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異世界遊戯王大戦記GX 第U幕
日時: 2010/10/14 08:45:41
名前: ミクニップ

・・・そろそろ新しいの出したら良いかと思い、勝手に書いて申し訳有りません孝さん。・・・えっと、この小説では、原作である「遊戯王 デュエルモンスターズGX」を元に制作しているリレー小説であり、以下の奴は原作に沿ってやるため、原作キャラのみ使用可能となっております。

サイバー・ドラゴン系

サイバー・ダーク系

サイバー・エンジェル系

古代の機械系

宝玉獣系

ヴォルカニック系

化石(中生代騎士など)系

雲魔物系

青眼の白龍系

三幻神

三幻魔

ブラマジガール

イービルヒーローは不可。

D・HERO系

なお、シンクロモンスターに関しては、暫くしたら出て来ますのでご了承下さい。そしてこの小説では"表側守備表示での通常召喚"が可能となっていますのでそこもご理解お願い致します。

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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.163 )
日時: 2011/03/22 00:09:01
名前: ミクニップ

雷堂「お〜い旦那ぁ!!」
氷牙「ピカ!それに焔と風華も!?」

そんな中、連絡を受け、雷堂親子もやって来る。

雷堂「旦那、ライ。…話は聞いたが、件のカードは?」
氷牙「ああ、これだ…」

氷牙から濡れたカードを受け取り、1枚1枚見て行き、段々と顔が怒りで歪んで行く雷堂と焔。そんな中で、普段は騒がしい風華ですら、握り拳から血が出るほど怒りを露にしている。そして決定打として風華が走り出そうとした瞬間、状況を察した十代が止めに入る。

十代「おい、待てよ風華!!」
風華「話して十代君。…絶対彼奴だ、あの野郎だ。彼奴しか居ないというか彼奴以外あり得ない。殺す、絶対殺すマジ殺す原型無くなる位殴打してらるというか斧で叩き殺す殺す殺す殺す!!」

何だか殺すという単語が出てくるに連れて風華の顔が憎悪で歪み、ドス黒い瘴気が体から発せられ、今此処で放せば絶対にヤバい雰囲気になる。だが…

パシッ!!

突然、それまで風華を見ていた三沢は何を思ったのか風華の前まで来ると、その頬に平手打ちをかまし、それで全員が呆気にとられる。

三沢「…落ち着きたまえ風華君。まだ対戦相手が犯人とは決まっていないだろ?」
風華「だけど、こんな事して得するのは彼奴以外…」
三沢「だとしてもだ。俺は最後まで彼奴を疑わない。仮にそうだったとしても、過ぎた事を悔やんでも仕方がないだろ?」
風華「でもデッキは…」

実際には、本当に万丈目が捨てたんだが、それでも彼を疑わない三沢。だが、それでもデッキが無いことには代わりは無い。だが、それを聞いても揺るがない所か、逆に笑みを見せる三沢。


三沢「心配するな。ちゃんと策はある!!」




クロノス「遅いーノネ、シニョール三沢」
万丈目「とっくに尻尾を巻いて逃げ出したのかと思ったよ」 

試験会場にはクロノスと、腕を組んで偉そうにしてはいるが、何処か様子がおかしい万丈目がいた。

十代「それじゃぁ、三沢の寮の入れ替えの相手って…、まさかお前が三沢のカードを捨てたのか!」
クロノス「な、ナンデスート!?」
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.166 )
日時: 2011/03/22 01:55:58
名前: 孝(たか)

氷牙「やめろ十代。万丈目はそんな事をする奴じゃない」

氷牙は十代を窘めるように言う。

………先程まで怒り狂っていた奴とは思えない。

十代「…う。はい。」

万丈目「……いえ、氷牙教諭十代の言うとおり、俺がカードを海へ捨てたんだ」

万丈目の告白に、会場にきた一同は驚愕する。

レオ「どうしてそんな事をした!」

万丈目「……俺は、今回のデュエルで絶対に勝たなければならなかったんだ!!あの日、三沢がレッド寮に行くのを見かけた。その時に魔が差した…」

氷牙「(絶対に勝たなければならない?)カードより、寮を選んだと言うのか…?」

嘘だと言ってほしいと、縋る様な思いで万丈目を見つめる氷牙。

それと同時に、万丈目はクロノスへと向き直った。

万丈目「クロノス教諭、今回のデュエルは俺のルール違反及び、デュエリストとしてあるまじき行為をしました。如何なる処分お受ける覚悟です…」

クロノス「ヌヌヌ…」

自らの行いに反省の色を見せ、罰を受けると言う万丈目、この時クロノスは唸りながら考える。

だがその時…。

明日香「待ちなさい!」

凛とした声がデュエル場に響き渡り、発生源である入口を見ると其処には明日香とヴィヴィオがいた。

十代「明日香とヴィオ?何で此処に…?」

十代のもっともな質問に全員が同じ事を考える。

ヴィオ「やっほ〜代ちゃん。私は、そこで偶然会っただけなんだけどね。そしたら明日香さんが…」

明日香「さっきまでの話は其処で聞いていたわ、私は万丈目君の無罪を主張する為に来たの」

氷牙「…万丈目の無罪?それは何だ!」

万丈目「天上院君…まさか君は…」

同時に放たれる氷牙の質問と万丈目のまさかの言葉、まだ何かあると言うのだろうか?

