Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.183 ) |
- 日時: 2013/03/09 10:30:20
- 名前: カイナ
- ヒュー……ドドーン……という音と共に空に開く大輪の光の花――花火。カイは人気のない場所で静かに花火鑑賞をしていた。
カイ「……」 ウィンダ[わーすごーい! どんな魔法で空にあんな綺麗な爆発作ってるんだろー……] カイ「魔法じゃねえ。この世界の科学ってもんだ。ま、化学とも言えるかな?」 ウィンダ[ふ〜ん?]
ライコウ[ワンッワンッ!] カノンノ「あははは。ほ〜らこっちこっち〜」
もっとも、正確には一人ではなく、彼の恋人であるカノンノは一匹の犬――ライトロード・ハンターのライコウ――と戯れており、カイは少々薄い緑色――と言ってもカイの髪色より少し濃いくらいだ――の髪をポニーテールにし、白のワンピースを着てその上に薄茶色のローブを身に纏った少女――ガスタの巫女ウィンダ――と花火鑑賞を行っている。ちなみにウィンダとライコウは半透明の姿であり、一般人からは見えない存在。ゆえにカイとカノンノはそれを考慮して人気のない場所に陣取り、さらにカイは辺りに人の気配がないか常に気まで張っていた。まあカイはまだ独り言を喋ってるようにしか見られないがカノンノは端から見れば一人でこっちこっち〜とやって何かと戯れている相当痛い少女になってしまうため当然の処置だ。その尽力もあり元々人気がない場所であるためか辺りに人気はカイ達を除いて全くない。
ウィンダ[ね、お兄様] カイ「ん?」
その時ふとウィンダが口を開き、カイもなんだと言いたげに彼女の方に目をむける。
ウィンダ[この世界って楽しい?] カイ「……ま、色々面倒事はあるがそれなりに楽しいかな」
ウィンダの言葉にカイは花火を見上げながら声を漏らす。それにウィンダはふふっと笑う。
ウィンダ[そ、よかった] カイ「それがどーした?」 ウィンダ[ん〜ん、聞いてみただけ。楽しく過ごせてたらいいな〜って]
カイはウィンダの問いにどこか間延びした声で聞き返し、それに彼女は首をゆっくりと横に振って返した後にこっと綺麗な微笑みを見せる。その時花火が空で花開いた。
ウィンダ[だって私、お兄様の事大好きだもん] カイ「……そいつぁどうも」
まるで輝くような無邪気な微笑み、それを見たカイは照れたように彼女から目を逸らしてそう呟く。
カイ「あいだだだだだ!?」
直後彼の悲鳴が上がった。カイの頭の上にいつの間にかライコウが齧りついている。
カイ「いだだだ犬っころテメエ離せだーくそ精霊だから触れないつかどうやって齧りついてんだテメエ!? カノンノ頼むライコウを止めてくれ!!」 ライコウ[がうがうがう!!] カノンノ「ふーんだ」
カイはどういう現象を起こしてカイに噛み付くという物理的現象を起こしているのか分からないライコウに悲鳴をあげ、カノンノに止めるようお願いするがカノンノはほっぺを膨らませてぷいっと顔を背ける。どうやらカイがウィンダと仲睦まじく話していた事に嫉妬しているらしい。 それからカノンノが機嫌をなおすのに数分ほど要し、カイはようやくライコウの牙から解放されるとぜえぜえと息をつく。そしてはぁと息を吐くとちょうど締めの連続花火が次々とうち上がっていく空を見る。
カイ「さて、そろそろ戻るぞ。ウィンダとライコウもカードに戻れ」 ウィンダ[はーい] ライコウ[ワウッ!]
カイの指示を聞いた二人――正確に言えば一人と一匹――の姿が消えていき、それを確認してからカイとカノンノもその場を離れ歩いていった。
一方こちらは十代とヴィヴィオ。二人はヴィヴィオは空に咲く花火を見上げ、十代は焼きそばやフランクフルトを食べていた。
ヴィヴィオ「代ちゃん、よく食べるね……」 十代「ほらふっとやきそばふふっへへほのはほはふへふはいはいへへてふうひははふぁっふぁふぁらふぁ」(そりゃずっと焼きそば作ってて、その後はデュエル大会出場で食う暇なかったからさ) ヴィヴィオ「代ちゃん、食べながら喋るのは行儀悪いよ……」
ヴィヴィオは十代の方に目を向けて苦笑しながら声を漏らし、十代は焼きそばとフランクフルトを同時に口に入れながらそう言う。それにヴィヴィオは呆れたように返した。
ヴィヴィオ「ま、いいや。私もわたあめ買お」
そしてヴィヴィオも近くの屋台でわたあめを買って食べ始める。本人達――特に十代――に自覚があるのかは分からないがほのぼのとお祭り食い歩きデートを楽しむ二人なのであった。
また一方こちらは花火大会と同時に行われている踊り会場。こちらではレオが太刀を、ライが太刀と小太刀の二刀を手に剣舞を行っており、メリオルは扇子を手に日本舞踊を行っていた。ちなみに全員着物を着用、その中でもレオは右半身を露出させるように着物を脱いでおり鍛えている肉体を存分に見せつけている。メリオルの舞踊も所作に色気があり、男性陣の眼を釘付けにしていた。
ツァン「……何やってんのこいつら」 アルフ「客寄せの踊り。本当は僕も剣舞をする予定だったんだけどライのパートナーのエルフィが来れなくなっちゃったから急遽父さんとライの剣舞に変更になっちゃったんだ。まあ僕剣は苦手だったから別にいいんだけど」
ツァンの言葉にアルフはさらっとそう返す。と曲が進んでいきレオとメリオルの剣舞に演目が変わったのかメリオルは扇子を両手に一本ずつ持ち直してレオの太刀を前に彼と剣舞を初め、ライはバク宙を決めて壇上から降りるとツァン達の元に戻っていった。ちなみに二刀は手に持ったままである。
ライ「ふ〜、久々に動いた動いた」 アルフ「ご苦労様」 ツァン「あんたよくあんな踊れるわねぇ……」 ライ「ツァンさんもやる?」
ライの満足そうな笑みでの言葉にアルフは笑顔で労を労い、ツァンはそう声を漏らすとライはそう言って小太刀を彼女に手渡す。
ツァン「……け、結構重いわね」 ライ「あ、気をつけてな。それ真剣だから」 ツァン「!?」
小太刀を受け取ったツァンはそれを無造作に振りながら驚いたように声を漏らすが、彼女が刀を下ろしている時にライがさらっとそう言うとツァンは弾かれたように小太刀から手を離して数歩後ずさる。小太刀は地面に落ち抵抗なく土に突き刺さるように沈む。
ツァン「し、し、し、真剣ってあんた! 銃刀法違反じゃない!?」 ライ「父さんが銃刀法免許持ってるし、一応氷牙さんと剣一さんに許可取ってるから問題ないよ。ま、何かあっても氷牙さんが揉み消すし」 ツァン「こら!」
ツァンの顔面蒼白にしながらの言葉にライはさらっとそう言い、ツァンは声を上げるが直後気づいたように壇上のレオを見る。
ツァン「って、まさかあれも!?」
そう言ってツァンが指差すのはメリオル向けて鋭く刀を振るうレオと、それを紙一重でかわしているメリオル。
ライ・アルフ「「うん」」
それに双子はあっさり頷き、ツァンはひっと唸る。
ツァン「い、一歩間違ったら大惨事じゃない!?」 ライ「ふっ、風雷流を舐めてもらったら困る。その剣術には踊りから実戦用剣術に昇華したものさえあるんだからな」 アルフ「まあ万一何かあっても氷牙さんと鏡夜さんがいれば死にはしないよ……僕もあの時は危なかったなぁ、傷が残らなくてよかったよ……」 ツァン「な、何があったの!? いややっぱり聞きたくない!!」
ツァンの顔を真っ青にしながらの言葉にライは得意気な笑みを見せながらアルフはまたあっさりとした顔で返す。しかしその直後アルフの漏らした台詞にツァンはまたひっと唸って声を上げた後耳を塞いでぶんぶんと首を横に振って叫んだ。 とりあえずそんなこんなで今年のお祭りも終わっていく。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.184 ) |
