは、アーマード・ビーが墓地から抜け出し、その毒針で再びデビルゾアを仕留めると、次元の彼方へ吸い込まれていった。
キース「この女ぁ・・・カードを1枚伏せて、ターンを終了する!」手札0 メリオル「この瞬間、罠発動!私も、[リビングデッドの呼び声]を発動して、アルティメット・インセクトLv5を蘇生するわ。ドロー!スタンバイフェイズに効果発動!アルティメット・インセクトは進化する!」
メキメキとアルティメット・インセクトが脱皮していく。
メリオル「アルティメット・インセクトLv5を墓地に送り、デッキから[アルティメット・インセクトLv7]を特殊召喚!!」
究極蟲Lv7:ATK2600
メリオル「魔法カード[マジック・プランター]を発動。私の場の、永続罠を墓地に送って、2枚ドローするわ。」手札3
蘇生したLv5はLv7へと進化し、不要となったリビングデッドの呼び声を墓地に送り、メリオルは新たにカードを2枚ドローする。
メリオル「更に私は、[ローン・ファイア・ブロッサム]を召喚!そのまま効果発動!このカードをリリースし、デッキから植物族モンスターを特殊召喚するわ!来なさい!大いなる自然の力を秘めし者よ!デュアルモンスター[ギガプラント]!更に魔法カード[二重召喚]!このターン、通常召喚を二回行える。ギガプラントをデュアル召喚!これにより、ギガプラントは真の力を発揮する!1ターンに1度、手札・墓地から植物または昆虫族モンスターを特殊召喚出来る!再び墓地より現れなさい!アルティメット・インセクトLv5!!」
ギガプラント:ATK2400 究極蟲Lv5:ATK2300
メリオル「バトル!Lv5でキースにダイレクトアタック!」 キース「ぐはぁっ!?」LP3000→700 メリオル「?防がない・・・」
伏せてあるカードを発動しない事にメリオルは嫌な予感がぬぐえない。
キース「へ、へへへ・・・どうしたぁ?後一撃で俺を倒せるんだぜぇ?」 メリオル「・・・バトル!Lv7で攻撃!」 キース「この瞬間、罠発動![栄誉の贄]!!俺様のライフが3000以下の時に、ダイレクトアタックを無効にし、[贄の石碑トークン]を2体特殊召喚だ!」
贄の石碑トークン:DEF0×2体
キース「そして・・・デッキから[地縛神]1体を手札に加える!!」 メリオル「なんですって!?」
嫌な予感はしていたが、リリース要因を確保しつつ、地縛神をサーチするとは思っても居なかったメリオル。
メリオル「くっ・・・ギガプラントで贄の石碑トークン1体を攻撃!」 キース「くははは・・・。1体、残ったなぁ?」
メリオルは攻めきれなかった事に表情を顰める。
メリオル「1枚伏せて、ターンを終了よ」手札0
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.31 ) |
- 日時: 2015/03/30 03:26:53
- 名前: 孝(たか)
- キース「俺のターン。ドロー!!・・・・・・キ、キヒヒヒヒヒ!!!!!」
メリオル「・・・(フィールド魔法を引いたのかしら?)」
地縛神はフィールド魔法が無ければ効果を失い、1ターンしかフィールドに留まれない。地縛神を維持するためにはフィールド魔法は欠かせないのだ。
キース「魔法カード[地縛儀式の壺]を発動だ!!!」 メリオル「壺系統の魔法・・・ドローソースね。」 キース「その通りよぉ!コイツは、俺の場にトークン以外のカードが存在せず、墓地のモンスターが闇属性モンスターのみの場合に、手札の「地縛神」を見せて2枚ドロー出来るカードだ!」
フィールド・墓地・手札の状況に発動を左右されるが、条件さえ整ってさえいればノーコストで2枚ドロー出来る様なものである。
キース「だが、代わりにこのターンはこのカードとフィールド魔法以外の魔法・罠の効果を発動できねぇし、地縛神以外のモンスターを出す事もできねぇ・・・さぁ・・・ドローだ!!」
キースは発動したカードのデメリットを答えるが、それは有って無い様なデメリットではないだろうか・・・?
