Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.104 ) |
- 日時: 2011/02/20 11:46:31
- 名前: カイナ
- しょっぼ!?原作ゲート・ガーディアン破壊しょっぼ!?てっきり十代と翔が全力で戦闘破壊したけど迷宮兄弟がさらにダーク・ガーディアン呼び出したのかと思ってましたよおい!?……っていうかそもそもどうやって守備表示にしたんだろ?エネミーコントローラー?ま、いっか。
とりあえず最後の方書きますので台詞の言い回しとかをここはこうすればいいというアドバイスがあったらお願いします。 ―――――――――――――――――――― 十代「翔、頑張れ!!」 翔「!?」 ライ「大丈夫だって! 俺らがついてるからさ!」 アルフ「うん、イケるイケる!」
翔が指を震わせていると十代がそう呼びかけ、さらに後ろからライとアルフも微笑みながらそう言った。すると氷牙が続ける。
氷牙「お前はただカードを引けばいい、そして引いたカードを駆使して今出来る最高のプレイを見せてくれ。安心しろ、デッキは必ず応えてくれる」 翔「氷牙先生、皆……」
ライとアルフの屈託ない笑顔での言葉に氷牙の諭すようなでもどこか力強い言葉、それを聞いた翔の身体から緊張が解けていった。
十代「大丈夫だ翔、絶対にいける。自分と自分のデッキを信じて俺達に楽しいデュエルを見せてくれよ!」 翔「アニキ……僕のターン、ドロー!」
十代の笑顔での言葉を聞いた翔は緊張がほぐれたというような笑みを見せ、キッとした表情でカードをドローする。そして引いたカードをそのまま発動した。
翔「魔法カード[天よりの宝札]! 全てのプレイヤーは手札が六枚になるようにドローする。カードドロー!」
翔が引き当てたのは数週間前に氷牙から貰った魔法カード天よりの宝札。それによって翔の手札は一気に六枚に増え、翔は手札の一枚を見て驚いた表情を見せるが一度目を閉じ、見開いて声を出した。
翔「魔法カード[パワー・ボンド]発動! 手札のユーフォロイドとアニキの場のジ・アースを融合し、[ユーフォロイド・ファイター]を融合召喚! ユーフォロイド・ファイターの元々の攻撃力、守備力は融合素材となった二体のモンスターの合計値、さらにパワー・ボンドの効果で攻撃力は倍加する!」
翔が掲げた魔法カードの効力によって翔の手札にあったユーフォー型ビークロイドと十代の場のジ・アースが光となって融合し、光が弾け飛ぶとユーフォーの上にジ・アースが乗っていた。
ユーフォロイド・ファイター 攻撃力:?→3700→7400
迷・宮「「攻撃力7400だと!?」」 翔「いっけぇっ! ユーフォロイド・ファイターでダーク・ガーディアンを攻撃、フォーチュン・アース!!」
迷宮兄弟が驚愕の声を上げると翔が攻撃を指示、その言葉と共にユーフォーから発されたビームとジ・アースが胸から発したビームが合わさって一筋の光線となり、ダーク・ガーディアンを貫く。
迷・宮「「ぐあああぁぁぁぁっ!!」」LP700→0
ダーク・ガーディアンは戦闘では破壊されない、しかしその一撃が迷宮兄弟への止めとなった。迷宮兄弟のライフが0を示し、二人ががくんと膝をつく。一瞬辺りに静寂が走った。
十代「いよっしゃぁー!!!」
一番に声を上げたのは十代だ。彼は右手を突き上げてジャンプすると未だに自分自身が信じられないというような表情で固まっている翔に飛びつき、ライとアルフもそれに混ざる。それと同時に観客席、主にレッド寮から歓声が上がるが逆にブルー寮の方からは信じられないというようなどよめきが走っていた。ちなみにメリオルや明日香、三沢達は拍手を送っている。
美海「やったー!!!」 風華「…………」
喜びを共有している四人には混ざらないものの美海も喜んで思わずネックロックをかけている腕に力を加える。既に風華の意識は飛んでいた。
クロノス(し、信じられないノーネ……め、迷宮兄弟が負けてしまうナーンテ……私の計画が……) 校長「見事なデュエルでした。これだけの実力を持つ者達を退学に出来ましょうか?いえ、出来ません。約束通り彼らの退学、退職は取り消しとなります」
唖然としているクロノスを横にマイクを持った鮫島校長がそう宣言、十代達四人はまたやったーと声を上げた。
鏡夜「ふぅ、なんとか無事に終わったね」 レオ「そうっすね、鏡夜先輩」 氷牙「さてと……これからまた何事もなければいいんだが」
鏡夜が安堵の息をついて呟くとレオも安心したような笑みを浮かべて続け、氷牙が静かにそう呟く。それから制裁タッグデュエルは閉会、メンバー達もそれぞれの寮に戻っていった。 ―――――――――――――――――――― さて、ようやく制裁タッグデュエル編も終了。これから次何がありましたっけ?セブンスターズ編に入るまでは万丈目がノース校に行き、十代と戦うしか知りませんよ俺。流石にそれは絶対にやらなきゃいけないでしょ、アームド・ドラゴンを手に入れるためにも。風の噂ではそこでおジャマ・イエローも手に入れる……だったっけ?
