Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.90 ) |
- 日時: 2012/07/20 23:34:14
- 名前: ミクニップ
- 日日は移り変わり、次の日…
夏休み最後のイベントは、町の近くにある神社で行われる夏祭りである。アンヴィレントグループと極道の雷堂組が毎年スポンサーやってる為か、毎度毎度様々な屋台や人達でいつも以上に賑わう今日。夏祭りの最後に、お祭り好きな雷堂組が行う大花火大会は名物でもあり、毎年多くの観光客が賑わう事でも有名であり…
十代「…何で俺達、屋台の手伝いなんてしてんだろうな?」 カイ「知らん」
…はい、現在の時刻は昼の2時。8月も終盤に差し掛かったとはいえ、まだ暑い真昼間には、其々屋台の準備をしている人達に交じって、何故か十代達の姿があった。
組員1「すんませんねぇ坊ちゃん達。家の所の奴等が何人か日射病で倒れちまったからって、手伝い頼ませちまいまして…」 焔「いいんだよ、爺ちゃんには毎度世話になってるし。…バイト代まで弾んでくれるって言われたら、そりゃ手伝わなきゃならないしな」 万丈目「…現金な奴だな、お前」
そう。実は今日、作業員の何人かが倒れてしまい、急遽手伝いに駆り出された男ども(一部除く)。ちなみに女性陣は浴衣の着付けの為に不在です。
カイ「…そういえば、さっきから鋼希の姿が無いんだが…?」 佐助「奴は現在、向うで力仕事している」 焔「アイツ俺達の中だとかなりパワーあるしなぁ…それに俺達の中では背も高いし」
長身、力持ち、そして顔立ちも良くて彼女持ち…。何この三拍子?妬ましい事この上ない。
佐助「クッ…何故だ?何故奴にだけ彼女が…?何故拙僧には彼女居ないんだ…?拙僧には何が足りないというんだ…?」 黒亜「有象無象の癖に…!!」
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.109 ) |
- 日時: 2012/07/22 15:42:55
- 名前: カイナ
- 十代「えー、焼きそばいかがですかー?」
それから焼きそばを焼きながら客寄せを行う十代。しかし客が寄り付く様子はなく、十代はむぅと声を漏らすと焔の方を向いた。
十代「こうなったら焔! 何か客寄せのパフォーマンスだ!」 焔「どんな無茶振りだよ!?……ってか、こっちに客が来ないのってあれのせいじゃないのか?」
十代の言葉に十代の作った焼きそばをパックに詰めている焔がツッコミを返した後顎で別の方を指し、十代もそっちを見る。
女性A「あ、あの! たこ焼き一パック下さい!」 カイ「はい、分かりました。今お作りしますので少々お待ち下さい」 女性B「あの、私は二パック、この作り置きのでいいので。その代わりメールアドレスなんか……」
きゃーきゃーと女性客が殺到しているたこ焼きの屋台、担当はカイだ。カイはいつもの多少敬語こそ交えるものの基本的に口の悪い方に分類されるざっくばらんな口調と生意気に見られそうな顔はどこへやら、完全丁寧口調と笑顔を見せていた。端正な顔立ちでキラキラと輝くような笑顔に丁寧な口調、完全に女性客の心をわしづかみにしている。なんでもカイ曰く「本社にいた頃よく社長代理として商談に出されてたから自然に身についた」らしい。
女性A「あ、ありがとうござい熱っ!?」 カイ「大丈夫ですか?」
熱々のたこ焼きのパックを受け取った女性はカイに見惚れてたせいで熱い部分に触ってしまい声を上げ、カイはすぐさまそう言い、女性の指を診る。
カイ「……ああ、火傷はしなかったようですね。よかった……お客様の美しい指を火傷させてしまっては大変ですからね」 女性A「あ、あ、あ……」
カイの言葉に女性は顔を真っ赤にし、なんと失神する。カイはそれを見て困ったように頭を書いた後、とりあえずお姫様抱っこで運ぶと屋台の後ろのブルーシートの上に丁寧に寝かせておいた。