- 日時: 2013/03/10 00:03:18
- 名前: 孝(たか)
- 夏祭りも盛況の内に終わりを迎え、この日は終了した。
翌日は撤収作業に費やされる事だろう・・・主に雷堂組の下っ端が。
それから数日・・・
夏休みも残り1週間を切り、そろそろアカデミアに帰る日が近づいて来た。
そんな日の朝・・・
氷牙家の場合。
『『『いっただっきまーーーす!』』』
氷牙・凛・神鈴・ヴィヴィオ・カイ・カノンノ・準・十代・紫・ツァンは一同に会して朝食を食べていた。
因みに、本日のメニューは・・・白米、鮭の塩焼き、大根と揚げの味噌汁、鶉の目玉焼き、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう、納豆、となっている。
日本の良き朝食と言えるだろう。・・・・・・どう見ても日本人の比率が少ないと思うが、其処は気にしてはいけない。
ツァン「・・・ここにきてもう3週間。もうすぐ夏休みも終わるわねぇ」 紫「そうですね。ツァンさんのご実家の方も緑豊かで過ごしやすいですが、ここ海鳴も同じ位過ごしやすかったです。」
それはそうだろう。ここ、海鳴は海・山・川・商店街。更には温泉と至れり尽くせりの街なのだ。 都会でありながら田舎の良き部分も残す大変珍しい地域である。
氷牙「それは良かった。身体が弱いと通達は受けていたが、その様子なら大丈夫そうだな」 紫「先生方のおかげで、体調も良好です。本当にありがとうございます。」
心かから感謝の意を込めて氷牙と凛に笑顔で答える紫。 そんな笑顔を見て、一同はほっこりとした気分になるのだった。
十代「ハグハグハグハグ・・・ガツガツガツガツ!氷牙さんおかわり!」 氷牙「へいへい。ほらよ。まだ沢山あるから、急いで食う事ないだろう?」
氷牙はいつもながらの十代の食欲に苦笑しながらも御飯を大盛りでよそう。
十代「いやぁ〜実はまだ宿題が一つ残っててさぁ・・・がっつり食って、さっさと終わらせて昼に備えないとって思って!」 氷牙「昼?何かあったのか?」
どこかに用事でもあるのかと首を傾げながら聞き返す。
十代「実は昨日、士郎さんに会ってさ。今日はサッカーの試合があるから久々にどうかって誘われたんだよ。で、偶にはサッカーも良いかなぁって思って!」 氷牙「なる程な。まだまだ暑い日が続くから、水分補給だけは怠るなよ?」 十代「当然!」
そう言って、十代はお椀を受け取るとまたガツガツと飯を平らげていった。
カイ「・・・いつ見ても惚れ惚れするぐらいの食い気だな。」 カノンノ「そうだねぇ〜でも、分からなくもないかな。凛さん達の御飯、すっごく美味しいから!」
そう言って、カノンノは味噌汁を啜る。
カイ「確かに。特にこの味噌汁。一口すするだけで爽やかな味が広がって何とも・・・毎日食べてるのに飽きが来ないところが凄いな。」 凛「でも、この味は結構単純な作りなんですよ?」
カノンノ「そうなんですか?」 凛「ええ。ただ、皮を剥いたトマトを丸ごと入れてるだけなんですよ?」 カイ「トマト!?具じゃなくてダシ扱いですか!?」
まさかトマトでこの様な代物になるとは思いもよらなかったようだ。
準「(やはり、日本人は和食だな。洋食も良いが・・・)」 ヴィオ「(うんうん。いつもの日常。)」 神鈴「(鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま鏡夜兄さま)はぁ〜落ち着く。」
言っている事と思っている事が単純すぎるのが1名いるが気にしてはいけない。
『『『御馳走様でした!』』』 「「はい。お粗末さまでした。」」
雷堂家の場合。
『『『いただきます』』』 剣一「おう。たんと食え。」
桃、風華、美海、鋼希、黒亜、佐助、焔、剣一の8人での朝食は、意外と静かなものだった。
いつも騒がしい事が当たり前の風華ですら黙々と食事をとっているのがその証拠だ。
剣一「ところで、お前達は宿題は終わったのか?」 桃「勿論、終わらせました」 美海「・・・抜かりない。」 風華「な、なんとか・・・」汗
女子組は終わらせている模様。
鋼希「当然終わっている。」 佐助「大丈夫でござるよ。」 黒亜「当然だ。今になって終わっていないなんて十代とライ位のものだ。」 焔「だろうなぁ・・・」
どうやら雷堂一家は全てやる事は終えているようだ。
お前ら本当に14歳か?
剣一「それは良かった。んで?今日は予定とかあるのか?」
雷堂一家は今日も普通に過ごすようだった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.185 ) |
- 日時: 2013/03/18 19:58:34
- 名前: カイナ
- そして時間が過ぎて昼過ぎ。十代、ライ、アルフ、ヴィヴィオ、ツァン、紫、そして暇だからとついてきたカイとカノンノは海鳴市のグラウンドにやってきていた。ちなみに紫は日傘――特注のかなり軽い素材を使っているらしく、少し持たせてもらったライ曰く「箸より軽い」――を差している。と、グラウンドで腕を組んで何か考え事をしていた男性が十代達に気づく。
??「やあ、十代君、ライ君、アルフ君。それにヴィヴィオちゃん、久しぶり」 十代「お久しぶりです。士郎さん」 アルフ「どうかしたんですか?」
男性――士郎の挨拶に十代も挨拶を返した後アルフが尋ねる、と士郎は参ったような笑みを浮かべた。
士郎「いや、今日サッカーの試合があると言ったね? それで、今日に限ってレギュラーの何人かが風邪を引いたり夏休みの宿題が終わってないから母親から外出許可をもらえませんとか、夏休みの帰省ラッシュに巻き込まれたりとか、色々あってね。今日暇な控えメンバーや十代君、ライ君、アルフ君を入れるとしてもあと一人が足りないんだ」
十代「あと一人か」 ライ・アルフ「「あと一人……」」
士郎の言葉に十代とライ、アルフはそう声を漏らし、ふと一つの方を見る。そこにいるのは少々おぼつかない動作でリフティングをしているカイの姿。するとカイは視線に気づいたのかボールを蹴り上げ、両手でボールを掴んだ。
カイ「なんだ?」 十代「カイ、お前ってサッカー出来るか?」 カイ「ん? まあ一応」 十代「よし。じゃあ試合出ろ!」
十代はカイがサッカーを出来ると知るや否やそう言いだした。
カイ「……は?」
それにカイがそんな呆けた声を漏らすのは、まあしょうがないということにしておこう。 それから十代、ライ、アルフ、そして助っ人に引き込まれたカイは翠屋JFCのユニフォームに着替え、翠屋JFCの練習に参加。十代達三人は旧友に「久しぶり」と挨拶したりされたりしており、カイは着慣れないユニフォームに少しでも慣れるためかランニングやダッシュなどを行っていた。そして試合開始時間になり、十代達が相手チームに顔を見せると相手チームはざわついた。
相手A「ば、馬鹿な!? 翠屋JFCの誇る暴走特急、遊城十代!?」 相手B「その遊城十代に唯一ついていける化け物フォワード空時ライと鉄壁のキーパー空時アルフまで!?」 相手C「し、しかも見慣れない外人選手までいるぞ!?」
十代「よっ、夏休みだから戻ってきたんだ。今日一日久々にデュエリストじゃなく翠屋JFCプレーヤーだ。楽しい試合(デュエル)をしようぜ!」
どうやら三人は元翠屋JFCプレーヤーとして謎の異名が付いているらしく、さらに見覚えのない外人選手――カイもめっちゃざわつかれていた。すると十代はにししっと笑みを浮かべながらそう元気な声を出す。しかし試合をデュエルと読む辺りやはり彼はデュエリストだ。
ヴィヴィオ・カノンノ「「ごーごー翠屋JFC! ふぁいとー!」」 ツァン「ファ、ファイトー……ライ、頑張れー……」 紫「頑張ってくださーい」