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.108 ) |
- 日時: 2011/02/20 22:19:05
- 名前: カイナ
- 制裁タッグデュエルの翌日、十代達はうきうきとした様子で十代の部屋で待っていた。すると突然がちゃりとそのドアが開く。
カイ「準備できたぞ」 十代「おぉ! ようやくか!!」
カイの言葉に十代が目を輝かせる。氷牙達が材料の発注を行ったり食堂使用の許可等に一日必要だったがこれからようやく制裁タッグデュエルの祝勝パーティが始まるという事だ。
カノンノ「さ、とりあえず食堂に行こう?」
横に立っていた少女――カノンノ・グラスバレーが苦笑を浮かべてそう言い、十代達を連れて食堂に向かって行った。そしてカノンノがどうぞと言って制裁タッグデュエルのトリを努めた十代と勝利の立役者翔のために食堂の戸を開ける。そして十代達は食堂に入っていった。
十代「おぉ〜っ」 翔「……」
十代は楽しそうな笑みを浮かべ、翔は唖然とした表情を見せる。食堂は普段のボロボロとした内装こそそのままだがそれすらもかすむほどに数々の綺麗な飴細工や生クリームたっぷりふわふわケーキ、数々の種類があるリアルな動物――中にはどう作ったのか細部まで緻密に再現されたモンスターのものもある――クッキーなどのお菓子が準備されていた。
氷牙「あぁ、来たか」 十代「氷牙さん、相変わらず懲りすぎだぜ〜。光神機の形の飴細工って食いにくいしさ〜」 翔「いやなんでアニキは普通にそんな反応出来るんすか!?」 ライ「お〜アルカナナイトジョーカーもある。流石氷牙先生!」 アルフ「あ、これユーフォロイド・ファイターonジ・アースバージョンだ」 翔「いやいやいやライ君とアルフ君もっすよ!?」
気づいた氷牙の言葉に十代が笑いながら言うと翔が全力のツッコミを入れ、これまた慣れたようなライとアルフの反応にもツッコミを入れる。それにエルフィが言った。
エルフィ「いや……私達がデュエルアカデミアに合格した時だってこれぐらいやったから」 翔「そうなんすか!?」
エルフィの言葉に翔がまたツッコミを入れる。毎回毎回この人達には驚かされてばかり、彼らが普通としている事が自分にとっては異常、翔は軽くツッコミに疲れ始めていた。
カイ「にしても、俺も前の学校じゃ結構料理に自信あった方なんだが、世界は広いなぁ。俺の全力を投入したケーキとクッキーが霞んで見える……」 カノンノ「中学校じゃカイ調理部にしつこく勧誘されてたもんね〜」 レオ「お前だって大したもんだよ……俺らも学生時代幼馴染の実家がやってたレストランでバイトしてた事あるから手伝いをしたけど、俺が本当に下の雑用しか出来ないなんてな……」 メリオル「まあね……」 氷牙「さて、今は鏡夜が明日香や三沢達を呼びに行ってるからあいつらが来たら祝勝会を始めるぞ」 翔を除く子供メンバー全員『お〜♪』 翔「お、おぉ〜……」
カイにカノンノ、レオにメリオルが雑談をしている中氷牙がそう言うと十代達は慣れたように右手を挙げ、翔も少し遅れて右手を挙げる。数分後、到着した明日香に何故かついてきたジュンコとももえ、そして三沢もこの情景を見て色んな意味で言葉を失ったのはもはや言うまでもない。 ―――――――――――――――――――― さて、苦労する読者さんの要望にお答えして(?)祝勝会の流れを作りましたけどこれからどうしましょう?こっから先全くノープランなんで、この流れから何か本編にあったデュエルってやれますかね? 無理を言えば乱入してきたレイくらいは、いけるかなぁ?……ちなみにそれを十代じゃなくアルフが戦って後にアルフがレイフラグを立てるというのはどうでしょう?あ、もちろんラルフでも可―― ラルフ「一撃で決める! エーリアン・マザーとエーリアン・リベンジャーを生贄に捧げ、[The tyrant NEPTUNE]を召喚!! くたばりやがれぇ、ダイレクトアタック!!!」 え、うおにゃぎゃあああぁぁぁぁ!!!……で、な、何故ミク二ップさんは消しちゃったんですが……せっかく、繋げる形で……書いたのに修正する、羽目、に……ガク。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.109 ) |
- 日時: 2011/02/20 23:27:43
- 名前: ミクニップ
- うっさい。編集長にあれ以上言われたらマジで怖いんだよ。…というかさぁ、前の奴も飛ばしてたんだし、べっつにやんなくても良いような気もするが?…というか、レイはレイで今後の展開を見て彼氏は決めましょうや…。間違えたら最後、アルフがロリコン扱いされっぞ?
