うざい、うるさい、変な奴、でも無視できないのはなんでだろう? ( No.44 ) |
- 日時: 2007/12/28 15:00:04
- 名前: 春歌
- 放課後、私は屋上の柵の上に座って空を眺めてた・・・・
「青い・・・・・・」
当然空は青く見える、ふっと入学式当日の事を思い出した あの畑中照に遭ったのも、そのときだった・・・・
ーー*−−
「天海路、聖ちゃん??」
あの日も同じ様に柵に座っていた私に声をかけた畑中照
「・・・・・誰?」
すこし鬱陶しそうに答え照を睨んだ それでも喉で笑いを押し殺してにっこりと微笑んだ
「いやぁ、可愛い子だなぁってさっきから目で追ってたの分かった?」 「(何?・・・・この人)」
柵から降り(勿論屋上側)畑中照の近くまで歩いていくと 見た目だけは温和で、おとなしく可愛らしい笑みを浮かべた そして、その笑顔とは反対に冷たく言い放った
「それでさっきまで何人の子が落ちたかしらね?」
畑中照の顔にはいかにもヤバイとかいう部類の表情が出ていた
「私は貴方になんか落ちないわ」
と自信満々でいうと畑中照はいたずらっ子のような笑みを見せて
「絶対に落として見せるよ」
そういって私の頬にキスをした
「なっ!!・・・・」 「よろしくね?聖ちゃん♪」
ムカついたので、平手打ちで返してきて その日は家路に着いた
ーー*−−
ぼーっとそんな風に思っていると 最終下校を知らせる放送がかかった
「あ、ヤバっ!!」
私は鞄を取りに教室へと急いだ
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ひぐらしのなく頃に〜夢明し編〜 ( No.45 ) |
- 日時: 2007/12/31 21:05:45
- 名前: 神凪由華
- 参照: http://happy.ap.teacup.com/04260606/
- 皆は今、何処で何をしてますか?
私は今、ここにとりのこされ。 夢の中で見たのは儚き『 』 それは私の 幸せの記憶・・・。
「魅音・・・・。」 そう。 この世界で私がやることはたったひとつ。 救えなかった。 救いたかった。 そんな世界の・・・・儚き『 』 「なに?梨花ちゃん。」 「魅音は感じないのですか?この時を。」 「は?・・・なのそれ。」 自身は自覚してない・・・・・? 「悪夢は・・・・?」 「!?」 少し。表情が変わった。
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ひぐらしのなく頃に〜夢明し編〜 ( No.46 ) |
- 日時: 2008/01/03 12:44:38
- 名前: 神凪由華
- 参照: http://happy.ap.teacup.com/04260606/
- 「悪夢は、『 』で、私達は・・・・。」
「わ・・・わけわかんない!知らない!知らない!!知らない!!!!」 ・・・この反応。 きっとこれは、もうすぐ終演ということを知らせている。 「・・・みい。変なこと言って、ごめんなさいなのです。でも・・・。」 「・・・・?」 「どの世界でも、魅ぃは魅ぃらしく生きてくださいなのです。それが私たちの望みなのですよ。にぱ〜☆」 そう。 これはもうすぐ終わる・・・。
++++++++++ 「・・・・。こ・・・・ここは・・・・?」 「・・・もう、終わりなのね。」 私の目の前には、やけに大人びた梨花ちゃんがいた。 ここは。 紫色で、なんか変な欠片ようなものがいくつも宙に浮いている。 「・・・死んだとき意外でここにくるなんて・・・。不覚ね。」 そう言うと、彼女は目の前にあった欠片をつかんだ。 「これは・・・・目明し。・・・見て。詩音の狂乱を。」 「・・・・っ!?」 その欠片の中では、詩音が私の姿をして皆を殺していた。 「これは・・・鬼隠し。」 この欠片の中では、圭ちゃんが私や、レナの事を殺していた。 