そして翠屋JFC側のベンチではヴィヴィオとカノンノ、ツァンが応援しながら即興で応援のダンスも見せていた――ちなみにツァンは恥ずかしいのかうつむき気味の顔が赤く、ついでに呟くような声でライに頑張れと漏らしているが当然聞こえていない。また紫は流石に病弱だから踊りこそ出来ないが応援の声は出していた――。それに翠屋JFCメンバーのテンションも上がっていく。
審判「試合開始!」
審判がそう叫んでホイッスルを鳴らす。と同時に相手チームが一気に突っ込んでいき、レギュラーが何人か不在な事が関係しているのか連携の隙をついてゴール前まで突進、先手必勝といわんばかりにシュートを叩き込む。
アルフ「おっと!」 相手C「だーくそっ!! 全員下がれ!!!」
しかしそれをアルフがあっさりキャッチ、シュートを防がれた相手はすぐさま叫び、同時に相手は全員下がって防御に走る。そしてアルフはボールを軽く下に落とす。
アルフ「ふううぅぅぅっ……」
そしてボールは地面で跳ね返ってとんっと小さくバウンドし、アルフはそれを見ながら息を小さく吐く。
アルフ「ちぇりゃあああぁぁぁっ!!!」
雄叫びと同時に放たれる蹴りとそれにぶっ飛ばされるボール。それはまるで某見た目は子供頭脳は大人な小学生探偵が某キック力増強シューズを使っている状態で放ったシュートの如く勢いよく吹っ飛び、それでもなお相手ゾーンを走っている十代が楽にキープできる精密性を見せていた。
十代「うっしゃあっ!!!」
十代はボールをキープすると一気に凄まじい勢いのドリブルで突っ込んでいく。怪我など一切考えないよく言えば勇敢、悪く言えば猪突猛進なプレイスタイル。それが彼が翠屋JFCの誇る暴走特急と呼ばれる所以だ。なおこれで一度骨折し入院したこともあるのは余談である。
相手A「と、止めろ!!」
その恐ろしさを身を持って知っている相手チームは三人がかりで十代に襲い掛かる。
十代「ライ!」
すると十代は彼の横をついて走っていたライに鋭くパスをし、ライもボールを受け取ろうとする。しかしそれは相手も予想していたのか十代を狙っていた男子の一人がライにスライディングでかかっていった。まあ正確にはボールを狙っているものなのだが。
ライ「っと」 相手B「うあっ!?」
しかしライはボールが来た瞬間それを軽く上空へと蹴り上げ、相手の狙いを外させる。そして自分にかかってきた相手二人を見るとにやりと笑い、落ちてきたボールを素早く踵で再び上空に蹴り上げた。
相手D・相手E「「のあっ!?」」 ライ「あらよっと」
そしてライ自身も側転で相手をかわしつつボールをキープという荒業を見せ、体勢を戻すとボールがぽんっとバウンドするのを横目で見てワンステップ踏みつつ十代が相手を抜かすのを見てから十代にボールをパスし、自らもまた彼のサポートに走り出す。暴走特急十代に唯一ついていける、それは走力だけでなく彼のプレイに反応し的確にサポートできるかという意味合いも含まれていた。
十代「もらったぁっ!!!」 相手GK「お前がデュエルに明け暮れている中俺は必死にキーパーとして鍛えていたんだ! やすやすと点は取らせん!!」
ついに十代はキーパーと一対一になり、十代が声を上げると相手のゴールキーパーも叫ぶ。
十代「フレイム・シュートォ!!!」
二人の視線が交差し、十代が叫び声と放ったシュートはその掛け声通りスピードのあまり空気との摩擦で燃え始める……事こそないがかなりの勢いでゴール目掛けて飛んでいく。しかしゴールキーパーは必死にボールへと飛びつき、その宣言通りキャッチこそ敵わないがどうにかボールを弾いた。ボールはゴールの外の方に飛んでおり、このままならコーナーキックに持ち込めるはずだ。
カイ「よっと」 相手GK「!?」
そこにジャンピング回し蹴りでシュートを叩き込んだのはカイ。全く気配を感じ取れなかった彼の存在に相手のゴールキーパーどころか十代まで目を丸くしていた。
カイ「まずは一点っと」
そしてカイはそう言ってひょいひょいと戻っていく。
十代「カッカカカカイッ!? お前いつの間にいたんだよ!?」 カイ「ん? お前とライが正面から突っ込んでる隙に気配を消してこそこそと」 十代「忍者かよお前は!?」 カイ「ま、似たようなもんだ」
そんなカイに十代が驚きのまま叫ぶとカイはあっさりそう言い、それを聞いた十代がツッコミを入れるとカイはまたあっさりそう返して戻っていった。
翠屋JFC選手A「さっすが十代にライ! 翠屋JFC最強のツートップ!」 翠屋JFC選手B「しかもあの助っ人も強いぞ! 流石外国人選手!」 翠屋JFC選手C「でも俺達も負けてらんねえ! 行くぞ!!」
十代とライ、さらには助っ人として参加したカイが一気に得点をあげたのに翠屋JFCの選手が盛り上がり、流れは翠屋JFCへと傾く。
そんなこんなで試合は進んでいった……。
審判「試合終了! 4対0で、翠屋JFCの勝利!」
両チーム『『ありがとうございました!!!』』
結果的に大勝利。守りではアルフが武術で鍛えた反射神経と身体能力、そして意外に恐れを知らない性格からとんでもないシュートを連続でセーブ、スローだろうとキックだろうと十代達に的確にボールを渡して反撃の狼煙を上げ、十代とライがツートップで攻めていき、カイは持ち前の素早さでフィールド内を駆け回り攻守に渡って活躍していた。 試合終了後、十代達四人はチームメイトにもみくちゃにされ、ベンチの方でヴィヴィオとカノンノは「いえーい」と言いながらハイタッチ。ツァンは十代につられて無茶苦茶な攻めをしていたライが多少泥で汚れてるとはいえ怪我をしていないことを遠目で確認するとほぉっと安堵の息をつきながらベンチに座り、紫はそれを横で見ながらにこにこと微笑んでいた。 そして翠屋JFCメンバー&急遽結成されていた応援団は士郎の経営している喫茶店[喫茶翠屋]で祝勝会及び十代達アカデミアの新学期も頑張れよパーティを行い、その場は解散。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.186 ) |
- 日時: 2013/03/18 19:59:09
- 名前: カイナ
- また数日後、彼らはアカデミアに向かうフェリーでアカデミアへと戻ることになっていた。
十代「あーっ! あっという間の夏休みだったなー」 ライ「もっと休みでも良かったんだけどな」 エルフィ「ふふ。楽しいこと一杯でよかったわね」 アルフ「うん、まあね。ところでエルフィ、なんかさっきから殺気を感じるんだけどさ……」
十代とライが伸びをしながら言うと船内で合流したエルフィがふふっと笑いながら返す。それにアルフも微笑みながら言った後自分の背中に感じる殺気についてエルフィに尋ねる。
エルフィ「ああ、気にしない気にしない。あ、ところでツァンさんと紫さんだっけ? これから似たもの同士よろしくね。特にツァンさん」 ツァン「なっななな何が似たもの同士なのかボクにはさっぱり分からないわねあはははは!!!」
エルフィは殺気の正体――今ライ達の背後の物陰に隠れて彼らを睨みつけている大庭ナオミ――の方をちらりと見て、笑ってアルフに返すと次にツァンの想いを察したのか彼女に対し悪戯っぽく笑いながらそう言い、それにツァンはぎくっというリアクションを取った後誤魔化すようにまくし立てて誤魔化すように笑い出した。ライはそれを見てきょとんといわんばかりに首を傾げ、その時フェリーが汽笛を鳴らす。
エルフィ「さてと、出港するみたいだし船室に戻ってお互い夏休みの話でもしましょうか」 十代「おう! それとアカデミアに戻るまでデュエルしようぜ!!」