キース「キッヒヒヒヒヒヒィィッ!!!!来たぜぇ・・・フィールド魔法[地縛神の領域]を発動だ!!コイツが存在する限り、地縛神のリリースを1つ減らす事が出来る地縛神専用のフィールドよぉ!!」 メリオル「なんですって!?」
ただでさえ多大な効果耐性や直接攻撃効果なども持ち合わせているだけでも厄介なのに、召喚コストを減らす専用フィールド。専用のフィールドど言う事は、それ以外の効果も持ち合わせている筈だ。
キース「安心しろよ女ぁ・・・このフィールド魔法は確かに地縛神専用だがなぁ、召喚コストを減らす以外は特にこれといった能力はねぇ。精々が地縛神が居る限り破壊されないくらいの破壊耐性効果と、地縛神が死んだ時にコイツが道ずれにされるだけだぁ・・・」 メリオル「地縛神を維持する為だけのフィールド魔法という事・・・ね」
地縛神の召喚コスト削減、特定条件下による破壊耐性と自壊効果のフィールド魔法。まさに、地縛神を維持するだけの専用フィールドだ。
キース「俺は、贄の石碑トークン1体をリリース!!”積り積もった積年の恨み!積もりし怨みに呼応せし魂共よ!今こそ、その怒りを爆発させ、俺様に従え!降臨しろ!”[地縛神 Chacu Challhua(チャク チャルア)]をアドバンス召喚!」手札1
キースが地縛神のカードをディスクに叩きつけると、アカデミアの周りの海にとてつもなく巨大な大渦が発生する。
大渦の中心から、闇の波動が生まれ、其処から巨大な”ナニカ”が飛び出してくる。
メリオル「Chacu Challhua・・・ケチュア語で”狩りをする魚”の意・・・その正体は、鯱(シャチ)!」
巨大な邪悪なる鯱の化け物が、空中を水中の魚介類の如き鋭敏な動きで舞っていた。
Chacu Challhua:ATK2900
メリオル「攻撃力2900・・・だけど、アルティメット・インセクトLv7のモンスター効果、発動!アルティメット・インセクトLv5の効果によって特殊召喚されている場合、相手フィールド上のモンスターの攻撃力守備力は700ポイントダウンするわ!」
Chacu Challhua:ATK2900→2200 DEF2400→1700
キース「ちっ!全く持って、うざってぇ女だ。だがなぁ・・・無駄なんだよぉ!?バトルだ!地縛神でテメェにダイレクトアタック!!」 メリオル「地縛神相手に、何も用意していないとでも?罠発動![ガード・ブロック]!戦闘ダメージをを0にして、1枚ドローするわ!」手札1
キース「うがああああああっ!!!この女ぁ・・・ターンエンドだ!」
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.32 ) |
- 日時: 2015/05/04 23:48:52
- 名前: カイナ
- 簡易状況説明
キース LP:700 手札:一枚 モンスター:チャクチャルア攻撃表示 魔法・罠:地縛神の領域発動中、伏せカード一枚
メリオル LP:4000 手札:一枚 モンスター:アルティメット・インセクトLV7、アルティメット・インセクトLV5、ギガプラント全て攻撃表示 魔法・罠:なし
カイナ「もう大分空いててデュエル展開忘れたので最初から順を追ってさーっと簡易状況説明作りましたけど、こんなんでよかったんでしたっけ? とりあえずこれで話を進めますけど」
メリオル「私のターン、ドロー!」
メリオルは勢いよくカードをドローし、ドローカードを見るとニヤリと笑う。
メリオル「私はギガプラントの効果発動! ギガプラントの種子により、[ローンファイア・ブロッサム]は再び芽吹く! そしてローンファイア・ブロッサムの奇跡の蕾が花開き、デッキからチューナーモンスター[スポーア]を特殊召喚!」 スポーア 守備力:800
ギガプラントの効果を使い、間接的にチューナーモンスターをリクルートするメリオル。さらに次には究極の甲虫二体が炎に包まれる。
メリオル「私はアルティメット・インセクトLV5とLV7をリリースし、[フェニキシアン・クラスター・アマリリス]をアドバンス召喚!!」 フェニキシアン・クラスター・アマリリス 攻撃力:2200
二体の究極甲虫を贄とし、燃えているかのように美しき彼岸花がメリオルの場に咲き誇る。