「面白いでしょう?貴方は・・・どの世界の魅音?」 くすくすくす・・・・。 そう笑う彼女はとても・・・。 「・・・あ・・・・。」 目の前を飛んだ欠片に見覚えがあった。 「そう、これね・・・・。」 「ねえ・・・。梨花ちゃん・・・これは・・・。」 「私は百年生きた魔女。この欠片は、私が経験した、そして救えなかった世界達。」 百年生きた・・・魔女? 「私はね、綿流しの後殺されて、殺されてはまた繰り返して。昭和58年6月をさまよっているの。・・・と。そろそろ時間ね。」 「え・・・・?」 「行きなさい。たとえどんな世界でも。つらさに耐えなさい。それが・・・それが私たちの願い。」
すると、柔らかな光に包まれる。 ああ・・・・。 なんてやさしい光なんだろう・・・・。
「・・・・魅音・・・・さん?」 「・・・大石・・・・さん・・・・・・?」 「!!!!!」 とてもびっくりした顔の大石。
私は。 雛見沢大災害の、たった一人の生き残りで。 いままで意識不明だったのだ。 ・・・・。楽しかったのにな。 夢・・・だったんだね。 悪夢が・・・現実、だったんだね。 でも。 私、みんなの分までがんばるよ。 それが、皆の願いなんでしょ? ね? 梨花ちゃん・・・・・・。
END…
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零ノ夢〜闇を拒んで闇をつかんだ少女〜 ( No.47 ) |
- 日時: 2008/01/03 13:43:05
- 名前: 神凪由華
- 参照: http://happy.ap.teacup.com/04260606/
- 少女は
『闇』を拒んだ。
『光』を求めた。
そしてつかんだ『光』は
『闇』だった・・・・。
「くすくす。」 笑うのは、黒と白のドレスに身を包んだ、長髪の少女だった。 蜂蜜のようにツヤツヤした髪。薔薇のごとく紅い瞳。 だがそこにはどことなくあどけなさがあり、かわいらしい少女だった。 「貴方が、次のお客さん?とてもいい人そうね。でも、パソコンやってこんなところで遊んでるのを見ると・・・。 まあいいか。貴方は初めて?初めてよね。 私は・・・名前がないから、何もない存在。『零』と呼んで。」 少女はにっこりと微笑む。 「私はね、ある少女の惨劇を傍観したり、貴方達にもその惨劇を見せるのが仕事なの。神様から言い付かった・・・ね。 だから、貴方にも見せてあげる。」 くるくると巻いたかわいい飴を舐めながら喋り続ける。 「世界はね、いろんな世界があり、いろんな自分がいるの。 たとえば。今この世界であなたは『いい人そう』でもね、違う世界で、もしかするとその世界のもう一人の貴方は『人殺し』 その世界によって、いろいろ異なるの。まあ、根本的な性格、性質は違わないからあんまり落差はないいんだけど。 でもね、今から見るある少女はね。 どの世界にいても、必ず同じ結末を迎えるのよ・・・・。何だと思う? 正解はね・・・ふふふ。まだ言わない。きっと見れば分かるわよ・・・・・。 さて。一通り説明は終わったわね。 ・・・?名前を聞いてない?彼女の名前は・・・・・。」
「お・・・きな・・・・さい!!!おきなさい!!桜!!」 「ふ・・・ふにゃあ・・・・。」 「桃宮 桜!!!おきなさい!!!!!」 先生の激励が、私の耳に入った。 私の桜色の腰まである長髪をビクっと揺らし、真紅の瞳で先生を見る。 「・・・・!?え〜と・・・寝てました?」 「ええ。ぐっすりでしたよ!!!」 やっべえ・・・・。 昨日の徹夜がひびいた・・・・。 「す・・・すみません・・・。」 教室で、笑い声が響いた。 「罰として教科書123ページ!読みなさい。」 「は・・・はい・・・。え〜と、二世界戦争。 30年前、人間と魔族がおおきな戦争を起こした。人間はその巧みな技術を生かして機械を。魔族は、その生まれつきの能力を生かして魔法を使い、それは大規模な戦争だった。 2年にわたる戦争の末、今まで対立して別々に暮していた二つの世界は和解しお互いの技術を生かして科学と魔法の融合をさせた。 そして、その結晶こそ現代である。・・・です。」 「よろしい。」 ふ〜。 安堵のため息をつく私。