エルフィの言葉に十代も頷いた後、わくわくといわんばかりの表情でそう続ける。そして彼らはフェリーの船室に戻り、フェリーはアカデミアに向けて出港していった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.187 ) |
- 日時: 2013/03/23 07:20:35
- 名前: 孝(たか)
- アカデミアに戻り、数日の刻が経過した。
夏休み最終日にはレッド寮のメンバー全員で十代の誕生日会を催したり・・・
九月に入り始業式を終えて教室に戻ってみるとオベリスクブルーの補習組だったもの達に生気が無かったり・・・
十代とヴィヴィオに夏祭りで獲得した商品が届いたり・・・
大徳寺先生の提案で課外授業に参加したり・・・ その時に不思議な出来事を体験したりと目白押しだった。
そんなある日・・・。
氷牙「・・・で?そのペンダントを受け取ったと?」 十代「そうなんだよ。」
そう言って十代は氷牙から半分に割れているペンダントを返して貰う。
レオ「で。この人は?」 ヴィオ「なんでも、代ちゃんが持ってるペンダントの片割れを持ってる人を探しにこっちに来たの。」
そう言ってレオが視線を向けた先には褐色の肌の若い女性が居た。
サラ「墓守の暗殺者サラと言います。どうぞよろしく。」 氷牙「ん。宜しく。だが、暗殺者ってのは伏せような?物騒だから。・・・仕方ない。レオ、警備のアークライトに連絡。新人一人追加って事で。」
暗殺者と言う事は戦闘技術と警備には自信があるだろうと思い、警備員の人員として雇わせようと言う事だろう。
レオ「あ〜なるほど。了解っす!」
そう言ってレオはアークライトに連絡を取り、そのままサラを連れて警備室の方へと向かった。 その際、警備員のブレイドにだけは何かされたら容赦しなくてもよいと伝えていた。
それからというもの、十代は受け取ったペンダントは常に身につける様にしていたし、サラは警備員の仕事を全うし、仲間達は日々デュエリストとして精進していた。
そんなある日・・・
十代・翔・ライ・アルフ・エルフィ・焔・ヴィヴィオ・風華・美海・三沢・万丈目・神楽坂・明日香・カイ・カノンノ・カイザー亮・氷牙・鏡夜・凛・レオ・メリオル・剣一・クロノスの総勢23人という大所帯で校長室に呼ばれていた。
氷牙「校長。いきなりの召集の用件とは?」 鏡夜「なんだか重々しい空気が漂ってるんですけど・・・?」 鮫島「ええ。今回の招集は、このアカデミアにとってとても重大な事なのです。」
2人の疑問に答える様に、鮫島校長は語り出す。このアカデミアに封印されている凶悪なカード。
”三幻魔”について・・・
鮫島「このアカデミアには、”三幻魔”と言う恐ろしいカードが封印されています。」 氷牙「三幻魔・・・・・・まさか!神のカードをモチーフとして作られたと言うあの!?」
氷牙達教師陣の内何名かはペガサスとも個人的な繋がりもある為、デュエルモンスターズの知識はかなりのモノを持っている。 その中には、当然三幻魔の事も含まれる。
鮫島「流石ですね。氷牙君の予想している通りですよ。そして、三幻魔を奪おうと言う集団からの挑戦状が届きましてね。」 剣一「挑戦状?何故にそんな事を?こっそり忍びこんで盗み出せば楽な筈・・・」
剣一の言うとおり、わざわざ挑戦状など叩き付けなくとも忍びこめばいいだけの話である。
鮫島「そう言う訳にもいかない事情があるんですよ。三幻魔の封印を解くには、7つの鍵を必要とし、その鍵はデュエルで勝利して手に入れなければならないという制約があるのです。」 剣一「あ、そう言う事ですか。納得です。」
それで納得するのもどうかと思うのだが、デュエルが必要となるのなら仕方ないのだろう。
鮫島「そして、これがその鍵・・・七星門の鍵です。」
鮫島はトランクケースを取り出し、皆に見える様に開く。
鮫島「右から順に、”強欲の鍵””色欲の鍵””暴食の鍵””怠惰の鍵””嫉妬の鍵””傲慢の鍵””憤怒の鍵”です。」 鏡夜「それって・・・七つの大罪?」
校長の説明で、鏡夜は表情を驚愕に固めながら問う。
鮫島「そう。七つの大罪です。七星門の鍵とまとめられているのに、個別に罪悪の名を持たせるとは全くもって不謹慎ですが、理にかなっていると言えばそれまでです。」 十代「七つの大罪・・・って何だ?」
そこで空気を壊す様に聞く十代。まぁ重苦しい空気に耐えられなかったからだろうが、空気は読んでほしいものである。
三沢「七つの大罪って言うのは、キリスト教の教えの一つで、人間を堕落させる要因たる感情や特性、欲望の事だ。」 十代「ふ〜ん。そうなのか?」
そんな十代に歩くウィキペディアな三沢が簡単に説明する。
氷牙「もしかして、その鍵をかけてデュエルしろと?」 鮫島「そうです。デュエルによってこの鍵を、外敵・セブンスターズから守るとこ。それこそが私が君達に頼みたい事です。」
セブンスターズ。それこそが挑戦状の送り主集団の名である。
氷牙「・・・事情は判りました。しかし、生徒を巻き込むのは反対したい所です。」 鮫島「私も、本来なら生徒達を巻き込みたくはないのですが・・・七星門の鍵を守る事が出来るのは君たちだけと判断した苦渋の決断なのだよ。」
校長は苦々しく思いながら吐き出す。その手はきつく握り締められており、血が流れている程だ。
鏡夜「・・・・・・分かりました。」 氷牙「鏡夜!お前!?」 鏡夜「幸いな事に、僕達教師陣だけで7人居ます。この7人をリーダーとして、3人一組のチームを組んでセブンスターズ戦に当たります。」
鏡夜は妥協案としてスリーマンセルで臨む事にしよう提案する。
レオ「・・・なる程、つまり俺達でセブンスターズを倒し、もしも破れた場合の保険として生徒を連れるって事ですか?」 鏡夜「そう言う事。僕だって、生徒達を傷つけたくはない。だから、僕達は負ける訳には行かない!」
鏡夜はいつもののほほんとした表情ではなく、凛々しい表情で答える。
剣一「確かに、守るための戦いなら、負ける訳にはいかねぇもんな。」 メリオル「やる気も出るってものね。」 凛「そうですね。私達だけで守り通せれば良いですが、万が一を考えると、その方が良いですね。油断せずに行きましょう!」
そうして、教師陣が一致団結を見せるのだった。
鮫島「皆さん・・・ありがとうございます!」 氷牙「・・・・・・必ず。守って見せます。鍵も、生徒も!!」
そうして、2時間程の時間を要してチームを分ける。
七星門・憤怒の鍵=氷牙・カイ・ヴィヴィオ・カノンノ
七星門・強欲の鍵=凛・十代・焔
七星門・嫉妬の鍵=レオ・ライ・エルフィ
七星門・暴食の鍵=鏡夜・万丈目・明日香・神楽坂
七星門・怠惰の鍵=メリオル・翔・美海
七星門・色欲の鍵=剣一・三沢・風華
七星門・傲慢の鍵=クロノス・カイザー亮・アルフ
となった。
因みに、名前の並びは戦績で選ばれており、例を挙げるならもしも氷牙が負ければカイが、カイが負ければヴィヴィオがと言う様になっている。
因みに、もしも相手がタッグやバトルロイヤル形式で仕掛けてきた場合の事も考慮してデッキのシナジーも合わせている。
特に、クロノスチームは機械で統一されているので誰と組んでも事故は少ないであろう。
ついでに言うなら、出来るだけ男子陣が先に戦う様にしてもいる。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.188 ) |
- 日時: 2013/03/27 14:52:27
- 名前: カイナ
- それから夜。レッド寮にいるメンバー、十代、翔、隼人、ヴィヴィオ、ライ、アルフ、エルフィは食堂に集まっており、その中で翔はううぅっと声を漏らしていた。