雷堂「おい手目ぇ等。さっさと手伝ってくれ!!」
『おおおおおおおおお!!?』
雷堂を先頭に、またもや運ばれてくる料理達。だが今度のは氷牙のと違い、何処か荒々しくも、繊細かつ芸術と言いようがないような、氷牙に引けを取らない、美味しそうな料理達が次々と運ばれてくる。
雷堂「師匠が言っていた。料理とは、人の心を歓喜させる最高のスパイス。そしてそれに笑顔は付き物だ…ってな。俺が腕に縒りを掛けた料理達だ。存分に楽しんでくれ」
人差し指を突き上げて熱唱する雷堂の言葉を合図に、一斉に料理をさらに盛り付けてゆく。そして…
ぱくっ…
『ウ…うぅぅぅぅまぁぁぁぁいぃぃぃぃぞぉぉぉぉ!!』
魂の叫びが木霊した。
十代「う…うっめぇぇぇぇぇ!ま、まさか剣一さんの料理が久しぶりに食えるなんて感激だぜ!!」 アルフ「ホントホント♪この絶妙な加減だって同じだ〜♪」 雷堂「かはははっ♪だろだろ?よしっ!まだ欲しい奴はすぐに作ってやるからな〜♪」 美春「僭越ながら、僕もお手伝いします♪」
『ヴェェェェェェェェェェェェェイ!!』
焔「旨〜〜〜♪お母さんのも旨いけど、やっぱし父ちゃんの飯はサイコーだ♪」 翔「本当だ…!ナニコレ、凄く美味しいっス!!」 美海「…お父さん、氷牙さん程じゃないけど、これでも腕には自身があるの」 焔「しっかも二人共、世界じゃ知らない奴は三流のモグリとまで言わせる程の一級料理人でもあるんだ。だけど二人共それを媚たりしないから人当たりだって良いし♪」
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.110 ) |
- 日時: 2011/02/21 11:53:05
- 名前: カイナ
- あ、なるほど。アルフがロリコン扱いされるのは困りますね、一応彼の好みは年上って設定なので。
アルフ「どういう意味?」 ノーマとかノーマとかあとノーマとか。 アルフ「しばき倒されたいのかなぁ君は!?」 んじゃネラも入れる?年上っぽいよ?(笑) アルフ「フリージングフォース、その力を解放する! ニブルヘイム・アブソリュート!! 永久凍土の中で永久に眠れぇっ!」 ゆ、遊戯王の世界観でそれは反則だっておわわフォースフィールド!!! ―――――――――――――――――――― 十代「あー、やっぱ氷牙さんの飯も剣一さんの飯も美味ぇやー」
十代は満面の笑みを浮かべてそう言いながらパンを齧る、中のピリッとした辛味がありとろりとしたカレーが美味い。と後ろから出てきたカイが口を開いた。
カイ「言っておくが、それ俺が作ったやつだぞ」 十代「……え?」 カイ「中身、マーボーカレーだろ? 前の学校にパン作りが趣味のダチがいてな、そいつから教わって作ってみたマーボーカレーパンだ。もっともそいつほど美味くは出来なかったがな……あとは他のダチが近所のおばさんに作ってもらってたっていうそこのピーチパイにカノンノが昔好きだったパイナップルご飯も俺の作品だ」 子供メンバー『え?……』
カイの言葉に十代が固まり、カイはそう続ける。それにライやアルフ達も驚いたように硬直した。氷牙と雷堂の料理と並んでいてほとんど違和感が無かった味、それを自分達と同い年のカイが作っていた事に驚きが隠せなかった。
カイ「ま、こっちにも都合ってもんがあってな。料理は昔からやってんだよ……」
カイはどことなく遠い目でそう呟き、カノンノも目を閉じて何かを考えているような様子を見せた。するとカイはふっと笑みを浮かべる。
カイ「ま、そんな訳で味は保障できる。遠慮せずに食っていいぜ」 十代「お、おう……」
カイの言葉に十代はこくこくと頷きながらまたパンに齧りついた。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.112 ) |
- 日時: 2011/02/27 18:03:45
- 名前: 孝(たか)
- 数日後……
体育の時間、イエローとレッドで野球対抗試合の真っ最中。
氷牙「今日こそは勝たせてもらうぞ!鏡夜!!」
鏡夜「甘いよ!今回も勝たせてもらうよ!!」
本来なら生徒同士なのだが、5回目の表と裏で、一球目は必ず鏡夜と氷牙が競う。
因みに、得点には影響しない。
氷牙「くらえよ!!ブレイク・インパルス!!!」
超剛速球!!
しかも分裂して15個くらいに増えて見える。
鏡夜「・・・・・・そこぉ!!!!」
ガッキ〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ!!!!
ビュンッ!!
ドグシャッ!!!