+++++++ 「今日は危なかったね〜・・・・桜。」 「ん〜まあね。瀬羅(ライラ)は昨日見なかったの?星夢。」 隣の、薄い水色、セミロングの髪の少女に話し掛ける。 マリンブルーの瞳が、こちらを向いた。 「うん〜・・・あれ深夜だしさ、ロムに撮っとけばいいし。第一あのドラマ、微妙。」 普通のおしゃべりをしながら家に帰る。 瀬羅はわたしの隣の家に住んでいて、昔から仲がいい。 私の親友的存在だった。
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雪は過去への扉へと誘う ( No.48 ) |
- 日時: 2008/01/03 15:23:41
- 名前: Gard
- 参照: http://watari.kitunebi.com/
- 死んでいるのに生きている。
「…………………………………………ど、ういう事だよ、それ…………」 それはつまり。 「言葉通り。……私の方が、知りたい」 それは、つまり。 「あなたから、生命の流れが堰き止められている、感覚がするの」
オレは、ララと、同じ――――――――?
酷い目眩がした。 思わず額に手をやるが、それで治るようなものではない。更にぐらぐらと視界は揺れ、オレの身体は椅子から床へとずり落ちた。 否、椅子が倒れた所為で身体が床へと放り出されたのだ。 床に身体を預けながら自分の思考に愕然とする。何故いきなりララと自分を同列に扱うのだ、と。 コムイから聞いた、新人であるアレンとユウが組んで行った任務。そこでイノセンスの奇怪として自我を持ち、動いていた人形。 何故それと、イノセンスの適合者、エクソシストである自分を同列に扱うのだ、と。 けれど同列に扱ったのは自分で。何故、何て疑問が紡げなくて。 第一、口を動かすほどの力が入らなくて。心の中ですら疑問をぶつけられなくて。 それぐらい、動揺してしまった。 「大丈夫?」 焦りを含んだ声がして、ハルカがしゃがみ込んで顔を覗き込んでくる。 今までほぼ無表情だった顔は少し歪み、ほぼ無感情だった瞳に気遣わしげな色を浮かべている。 大丈夫、だなんて、口が裂けても言えない状態のオレはただただ彼女を見るしかできなかった。 そっともう一度伸ばされた手は、今度は頬ではなく額に触れた。 「…………ごめんなさい。言わなければよかった。気付かなければよかった」 とても申し訳なさそうな声音に、こちらが謝らなければならないような気分になる。 ハルカは悪くない。謝る必要なんて無いのだ。そう、言わなければいけないはずだった。 けれど口すら満足に動いてくれなくて。 何かがNGワードにでもなっていて、それによってほぼ全ての機能が停止してしまったかのような錯覚に陥る。 それこそ自分を機械としてみているようなものだ、と思い直そうとした。 額にただ触れていただけのハルカの手が動く。 さらり、と額に掛かったオレの髪を梳き、ハルカは囁いた。 「少し、眠るといいです。…………目を覚ましたときには雪、止んでるから。村の南にある丘の上に来て」 もう一度だけ髪を梳かれると、意識がどんどん遠くなっていくのが解る。 最後に見たのは、ハルカの姿と、その隣に音もなく現れた蒼い髪の誰かの後ろ姿だった。