翔「う〜、鍵の守護者を引き受けたのはいいけど、いつ襲われるかと思うと怖くてしょうがないっす……」 十代「大丈夫だって。なんたってここには俺や氷牙さんがいるんだからな! それに、翔のチームの大将はあのメリオルさんだぜ? むしろセブンスターズを罠に嵌めるくらいやりそうじゃん」 翔「いや、アニキの中でメリオル先生ってなんなんすか……」 エルフィ「私以上に腹黒い策謀家?」 ライ・アルフ「「それだ」」
翔の言葉に十代がにししと笑いながら返すと翔はメリオルをなんだと思ってるんだとツッコミを入れ、それにエルフィが首を傾げながら返すとライとアルフは声を合わせる。
翔「あの〜。それエルフィさんが腹黒いって認めてるようなものな気が……はぁ〜、カイ君は夜の散歩に出かけちゃったし全く暢気っすよね……」 レオ「すか〜……」 隼人「レオ先生も寝ちゃってるんだなぁ……」
翔はこんな状況にも関わらず「散歩」と一言だけ言って寮を出て行ったカイを思い、隼人も食堂の壁に背を預けて暢気に寝こけているレオにも呆れたような目を向ける。と夜食を作っていた氷牙が調理場から顔を出した。
氷牙「まあ、無闇に気を張っていても疲れていざ襲われた時に全力を出せなくなるだけだ。少しは気を抜いとけよ。それにレオが寝ているのはイコール安全って意味でもある」 翔「え? そうなんすか?」
氷牙の軽食をテーブルに並べながらの言葉に翔は声を漏らし、氷牙は十代達が軽食に口をつけているのを見た後レオを見据える。
氷牙「こいつは伊達に武術家を名乗ってはいない。眠っていようが辺りの殺気には敏感、このレッド寮に何者かが襲い掛かる気配があればすぐに気づいて目を覚ます。つまり、こいつが眠っている今レッド寮の周りに刺客はいないという逆説的な証明になるわけだ。実際、俺が感じ取れる限りでも辺りにここに襲いかかろうとする気配はない」 翔「なんかセンサーみたいっすね」 ヴィヴィオ「でも性能は確かだよ。むしろ眠っていながらの気配察知ならレオさん、パパ達の中で一番かも」
氷牙の言葉に翔がレオを見ながら漏らすとヴィヴィオは食事をしながらそう返す。
凛「こんばんは〜」 氷牙「よう、凛。どうしたんだ?」
そこに入ってきた女性――凛に氷牙は笑みを浮かべながら挨拶し、どうしたと尋ねる。と食堂に明日香が入り、凛は明日香を示す。
凛「明日香さんがレッド寮に向かうって言うから一緒に来たのよ。女子メンバーはメリオルが目を光らせてるわ」 氷牙「へえ。なんか用なのか?」 明日香「用、という程でもありませんが。さっきの会議で十代は強いやつから倒していく、と言ってたけれど私なら弱いものから確実に倒していく。そうなると、十代や氷牙先生が弱いとは言いませんがこの学校の序列最下位の寮、レッド寮のメンバーが狙われるのではないかと思い、忠告に」 氷牙「なるほどな。そんくらいなら電話で事足りるだろうにご苦労さん」 明日香「あっ……」
凛の言葉を聞いた氷牙が明日香に用件を尋ねると彼女は冷静にそう言い、それを聞いた氷牙はふんふんと頷いて彼女に礼を言い、彼の言葉を聞いた明日香は思いつかなかったといわんばかりに声を漏らす。するとその時レオが突然目を開き、その直後食堂を奇妙な光が包み込んだ。
十代「な、なんだ!?」 氷牙「くっ!? 凛! ここから離れろ!!」 凛「! は、はいっ!」
十代が慌てたように声を上げると氷牙は咄嗟に凛に離れろと叫び、凛はその指示の意味に一瞬で気づいたのか頷いて素早く食堂から飛び出す。と同時に光は一瞬強く瞬いたと思うと消えていき、その後の食堂には誰も残っていなかった。
凛「……」
それを確認した凛はすぐに携帯電話を開き、今は女子寮にいるはずのメリオルに連絡を取りつつ一番近いイエロー寮に走っていった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.189 ) |
- 日時: 2013/03/27 14:52:59
- 名前: カイナ
- 明日香「……ここは!?」
一方どこかに消えた食堂にいたメンバー達。最初に響くのは明日香の声、そして十代、ライ、アルフ、エルフィ、ヴィヴィオも辺りを見回す。見渡す限り広がるのは真っ赤なマグマだ。
エルフィ「ここは、まさかアカデミア火山の火口?」
ヴィヴィオ「あ、あれ!? PDAが繋がらないよ!?」
エルフィが静かに分析し、ヴィヴィオは救助を呼ぼうとPDAを取り出すがPDAは圏外になっている。
氷牙「安心しろ。恐らく今頃凛が鏡夜やメリオルに連絡を取って捜索隊を組織しているはずだ」 ヴィヴィオ「そっか! だからパパはママに離れるように指示したの?」 氷牙「ああ……ってあれ? レオに翔、隼人がいねえぞ?」
氷牙の言葉にヴィヴィオがそう言うと彼は一つ頷く、がそこでようやくレオや翔、隼人が居ないことに気づく。
?????「ようこそ」
十代「誰だ!?」
聞こえてきた男の声に誰だと返す十代、その声の方には黒衣の男が立っていた。十代達より年上の青年を思わせる体格をしており、顔に張り付いたように目元と鼻筋を隠す黒い仮面で顔は窺い知れない。そしてまた彼が口を開いた。
ダークネス「我が名はダークネス。セブンスターズの一人」
十代「お前がセブンスターズか!」
ダークネス「遊城十代、お前が私の最初の相手だ」
ダークネスはそう言ってペンダントを取り出す、と十代の首にかけられているペンダントが光り出す。それは墓守の世界でサラから受け取ったものであり、サラはそのペンダントの片割れを持つ者を探しているといっていた。
十代「あ、あんた、まさか――」 ダークネス「――何故かは分からないが、このペンダントの光に導かれた。だが欲しいのは、その胸に揺れる七星門の鍵……君からその鍵を奪ってみせよう」
十代はダークネスがサラの探している相手なのかと考えるがそのダークネスの言葉からすぐに違うのかとその考えを改める。
氷牙「待て! 生徒を危険な目に合わせるわけにはいかん! 俺が――」 ダークネス「ああ、忘れていた。あれを見てもらおう」
氷牙の言葉をダークネスは遮り、一つの方を指す。その方をつい全員が見てしまうがその直後全員が目を見開いた。
十代「翔! 隼人!」 ライ・アルフ「「父さん!」」
翔「ア、アニキ〜!」 隼人「た、助けてくれぇ〜!」 レオ「くそ……」
そして十代、ライ、アルフの声が響く。そこには三人乗るのがやっとの大きさの岩の上で透明な光の球体に閉じ込められた翔と隼人、そしてレオの姿があった。
ダークネス「お前たちの仲間だろう? 今は光の檻に守られてはいるが……時間が経つごとにあの光は消失していく。そうなれば、どうなるかな?」
氷牙「くっ……レオ! 脱出できないか!?」
レオ「流石に翔と隼人を抱えて助走もなしに飛ぶのは危険すぎる! ただでさえ先輩達の足場がどこまであるのか予想がつかない!」
ダークネスのくっくっと微笑を浮かべながらの言葉に氷牙は悔しそうに声を漏らし、レオに脱出できないかと叫ぶ。しかしレオは首を横に振って返した。確かに現在十代達が立っているのはなんらかの力によって形成されていると思われる透明な足場、それがどこまであるのかも分からない中で下手に飛び移ろうと考えるのは危険すぎる。ただでさえ落ちればマグマにダイビング、間違いなく命は無い。その上なんかマグマが時たま龍のような形を取ってレオ達のいる岩の周りを飛び跳ねていた。
ダークネス「下手なことは考えない方がいい。さあ、遊城十代。デュエルを始めよう」 十代「……待ってろよ、翔、隼人、レオさん! すぐ助けるからな!……ダークネス、デュエルだ!!」
ダークネスは仮面で隠されていない口元に微笑をたたえながらそう言い、十代にデュエルを促す。それを聞いた十代は翔達の方を向いて叫び、デュエルディスクを展開。ダークネスもデュエルディスクを展開させると「おっと」とまるで今思い出したような、しかしわざとらしい声を漏らした。
ダークネス「言い忘れていたが、敗者は魂をカードに封印される。これが私の、闇のデュエルだ」 十代「闇の、デュエル……上等だ、勝負!」