明日香「私見たの、昨日の夜、万丈目君が驚いてカードを海に落とす所を…」

レオ「……落とした?」

明日香「初めは海を眺めながら何かを考えているようで良くわからなかったわ、でも…万丈目君が何もせずに帰ろうとしたから余計に気になって…話しかけたらそれに驚いたみたいで、三沢君のカードが落ちてしまったの」

『………………………』

明日香の説明に全員が真剣に聞き、万丈目はただ黙っているだけで否定はしなかった。

明日香「多分、万丈目君が彼処に居たのは三沢君のカードを捨てようとする為だったかもしれない。でも、彼は最後に思いとどまっていたのだと私は思うの…」

万丈目「違う、俺は…!」

明日香「だって、そうじゃなきゃ…素直に自分のせいだと言わないと考えたから」

途中で万丈目が否定するが、誰から見ても無理をしているのがわかり、それを打ち消すかのように明日香がトドメの主張した…。

氷牙「そうか…ありがとう、明日香(お前のおかげで万丈目が周りから嫌われずに済む、本当にありがとう…。)」

万丈目「確かに俺は思いとどまった…だが、三沢のカードを捨てようとしたのも事実だ。それはけして許される事ではない…!」

しかし、疑いが晴れたのに当の本人である万丈目は頑固だった。

駄々をこねるとは少し違うが、いつまでも引きずる万丈目。

被害者である三沢を見ると既に怒っている様子は無く、笑みさえ浮かべている。

三沢「ならば万丈目、俺とデュエルをしようじゃないか」

すると突然、笑みから挑発的な表情をすると、いきなり万丈目にデュエルを申し込む三沢だった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.168 )
日時: 2011/03/24 19:35:29
名前: ミクニップ

風華「…って待って待って!確か三沢のデッキってオジャンになってるじゃん!?」

まぁ確かに、例え事故であったとしても三沢のデッキは濡れてダメになっている。乾かして卓上ならともかく、ディスクは絶対無理である。だが…

ぽふっ

風華「ふぇ…?」
三沢「…言っただろ?ちゃんと策はあるって!見ろぉぉぉぉ!!」


バサァァァッ!!


ヴィヴィオ「きゃっ…!」

心配している風華の頭を撫でてやったかと思えば、今度は頭から手を放して上着をはだける。反射的にヴィヴィオが顔を隠してしまうが、問題はそこじゃあ無かった。何故なら…


三沢「俺の本当のデッキは…ここだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


声を高らかに上げ、上着をはだける三沢。何と、上着の下からは6つのデッキケースが存在していたのである。


三沢「心配かけて悪かったな。捨てられたデッキは、調整に使うための寄せ集めのデッキ!見ろ!俺の知恵と魂をかけて作った6つのデッキを!!風、速きこと風の如く!水、静かなること水の如く!火、侵略すること火の如く!地、動かざること地の如し!闇、悪の闇に光さす!!」


『えぇぇぇぇぇぇぇ!!?』


とんでもない真実を聞き、驚愕の声をあげる一同。そんな中、風華だけは撫でられた場所を抑えて呆けていた。

風華「え…?撫でられた…?私、頭撫でられた…?そして笑ってくれた…え、えぇ…?」

ボンッ!!

ヴィヴィオ「にゃ、にゃぁぁぁぁ!!?ふ、ふぅちゃんが倒れたぁぁぁぁ!?」
焔「おわぁぁぁ!!?しかも顔が真っ赤!!だ、大丈夫かふうk」

じゅっ!!

焔「あっずぁ!?何コレすっごい熱い!?ヴィ、ヴィヴィオちゃん!!み、水水!!」
ヴィヴィオ「あ、うん!!」

顔を真っ赤にして倒れた風華を介抱する二人。



三沢「悪かったな万丈目。この通り、俺のデッキは無事だ。これなら思う存分戦えるぞ?」
万丈目「は、ははは…。…オホンッ!!は、ハッ!!そ、それがどうした!!」

真実知って力が抜けかけた万丈目だが、危うく何時もの調子に戻り、三沢に人差し指を突きつける。

万丈目「6つのデッキだと?そんな虚仮威し、俺の恨みの炎で焼き尽くしてやるわ!!」

その言葉を聞いた三沢は何かを核心したのか微笑み、1つのデッキに手を伸ばした。

三沢「…決まった。お前を倒すデッキはコレだ!」

手を伸ばしたデッキをホルダーから抜き取り、ディスクにセットする三沢。そしてそれを見た万丈目も、自身のディスクにデッキをセットする。

三沢「これが虚仮威しのデッキなのか…すぐにわかるぜ、万丈目!」
万丈目「望む所だ!来い、三沢!!」

『デュエル!!』


万丈目「俺の先行だ。ドロー!!地獄戦士を攻撃表示で召喚!カードを1枚伏せ、ターンエンド!」手札4枚
三沢「俺のターン、ドロー!」

三沢と万丈目のデュエルを見て、十代は1つ疑問に思った。

十代「…あ。それにしても三沢の選んだのはどの属性だ?」
焔「うん、それは僕も気になる」

その答えが出てきた。

三沢「俺は『ハイドロゲドン』を攻撃表示で召喚する!」

『シャァァァァァ!!』

全身が泥水で出来た、恐竜型のモンスターが現れた。


雷堂「ハイドロゲドン。恐竜族『水』属性のモンスター…」
氷牙「成程。三沢が選んだのは『水』か」
三沢「そういう事です!バトル!『ハイドロゲドン』で『地獄戦士』を攻撃する!ハイドロ・ブレス!」

ハイドロゲドンの口から水を出し、地獄戦士を破壊した。だが、破壊されたと同時、地獄戦士の手から剣がすっぽ抜ける。

万丈目「ぬぅっ!…だがこの瞬間、地獄戦士の特殊効果が発動!!プレイヤーが受けたダメージを相手プレイヤーにも与える!!」LP4000→3600

ザシュッ!!