ふ、と浮上した意識に任せゆっくりと目蓋を押し上げると、目に飛び込んできたのは天井だった。今自分が泊めて貰っている屋敷のものである。 何時の間に誰が運んだのかは知らないが、オレの身体はベッドに横たえられていた。 まだ怠い身体を無理矢理に起こす。瞬間、酷い目眩にもう一度ベッドへ戻されそうになった。 何とか踏ん張ると、視界に黒い髪が入り込んでくる。 はて、「キト・ザライカー」は灰色の髪ではなかっただろうか。それに、簡単に視界に入るような長さをしていなかったはずだ。 そろり、と髪に手を伸ばす。 どう考えても膝下程まで来るだろう髪の長さに頬が引き攣る。 何時の間に自分はイノセンスの発動を解いていたのだろうか。普段ならば寝ている間も維持するというのに。 考えても仕方がないのでイノセンスを発動させ、元の「キト・ザライカー」の姿に戻すとベッドから立ち上がって窓へ近寄った。 意識を失う前に聞いたハルカの言葉通り吹雪は止んでおり、綺麗な青空が雲の切れ間から覗いて見えた。 恐らくあの吹雪はイノセンスの奇怪なんかではない。 ハルカがこの街の――――嘗ては村だったのだろうけど――――人が無闇に怯えないように起こしていた「警告」だったのだ。 「自分が現れるから、恐ろしいと思うなら外へ出るな」という。 何となく理解して、オレは苦笑と共に荷物を軽くバックパックに纏め、部屋を出る。 廊下を暫く歩いていると、屋敷の主である青年にばったり出くわした。 「ファインダーさん。どうかされたんですか?」 「いえ、雪が止んだのでイノセンスがないかどうか辺りを探索しようかと」 嘘八百だ。 本当はハルカの言葉に従うつもりなだけである。 「そうですか。気をつけて行ってきてくださいね」 「お気遣い、ありがとうございます」 頭を下げて一礼すると、オレはそのまま玄関へ向かい、屋敷から出る。 確か村の南と言っていたはずだ。 南の方向を向くと、オレは歩を進め、丘を目指して歩いていく。 それにしても、白銀に染め上げられたこの街は綺麗だった。 差し込んでくる陽射しが降り積もった雪に反射し、きらきらと輝かせる。 屋敷など、温められた場所の軒下には氷柱が出来ており、その透明度の高さがまた光によって輝く。 人々はまだ出てこない。白銀の世界に一人きり。 静かで綺麗なこの時間を独り占めしているようだった。実際、しているのだが。 慌てることなく、けれどゆっくりでもない歩調でオレは丘への道程を歩いていく。 やがて見えてきた白銀の丘の上に、しっかりとハルカはいた。 無責任な発言をしたりはしないだろう、と思っていたオレは、自分の人を見る目に少しだけ嬉しくなる。 雪を踏みしめながらハルカの下へ行けば、ふわり、と少女が微笑んだ。 その微笑にどきり、と胸が高鳴る。
透明な笑み。純粋で、真っ直ぐで、穢れを知らない微笑み。
オレにはそう見えた。 「……来てくれて、嬉しい」 「来て、と言われておいて行かない、なんてさ。かっこわりーじゃん」 苦笑しつつ肩を竦めて言えば、ハルカは少しだけ眼を細めた。 ふわり、と風がハルカの髪を揺らす。 雪の白銀とハルカの髪の銀が眩しかった。 「…………キト」 ハルカがオレの名前を呼んだ。 促すように視線をその蒼い瞳へ向ければ、ハルカはその右手をつぃ、と持ち上げ、オレの心臓の位置を指さす。 「私は知りたい。あなたが何故死んでいるのに生きているのか」 哀しい理由で、他の人間にも同じ事が起こるならば、断ち切らなければいけない。 そう呟いたハルカは瞳に哀しげな色を宿していた。 彼女は表情よりも瞳に感情を宿すことが多いタイプらしく、その表情は笑みが消えた無表情だった。 第三者から見れば、ハルカは冷酷な人間に見えるかもしれない。無表情でそんなことを言っているのだから。 けれどオレはハルカの瞳をしっかりと見つめていた。 見つめていたから、彼女の心情が少しだけ解った。 きっと、自分が言ったことが起こって欲しくないと思っているのだ、この少女は。 ああ、何と優しいことだろう! ユウにハルカの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。能力は受け取らなくていいけれど。 「………………オレも、知りたい」 ぽつり、と呟いた声は雪へと落ちていった。 自分で思ったよりも小さな声が出たことに、自分で一番驚く。 「……オレも、知りたい。本当にオレが死んでるのに生きてるのか。何でこんな事になってるのか。断片化したこの記憶は何なのか」