ダークネス・十代「「デュエル!!!」」
ダークネスの言葉に十代は僅かに威圧された様子を見せつつもすぐに目を研ぎ澄ませて返し、直後二人の声が重なり合った。
十代「俺の先攻、ドロー! 俺は[E・HERO エアーマン]を攻撃表示で召喚し、効果発動! デッキからHERO、[E・HERO クレイマン]を手札に加え、魔法カード[融合]を発動! 手札のバーストレディとクレイマンを融合し、[E・HERO ランパートガンナー]を融合召喚! リバースカードを一枚セットしてターンエンドだ!」手札二枚 E・HERO エアーマン 攻撃力:1800 E・HERO ランパートガンナー 守備力:2500
ダークネス「私のターン、ドロー! 私は[アックス・ドラゴニュート]を攻撃表示で召喚し、バトル! アックス・ドラゴニュートでエアーマンを攻撃! ドラゴンズ・アックス!」 アックス・ドラゴニュート 攻撃力:2000
十代「ぐぅっ! リバースカードオープン[ヒーロー・シグナル]! 俺の場のモンスターが戦闘によって破壊された時発動し、デッキからE・HEROを一体特殊召喚する。[E・HERO フォレストマン]を守備表示で特殊召喚!」LP4000→3800 E・HERO フォレストマン 守備力:2000
ダークネス「ダメージステップ終了時、攻撃を行ったアックス・ドラゴニュートは守備表示に変更される。リバースカードを二枚セットし、ターンエンドだ」手札三枚 アックス・ドラゴニュート 攻撃力:2000→守備力:1200
十代の場の風の英雄が倒されるが救援に森の英雄が姿を現し、斧を持つ竜人が守備の構えを取り、ダークネスは二枚のカードを伏せるとターンを終えた。
十代「俺のターン、ドロー!――」 ダークネス「リバースカードオープン[魔のデッキ破壊ウイルス]! 私の場に存在する闇属性かつ攻撃力2000以上のモンスター、アックス・ドラゴニュートをウイルスの媒体とし、遊城十代、君の場、手札、そしてこれより後三ターンのドローカード全てを確認し、その内攻撃力1500以下のモンスターを全て破壊する」
十代のドローの直後ダークネスは伏せていたカードを発動、そのカードが竜人の中に入っていったと思ったら竜人の身体が崩れていき、そこから発生した煙が十代の場を包んでいく。
フォレストマン[グ、グアアアアァァァァァッ!] 十代「フォレストマン!」
ダークネス「さらにウイルスは手札をも汚染する。遊城十代、手札を開示してもらおう」 十代「く……俺の手札はクノスペ、融合回収、スパークマンの三枚だ」 ダークネス「ならば攻撃力600のクノスペを破壊してもらおう」 十代「ぐぅっ!」
森の英雄と蕾の英雄が次々とウイルスに侵され倒れていく。
十代「くそっ! 俺は魔法カード[融合回収]を発動! 墓地から融合に使用したクレイマンと融合の魔法カードを手札に加え、融合を発動! 手札のE・HEROクレイマンと光属性スパークマンを融合し、輝ける英雄[E・HERO The シャイニング]を融合召喚!! さらにランパートガンナーを攻撃表示に変更!」 E・HERO The シャイニング 攻撃力:2600 E・HERO ランパートガンナー 守備力:2500→攻撃力:2000
十代の場に輝ける英雄が姿を現し、さらに炎と地の英雄も攻撃態勢を取る。
十代「バトル!――」 ダークネス「そうはいかん! リバーストラップ発動[威嚇する咆哮]!! このターン相手は攻撃宣言を行えない!!」 十代「――ぐっ……ターンエンドだ」手札零枚
十代がバトルを宣言した瞬間ダークネスはもう一枚のリバースカードを発動、そのカードから発された咆哮のような声が二体の英雄を威嚇、十代は悔しそうに唸り声を上げてターン終了を宣言した。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.190 ) |
- 日時: 2013/03/27 18:27:25
- 名前: 孝(たか)
- ダーク「私のターン。ドロー!ふふ。これは良い物を引いた。魔法カード『苦渋の選択』を発動!私のデッキから5枚カードを選択し、相手に見せる。その内1枚を相手に選ばせ、そのカードを手札へ、残りを墓地に送る。私が選択するのは・・・この5枚だ!」
『真紅眼の飛竜』『真紅眼の飛竜』『ミンゲイドラゴン』『真紅眼の黒竜』『真紅眼の黒竜』
十代「れ、真紅眼の・・・黒竜!?」
十代は選択されたカードに驚愕の表情を浮かべる。
眼の前の敵は、伝説のデュエリスト城之内克也と同じ、『レッドアイズ』使いだったのだから・・・。
氷牙「まずいな・・・アレではどれを選んでも飛竜と黒竜は確実に墓地に落ちる!(なんだ?俺は、この戦術を知っている?)」
十代「・・・・・・俺は、黒竜を選択する。」 ダーク「ふふふ。では、黒竜を手札に加え、残りを墓地へ送る。さて、今の選択は正しい選択だと思ったか?答えはノーだ!魔法カード『古のルール』を発動!手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する!」
『グルルル・・・グガアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!』
真紅眼の黒竜ATK2400
十代「ぐぅ!?な、なんてプレッシャーだ・・・」
ステータスで見るなら、十代の場のシャイニングの方が僅かに上だが、其処から放たれる威圧感はそんな数値など無意味だと語っているように見える。
ダーク「更に、真紅眼の黒竜をリリース!」 氷牙「レッドアイズをリリースしてでも出す価値のあるカードがあるのか!?」
さすがの氷牙も、全てのカードを知っている訳ではないが、レッドアイズをリリースして場に出すモンスターなど、メタル化した物しか知り得ない。
だが、ダークネスはそれを意図も容易く現実を崩して見せた。
ダーク「今こそ、闇の力を解放せよ!『真紅眼の闇竜!』」
レッドアイズ・ダークネスドラゴン。
それは、氷牙も初めて耳にするカードであった。
だが、そんな一行に構う事などせずに進めるダークネス。
ダーク「真紅眼の闇竜のモンスター効果!このカードの攻撃力は、私の墓地のドラゴン族モンスター1体につき、300ポイントアップする!私の墓地には6体のドラゴン族が存在する。よって攻撃力は・・・」
真紅眼の闇竜ATK2400→4200
十代「攻撃力・・・4200!?」 ダーク「闇竜!十代のシャイニングを・・・光を闇で呑み込め!バトルだ!真紅眼の闇竜でTheシャイニングを攻撃!”ダークネス・ギガ・フレイム”!!」
闇色の炎が火炎弾となってシャイニングを焼き潰す。
十代「うああっ!?ぐああああああああああああああああああああ!?!?!!」LP3800→2200
一気に半分近くものライフを削り取られた十代は今までデュエルして着た中で一番の激痛に苛まれていた。
十代「あっ・・・がは」
ドシャッ・・・
灼熱の余波が十代に膝を付かせる。
そのまま前のめりに・・・
ヴィオ「代ちゃん!!!」 十代「ヴィ・・・ヴィ、オ?」
ヴィヴィオは今にも倒れそうな十代に大粒の涙を流している。
だが、今の自分には出来る事が少な過ぎた。 故に、自分にはこれしかできない。そんな自分が悔しいと。
ヴィオ「負けないでええええええええええええええええええ!!」 十代「・・・・・・!は、はは。そう、だよな。・・・この程度で・・・諦めるかああああああああああああああ!!!」
飛びそうになる意識をヴィヴィオの声援で繋ぎとめる。 痛む身体を無理矢理に立たせる。 心を震わせる。負けない。自分の為にも、みんなの為にも・・・何より、ヴィヴィオを悲しませない為にも!