三沢「ぐっ…!だがこっちも『ハイドロゲドン』の効果を発動する!『ハイドロゲドン』は相手モンスターを戦闘で破壊した時、デッキから新たに『ハイドロゲドン』1体を特殊召喚することができる!!」

すっぽ抜けた剣が三沢を襲うも、三沢はそのままもう1体のハイドロゲドンを特殊召喚する。

三沢「まだ俺のバトルフェイズは続いている!俺は2体目の『ハイドロゲドン』で万丈目にダイレクトアタック!ハイドロ・ブレス!!」
万丈目「うわぁぁぁぁぁっ!!」LP3600→2000

特殊召喚されたと同時に水を吐いて攻撃するハイドロゲドン。

三沢「ターンエンドだ」手札5

万丈目「チッ!俺のターン、ドロー!俺はここで、前のターンにセットしておいた罠カード『リビングデッドの呼び声』を発動する!!このカードにより自分の墓地から1体モンスターを特殊召喚することができる!!甦れ、『地獄戦士』!!」

万丈目の掛け声と共に、地獄戦士が復活する。

万丈目「さらに俺は速攻魔法、『地獄の暴走召喚』を発動し、お互いのフィールドにいるモンスターと々モンスターをデッキ、手札、そして墓地から全て攻撃表示で特殊召喚する!」
三沢「だったら俺も、デッキから3体目の『ハイドロゲドン』を召喚させてもらうぞ!」

地獄の暴走召喚の効果により、万丈目は地獄戦士を2体、三沢はハイドロゲドン1体を特殊召喚した。

万丈目「さらに俺は装備魔法、『ヘル・アライアンス』を発動!装備モンスターと同じ名前のモンスター1体につき攻撃力が800ポイントアップ!装備された地獄戦士の攻撃力は2800!!いけぇ、地獄戦士!」

地獄戦士は自分の持ってた剣でハイドロゲドンの1体を破壊した。

三沢「ぬわぁぁぁ!!」LP3600→2400

「ターンエンドだ。」手札3
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.170 )
日時: 2011/03/28 21:33:25
名前: カイナ

三沢「流石、やるな万丈目……」
万丈目「当然だ」
三沢「だが俺も結構やる方なんでね! 俺のターン、ドロー! 来た、魔法カード[大波小波]発動! 俺の場の水属性モンスターを全て破壊し、その数だけ手札から水属性モンスターを特殊召喚する!」

三沢の言葉に万丈目もふっと笑みを浮かべながら返し、三沢もまた笑みを浮かべてそう言うとカードをドローし、ドローしたそのカードを発動する。それと共に二体のハイドロゲドンが突如現れた大波に攫われていき、小波が三沢のフィールドを襲う。その小波が消えた時三沢の場には二体の巨大水属性モンスターが存在していた。

三沢「大波小波の効果でフィールドのハイドロゲドン二体を破壊し、手札から[スパイラルドラゴン]と[ジェノサイドキングサーモン]を特殊召喚! さらに墓地のハイドロゲドン二体をゲームから除外し、[フェンリル]を特殊召喚!」
十代「は、速い……」
翔「一ターンでモンスターが三体も、しかも最上級と上級が一枚ずつ……」
三沢「ハイドロゲドンの展開能力をもってフィールドにハイドロゲドンを並べ、それらを使って大波小波の特殊召喚能力をフル活用する。このデッキの動き方の一つだ。…(…だが、このハイドロゲドン達はまだ無駄にはならない。科学の力がこのデッキには眠っている)」

三沢の場にいきなり三体のモンスターが並び、それを見た十代が驚いたように呟くと翔もぼんやりとした表情で呟く。そして三沢はそう説明し、除外したハイドロゲドン二枚をちらりと見た後キッとした表情で万丈目のフィールドを見た。

三沢「行くぞ! スパイラル・ドラゴンでヘル・アライアンスを装備した地獄戦士を、ジェノサイドキングサーモンとフェンリルで残る二体の地獄戦士を攻撃!!」
万丈目「ちぃっ! だが地獄戦士の効果により貴様にもダメージは受けてもらう!!」LP2000→1900→700→500
三沢「分かっているさ」LP2400→2300→1100→900

三体の水モンスターの攻撃が地獄戦士を襲い万丈目のライフを削っていくが地獄戦士達が死に際に投げた剣が三沢の身体を傷つけていく。

ライ「うぇ、もう両方のライフが1000以下に……」
アルフ「でも、ボードアドバンテージでは三沢君が圧倒的に有利だね」

ライがぼそりと呟くとアルフがそう続ける。すると三沢は万丈目のデュエルディスクを指差しながら声を出した。

三沢「フェンリルの効果発動! このモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時次の相手のドローフェイズをスキップする!」
万丈目「な、なにいっ!?」
明日香「なんて効果……まるであの八汰烏を彷彿とさせるわ……」

三沢の言葉の直後フェンリルがその吐息で万丈目のデッキを凍りつかせ、それを見た万丈目がデッキを見ながら驚愕の声を上げる。それを聞いた明日香も思わず驚いたようにそう呟いていた。