蹲る。抱き上げられる。迎えが来る。落ちてくる。――――――――紅、が。
「なら、手を取って」 ハルカが改めてオレにいつの間にか下ろしていた右手を差し伸べた。 「キトが忘れていても、世界は忘れない。世界はたまに記憶と記録を消してしまうけれど、それでも世界自身は忘れない」 その白く細い、女の子らしい手にそっと自分の、「キト・ザライカー」のごつごつした手を乗せる。 「だから、見に行きましょう」 強制的にイノセンスの発動が解除された。風が巻き起こり、ハルカの短い銀髪とオレの長い黒髪を巻き上げる。 「世界の記憶と記録を」
世界が、暗転した。
――――――――――――――――――――――――― (>>43の続き) (>>57へ続く)
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零ノ夢〜闇を拒んで闇をつかんだ少女〜 ( No.49 ) |
- 日時: 2008/01/03 19:26:03
- 名前: 神凪由華
- 参照: http://happy.ap.teacup.com/04260606/
- 「さて・・・・と。行く?」
「うん。」 私達は家に帰らずに、近くの公園の大きな木の前に立った。 そして、二人でひょいひょいと登りあじめる。 この木はコツをつかめば簡単に登れるようになっている。 木の中は、ハンモックなどがつるされ、とても快適。 それに外からは見えないくらい大きい木なので、安心だ。 「ん〜・・・暇・・・・。」 「だね・・・。まあ、家でもすることないし・・・。」 こうして、春から秋にかけて葉が落ちるまではこの木は私たちの隠れ家となっていた。誰も咎めないのは、私がこの町の町長の娘だからであろう。 こうして、放課後、帰宅部の私達はここで暇を潰すのだった。 「あ〜・・・もう、あと少しで葉が・・・。」 外の光がかすかに入ってくる。 もう少しで。 春までこの隠れ家が使えなくなるのだ。 「あと・・・もうすこしで・・・私も先輩って呼ばれるのか・・・。 「入学式から・・・早いね、中学。」 ハンモックでゆらゆらゆれながら、瀬羅がそう言った。 「そうだね・・・・。」
6時ごろ、家に帰宅。 でも、家には誰もいない。 だって・・・・。 「・・・・お父さん?」 外から車が着地する音が聞こえた。(※この世界では車が空を飛んでいます 「・・・。隣か。」 私のお母さんは、昨年亡くなった。 お父さんはショックで、毎日毎日仕事か、お酒か。 何かに集中していないと、寂しさを紛らわせることができないでいた。 なので、帰宅はいつも深夜3〜4時頃。 「あんな父親・・・いらない・・・。」 一人で夕食を用意する。 用意するのは・・・一人分の食事。 私が、いつもおそくまで遊ぶのはこのためにあった。
でも。 少女は気づかない。 これから・・・。
「・・・・・。お父さん??」 翌日。いつものように帰宅すると、そこには父の姿があった。 「桜・・・今まで、すまなかった・・・。」 「え・・・?」 「父さんな、やっと目が覚めたんだ。いままで一人ぼっちにしてて・・・ごめんな・・・。」 「・・・・。うん。」 私の反応はけっこう冷めていた。 「でな、父さん新しい人を見つけたんだ。」 「は・・・・?」 新しい・・・人? 「美智子(ミチコ)さんといってな、魔科学の王手会社に勤めている優しい人だ。父さん、その人と今度、結婚することになった。」 嬉々として話す父親。 コイツハ何ヲ言ッテイルンダ・・・・? 全然ソンナ話聞イテナイ・・・・。 何ガ、『目が覚めた』・・・ダ? 「父さんな・・・??桜?」 「ふざけるなっ!!!!!!」 「・・・っ!?」 それは、父親の見る桜の初めての表情だった。 瞳孔が開き、憎しみにあふれた顔。 