十代・焔「「……」」
十代と焔はぽかーんとした様子を見せる。いや、なんというかカイの行動が演技くさくないのだ、恥ずかしげもなくそんな事を言い、やってのけている。
十代「そういや、前にカノンノが言ってたな……カイは天然の女タラシだって」 焔「あぁ〜……」
二人は思い出したように呟く。彼の恋人であるカノンノによるとカイは幼い頃からの幼馴染の兄みたいな存在の影響を受けたせいで自覚はないものの女タラシとしての才能を開花させており、それは“天然プレイボーイ”なる称号がついてしまったほどらしい。ちなみにカノンノはそれについて話した後「もう慣れた」、「いちいち焼きもち焼いてたらきりがない」と苦笑を漏らしていた事を追記しておこう。
十代「焔、お前あれ出来るか?」 焔「出来るわけないだろうが!?」 十代「だよな。しょうがない、俺達は正攻法でいくか……えー、焼きそばいかがですかー? 美味しいですよー?」
十代はそう呟くと焼きそば作りを再開し、客引きも開始した。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.110 ) |
- 日時: 2012/08/03 02:42:22
- 名前: 孝(たか)
- そうして祭りは滞りなく進んでいく。
?「すみませーん。焼きそば1つくださーい。」 十代「いらっしゃい!作り置きと、もうすぐ出来上がる出来たてがあるけどどっちにする?(…眉毛太!?)」
ブロンドヘアーで眉毛が太めなお嬢スタイルの女子高生が十代達の焼きそばを買いに来た。
?「じゃぁ、出来たてを。」 十代「肉多め?野菜多め?それとも少なめか?」
?「じゃぁ…お肉少なめ、野菜多めで。あ、青のりと鰹節は両方で!」 十代「おう。あ、マヨネーズは普通と辛子とあるけど?」
?「無しでお願いします。」 十代「おう。……良し。肉少なめ野菜多め、青のり鰹節トッピングのマヨ無し出来上がり!150円になります。」
チャッチャか作り上げて慣れた手付きでパックに詰める十代。 しかも出来たてなのに150円とは…他の祭りとは違って安い。
?「はい。150円。どうもありがとう。」 ?「ムギちゃーーーーん!焼そば買えたぁぁ?」
そうして、焼きそばを買い終わり、十代に礼を言った後に少女をムギと呼ぶショートカットの女子高生が現れた。
紬「あ、唯ちゃん。うん!買えたわよ!」 唯「よかったね!私は焼きモロコシと綿あめとたこ焼き買ってきたよ!」
紬「そんなに食べて大丈夫?」 唯「大丈夫!私、いくら食べても太らないから。」
その時、十代には紬の心臓に言葉の棘がグサッとくるヴィジョンが見て取れたと後に語る。
それから少しして…
焔「待たせた十代!追加の材料持ってきた…って、どうした?なんか悟ったみたいな顔してるが…」 十代「あ、あぁ。素直すぎるのって、逆に残酷なんだなって思っただけだ…」
十代から哀愁の様な物が見える焔だった。
焔「何のこっちゃ…」
その頃の氷牙……
ドクターアイスマンのDMデッキ診断所。
かき氷屋の横にそう銘打たれた看板が飾られている。
シャリシャリシャリシャリ……
氷牙「はい。ブルーハワイとグレープとイチゴね。全部で450円ね。500円だからお釣り50円ね。毎度!」 ?「ありがとうございます。あの、ここのお祭り、初めて来たんですけど…出し物のお値段、随分安いんですね?」
かき氷屋をする氷牙に、黒髪ロングのスタイルの良い女子高生がふと思った事を聞く。
氷牙「まぁな。ここの祭りは、子供達にただ楽しんでもらう為に開いていて、稼ぎなんて二の次でやってるからな。ま、言ってみりゃ”子供達の笑顔が報酬”って感じだな」
大規模な祭りなのに、無駄にカッコいいコンセプトの下開かれている様だ。