氷牙「パプリコオオオオオオオオ!?!?」
撃ち返した球が氷牙の顔面にめり込み、氷牙は縦回転しながらボールと共にホームランされた。
鏡夜「よし。これで67302戦44444勝11394敗11464引き分けだ。」
翔「どんだけ勝負してんすか!?」
氷牙「くそ。また負けた!!」
翔「はや!?もう復活して、帰ってきたっすか!?しかも顔面にめり込んだ筈のボールの後が全くないのはどうしてっすか!?」
氷牙「俺だからだ。」
翔「意味が判らないっす!!!」
ライ「いまさら、いまさら。」
アルフ「そうそう。今更だよ。」
十代「ツッコムだけ無駄だよなw」
翔「なんでそんな呑気なんすか!?」
チャンチャン♪
こうして試合は続き、ピッチャー十代VSバッター三沢になる。
カキーーーーーン!!
結果は三沢の勝ち星だった。
だが…
クロノス「全く、万丈目は役に立たないノーネ。速く誰か代わりを探さなけ『ズゴン!!』レバニラ!?」
ドンガラガッシャーーーーンッ!!!
ぶつぶつ呟いていたクロノスにボールが直撃し、用具の中に吹き飛んだ。
十代「あの!スミマセーーン!!」
クロノス「ぐぬぬ…」
十代・翔「わあ!?」
二人が見た者は、左目にボールが食い込んだクロノスだった。
クロノス「ああ!!またお前ええ!ドロップアウト・ボーイナノネ!!」
二人はそれをみて膝をついた。
翔「あわわ…ごめんなさーい。」
十代「だ、大丈夫なのか?先生…」
三沢「すみませーん!打ったのは、俺なんです。」
そういって、十代達の後ろから走って来た三沢。
クロノス「おえ?シニョール三沢…」
すぐさま立ちあがって三人に背中を見せ、手を組むクロノス。
クロノス「シニョール三沢と言えば、成績ダントツの生徒ナノーネ。万丈目の代わりとして、使えるカモーネ。」
普通に声に出しているのだが…本人気付いておらず。
三沢「あの…治療費、俺持ちですか?」
少々気落ちした三沢だが、それに対してクロノスは…
クロノス「ノン!ノン!ノン!ノーーン!!」
腕を×の字にして否定した。
クロノス「成績優秀者には寛容なのが、この学園デース。その代わり……」
「「んん?」」
ひそひそ話をしようとするクロノス達に耳を傾ける二人。
クロノス「お前達には関係ナイーノ!し!し!しぃ〜!さしすせしぃ〜〜!!!」
と言って、十代と翔を追い返すのだった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.113 ) |
- 日時: 2011/02/27 23:24:47
- 名前: カイナ
- レオ「ったく、また何かやってるな?」
そう言うのは体育担当でもないくせに授業なくって暇だから来たとか言い出してやってきたデュエル・アカデミアフリーダム教員の一人に数えられている男性――空時レオ、当然その他のフリーダム教員に数えられているのは氷牙と鏡夜――氷牙は今回れっきとした体育担当だが――であるのだがまあ置いておこう。 彼は暇潰しに予備のボールを使って現在進行形でショートを守っているライとキャッチボールを行っていた。ちなみにレオの球の球速は軽く150キロをマークし、ライの球も140前半をマークしていた。
初心「な、なんで先生とライ君は普通にあんな球投げられるの?」
サードを守っているレッド寮生徒初心守(はつごころまもる)君が思わずそう声を出す。確かに二人とも球速はプロ級、しかも狙ったところに投げるコントロールまでしっかり見せていた。するとセカンドを守っていたアルフが彼の横に立って頷く。
アルフ「そりゃ父さんって高校時代剣道部だったけど野球部やサッカー部とか色んな部活に助っ人頼まれてたそうだから。氷牙さんだってさっきみたいに160オーバーの球なら軽く投げれるし、鏡夜さんは掠りもしない変化量の変化球を様々な球種で投げ分けるから。なんていうか、パワプロで言う全方向変化球レベル7の勢い、あとキレよし」 初心「凄い……」 アルフ「何回かプロ球団相手に完全試合してるしね。父さんも全力ストレートのまま普通伸びが出る地点で急激に落ちるフォークを持ってるけど、あの二人には敵わないから地元の草野球チームでは大抵センターを守ってるよ。で、僕と兄さんは二遊を守って、十代君はサード、母さんはライトを守ってる。数合わせじゃなくって戦力でってよく言われてるよ」
そもそもプロ相手に戦力になるとはいえ子供交じりで完全試合をやらかす草野球チームってなんだろう。
初心「なんで、プロ野球に進もうって思わなかったのかな?」 アルフ「さあ? 父さんと母さんは大学卒業して結婚してしばらく地元のレストランで働いた後アカデミアの教員になったって聞いたし、氷牙さんと鏡夜さんの事だからつまんなそうってとこじゃない?」 初心「…………」
色々とツッコミどころが多すぎる。初心はつい無言を保ってしまい、その間に話が終わって十代達が戻ってきたためレオとライの超絶キャッチボールが終了、アルフもセカンドに戻っていった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.136 ) |