キース「ヒャヒャヒャ! 何を血迷ってやがる!? テメエの切り札をリリースした上に攻撃力が下がってんじゃねえか!」
キースはモンスターを減らした上に切り札を失い、さらには攻撃力が下がっているモンスターを呼び出したメリオルを笑う。が、対するメリオルは不敵な笑みを浮かべた。
メリオル「私はレベル6のギガプラントにレベル1のスポーアをチューニング!」
彼女が同調の召喚法を宣言し、ギガプラントが六つの星に、スポーアが一つの緑の輪となって宙を舞う。
メリオル「冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け! シンクロ召喚!!」
空中で六つの星と緑の輪が重なり合い、その光の中から赤い花びらが撒き散らされる。メリオルが右腕を掲げた時、その腕に竜の脚を思わせる痣が赤く輝いた。
メリオル「咲き乱れよ、ブラック・ローズ・ドラゴン!!!」
赤い花びらが降り注ぐ中、彼女の持つ、その赤い花を身体とするシグナーの竜が姿を現した。
メリオル「ブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動! このカードがシンクロ召喚に成功した時、フィールド上のカードを全て破壊できる!! ブラック・ローズ・ガイル!!!」
効果の発動を宣言すると共に、ブラック・ローズ・ドラゴンがバラの花びらをまき散らすと同時に大嵐が発生、全てを滅していく。
キース「チッ!」
キースの場の地縛神が砕かれ、その領域が消え、彼の場の伏せカードが翻った後消えていく。と、全てが消えたフィールドにアマリリスの炎が浮かび上がる。
メリオル「フェニキシアン・クラスター・アマリリスの効果発動! 自分フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、相手ライフに800ポイントダメージを与える!! あなたのライフは残り700、これで終わりよ!!」
メリオルが叫び、アマリリスの炎が不死鳥を形作ってキースに突進する。
キース「甘ェ!!!」
が、キースが叫んだ瞬間、その炎が跳ね返されてメリオルを焼く。
メリオル「きゃあああああああ!!??」LP4000→3200
思わず悲鳴を上げるメリオル。そして彼女が「なんで」と言いたげな表情を見せているとキースの場に一枚のカードが現れた。
キース「俺はブラック・ローズ・ドラゴンの効果にチェーンしてトラップカード[リクレクト・ネイチャー]を発動してたんだよ! このカードの効果によってこのターン、相手が発動したライフポイントにダメージを与える効果は、相手ライフにダメージを与える効果になったんだ!!」
メリオル「く……私はエンドフェイズに移り、フェニキシアン・クラスター・アマリリスのさらなる効果発動! 墓地の植物族モンスター[ギガプラント]をゲームから除外し、このカードを表側守備表示で特殊召喚! ターンエンドよ」手札一枚 フェニキシアン・クラスター・アマリリス 守備力:0
メリオルの場に炎が走り、再び美しい彼岸花が姿を現す。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.33 ) |
- 日時: 2015/05/04 23:49:15
- 名前: カイナ
- キース「俺のターン、ドロー!」
次にキースがカードをドロー。ドローカードを見てニヤリと笑った。
キース「俺は魔法カード[命削りの宝札]を発動! デッキから手札が五枚になるようカードをドロー!」
キースの手札が一気に五枚に増える。
キース「クヒヒ、フィールド魔法[地縛神の領域]を発動ォ!」 メリオル「二枚目!?」
キースは再び地縛神の領域を発動し、さらに手札を取る。
キース「さらに魔法カード[死者蘇生]を発動! さあ、再び現れやがれ! [地縛神 Chacu Challhua]!!!」 地縛神 Chacu Challhua 守備力:2400
再び現れた地縛神。しかしそれは守りの体勢を取っており、メリオルは僅かに怪訝な様子を見せた。