三沢「カードを二枚セットし、ターンエンドだ!」
万丈目「俺のターン、フェンリルの効果でドローフェイズはスキップされる」

三沢は残る二枚の手札を両方伏せるとターンを終え、万丈目がそう言うとフェンリルの効果で凍り付いていたデッキが溶けて元の状態に戻った。

万丈目「三沢、そのコンボには正直驚いた……が、そいつらには消えてもらう! 魔法カード[ブラック・ホール]発動! フィールド上の全てのモンスター、つまり貴様のモンスター全てが暗黒の穴に飲み込まれ消え去る!!」
三沢「くっ!?」
万丈目「リバースカードを二枚セットし、ターンエンドだ」

万丈目の発動した暗黒の穴に三沢のモンスターが全て消えていき、万丈目は残る二枚の手札を伏せるとターンを終えた。これで互いに手札フィールド全て合わせて伏せカード二枚のみの状態だ。
――――――――――――――――――――
カイナ「やれと言われたのでやってみましたが、万丈目って炎デッキなんですよね今回? 全然炎が関係ないし、三沢の今回の水デッキもキーカードハイドロゲドン全部使っちゃったし……まあ二体だけなら召喚方法ありますが。さー互いにライフ1000以下で手札なし、フィールドは伏せカード二枚だけの状況からどう進めるか?」
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U ( No.176 )
日時: 2011/03/29 01:36:55
名前: 孝(たか)

ライ「互いの手札はゼロ。」

アルフ「そして、伏せカードも2枚ずつ。」

十代「次は三沢のターンだな…くぅぅ!ワクワクしてきたぜ!!」


三沢「俺のターン…ドロー!……よし!魔法カード『強欲な壺』を発動!2枚ドロー!俺は、オキシゲドンを攻撃表示で召喚。」

オキシゲドンATK1800

三沢「いけ!オキシゲドンでダイレクトアタック!オキシ・ストリーム!」

風のブレスで万丈目に攻撃を仕掛ける。

万丈目「甘いぞ三沢!ダメージステップに罠発動!『ガード・ブロック』!戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローする!」

三沢「流石だな。俺はカードを1枚セットして、ターンエンド」手札0

万丈目「俺のターン。ドロー!俺は、魔法カード『天使の施し』を発動。3枚ドローし、2枚捨てる!来たか!俺は魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地から蘇れ……炎獄魔人ヘル・バーナー!!」

バーナーATK2800


翔「そんな!?いつの間にあんなモンスターが…」

ライ「多分、今の天使の施しで捨てたんだ…」

レオ「それだけじゃない。ヘル・バーナーの効果は…」

万丈目「ヘル・バーナーの攻撃力は相手の場のモンスター1体につき、200ポイントアップする!」

バーナーATK3000

三沢「攻撃力3000!?」

万丈目「くらえ!ヘル・バーナーの攻撃!ヘル・バースト!!」

三沢「罠発動!『攻撃の無力化』!攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了させる。」

万丈目「ちっ…俺は1枚伏せて、ターンエンド」手札0

三沢「俺のターンドロー!……罠発動『異次元からの帰還』!ライフを半分払い、除外されたモンスターを可能な限り特殊召喚する!除外されたハイドロゲドン2体を特殊召喚!」LP900→450

万丈目「ふん。お前のモンスターが増えた事で、ヘル・バーナーの攻撃力が上昇する!」

バーナーATK3000→3400

万丈目「次の俺のターンで、俺の勝利が決まる!」

三沢「次のターンがあるとすればな!」

万丈目「なに!?」

三沢「手札から魔法カード『ボンディング−H2O』を発動!俺のハイドロゲドン二体と、オキシゲドン1体を生贄に捧げ、いでよ!ウォーター・ドラゴオオオオオン!!!」

三沢のフィールドに水の竜巻が発生する。

そして、その中から水で作られた龍が現れた。

『キュオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!』

三沢「そして、俺の場のモンスターが減った事で、ヘル・バーナーの攻撃力がダウンする!」

三沢はヘル・バーナーを指差しながらそう宣言する。

万丈目「……だが、まだ俺のモンスターの方が攻撃力が上だ」

万丈目がそれを冷静に返す。

三沢「ふっ。それはどうかな?既に、お前を倒す方程式は完成している!」


クロノス「ななな、なんですーと!?」

十代「これまでのバトルも、計算の内だと言うのか!?」

そして、突如津波が発生する。

万丈目「う、うわあああああああああああああ!?」

その津波に驚き、叫ぶ万丈目。

そして、その津波に飲み込まれたヘル・バーナー。

バーナーATK3000→0

万丈目「これは!?」

三沢「ウォーター・ドラゴンの特殊効果発動!このモンスターが場にいる限り、炎属性と炎族モンスターの攻撃力は、0になる!いけ!ウォーター・ドラゴン!アクア・パニッシャー!!!」

ウォーター・ドラゴンの口から大質量の水が押し寄せてきた。

万丈目「ぐわあああああああああああああ!?!?」LP500→0

ヘル・バーナーはウォーター・ドラゴンの攻撃により破れ、万丈目のライフが0になる。

万丈目は水に流される。

万丈目「ぷはっ!?」


氷牙「………いやぁ最近のソリッド・ビジョンはリアルだよなぁ…」

レオ「そうですねぇ……まるで本当に溺れるかと思いましたよ…」

ヴィオ「今、万丈目君本当に流されたしね。」

十代「しかも息出来なかったみたいだな。」


万丈目「何故、俺が炎属性モンスターを使うと予想が出来たんだ!」

三沢「お前はデュエルを始める時…『恨みの炎』と言った」

万丈目「たったそれだけで…!」

三沢「デュエリストが使用するカード、デッキは魂そのもの、よく観察していれば性格や容姿で判断も出来れば、無意識に言動に出て教えてくれる時もある」

万丈目「…くッ!」

三沢「デュエルには勝った、約束は守って貰うからな」

万丈目「…わかったよ」

しぶしぶと万丈目は応え、そっぽを向く。


クロノス「シニョール三沢!見事でしたノーネ!デュエルが始まる前から戦略を練り、相手を自分のペースに巻き込む。この能力は大変素晴らしいデスーノ!シニョールをオベリスクブルーに昇格するノーネ!」