?「うへぇ、たったそれだけの為にこんなデカイ祭りを、しかも出し物を格安で開いてんのかぁ!?」 氷牙「この祭りを開いてる奴らにとってはそれで十分なのさ。ほら、子供って結構目移りするけど、一般家庭の子供のお小遣いなんて、たかが知れてるだろ?だから、最後まで楽しめない子は少なからず居るのさ。」
黒髪の子の隣に居たボーイッシュな言葉遣いのおでこがチャーミングな女子高生は、今のご時世にたったそれだけの為にこの大規模な祭りを開いてるのが信じられないと言った表情だった。
氷牙「それに、祭りってのは楽しむもんだ。折角来たのに、持ち金が少なくて楽しめないなんて、損だろ?だからこういう企画なんだよ。」
?「へぇ!凄いですね!私、感動しました!」
その二人の更に横にいた黒い髪をツインテールにした小柄な女子高生が感動したように口を開く。
氷牙「君達は、同じ学校の子か?」 澪「あ、はい。そうです。私は、秋山澪って言います。」
律「あたしは田井中律。でこっちは期待の新人。」 梓「えと、中野梓と言います。」
氷牙「新人…同じ学校で同じ部活って所か…もしかして、軽音部とか?」 澪「え!?どうして?!」
まさか言い当てられるとは思いもよらなかった澪は驚いている。
氷牙「さっきかき氷渡した時に、指とか手の平にタコが出来てたからな。澪は左利きのベースだな。んで、律だっけ?はドラム、そっちの梓はギターだろ?」
律「すげぇ!?手の平のタコだけで言い当てた!?」 梓「凄い!でも、どうしてタコだけで分かったんですか?」
氷牙の観察眼に驚く女子高生達。
氷牙「昔取った取り柄って奴だ。「すいませーん」おっと客だ。ちょっとすまん。いらっしゃいボウヤ。かき氷か?それともデッキ診断か?」
少年「デッキ診断お願いします!」 氷牙「よし、見せてごらん。」
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.111 ) |
- 日時: 2012/08/03 02:42:38
- 名前: 孝(たか)
- そうして始まるのは、ドクターアイスマンのデッキ診断だった。
シャラララララ……
机にカードを置いてシャララと、しかし傷がつかない様に広げる。
氷牙「フム…(構成はちょっとモンスターの比率が高いな。だが、この歳でこれなら中々…カードについた手垢の頻度を見るに、この子のお気に入りは…)ボウヤはこの『ホーリー・ナイト・ドラゴン』がお気に入りかな?」
氷牙は一枚のカード「ホーリー・ナイト・ドラゴン」を手に取ると、少年のお気に入りだろうと言う。
ホーリー・ナイト・ドラゴンと言えば初期の方で作られたカードの中では青眼の白龍や真紅眼の黒竜に次ぐ激レアカードだ。
少年「うん!僕が初めてパパに買って貰ったパックに入ってた、僕の宝物!」
少年は満面の笑顔でそう返す。
氷牙「そうか。カードを大切にする子は、強いデュエリストになれる。」 少年「本当!?」
氷牙「あぁ。さて、ボウヤのデッキだが。少しモンスターが多い。そして、ドラゴンを主軸にしているが、数合わせの様なカードも入れている。ここまでは良いか?」 少年「うん。でも、僕の持ってるカード、効果がよくわからなかったりするんだ。」
氷牙「ふむ。今、それは持ってるか?」 少年「僕、このデッキを作るのがやっとで、残ってるのはこの5枚だけなんだ。」
少年の取りだしたカードは、「ねずみ捕り」「あまのじゃくのわな」「突然変異」「紅蓮魔獣 ダ・イーザ」「光の封殺剣」だった。
この子のデッキにはシナジーが薄過ぎるカードしかない。
氷牙「ふむ。…まず、モンスターからみようか。モンスターの数は25。その内ドラゴンが16、戦士が3、獣戦士が3、爬虫類が3だ。とりあえず、ドラゴン以外のカードを取り除く。」 少年「う、うん。」
少年は不安そうな顔をする。
氷牙「なぁ、ボウヤ」 少年「え?」