キース「不思議そうだなぁ。だが、すぐに分からせてやるよ! ChacuChallhuaの効果発動! こいつ自身の攻撃を封じる代わりに、こいつの守備力の半分のダメージを相手に与える!! ダーク・ダイブ・アタック!!!」 メリオル「っ、きゃあああぁぁぁぁっ!!!」LP3200→2000
鯱の地縛神の巨体による衝撃波がメリオルを襲い、そのライフを大幅に削り取る。
キース「俺はカードを二枚セットしてターンエンドだ。特別に教えておいてやらぁ、ChacChallhuaが守備表示で存在する限り、テメエはバトルフェイズが行えない! つまり、どれだけステータスをいじったとしても、バトル出来なきゃ意味がねえってことだ!! そして次のターン、ChacChallhuaのダイレクトアタックでテメエは終わりだ!!」
キースはそう言い、ヒャヒャヒャと高笑いを始める。
キース「どうだぁ!? 泣いて許しを請うてジョーノウチの居場所を教えてくれりゃあトドメを刺すのは考えてやってもいいゼェ!? なんならその身体でご奉仕でもしてくれれば許してやるぜ?」
下品な笑みを浮かべながらメリオルの身体を嘗め回すように見るキース。が、それに対してメリオルは呆れた様子のため息を漏らした。
メリオル「私のターン。ドロー」
静かにカードをドローするメリオル。しかしそのドローの瞬間旋風が吹き、キースを押す。そしてメリオルは絶望など一つも感じていない眼差しでキースを睨みつけた。
メリオル「悪いけど。私は諦めるつもりはないわ」
そう言い、彼女はドローカードをデュエルディスクに差し込む。
メリオル「そして諦めなければ道は開ける! 魔法カード[強欲な壺]を発動!! カードを二枚ドロー! 魔法カード[ハリケーン]を発動! フィールドの魔法・罠を全て手札に戻す!!」
メリオルはドローを加速した後、竜巻を巻き起こす。それが全ての魔法・罠をバウンスし、フィールドも元に戻ってしまったため、地に縛られし神もその力を失う。
キース「なっ!?」 メリオル「さらに魔法発動〔死者蘇生〕!!!」
彼女の場に光が走り、その中から再び真紅の花びらが舞い散る。
メリオル「再び咲き乱れよ、[ブラック・ローズ・ドラゴン]!!」 ブラック・ローズ・ドラゴン 攻撃力:2400
再び、彼女の場に黒薔薇の竜が生誕した。
キース「チッ。またあのリセット効果か?」 メリオル「ご安心くださいませ。ブラック・ローズ・ガイルはシンクロ召喚限定の効果です」
舌打ちを叩くキースに対しメリオルは静かに説明。しかし直後、彼女の墓地からスポーアが飛び出した。
メリオル「ブラック・ローズ・ドラゴンのさらなる効果発動! 一ターンに一度、自分の墓地の植物族モンスター一体をゲームから除外する事で相手フィールド上に守備表示で存在するモンスター一体を表側攻撃表示にし、エンドフェイズ時までその攻撃力を0にする!! ローズ・リストリクション!!!」 キース「なんだとぉ!!??」 地縛神 Chac Challhua 守備力:2400→攻撃力:2800→0
スポーアがブラック・ローズ・ドラゴンに食べられ、ブラック・ローズ・ドラゴンはその茨の蔦で鯱の地縛神を捕らえると無理矢理攻撃表示に変更させ、その攻撃力を奪い取る。
メリオル「これでChacChallhuaによるバトルフェイズの制限は消えた。そして地縛神は己の力の拠り所とするフィールド魔法が存在しない時、攻撃対象とならない効果が無効になる」 キース「ば、かな……」
不敵に笑うメリオルに対しキースは顔を青くする。
メリオル「これで終わりよ! ブラック・ローズ・ドラゴンで地縛神ChacChallhuaを攻撃!! ブラック・ローズ・フレア!!!」 キース「ぎゃあああああ!!!」LP700→0
主から攻撃指示を受けた黒薔薇の竜が口から赤黒い炎を吹き出して鯱の地縛神を焼き尽くし、実質ダイレクトアタックに等しいダメージがキースを襲う。それがこのデュエルの終焉となった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.34 ) |
- 日時: 2015/05/27 03:24:18
- 名前: 孝(たか)
- メリオル「・・・・・・ふぅ。少し、危なかったわね」
メリオルは今のデュエルで痛めた腕を庇うように押さえ、倒れたキースに視線を向ける。