- 日時: 2011/03/15 22:42:20
- 名前: ミクニップ
- その頃…
風華「ふっふふっふふ〜ん♪」
鼻歌歌いながら、何処かご機嫌な自称【風の美少女】事、教師の雷堂さんの娘の一人である雷堂風華さんとレオさんの息子のライ君。…まぁ彼女がご機嫌な時って、大抵ロクな事が起きないけどね。
風華「いやぁ〜。今日は運が良いよねぇ〜♪暇だったから買ったドローパンは黄金卵だったし、前から欲しかったカードも手に入ったんだし♪」 ライ「本当に元気だよな、お前…」
げんなりしてるライに構わず、いかにも上機嫌オーラ出しながら途中で一回転したりとかなり嬉しそうである。そんな途中でピタリと止まると、そのまま考えるような仕草をする。
風華「う〜ん…。【あいつ】にも半分あげたら喜ぶかな…?偶然彼奴が欲しいと言ってたカードも手に入ったし…」 ライ「あいつ?あいつって誰の事だ?」 風華「へ!?あ、い、いやいや!何でもない!何でもないってば!!」
何を思ったのか、赤面したかと思えば頭を横に振ったりワシャワシャかいたり…。不信がったライが聞いてみれば妙にはぐらかすし。そんな中…
風華「…アレ?あれは…十代?」 ライ「え?…あ、本当だ。おーい!」
ふと、目の前に十代、翔、焔、美海が通るのを見た二人は、何を思ったのか彼らに近づく。
十代「あ?風華とライじゃんか。どうしたんだよ?」 風華「あ、うん。十代達が一緒に歩いてるのを見てね。…というか、何してるの?」 美海「…私達、これから三沢君の所に行くの…」 ライ「え?三沢の?何でまた?」 翔「アニキが野球勝負で負けたから、三沢君が、ある事お願いしたから来てほしいって」 焔「ちなみに僕等は途中バッタリね。面白そうだからついてきたんだよ。美海が言う彼氏君にも、これから妹ヨロシクって事で、ちょっとしたプレゼントを渡そうと思ってたし」 美海「お兄ちゃん…!(///)」 翔「あ、あはははは…(///)」
そう、あの後二人は正式にカップルとなり、今でもたまにだが、少し固いものの一緒にいるのを見かける。(余談だが、その時ピカさんは翔を脅していたりする)
風華「…ふ〜〜ん…?三沢にねぇ…?」
それを聞いて、何やら考え出す風華。そして
風華「…じゃあ、あたし達もちょっといいかな?手伝い」 十代「え?別に良いけどさぁ。…何でだよ?」 風華「べ、別に〜?何となくよ!何となく!…いいでしょ?ライっち!」 ライ「え?あ、ああ。別にいいけど…。何ならライ達も呼ぶか?それとライっち言うな」 風華「そ、それはついてから決めようよ!ほらほら!レッツゴー!爆走兄弟烈&剛!!」 十代「あ、コラ!!そんなに押すなよ…」
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.144 ) |
- 日時: 2011/03/16 00:22:32
- 名前: カイナ
- ラルフ「どわったたたっ!?」
ライ「アルフ!? あ、いやラルフか!?」 ラルフ「ラッライッ、十代っ! か、かくまってくれっ!!」 十代「お〜いまたかよ〜?」 翔「また?」
すると突然現れた少年――ラルフにライが驚いたように言うとラルフは十代達に気づくと頼むように言い、十代が呆れたように聞くと翔が首を傾げる。
山谷「アルフ様ー! どこにいるの〜ん!?」 海野「あら、ここにいらっしゃるわ」 藤原「ようやく捕まえたわよ、ボウヤ。さあ、一緒にイキましょう?」
翔「ラ、ラルフ君!? 一体何やったんすか!?」 ラルフ「なんもしてねえ! 強いて言うならやったのはアルフだ!」
すると現れたのは軽い口調で話す女子――山谷理恵にお嬢様の海野幸子、大人っぽい雰囲気の女子――藤原雪乃。その三人を見た翔が驚いたようにラルフに問いかけるとラルフは女子達に聞こえないよう声を潜めて叫ぶ。それに翔がへっと言うとラルフが続けた。
ラルフ「アルフの馬鹿こいつらの完璧デートへの誘いを全然気づかずにオーケーしちまいやがって、しかも女子寮へだぞ!? ぜってえやばいって俺の勘が叫んでんだ!!」
まあ一名が大人っぽいというかそういう雰囲気で何気に男子間では人気と噂の藤原だ、ラルフの勘もあながち外れていないかもしれない。すると風華がピコーンと何か思いついたというような表情を作り、口を開く。
風華「はいはーい、実はアルっちは今から三沢っちのとこに行く約束があるのよ〜」 ラルフ「あ、そ、そうなんだっ……じゃなくって、そうなんです。す、すっかり約束を忘れてて。すいませんが、遊びに行くのはまた後日で構いませんか?」
山谷「そうなんだ〜」 海野「ふむ、約束を破るのはよくないですわね」 藤原「そうね。全く、約束を忘れるなんてボウヤらしいわ。しょうがないわ、行きましょう」