十代「すげぇよ!三沢!」

「「おめでとう!」」

翔「おめでとうッス!」

などなど、十代達が三沢の成績が上がった事に、自分の事のように喜んだ。

…が。

三沢「すみませんが、そのお話はお断りします…」

クロノス「ななな何故デスーノ!?」

三沢「俺はオベリスクブルーになる時は、十代と空時兄弟を倒した時と決めていたのです」

「「「は?…俺(僕)達?」」」

十代達を倒した時…。

三沢は既に十代達の実力に気づいている。

三沢「実はこの六つのデッキ、十代のE・HEROデッキ、ライのローレベル戦士ビートデッキ、アルフのディフォーマーデッキに対抗する為に作られる七番目のデッキの試作品なんだ」

万丈目「し、試作品だとォ!?俺はそんなのにヤられたのか!」

なんて事だ…あの六つのデッキすら試作品。

これは万丈目同様、全員が驚くしかない…。

三沢「万丈目、お前もデュエルした事があるだろうから気づいていると思うが、十代達は間違いなく強い!」

万丈目「………チッ」

三沢「ショックを受ける気持ちも分かるが、お前も俺も…まだまだ学ばないといけないんだよ」

万丈目「…………………」

三沢の言葉に黙って耳を傾ける万丈目、その顔は何かを真剣に考えているように見える。

ライ「あぁ!良いぜ三沢!お前といつか、デュエル出来る日を楽しみにしているからな!」

アルフ「僕も、その時は油断せず、全力全開で相手させて貰うよ!」

十代「俺もだ!その時を楽しみにしてるぜ!!」

こうして、短くも長かった万丈目の苦悩は終わりを告げる。

ささやかなるハッピーエンドを残して…。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U ( No.195 )
日時: 2011/03/29 22:17:10
名前: 孝(たか)

その日の夜

アカデミア内に何故かある研究施設…


ガ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…

リフトを使って、上に登り、窓を壊して脱走する者が居た。

サル1「ウキっ…ウホウホ…」

サル2「ウホウホ、ウッホウッホ。」

猿である。

なぜこのような場所に猿が居るのだろうか?

それは施設の者しかわからない…


崖付近…

夜、万丈目は一人でアカデミアの崖から海を眺めている。

三沢のあの言葉…"まだまだ学ばないといけない"が、今でも耳に残り、一つの決断をしようとしていた。

十代「よッ!」

其処をわざわざ邪魔に入るに者が来るまで…。

万丈目「何の用だ、ドロップアウト…」

十代「ひでぇなぁ、俺はお前と話がしたくて来たのによ」

万丈目「貴様みたいな愚民と話す暇等、俺には無い!」

十代「まあまあ、そう言うなって!お前に謝りたくてさ!」

万丈目「謝る?…何の事だ?」

十代の相変わらずな脳天気さに苛立ちながら返事を返す。

十代「三沢のカードの時さ、真っ先にお前を疑っちまっただろ?だからさ、ゴメン!」

両手をパンッと鳴らし、気さくな感じで謝る。

万丈目「(馴れ馴れしい…。大体一々そんな事…。)気にして等いないわ!貴様の脳天気さにイライラする、さっさとどっかに行け!」

十代「お、マジ!サンキュー万丈目!やっぱ、お前良い奴だな!」

万丈目「(…ハァ!?どうもこいつと話してると調子が狂う!)」

十代から離れる為に立ち上がり、足早に自分の寮に向かう万丈目。

十代「お、おい!?もう行っちまうのかよ!」

万丈目「当たり前だ!貴様もさっさと帰れ!」

十代「えぇ〜〜〜!」

万丈目「何がえぇ〜〜〜!…だ!(まるで子供じゃないか!)」

十代「あ、そうそう…」

万丈目「まだ何かあるのか!?」

十代「氷牙さんが今日の事は気にして無いだってよ、人間誰でも間違いを犯すからって」

万丈目「そうか…」

十代「なんだよォ、相手が氷牙さんだったらやけに素直じゃねぇか」

万丈目「当たり前だ!貴様と一緒にするな!」

十代「あっそ…」

万丈目「(そうか…氷牙教諭が…。)…十代」

十代「ん?何だ?」

万丈目「しばらくの間、あの時の勝負は預けた…」

十代「万丈目?」

万丈目「(俺は学ばなければならない。新たな戦い方を、デュエルを…。その為に俺はしばらくの間、修行に出る。)十代、お前をデュエルで負かすのは俺だからな…!それまで、負けるんじゃないぞ!?」