キース「ぐ、ぎぎ・・・こ、の、アマぁ・・・」
ギリリと奥歯を噛みしめ、悔しさに地面を抉る。 バンダナは千切れ、サングラスも欠けてダークシグナーの証拠でもある反転した眼がメリオルを睨む。
キース「コココ、コロス・・・テメェもジョーノウチも、この・・・俺様がぁ!!・・・」
自らが仕掛けた闇のデュエルでボロボロになった身体に鞭うってよろよろと立ちあがる。
キース「次こそぉ・・・次こそはぁ・・・がっ!?グガガ!?」 メリオル「・・・忘れたの?闇のデュエルに負けた者の末路を」 キース「ガアアアアアアアッ!?!おおお、俺、オレサマのううう、腕がああああああああ!?足がああああああああ!?」
闇のデュエルに敗北した者は、闇に食われる。それは、闇のデュエリストも例外ではない。
キース「ヤメロ・・・ヤメロオオオオオオオオオオオ!?オレハ・・・オレハマダアアアアアアア!?」
恐怖に慄き、既に闇に食われた腕をメリオルに伸ばしながら抗うキースだが・・・抵抗虚しく・・・その存在を闇に食われるのだった。
メリオル「哀れね・・・キース・ハワード。闇の力に溺れた貴方には、お似合いの最後だったかもね・・・」
同情はしない。してはならないと自分に言い聞かせ、この事件は1日目にして幕を下ろした。
残るセブンスターズは・・・2人。もうすぐ、冬休みである。
事件は1日目にして解決したが、他にも潜り込んだダークシグナーが居ないとも限らないので、残り二日もそのまま休校扱いとなる。
そして・・・それから数日が経過し・・・デュエルアカデミアは冬期休業直前の終業式の日を迎える事になった。
鏡夜「さて、と・・・それじゃぁ2学期はこれで終わり。明日から2週間の冬期休業になるけど、夏期休業と違って島から出る事は出来ないので注意。宿題も忘れない様に!”特に”十代君。」 十代「だから!なんでみんなして俺に注意を向けるんだよ!?」
夏期休業に入る時も例として出された十代は納得いかないとばかりに立ちあがる。
鏡夜「日頃の行いだよ?毎年長期休みの宿題を溜めこむ癖があったし、当日に家に忘れたりする事もあったしね?」 十代「うぐぅ・・・」
図星を突かれてぐうの音しか出なかった十代だった。
鏡夜「それじゃぁ・・・お待ちかね・・・」
ニヤリ・・・と口が三日月を描くように妖しく笑う鏡夜。教師がしていい笑顔ではない。
鏡夜「今期の補習生徒は・・・まずレッド寮の人・・・」
沈黙・・・まるで獲物を前に舌舐めずりして脅えさせる大型動物の様に焦らす。
鏡夜「0人。ん。頑張ったね。今回は十代君も、安心できるレベルだ。それでも10点差だけどね。」 十代「言わなくても良いじゃんかぁ!?」
ちょっと涙目になってる十代を見てごめんごめんと苦笑する鏡夜だった。
鏡夜「次はイエロー寮だけど・・・文句無しに補習者0。来期もこの調子でね?」 イエロー生徒一同「はい!」
イエロー寮の生徒は全員が起立して一糸乱れぬ綺麗に敬礼していた。 イエロー担当最高責任者鏡夜・・・調教は既に終えていた・・・。
鏡夜「そして・・・問題のブルー寮だけど・・・」
ふっと、鏡夜から表情が消える。夏期休業時にもブルー男子生徒は半数以上が補習というエリートという地位を揺るがす出来事があった。
その補習を担当するのが毎年鏡夜の務めであるのだが・・・今年は特に酷く、彼の一番大事な睡眠を惜しみ無く削ると言う悪魔の所業が行われたのだ。
故に、彼の精神状態は周りを恐怖させ、その被害は氷牙にも向かっていく。
鏡夜「ブルー女子寮・・・補習者0。ちょ〜〜っとばかり枕田さんが危なかったけど、十代君ほどじゃないから良いけど、油断しない様にね?」 ジュンコ「は、はい//////」
苦笑しながらジュンコに注意をするが、鏡夜のデス・スマイルでアルフの時の様に顔を赤くするジュンコだった。
鏡夜「そして・・・これはどう言う事かなぁ?ブルー男子寮・・・8人残して全員補習だなんて・・・そうか・・・そっかそっか・・・そぉんなに君達は、僕から睡眠時間を、削りたいらしいねぇ?」
ニッコリ・・・顔は満面の笑顔であるにも拘わらず、それを見た瞬間に悪寒と戦慄がその身を襲う。
所謂・・・死刑宣告である。
彼ら・・・エリート(笑)の明日は・・・あるのだろうか?