風華の言葉を聞いたラルフは瞬時にそれに乗って不自然じゃないようアルフの口調を真似て誤魔化し、それを聞いた三人は残念そうにそう言って去っていく。それを見届けてからラルフは安堵の息をついた。
ラルフ「わ、悪い風華、助かった……」 風華「んっふふ〜別にいいよ〜……でも代わりって言っちゃなんだけど、私購買の特製ケーキが食べたいな〜」 ラルフ「はぁ!?」 風華「嫌ならいいよ〜、やっぱ約束は破っても大丈夫とかってさっきの三人に知らせ――」 ラルフ「――だー分かった! 後で奢ってやる!!」 風華「いやったー!! やっぱ今日はついてるな〜♪」
風華とラルフはそう言い合うと最後にラルフが折れ風華はガッツポーズを取る。そしてラルフはくそ〜と言いながら主人格をアルフと交代し、彼は苦笑を浮かべた。
アルフ「えっと、よく分かんないけど……ラルフ、大変な事になっちゃったね」 ライ「元はと言えばお前が原因だよ」 アルフ「え? 僕は皆と遊ぶ約束しただけだよ?」 ライ「だからそれが……あーもういいや、とにかく三沢のとこに行こう」
アルフの苦笑交じりの言葉にライがツッコむとアルフは純粋な表情で首を傾げる。それにライがさらにツッコもうとするがもう諦めてそう言い、それに十代達はおーと言って三沢の部屋に歩いていった。 ―――――――――――――――――――― ちなみに僕が度々使用している桐岡麻季(制裁タッグデュエルレオの部分)、初心守(野球の部分)、山谷理恵、海野幸子、藤原雪乃(三人とも今回)は全員タッグフォースのキャラでタッグフォース3をおおよその参考イメージに使っております。別に僕のオリキャラというわけではないのでお間違えのないようお願いいたします。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U ( No.161 ) |
- 日時: 2011/03/18 03:33:54
- 名前: 孝
- イエロー寮前
三沢「おーい!」 十代「おーす!三沢。待たせたか?」 三沢「いや、来て貰ったのは俺の方だからな。気にしないさ。後ろのみんなはどうしたんだ?」
十代「事情を話したら何か付いてきた。」 三沢「そうか。ま、人出は多い方が助かるかな…」 翔「で、僕達の罰ゲームってなーに?」 三沢「ふっふふ〜ん…」
三沢はニヤリと笑いながら部屋へと案内した。
三沢「まぁ、俺の部屋に入ってくれよ。」
ぞろぞろと中へと入る一行。
そこで見た物とは…
『な、なんじゃこりゃあああああああああああああああ!?』
部屋至る所にビッッッッッッッッッッシリと数式が書き綴られていた。
三沢「俺が思いつくままに書き留めた計算式さ。」
そうして三沢は何か所か説明し始めた。
三沢「あそこら辺が、シュレッディンガーの猫。向こうがアボガドロの分子説。そしてそっちが、風が吹けば桶屋が儲かる確立式だな。」
『桶屋って…(汗)』
三沢「十代達には、この星々の"ビッグバン"の手伝いをしてもらいたい!」
『ビッグバン?』 三沢「そ。ビッグバン。」
モップと白ペンキを持ってにこやかに答えた三沢だった。
十代「そりゃあああああ!!」 ライ「うりゃうりゃああ!!」
十代とライは脚立を使って天井を。
三沢「それそれぇぇぇ!!」 アルフ「よいしょ、よいしょ。」
三沢とアルフは床を。
焔「おりゃああああああああ!!!」 風華「それえええええええええ!!」 翔「そりゃそりゃあああああ!!」 美海「………とぉ〜〜…」
焔と風華翔と美海は壁をそれぞれ担当していた。
『これぞ!!ビッグバンだあああああああ!!』
翔「消えろ消えろぉ♪」 焔「消えて無くなれえええ♪」
風華「あっはははは♪」 十代「こっちも綺麗に…うわぁぁ!?」
少々無理な体勢でペンキを塗ったせいで脚立が倒れかける。
その拍子に十代の手から刷毛がすっぽ抜け、翔の顔面に当たり、ペンキまみれの翔。
翔「わっぷ!?なんだよアニキィ。なんてことすんだよぉ〜。」 十代「うわわ。ワザとじゃない!ワザとじゃないって!?」
しかし、翔は聞く耳持たず、ペンキの入ったバケツを掲げて、十代にぶっかけようとする。
三沢「何やってんだお前達!真面目に」 翔「でやああああ!!」
十代「とぉ!!」
翔がペンキを放つ前に十代はジャンプ。
注意した三沢がペンキだらけとなった。
『ぶふっあははははははは!!!』 三沢「…お前らぁぁ…笑うな!!」
三沢は持っていた布を十代に投げつけ、十代はペンキまみれに。
十代「ぶるぶるぶる!!!ぬおおおお!!」
顔を振ってペンキを飛ばした後、刷毛を握って突きの連打を三沢に見舞う。
三沢「なんの!!」
しかし、三沢も負けじと避ける。
そうしていく内に、被害はは広がり、美海以外は全員真っ白になった。
そしてペンキ塗りを終えた一行は…。
三沢「さて、晩飯でもどうだ。俺が奢るぜ?」 アルフ「でも、一応十代君達の罰ゲームなんだよね?」
三沢「それはそうだが…」 風華「だったらさぁ…」
三沢「うん?」
40分後…
三沢「う、美味い!?」
ガツガツガツ!!!