十代「俺は、必ず・・・勝つ!!!」 ダーク「ふふ。威勢が良いな。遊城十代。私はこれでターンエンドだ。このターン、私は通常召喚をしていない。よって墓地の真紅眼の飛竜の効果を発動!通常召喚を行っていないターンのエンドフェイズに墓地からこのカードを除外する事で、墓地の「レッドアイズ」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する!再び現れよ真紅眼の黒竜!!」
闇竜ATK4200→3600
ダーク「ターンエンドだ」手札1 十代「お、れの、ターン!ド、ロオオオオオ!!!」 ダーク「さぁ、ウイルスの効果だ。ドローカードを確認させて貰おうか?」 十代「・・・へへ。俺が引いたカードは・・・魔法カード「強欲な壺」だ!そのまま発動して、2枚ドロー!」
十代お得意の超引きにより、見事ウイルスの対象となるモンスター以外を引き当てて見せた。
ダーク「ドローであるからには、ウイルスの効果で確認させてもらうぞ」
だが、そんな事も軽く流して見せる。
十代「ドローカードは・・・こいつらだ!」
『E・HEROエッジマン』『天使の施し』
何故なら・・・攻撃力は1500を超えており、片方はモンスターですら無いのだから・・・。
十代「天使の施しを発動!3枚ドロー!」 ダーク「ドロー確認だ。」
『ミラクル・フュージョン』『ネクロ・ガードナー』『E・HEROネクロダークマン』
十代「俺は、二体のネクロを捨てるぜ。残ったのはミラクル・フュージョン!そのまま発動だ!墓地のスパークマンと、地属性のクレイマンを除外融合!来い!大地の英雄[E・HEROガイア]!ガイアのモンスター効果発動!融合召喚に成功した時、相手モンスター1体の攻撃力を半分にし、その数値分、ガイアの攻撃力をアップさせる!”ドレインフォース”!」
闇竜ATK3600→1800 ガイアATK2200→4000
ダーク「なんだと!?」 十代「更に、墓地のネクロダークマンの効果!墓地にある時、1度だけ手札のレベル5以上のHEROをリリース無しで召喚出来る!来い!エッジマン!」
エッジATK2600
十代「バトルだ!エッジマンで真紅眼の闇竜を攻撃!”エッジハンマー”!!」 ダーク「ぐおおおおおおお!?」LP4000→3200
ダークネスの方も同様にダメージを負う。 どうやらダメージを負うのは自分達だけではない様だ。
十代「続いて、ガイアで真紅眼の黒竜に攻撃!”コンチネンタルハンマー”!!」 ダーク「ぐあああああああああああああ!?」LP3200→1400
十代「トドメだ!!ランパートガンナーで、ダイレクトアタック!!”ランパートショット”!!」
ランパートガンナーが手に持つロケットランチャーでダークネスを狙い撃つ!
十代「いっ・・・・・・・けええええええええええええええええええ!!!」 ダーク「私が、この私が・・・うああああああああああああああああああああああああ!?!」LP1400→0
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.191 ) |
- 日時: 2013/03/29 06:14:21
- 名前: 孝(たか)
- 十代「へ、へへ・・・ガッ・・・ちゃ」
何時もの様に締めの決め台詞を言った途端、ふらぁっと倒れそうになる十代。 流石に限界の様だったのだろう。そのまま地面に・・・ガシッ
氷牙「・・・十代。良く、頑張ったな」
倒れる前に氷牙に支えられる。ダークネスを倒したのと同時に、既に駆け寄っていたのだろう。
十代「ひょう、が・・・さん。」 氷牙「ゆっくり休め。」 十代「は・・・い」
そう言うと、ダメージが大き過ぎたのかすぐに寝息が聞こえた。
氷牙「・・・ライ、アルフ。十代を頼む。」 ライ「え?あ、はい!行くぞアルフ」 アルフ「あ、うん!」
言われて、駆け寄ってきたライとアルフに十代を預ける氷牙。
氷牙「・・・いつまでそうしているつもりだ?ダークネス」 ダーク「・・・・・・ク、ククク・・・バレていたか。だが、一つ言っておこう。私は、ダークネスではない。」
最初にダークネスと名乗っていたくせに何を言っているんだと首を傾げる氷牙。
ダーク?『我が名は・・・Aslla piscu!!』 氷牙「アスラピスク・・・・・小さな鳥、ハチドリの事か?大層な物言いの癖に、何とも可愛らしい名だな。来いよ・・・生徒を傷付けた罪は、テメェの命で償わせてやる」
氷牙はアスラピスクの名乗りを鼻で笑って見せた。 既に、生徒一人が犠牲になった事で、自分に対しても、相手に対しても怒りで腸が煮えくりかえっているのだ。
ピスク『いいのか?そんな事を言って?』 氷牙「あん?どう言う意味だ?」
意味が判らんと聞き返す氷牙。
ピスク『我が宿主は・・・・・・貴様の教え子なのだからな』カチャリ
アスラピスクがダークネスの仮面を外す。
顔には刺青の様に黒い縦線が二本、目を迂回するように額から首元まで引かれ、その瞳は黒で塗りつぶされ、瞳孔は赤く染まっている。
そして、その仮面の下に隠された正体とは・・・
氷牙「莫迦・・・な!?」
氷牙も驚愕を禁じ得ない。
ダ−クネス・・・アスラピスクの宿主の正体は・・・
明日香「・・・兄、さん?・・・!兄さん!!」
天上院明日香の実の兄・・・天上院吹雪だったのだから。
氷牙「どう言う事だ!何故吹雪がお前の宿主となっている!答えろ!」 ピスク『さてな・・・真実を知りたければ、我を倒す事だな。』
氷牙の質問に答える気はないらしく、聞きたければデュエルで倒せとの事。
氷牙「・・・いいだろう。徹底的にぶっ潰す!そして、吹雪を返して貰うぞ!」 ピスク『やれるものならやってみよ!』
「『デュエル!!』」
ピスク『先攻は我だ!ドロー!我は[終末の騎士]を攻撃表示で召喚。効果により、デッキから闇属性モンスター1体を墓地に送る。デッキから真紅眼の黒竜を墓地へ送る。更に、魔法カード[愚かな埋葬]を発動。デッキから『エクリプス・ワイバーン』を墓地へ送り、効果発動!』
開始早々から墓地を肥やし始めるアスラピスク。
ピスク『デッキからレベル7以上の光属性または闇属性のドラゴン族モンスター1体をゲームから除外する。我は『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を除外!そして、墓地の光属性と闇属性のエクリプスと真紅眼を除外し、『ライトパルサー・ドラゴン』を攻撃表示で特殊召喚!この瞬間、除外されたエクリプスの効果により、こ奴の効果で除外されていた[レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン]を手札に加える。』
終末ATK1400 ライトパルサーATK2400
たった2枚のモンスターを墓地に送っただけで次々と手札と墓地を忙しなくいじり回すアスラピスク。
ピスク『あまりモンスターを増やし過ぎるのも危険か。カードを1枚伏せて、ターンエンドと行こう。』手札3 氷牙「俺のターン。ドロー!魔法カード[精神操作]相手モンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで得る。終末の騎士を奪う。手札からレベル1の[スポーア]を捨て、[パワー・ジャイアント]を特殊召喚!効果により、スポーアのレベル分、ジャイアントのレベルが下がる。」
ジャイアント☆6→☆5
氷牙「更に、チューナーモンスター[ジャンク・シンクロン]を召喚。効果で墓地のレベル2以下のモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚!」手札2
氷牙も負けじと場にモンスターを展開していく。
氷牙「(召喚阻害系ではない?いや、シンクロモンスターが出るのを待って激流葬の可能性もあるか?)手札から速攻魔法「サイクロン」を発動!伏せカードを破壊する!」 ピスク『小癪な真似を・・・』
破壊されたのは・・・聖なるバリア‐ミラーフォース‐決して序盤で伏せる様な物ではない。
氷牙「レベル4終末の騎士に、レベル3のジャンク・シンクロンを!レベル5のパワー・ジャイアントに、レベル1のスポーアをチューニング!ダブルシンクロ!”その狂気で全てを凪払え”!ジャンク・バーサーカー!”魂を食いちぎれ”!C・ドラゴン!」
バーサーカーATK2700 C・ドラゴンATK2500 真紅の鎧に身を包んだ狂戦士と、鎖の龍を呼び寄せた氷牙。
氷牙「バーサーカーの効果発動!墓地のジャンクを除外し、相手モンスター1体の攻撃力を除外したジャンクモンスターの攻撃力分ダウンさせる!”ダウンハウリング”!」