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.47 ) |
- 日時: 2015/06/12 00:51:22
- 名前: ミクニップ
- 終業式が終わった次の日、冬休みも本番を迎えた。
生徒達は島の外にこそ出る事は出来ないが、規則に触れない限りは自由に過ごす事が許されている。それを利用し、この期間中に己を磨く者、ゆっくり休む者、寝不足でストレスマックスの鏡夜の憂さ晴らしに付き合わされる者等、生徒たちはそれぞれが思い思いの過ごし方をしている。
十代「………(しゅぅぅぅぅぅ〜」 ライ「あ。また頭から煙が」 ヴィヴィオ「メディーーーック!!」
慣れない勉強してショートした十代を見たヴィヴィオが慌てて駆け寄る。 普段デュエルばかりで勉強しない十代の為にヴィヴィオ主催で始まった勉強会。今回はカイや焔等何人かいないものの、代わりに氷牙とレオが手伝ってくれている。
レオ「うーむ。イキナリ二次関数は不味かったか?」 氷牙「いや。俺から見ても解りやすかったし、問題は無いと思うぞ。…唯十代が阿保なだけで」
ヴィヴィオと桃に介抱されている十代を見て溜息をつく2人。
レオ「何時も思うんですけど、此奴デュエルや実技やデュエル関連の歴史は本当に得意なのに、どうしてそれ以外はてんでダメなんでしょうかね?」 氷牙「好きこそものの上手なれだ。此奴は生粋のデュエル馬鹿だからな。そこら辺は優秀なんだよ」 レオ「凛さんや剣一の馬鹿も居てくれれば色々助かるんですけど…」 氷牙「無い者ねだりしても仕方が無いだろ」
焔の付き添いで居ない妻と後輩を思い浮かべ、更に溜息を吐く2人。 バンデッド・キースを撃退した次の日に焔は目を覚ました。目を覚ました直後、焔は鏡夜達に修行をつけて欲しいと申し出た。どうやらキースに敗北した時に何か思ったらしく、彼等に土下座してまで必死に懇願して来た。現在は焔が無理を言って協力してもらっている三沢やカイ達と一緒に修行をつけて貰っている。
レオ「…まさか土下座までするとは思わなかったよな。あの時は」 氷牙「彼奴も必死なんだろうよ。十代達と並びたくて」
実際、氷牙達から見ても焔は十代達や他の兄妹と比べてデュエルの腕は若干劣っていた。その事を焔自身も気にしていて、キースの事が引き金になり、修行がしたいと言い出したのだろうと氷牙は推測している。
レオ「…ま、其処は彼奴の成長に期待してやりましょう。俺達は俺達で十代の勉強見てやら無いと」 氷牙「そうだな。…おい、良い加減起きろ十代!勉強再開するぞ。後で面白い話してやるから頑張れ!」 十代「お、鬼ぃー悪魔ぁー…」 ヴィヴィオ「代ちゃんファイト!」
-2時間後
レオ「フム…一応合格点である75点ギリギリの76か」 氷牙「よし。じゃあ今から休憩にするか」 十代「(チーン」 桃「十代がまた死んだ!」 ヴィヴィオ「この人でなし!」 佐助「いや死んで無いで御座るから」
何度も小テストをやらされ、漸く合格点をもらえたはいいが、完全に真っ白に燃え尽きた十代と、それを介抱するヴィヴィオ。そしていつも通りなのでその光景を無視しながら、テキパキとお茶会の準備をしていく氷牙。
氷牙「それじゃあ約束通り、お前達に面白い話の1つでもしてやるか。…さて、何を話すべきか…」 レオ「アレなら良いんじゃないですか?古代エジプトに存在したと言われる、伝説のデュエリストの話」 十代「伝説のデュエリストだって!?」
伝説のデュエリストと聞き、即座に飛び上る十代。
レオ「あぁ。…お前達は、武藤遊戯に海馬瀬戸の事は流石に知っているな?」 佐助「当然。数年前に行われたデュエリスト・キングダムから始まり、バトルシティやKCグランプリ等で様々な伝説を残した、デュエリストの中で知らない人などいない有名人で御座るよ」 氷牙「そうだな。あの二人は時代に選ばれ、カードに愛された存在だと言ってる奴もいる訳だが…」 レオ「実を言うと、二人以外にも、古代エジプトで伝説を遺したデュエリストが存在したんだ」
そう言いながらレオが取り出したのは一枚の写真。其処に映っているのは、王族かと思われる装束をした少年らしき人物が描かれた石版であった。
氷牙「その名もアビドス三世。生涯デュエルで無敗を誇り、デュエルの神とも呼ばれたらしい少年王だ」 十代「デュエルで無敗?それって負けなしって事!?すっげー!!」
一度も負けたことが無いデュエリストと聞き、目を輝かせる十代。
…もうちょっと長い方が良いか?_
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