十代「だろ!氷牙さんの料理はギガウマなんだぜ!!」
モグモグモグ!!!
ライ「氷牙さん!豚カツお代わり!」 アルフ「僕はチンジャオロースお代わり!」
風華「私はオムライスお代わり!」 美海「……ハンバーグ。」
十代「海老フライお代わり!」 翔「唐揚げお代わりっす!」
焔「カツカレー大盛りお代わり!」 三沢「じゃぁ俺は、チャーハンお代わり!」
氷牙「おう。ジャンジャン食え!!」
判っていたとでもいうような速さで料理を持ってきた氷牙だった。
晩御飯はレッド寮名物・氷牙の手料理である。
レオ「三沢。部屋がペンキ塗れたてなら、寝る場所はどうするんだ?」 三沢「十代達の部屋に泊めて貰える事になりました。」
氷牙「十代達の?どうせならライ達の部屋の方がいいんじゃないか?」 ライ「そうだな。十代達の部屋は既に三人いるし。」
アルフ「僕達の部屋なら、多少広く使えるよ?」 三沢「いいのかい?」
「「もっちろん♪」」 三沢「じゃ、お言葉に甘えさせて貰おうかな?」
そして就寝時間。
教師部屋。
氷牙「いやぁ三沢みたいに分け隔てない奴がもっといればいいんだがなぁ…」 レオ「そうですね。今のところは、ブルー女子の2割。ブルー男子は青迫、イエローでは三沢を含めた1割程度っすからね…」
氷牙「全く、成績で寮別にするのはいいとして、それイコール格下というのはどうかと思うがな。」 レオ「同感です。」
氷牙「さて、そろそろ寝るか。お休み」 レオ「ええ。お休みっす」
就寝時間ちょっと前…ライ達の部屋。
翔「そういえば三沢君、さっきクロノス教諭と何を話してたの?」 三沢「ああ…寮の入れ替えテストの事でね。」
ライ「寮の入れ替え?」 アルフ「部屋も綺麗にしたって事は…」
十代「三沢…お前…」 三沢「え?」
十代「遂にオベリスクブルーに昇格か!?」 三沢「ま、ま、まだ…」
『うんうん。』
ライ「入試のときだって、すっごく強かったからね」 アルフ「オベリスクブルーに入るのも当然のことだね!」
翔「よかったね!三沢君」
『よかったよかった♪』
三沢「ま、まぁな…」
三沢は苦笑して答えるのだった。
時間を戻して、ブルー男子寮万丈目の部屋にて…
『おい準。判っているだろうな?』 万丈目「はい…長作兄さん、正司兄さん。」
長作「私は選挙戦。正司は銀行の決算で連絡する暇が無かったが…」
正司「勿論…成績はトップなんだろうな?準。兄者は政界でトップ、私は財界で。準、お前はカードゲーム界に君臨し、万丈目一族で世界を制覇するという計画!わかっているな準。」
長作「お前の肩に万丈目一族の未来がかかっているのだぞ。」
そう言って、万丈目の兄達はTV電話を切った。
万丈目「(どうしよう…トップどころか、格下げになりそうだなんて…言えない。兄さん達には…ん?あいつは…)」
ふと窓の外を眺めていると…三沢や十代達がレッド寮に向かっていくのが見えた。
万丈目「(なら、奴の寮は…ハッ!?)」
その時、万丈目の脳裏に、黒い感情が芽生えてしまった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U ( No.162 ) |
- 日時: 2011/03/19 02:02:28
- 名前: 孝
- 真夜中…
タッタッタッタ…
三沢の部屋前…
万丈目「……ん?(なぜ家具が部屋の外に…?まぁいい。どうせ狙いは三沢の机…この中に…あった……これさえ処分すれば…俺は…)」
桟橋…
万丈目「これさえ処分すれば…(これを海に捨て、使えないようにすれば明日のデュエルでは俺の勝ちが決まる…!)」
心の中の悪魔が万丈目に教えたのは、卑劣にして残酷。
万丈目「(だが、なりふり構ってられない。どうしても俺は勝たなければならないのだ、一族の為に、俺自身の為に…!)」
更に悪魔が、さぁ今だ!捨てろ!と、息を殺した叫び声で万丈目の背中を押す。
デッキを海に向かって思いっきり投げようとしたその時、一人の男を思い出す…。
十代『俺は知ってるぜ!昔のお前は、もっと楽しそうにデュエルしてただろ?』
あの決闘馬鹿 遊城 十代の言葉を…。
そして…
紅葉『君、強いね…それに、凄く楽しそうだ。そんな君に、これをあげよう。きっと、君を導いてくれるはずだ。』
唯一尊敬する男 響 紅葉の事を…
……………………。
万丈目の心の中…
俺は今、何をやっているんだ?