そう言って、万丈目は寮に帰っていった。


翌早朝…

万丈目「サラバだ、デュエルアカデミア…」

日が登る前の早朝、簡素な荷物を手に一人の少年が正門に現れる。

その目には強い意志が宿っており、一時の別れとは言え、誰にもそれを告げずに実行する辺り、彼に迷いが無い事が分かる…。

…しかし。

大徳寺「こんな朝早くに何処へ行くんですかニャ〜、万丈目君」

邪魔が入った…。

万丈目「……何の用ですか、大徳寺先生…」

大徳寺「いえいえ、只の確認ですニャ〜」

万丈目「確認?」

大徳寺「本当に行ってしまうのですかニャ?」

…何で知っているんだ?と大徳寺先生の突然の質問に驚く万丈目。

それはそうだ、誰にも言った覚えは無い上に唯一の心辺りは昨夜の十代との会話だけ。

万丈目「(まさか…。)盗み聞きしてたのですか、先生?…趣味が悪い」

大徳寺「酷いですニャ〜…私はただ、アナタの為にと思って来たのですが」

万丈目「俺の為?…なるほど…。止めようとしても無駄ですよ、大徳寺先生」

大徳寺「違いますニャ」

万丈目「………………(じゃあ一体、何しに来たんだよこの人…。)」

大徳寺「こ・れ♪」

気持ち悪い言葉と共に出されたのは一枚の…。

万丈目「…便箋?」

大徳寺「せめて伝える事は伝えておかないと、心配しますからニャ〜」

万丈目「フン…。」


数時間後……

十代「……ぐがぁ〜〜〜」

朝のホームルーム間近でも教室で寝ている十代。

遅刻するよりかはマシだがそろそろ起きろよ。

翔「アニキ、アニキ、アニキーーーーーーーーーー!!!!」

十代「んが?ん〜〜〜〜〜なんだよ翔。そんなに慌てて…」

伸びをしながら翔に聞く十代。

翔「ハァ、ハァ…大変だよ…ハァ、万丈目君が行方不明になっちゃったんだって!」

『『『ええええええええええええええ!?』』』

近くで聞いていたヴィヴィオ、ライ、アルフ、焔、美海、風華、青迫が驚くのだった。

「今朝早く、荷物纏めて逃げ出したって話だぜ?」
「それってやっぱ、三沢に負けたからか?」
「なぁんかダッセェよなぁ」
「がっかりだよ」
「負け犬は出て行けって感じ?」

青迫「おい、そんな言い方無いだろ!?」

元取り巻きの一人である青迫は弁解しようとするが、他のブルー生徒は聞く耳持たない様だ。


十代「なぁ、あいつって…金魚のフンみたいに万丈目について回ってた奴(鼻眼鏡の方)じゃないか?」

ヴィオ「…うん。昨日まで万丈目君にゴマすりしてた人。青迫君は心を入れ替えたって言うのに…」

ライ「ほっとけばいいさ。ああいう奴は、絶対後でナニカシラ痛い目にあうんだから…」

十代「………ほどほどにな?」

ライ「さ〜て、何のことやら〜」

口笛吹きながら知らないふりをするライだった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.196 )
日時: 2011/03/29 22:57:59
名前: カイナ

カイ「止めとけよ、面倒事を持ち込まれたらこっちも迷惑だ」

そういうのは十代達と同じくレッド寮所属の男子――カイ・レディアント、その横にはブルー女子寮所属のカノンノ・グラスバレーが座っている。それにライがむっとした様子を見せるとカイは続けた。

カイ「素人が闇討ちなんて考えるな。すぐにばれて負け犬擁護の格下の奴が〜ってあの自称エリート共が余計に騒ぎ立てる口実を作るだけだ」
ライ「でもよー!」
カイ「素人は止めろって言っただけだ……玄人の技ってもんがあるんだよ。生かさず殺さずじわじわとなぶり殺しにする、な」

カイの言葉にライがそう返すとカイはにやりと邪悪にも見える笑みを見せながらそう言う。その笑みを見た十代達はカノンノを除いた全員が背筋に寒いものを感じ、震えが止まらなくなってしまっていた。

カノンノ「カイ、ここは学校なんだからね? 殺したら駄目だよ?」
カイ「あーっとそうだったな、つい昔を思い出しちまってた。安心しろ、ちょっと保健室に行かなきゃならない程度に止めるよう努力する」

唯一平然としているカノンノがそう念を押すとカイも思い出したようにそう言い、それを聞いた全員はまた何も言えなくなってしまっていた。
その日の授業終了後、万丈目を笑っていた面々が例外なく原因不明の事故によって保健室送りになってしまうのはまだ誰も知らない。
――――――――――――――――――――
よし!万丈目アカデミア離脱編完了!!……もしここも何か必要な部分とかあったらごめんなさい。流石にそんなとこに必要な部分ないよなと思って出番空気だったカイカノに出番を与えさせましたが……次はSALデュエルでいいんですよね!?(ワクワク)。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.205 )
日時: 2011/03/30 01:03:23
名前: 孝(たか)

授業が始まる直前。

十代、翔、ライ、アルフ、焔がアカデミア正門脇の壊れた壁から匍匐前進で出てきた。

十代「……よし。誰もいないな。」

一同は服に付いた砂を払っていざ出発…

明日香「授業サボってどこに行く気かしら?」
『ギクッ!?』

する寸前に明日香達に見つかりました。
因みに、エルフィはフォローの為に授業に出ている。

十代「あ、明日香…それにヴィオ達まで…」
ヴィオ「えへへ〜〜それで、どこに行くの?」
ライ「万丈目の奴を探しに行くんだよ」

アルフ「このままほっとけないしね?」
十代「いいか、先生には内緒だぜ?」
美海「……条件が、ある…」
翔「条件?」

明日香「私たちも一緒に行くわ。」
焔「ゑ?なんで?」
ヴィオ「アルフ君が言ってたでしょ?このままほっとけないって♪」


森を散策する事30分ほど…

十代「お〜〜いい!!万丈目ぇぇぇ!!」
ライ「万丈目ええええ!!!」
アルフ「居たら返事してよぉぉ!!」
翔「万丈目くーーーーん!!」
ヴィオ「速く出てこないといろいろ大変な事になるよぉぉ!!」
十代「大変な事?」