墓地のジャンク・シンクロンを除外すると、バーサーカーの狂喜の雄叫びがライトパルサーを委縮させる。
ライトパルサーATK2400→1100
氷牙「バトルだ!バーサーカーで攻撃!”デスブロークラッシュ”!!」 ピスク『手札からクリボーの効果だ。戦闘ダメージを0にする』
氷牙「ちっ。C・ドラゴンで、ダイレクトアタック!”龍牙破砕”!!」 ピスク『ぐぅっ!?』LP4000→1500
一気にアスラピスクのライフを半分以下に減らす。
氷牙「効果でデッキトップから3枚墓地に落として貰おうか」
落ちたカードは・・・『エクリプス・ワイバーン』『ミンゲイドラゴン』『ネクロ・ガードナー』
ピスク『くくく・・・エクリプスの効果で、デッキから[真紅眼の黒竜]を除外する』 氷牙「1枚伏せて、ターンエンドだ。」手札0
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.192 ) |
- 日時: 2013/03/30 06:58:25
- 名前: 孝(たか)
- ‐アスラピスクのターン‐
ピスク『我のターン。ドロー![強欲な壺]を発動!2枚ドロー。ふふふ。墓地の闇属性クリボーを除外し、[輝白竜ワイバースター]を特殊召喚!更に墓地のエクリプスとミンゲイを除外し[ダークフレア・ドラゴン]を特殊召喚!』
またしても墓地を利用して二体のモンスターを特殊召喚してきた。
ワイバースターATK1700 ダークフレアATK2500
ピスク『この瞬間、墓地から除外された二体目の[エクリプス・ワイバーン]の効果で、除外された真紅眼の黒竜を手札に加える。更に、[ガード・オブ・フレムベル]を通常召喚。そのまま除外し、手札から[レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン]を特殊召喚!』
ソリティアの如く次々とドラゴンを場に展開していくアスラピスク。 そして、先のターンに手札に加えたのは、先程・・・ダークネス吹雪が使用した真紅眼の闇竜をメタル化した様なモンスターだった。
ダークネスメタルATK2800
氷牙「な!?たかだかモンスター1体を除外しただけで出せるレベル10のモンスターだと!?」 ピスク『ククク・・・それだけではない。[ダークネスメタル]の効果発動!1ターンに1度、手札か墓地よりこのカードと同名以外のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚出来る。それも、何の制約も無しにな。』
そして、ステータスも最上級モンスターに恥じぬ数値でありながら、その効果も破格。 ドラゴンデッキには是非とも入れておきたい程の強力なカードだ。
ピスク『墓地より蘇れ![ライトパルサー・ドラゴン]!そしてバトルだ![ダークネスメタル]で、ジャンク・バーサーカーを攻撃!”ダークネスメタル・フレア”!!』 氷牙「がっ!?つぅっ・・・100ダメージでこれかよ。よく十代は耐えたな」LP4000→3900
先程のデュエルで十代は1000を超えるダメージを受け、瀕死に近い状態となったが、ギリギリで踏みとどまっていた事に賞賛を覚える。
ピスク『続いて、[ダークフレア]でC・ドラゴンを攻撃!”ブラッドファング”!!』 氷牙「迎え討てC・ドラゴン!”龍牙破砕”!!」
ダークフレアとチェーンは互いにその強靭な顎と牙で噛みつき、喉元を食いちぎると共倒れした。
ピスク『行け!![ライトパルサー]でダイレクトアタック!”ライトファング”!!2500のダメージで精神を食い破られるがいい!!』 氷牙「誰が食らうか!!ダメージステップに罠発動!『ガード・ブロック』!戦闘ダメージを0にし、デッキから1枚ドローだ!」
闇のデュエルと分かっていて大ダメージを受ける程、軟ではない。
ピスク『小賢しい・・・最後に[ワイバースター]でダイレクトアタック!”閃光の吐息”!!』 氷牙「がっぐああああああああああああああ!?!」LP3900→2200
『『『氷牙(先生)(先輩)さん!』』』
2000近いダメージには、流石の氷牙も悲鳴を上げる。
それに不安を覚える生徒やレオは氷牙の名を叫ぶ。
氷牙「ぐっ!ううぅ・・・ってぇなぁこの野郎!!!てめぇ・・・こんなダメージを十代にも与えたのか!?アスラピスク!吹雪から引き剥がしたら徹底的にミンチにして油で揚げるぞクソボケがあああああああああ!?」
十代と同じ痛みを味わい、こんな痛い思いを生徒にさせてしまった自分が情けなくてブチギレる氷牙。
ピスク『ふん。精々吼えるがいい。我はこれでターンエンド。』
‐氷牙のターン‐
氷牙「俺のターン!!俺のデッキよ!俺の怒りに答えろ!ドロー!!カードをセット!魔法カード[天よりの宝札]を発動!手札が6枚になるまでドロー!俺は6枚!」 ピスク『小癪な・・・。我は5枚ドロー。』
氷牙「手札1枚をコストに、魔法カード[ライトニング・ボルテックス]を発動!相手の場の表側表示モンスターを全て破壊する!」 ピスク『なにぃ!?だがしかし、破壊されたライトパルサーの効果発動!フィールドから墓地に送られた時、墓地からレベル5以上の闇属性ドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!舞い戻れ![レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン]!』
ライトパルサーのもう一つの効果でダークネスメタルは再び場に召喚された。
氷牙「ちっ!リバースオープン![強欲な壺]!2枚ドロー!そして、相手の場にのみモンスターが居る時、コイツは特殊召喚出来る![バイス・ドラゴン]を特殊召喚!効果により、ステータスは半減するがな。チューナーモンスター[ジャンク・シンクロン]を召喚!効果でスポーアを再び特殊召喚!レベル5のバイス・ドラゴンに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!”無限の勇気で、勝利を勝ち取れ!!立ち上がれ勇者!”シンクロ召喚!震撼せよ!『ジャンク・デストロイヤー』!!」
破壊の名を冠する戦士を召喚せしめる氷牙。
氷牙「デストロイヤーの効果!シンクロ召喚に成功した時、チューナー以外のシンクロ素材の数まで、フィールド上のカードを破壊する!よって、1枚破壊だ![ダークネスメタル]を破壊する!光になれ!!!”タイダル・エナジー”!」 ピスク『おのれぇ!』 氷牙「バトルだ!デストロイヤーでダイレクトアタック!”ヘル・アンド・ヘヴン”!!ぶちぬけええええええええええええ!!」 ピスク『墓地のネクロ・ガードナーを除外し、攻撃を無効にする。』
しかし、C・ドラゴンの時の効果で墓地に送られていたネクロ・ガードナーにより、その攻撃は無効となった。
氷牙「ちっ!!カードを3枚伏せて、ターンエンドだ!」手札1
‐アスラピスクのターン‐
ピスク『我のターン。ドロー!ふははは!貴様のおかげで、漸く我自身を出す事が出来るわ。』 氷牙「なんだと?」
漸く自分を出せるとは一体どう言う事なのか?
ピスク『まずはフィールド魔法[ダーク・ゾーン]を発動!闇属性モンスターの攻撃力は500上昇し、守備力は400ダウンするフィールドだ。続いて、魔法[二重召喚]発動。このターン、我は2回の通常召喚を行える。[ダブルコストン]を召喚。このカードは闇属性モンスターのリリース二体分の糧となる。[ダブルコストン]をリリースし、我自身をアドバンス召喚!”今再び、五千年の時を越え、冥府の扉が開く!我らが魂を新たなる世界の糧とするがいい!降臨せよ! 《地縛神 Aslla piscu》!!』
地縛神ATK2500→3000
空中にハチドリの地上絵が浮かび上がる。
同時に、暗黒の炎が同じハチドリの地上絵となって地面から噴き上がる。
氷牙「アレは・・・ナスカの、地上絵?それに何だ!?この禍々しい炎は!?」 ピスク『さぁ!この地に蔓延するデュエルエナジーを糧に、我が肉体よ復活せよ!!』
上空に心臓の様に脈動する禍々しい物体が何かを吸い取ると、真の姿を顕現させた。
それは、ナスカの地上絵の一つ。
氷牙「ハチ・・・ドリ?」 ピスク『フハハハハハハハハ!!我、ここに顕現せり!!』
とてつもなく巨大なハチドリを模したモンスターが雄叫びを挙げながら降臨する。
その大きさは、デュエルアカデミアと同等なのではと思わせる程だ。
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