自分のエゴの為にデュエリスト魂の結晶とも言えるデッキを、捨てようとしている。
これはエリートがやる事じゃない…! 弱者がやる事だ!
それに彼奴に知られでもしてみろ! 格下げを回避されてもその後にやってくるのは、侮蔑の眼差し…!
どうにかなってしまいそうだッ! …やはり止めよう。
本当のデュエリストは正々堂々と正面から戦い、勝利を掴む者。
それに格下げになったって大丈夫さ…。
あの人は…紅葉さんはそんな事で人の価値を決めるような男では無い事はあの日初めてあった時に理解している…。
デッキも元に戻す…そう考え、海に向けていた視線を外し、踵を返そうとした…。
だがその時だった。
明日香「何をしてるの?万丈目君」
その声に驚いた万丈目は…!
翌朝…
ドンドンドン!!!
トメ「大変だよ!大変だよ氷牙ちゃん!!大変だよ」
購買のオバチャン事トメさんはレッド寮の教員室の扉を叩いて氷牙達を起こしていた。
キィ〜
氷牙「トメさん…こんな早くにどうしたんだ?」
トメ「船の荷降ろしで桟橋に行ってたんだけど…捨ててあったんだよ。こ〜〜〜んなに沢山のカードが!」
トメさんは両手を広げて表現した。
氷牙「カードが!?レオ!起きろ!行くぞ!!」
トメ「氷牙ちゃん!氷牙ちゃん!?」
そう言って風の如き速さで疾走していった。
桟橋…
氷牙「……なんてことだ…」
レオ「破壊輪に…ブラッド・ヴォルス…まさか、此処に捨てられているのは…」
氷牙「三沢の…カード…?」
十代「はぁはぁはぁ!!!氷牙さーーーん!!」
十代達が氷牙と合流した。
三沢「これは…迂闊だったぜ。このデッキは、昨日廊下に出していた机に入れてあったんだ。」
アルフ「いったい、誰がこんな事を……」
ライ「折角、オベリスクブルーに昇格のチャンスだったのに…」
氷牙「……」
氷牙は上着と靴を脱ぐと、海に飛び込んだ。
三沢「氷牙先生!?」
レオ「先輩!?」
バシャバシャ…
氷牙は海に漂うカードを拾い集めた。
十代「俺も手伝う!」
ライ「俺も!」
アルフ「僕も」
レオ「俺もだ!」
三沢「トメさん。何か拭く物をお願いします。」
トメ「ああ。わかったよ!すぐに持って来るからね!」
三沢「よっ!」
そういって、皆海に飛び込んでカードを拾い集めた。
数分後…
氷牙「……やはり駄目か…」
氷牙はデュエルディスクにカードを読み込ませようとするが、水に浸かっていたせいで、反応しない。
40枚のカードはかろうじて全部集める事は出来たが、これではデュエルに使用出来ない。
翔「まずいっすよ…もう試験まで時間が無いっすよ。どうするんすか三沢君!」
氷牙「………ゆるせねぇ…カードを捨てるような真似をするような奴が、このアカデミアにいるとは……」
レオ「せ、先輩?」
氷牙「……………犯人見つけ出して"ぶち殺す"」
レオ「タンマタンマタンマ!!落ち着いてください氷牙先輩!?」
氷牙「俺は十分に落ち着いているぞレオ。」
氷牙はそう言うが、すでに目のハイライトが消えている時点で臨界点突破している。
レオ「いやいやいや!!殺しちまったら本末転倒ですって!別の方法を考えましょうよ!?」
氷牙「………わかった。なら犯人を見つけ次第"絞める"」
レオ「表現変えただけで意味が同じじゃ意味無いでしょうが!?」
静寂を包み込むデュエル場、周りには観客など一人も居らず、クロノスと万丈目以外誰も居ない。
万丈目「……………………」
クロノス「どしたノーネ、緊張してるデスーノ?」
先ほどから一切喋らず腕を組んでいる万丈目が気になるか、クロノスが心配そうに見つめる。
万丈目「いえ…何でもありません」
万丈目は只淡々と応える、自らの心情を悟られないようにする為に。
万丈目「(糞…。俺は…なんてことをしてしまったんだ。いくら格下げになるとは言え…あんな…)」
万丈目は頭から昨日の事が離れない…
徐々に過ぎていく時間に焦りと期待が宿る。
このまま三沢が来なければ、昨日の事が何事も無かった事になればと…まるで隠し事が親にバレませんようにと考える子供のように。
万丈目「(だがあの時、天上院君に確かに見られた…その望みは小さいだろう。)」
万丈目の心は沈む一方だった。
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