ヴィオ「うん。そろそろ…」
明日香「はぁ。全く…(すぅ)出てきなさあああああああああああああいい!!!!デュエルに負けたくらいで雲隠れなんて、情けないわよおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

軽く空気を吸ってから大声できつい事を言う明日香。

ヴィオ「…ね?」

首を傾けながら答えるヴィヴィオ。

十代「相変わらずキツイな明日香…(汗)」
明日香「ふん。」

ジュンコ「あら、当然よ。本当、最近は軟弱な男子ばっかり!あ、アルフ様は違いますけどね!」

アルフにだけデレるのも忘れないジュンコだった。

ももえ「でも、万丈目さんは違いますわ。だって、イケメンなんですもの♪」
ライ「え〜〜」
翔「なにそれ?」
焔「変な理屈だな。」

ジュンコ「アンタこの間は三沢さんが素敵って、顔が良ければ誰でも…」
ももえ「うふふふふふ〜♪」
美海「……あ。」

翔「どうしたの?美海ちゃん?」
美海「…あそこ、何か動いた。」

茂みを指差す美海。

ガサガサ・・・

十代「万丈目か!?俺だ!遊城十代だ。イジケテないで出て来いよ!おい。」

茂みに近づく一同。

「「キキィ!!」」

茂みから出てきたのは…

十代「ぬわあああああああああ!?!?」
『『きゃあああああああ!!?』』
「ウッホウッホ!」
「ウキキキィ!!」

デュエルディスクや様々な機械を装着した猿が二匹現れ、十代達を翻弄する。

そして…

二匹の猿は何かを抱えて走り去っていく。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U ( No.206 )
日時: 2011/03/30 01:21:29
名前: 孝(たか)

明日香「な、なに今の…?」

茫然と呟く明日香。

ライ「猿だったよな…?」
アルフ「猿…だね…」

黒服1「ハァハァ!!」
黒服2「クソ!どこへ行った!?」

別の茂みから怪しい男が二人と小柄の老人が出てきた。

焔「今度は何だ!?」
黒服2「ちっ。逃げられたか」

ライフルを持った男が舌打ちする。

ヴィオ「きゃわあああああああああああああ!?」

それと同時にヴィヴィオの悲鳴が上がる。

十代「……ヴィオが居ない!?」
ライ「まさか…」

ヴィオ「きゃわぁ!?助けてぇぇぇぇ!!代ちゃああああああん!?」
十代「ヴィオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

十代秘技!!超絶ダッシュ!!!!!

森だろうがなんだろうがお構いなしに車並みの速さで爆走する十代。

ライ「……いつみても惚れ惚れする爆走だな」
アルフ「追いつけないもんね。」
焔「また前より速くなってないか?」
風華「十代は化け物か。」
美海「それは、言い過ぎ」
翔「は、速く追わないと!」

老人「追え!捕まえるのだ」
黒服「「はっ!!」」

そう言って追いかける一同だった。

「「ウッホホ、ウッホホ!!」」
ヴィオ「わああああ!?!?あ、あぶな!?」

十代「ゴラアアアア!!!猿共おおおお!!ヴィオを離せえええええええええ!!!!」

ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!

ものすごい勢いで追いかける十代。
それに恐怖を覚え、速度を速める猿二匹。

数分後…

一本だけ木が生えている崖まで来ると、その木の上にヴィヴィオを乗せる猿。

崖に生えているので、木の下は海である。

十代「コラァ!!ヴィオを離せ猿!?」
黒服2「もう逃げられないぞ!麻酔銃で撃たれたくなかったら、大人しく下りてくるんだ!?」

十代「なっ!?ヤメロ!!ヴィオに当たったらどうする気だ!!」
老人「心配するな。ただの麻酔銃だ。」

十代「何だと!?麻酔銃だって当たったら危ないだろうが!?」
老人「うるさい小僧!」

「「キキキ…」」

黒服1「ちっ…生意気に、人質を取るとは…」
焔「つーか、あんた等誰?此処一応私有地なんだけど?」
翔「…あ。あの猿、デュエルディスク付けてる!?」

ヴィオ「ううう…落ちちゃうよ…」

老人「あれはただの猿ではない。」
風華「どう言う事?」

老人「我々が訓練を重ねて育て上げたデュエリスト猿なのだ。」
ライ「デュエリスト猿?!」

老人「あぁ…その名もSuper Animal Learning略してSAL(サル)だ!」
焔「まんまじゃねぇか!?」

黒服1「博士…」
老人「ん…おぉすまんすまん。ついつい口が滑ってしまった。」
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.207 )
日時: 2011/03/30 14:43:30
名前: カイナ

ライ「デュエリスト……だったら!」

ライは珍しく何かを考えるような表情を見せ、くわっと目を見開くとデュエルディスクをつけた左腕を猿達にビシッと突きつけ声を上げた。

ライ「そこの猿! 俺とデュエルだ!!」
ももえ「いきなり何を言ってますの!?」
ライ「いや、デュエリストなんだからデュエルを申し込めば断るはずない!」
ジュンコ「そんな馬鹿なこと――」

ライの言葉にももえがツッコミを入れるとライはいやに自信満々にそう言い、それを聞いたジュンコが呆れたように返す。とSALの一匹がするすると木から下りてきてライの前に立った。

SAL1「ウッキー!」
明日香「乗ってきた!?」
黒服1「チャンスだ!」
アルフ「! ま、待って!」
SAL2「ウキー!」

SALの一匹の行動に明日香が叫ぶと黒服の一人はそう言って麻酔銃を構える。するとアルフが勘付いたようにそれを制して木の上を指差す。もう一匹のSALはまるで脅迫をするかのようにヴィヴィオを押さえていた。