「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなああああああ!!!!!!何が目が覚めただっ!!!!!いきないうぜえんだよ!!!こっちの気持ち、本当に考えたことあるのか、このクソ親父いいいいいいいい!!!!!」 ギリギリと。 桜は父親の首を死なない程度に絞めながら言った。 そのとき。 「なっ・・・・なにしてるの、桜ちゃん!!!」 騒ぎを聞き、外のドアから女の人が入ってきた。 「あんた・・・・誰。」 その目に、女もたじろぐ。 「わ・・・私が美智子。祭 美智子。」 その女は、とても優しそうで。 どことなく亡き母に似ていた・・・・。 ++++++++ 「・・・・・いいよ。勝手に結婚すれば。」 私はとうとう二人の結婚を許した。 「・・・でも。私はあんたらを認めたわけじゃないし、特にお父さんは許さない。私は美智子さんが可哀想と思ったから承諾した。」 聞けば、美智子さんも旦那が亡くなっているらしい。 子供はできずに、しかもよりによって美智子さんの誕生日に亡くなった。 それはあまりに哀れだった。 「ありがとう・・・ありがとう、桜ちゃん・・・・!!」 こうして、3人での生活が始まった・・・・。
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零ノ夢〜闇を拒んで闇をつかんだ少女〜 ( No.50 ) |
- 日時: 2008/01/03 19:55:47
- 名前: 神凪由華
- 参照: http://happy.ap.teacup.com/04260606/
- とは言っても、私は相変わらず。
木の隠れ家で帰宅部のくせ、毎日少し遅く帰っていた。 でも・・・。 「あら〜お帰り、桜ちゃん。」 家には美智子さんがいる。父さんがいる。 私は、特に美智子さんが嫌いじゃなかった。むしろ、少し好きだった。 無理に『お母さん』と言わされることも無く。楽しい。 でも。 コイツだけはどうにも気に入らない。 この父親だけは・・・・!! 「ただいま、美智子さん。」 『おばさん』を付けないのは私なりの配慮だ。 30近くだというのに、とてもきれいだし。 いや、お姉さんと言ってもいいくらいだ・・・。 そんなことを思っていると・・・。 ピンポーン 「は〜い・・・・あ。瀬羅ちゃん!」 「あ・・・こんにちは、おばさん。え〜と・・・。」 「桜ちゃんね。桜ちゃん〜!!瀬羅ちゃんよ〜。」 「は〜い。」 行くと、瀬羅は漬物を持ってきていた。 「お母さんがね、みんなで食べてくださいって。」 「わあ!ありがとう〜。瀬羅ん家の漬物美味なんだよね〜。本当にありがとう!!」 瀬羅の家のお母さんは料理が上手で、ケーキとかも持ってきてくれる。 これは、私が一人だっか頃から。 「うん〜。じゃあね〜。」 貰った漬物をすぐに食卓において、ご飯といっしょに食べる。 おいしい〜・・・・。 今は特に普通な生活だった・・・。 でも・・・・。
「・・・・?美智子さん?」 ある日。美智子さんがとても不安そうな顔をしていた。 それは、父親が出張で、二人きりでご飯を食べているときだった。 「え・・・・?どうしたの?桜ちゃん。」 「・・・・。・・・美智子さん。何か隠し事してない?」 「え・・・。」 すこしビクッとする美智子。 私は、人の嘘を見抜き、人を騙し、人を貶めるのが何故か得意だった。 それと、私は人知れぬ直観力を持つのだ。 「隠してるよね。何を隠してる?」 「か・・・隠し事って程じゃ・・・。」 「不安の色。」 「・・・・。わかった。内緒だよ・・・・。」 そういって彼女は語り始めた・・・・。
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零ノ夢〜闇を拒んで闇をつかんだ少女〜 ( No.51 ) |
- 日時: 2008/01/05 09:43:02
- 名前: 神凪由華
- 参照: http://happy.ap.teacup.com/04260606/
- 「・・・・。桜ちゃんのお父さん・・・浮気してるかもしれないの・・・。」
「!?」 それは衝撃だった。 「・・・。メールにね、知らない女の人から『今夜も楽しみね』ってメールがあったの。おかしいでしょう? 今日は出張のはずよ・・・・?」 それは・・・おかしい・・・。 あの馬鹿・・・。本当に・・・? そう思ったら物凄い怒りが湧いてきた。 「・・・・。私もできるだけ協力しますね。」 冷静に。そう振舞うが心の中は怒りでいっぱいだった。 そう。以前も・・・・。
それは、お母さんが入院していたとき。 父は、毎日見舞いに行っていた。でも・・・。 「お母さん〜お見舞いに・・・。」 お父さんが来るのは、朝。私は夕方。 「あ・・・・。さ・・・くら・・・・?」 そこには苦しそうな母の姿が。 「お母さん!!だ・・・誰か!!!」 ・・・・母はすぐに手術したが、手遅れだった。 「・・・・。お父さん・・・。」 だがそんな中、父は来なかった。いや、来た。だが遅かった。 何をしてたと思う? 浮気。 知らない女お人とベッドでいちゃいちゃしてたんだ!!!!!
「・・・・。」 私は無言で部屋に戻ると、カッターで紙を切り刻む。 全部、父の写真。 「あああああああああああああああああああああああああ!!!!」 また。 また。 また!!!!!!!!!!!!! 「・・・冷静になれ・・・私。」 まだそう決まったわけじゃない。 そう思うと、私は真っ先に父の部屋に。 そして物をあさりまくる。 「・・・・。あった・・・・。」 通帳と、レシート。偶然見つけたそれは、高価なものばかりだった。 「・・・美智子さん・・・。」 二人で唖然。こんなもの買ってもらった覚えはないそうだ。 「あはは・・・あはははははははは!!!!!」 その事実は私を大きく変えた・・・。
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大変お久し振りです(土下座) ( No.52 ) |
- 日時: 2008/01/07 02:28:19
- 名前: 垣ゆうと
「どうか夜中の二時に、私に会いに来て。」 冷えた指先でそう、細い文字の書かれた文を 僕はなぞり、彼女が其れを書いた瞬間に思いを 馳せた。(なんて、愛おしくも、何とも無いの だろう。)僕は僕の愛情の失せたのを知り、急 速に体の熱の冷えて行くのを感じた。成程、人 が恋をせねば生きてゆけぬ生き物だと言うのは、 本当らしい、さて。
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すべて、愛だった -1- ( No.53 ) |
- 日時: 2008/01/31 13:58:12
- 名前: 竜崎総久◆OMBM0w5yVFM
- 幼なじみの「てっこ」こと、畑中照。
そのルックスゆえか、てっこは中学時代ものすごく女にモテた。 でもどんなに熱烈なアタックも柳に風と受け流し、絶対に彼女を作ろうとしなかった。
一度だけ、なぜ彼女を作らないのか、聞いたことがある。 そしたらあいつはこう答えた。 「だって、俺の一番はトノだもん。周りの女の子なんて全然、トノにはかなわない。」 …嬉しかった。 でも俺は、絶対にそれを口に出してはやらなかった。 そんなことを言ったら調子づいたてっこが何するか、容易に想像できたから。 ただ俺は心の奥底で、「それ」が一生続くもんだと思ってた。 てっこはずっと俺の隣にいて、俺もずっとてっこのそばにいて。 それが当然だと思ってた。
……でも。 こんな未来、誰が信じてた? 「トノ、俺ね、好きな人できたんだ。」 小さいときから一緒にいた、幼なじみ。 隣にいるはずのてっこの距離が、随分離れてしまったように感じた。
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