SAL1「ウキ、ウキウキウッキー!!」
翔「何言ってるんすか?」
博士「ふむ、これを使うか……」
アルフ「なんですかそれ?」

SAL1の鳴き声に翔が首を傾げると博士が懐から何かの機械を取り出す。それにアルフが聞き返すと博士はうむと頷いた。

博士「これはSAL達の翻訳装置のオンオフリモコンじゃ」
焔「いやいや、常にオンにしとけよ」
博士「まあいいじゃろう。スイッチオン」
SAL1「キーキー……デュエルはしてもいい、その男が勝ったら人質は返そう。ただしその男が負けたらもう自分達を追いかけてくるな。もし途中で力ずくで捕まえようとした瞬間あの少女を海に突き落とす」
十代「くっ……」

博士がSAL翻訳装置を入れるとSAL1についている装置がSAL1の言葉を翻訳し、それを聞いた十代は悔しそうに拳を握る。とライがにっと笑みを浮かべた。

ライ「大丈夫、俺に任せとけよ。数日前に少しデッキを調整したんだ、俺の新生デッキの力、見せてやる!」
SAL1「勝負!!」

ライ・SAL1「「デュエル!!!」」

ライ「俺の先攻、ドロー! [切り込み隊長]を攻撃表示で召喚、その効果で[召喚僧サモンプリースト]を守備表示で特殊召喚し、サモンプリーストの効果発動! 手札の魔法カード[神剣―フェニックスブレード]を捨ててデッキからレベル4の[コマンド・ナイト]を攻撃表示で特殊召喚し、コマンド・ナイトの効果で俺の場の戦士の攻撃力が400上昇する! サモンプリーストの効果で特殊召喚されたモンスターはこのターン攻撃できないが先攻一ターン目じゃそんなデメリットないも同然だぜ。さらに魔法カード、[連合軍]を発動! 戦士族の攻撃力がさらに上昇するぜ!」

切り込み隊長 攻撃力:1200→1600→2200
コマンド・ナイト 攻撃力:1200→1600→2200

風華「あれ? ライっちの場に戦士は二体だけなのに攻撃力おかしくない?……」
美海「風ちゃん……」

ライは一気に三体のモンスターを並べさらに魔法効果で強化するがそれを見た風華が首を傾げる。それを聞いた美海が呆れたようにため息をつき、明日香達もため息をついた。

明日香「実際に上昇しないから忘れられがちだけど、連合軍の効果での攻撃力上昇数には魔法使いも数えるの」
風華「あ、そうだっけ」
ライ「リバースカードを一枚セットして、ターンエンド」
SAL1「私のターンドロー!」

明日香の説明を聞いた風華はこくこくと頷き、それを横にしながらライはカードを一枚セットしてターンを終える。それを聞いたSAL1はカードをドローした。

SAL1「私は[おとぼけオポッサム]を召喚し、効果発動! メインフェイズ時にこのカードより攻撃力の高いモンスターが相手フィールド上にいる時、フィールド上のこのカードを破壊することが出来る。フェイク・ダイ!」
アルフ「自らの効果でモンスターを破壊した?」

SAL1がそう言うとオポッサムは急に死んだふりをし、破壊される。それにアルフが驚いたように呟くとどこからともなくどこか悲しげにも聞こえる獣の咆哮が聞こえてきた。

SAL1「森の仲間が死んだ時、森の番人が姿を現す! ライフを1000ポイント支払って手札から[森の番人グリーン・バブーン]を特殊召喚!!」LP4000→3000

SAL1がそう言うとどこからともなく巨大な獣人が姿を現して仲間が倒れた事を悲しむような咆哮を上げる。実際にはただの自壊、それも効果名は死んだふりなのだがまあいいか。

SAL1「魔法カード[二重召喚]を発動し[怒れる類人猿]を召喚! グリーン・バブーンで切り込み隊長を攻撃! ハンマー・クラブ・デス!」
ライ「少しでもダメージを減らす! リバースカードオープン[トゥルース・リィンフォース]! デッキからレベル2以下の戦士、[デュアル・ソルジャー]を守備表示で特殊召喚! 連合軍の効果で攻撃力上昇!」

切り込み隊長 攻撃力:2200→2400
コマンド・ナイト 攻撃力:2200→2400

SAL1「攻撃続行!!」
ライ「ぐっ……」LP4000→3800

コマンド・ナイト 攻撃力:2400→2200

グリーン・バブーンが切り込み隊長に襲い掛かり、手に持った棍棒の叩きつけを切り込み隊長は二刀をクロスして受け止めるが勢いが強すぎる。もう一撃を受けると耐え切れずに棍棒を受け破壊された。

SAL1「モンスターを次々呼ばれても面倒、怒れる類人猿でサモンプリーストを攻撃!」

さらにもう一体のゴリラが怒りのままにサモンプリーストを殴り飛ばし破壊する。

コマンド・ナイト 攻撃力:2200→2000

SAL1「リバースカードを一枚セットし、ターンエンド」
――――――――――――――――――――
ライの新デッキは戦士族デュアル混合戦士デッキです、もちろん絵札の三剣士もメインですぜ。で、SALって獣族デッキで構いませんか?原作じゃ猿デッキだそうですが流石に弱そうなので獣族デッキにしたんですが……あ、もちろんアクロバットモンキーも入れてる予定ですよ、アイドルカードで。

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