氷牙「ジャンケンポン!」グー 少年「ふえ!」パー
いきなり不意を突くようにジャンケンを仕掛ける氷牙。
さっきまで話していた澪達はかき氷を食べながら見ていると、”なんでジャンケン”?という顔だ。
氷牙「うむ。ボウヤの勝ちだ。じゃぁこれをあげよう。」
そう言って氷牙は机の下をゴソゴソとした後、ゴールドカラーの包み紙のカードパックを2つ取りだした。
少年「え?え?いいの?」 氷牙「おう。開けてみな。」 少年「うん!」
ペリリと、パックを開ける。
「サファイア・ドラゴン」「エメラルド・ドラゴン」「マテリアル・ドラゴン」「ドル・ドラ」「竜の渓谷」「竜の渓谷」「思い出のブランコ」「竜の逆鱗」「竜の転生」「転生の予言」
……まるで狙い済ましたかのように少年のデッキにシナジーする物ばかりが出てきた。
少年「うわぁ…」
少年は感動のあまりそれしか声が出ない。
氷牙「お。よかったなボウヤ。これで丁度出来上がったじゃないか。」 少年「うん!」
そうして、氷牙は手に入れたばかりのカードを説明しつつ、どのようにすれば効率の良い使い方が出来るかを講義するのだった。
少年「オジサン、ありがとうございました!」
少年はペコリとお辞儀すると、早速帰ろうとする。
氷牙「あぁちょっと待ちなボウヤ。ほれ、イチゴのかき氷。食べていきな。」 少年「え。でも、僕お金が…」 氷牙「オジサンは、食べて行きなって言ったんだ。おごりだよ。遠慮なく食べな。」
少年「ありがとうオジサン!」
少年はかき氷を受け取ると手を振りながら帰って行った。
澪「良かったんですか?あんな事して?」 氷牙「ん?かき氷をおごった事か?さっき言ったろ?ここは、子供達の笑顔を見る為に開いてる祭りだってな?お金の無い子供には甘い様にできてるんだよ♪」
氷牙は何でもない様に返す。
律「澪が言いたいのはそっちじゃないよ。さっきパックあげた時、中身細工したろ。」 氷牙「おお。気付いたか。なかなか良い目を持ってるな。」
律「あそこまで狙い済ます様なパックがあるわけないだろ。」
氷牙はそんな少女達にニシシと歯を見せながら笑うのだった。
氷牙「所で、澪達はデュエルするのか?」 梓「はい。私達もやってますよ。」
氷牙の突然の質問に当然と返す梓。
氷牙「今日は3人だけで来てるのか?」 律「いや、後二人来てるけど今はちょっと別行動中。」
今度は律がそう返す。
氷牙「そうか、なら丁度いい。この後神社の方でトーナメントやるんだが、出場者がちょっと足りてなくてな。何人か出てくれないか?」
と、いきなりの誘いであった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.112 ) |
- 日時: 2012/08/03 04:56:16
- 名前: 孝(たか)
- その頃…
ヤクザ「このクソガキ。ワレ何してくれとんじゃコラ!?」 少女「ひうっ?!」
どう見ても古過ぎる格好のヤクザが小さな女の子にガン付けている。
子分「こらクソガキ!?兄貴の服にジュースを溢すたぁいい度胸じゃねぇか!?」 少女「あ、ああ…」
じょろろ…
余りの怖さに小さな女の子はお漏らしまでしてしまった。
子分「コラァ!?なんとか言ったらどうじゃボケェ!」
そう言ってヤクザの子分は小さな女の子に掴みかかろうとする。
ガシッ!
しかし、その寸前で子分の腕を掴む存在が居た。
鏡夜「何、してるのかな?」
それはついこの間までアカデミアに居残っていた鏡夜だった。
鏡夜「……なるほど、子供がジュースを引っかけちゃって、それを君達が非難していたってところかな?」
周りの状況を見て推測する。
子分「へっ!分かってんならこの手を離しな兄ちゃん!痛い目に会いたくなけりゃな!?」
ブンッ!と子分が鏡夜に殴りかかる。
鏡夜の見た目がヒョロイモヤシと判断してのことだろう。
ヒョイ。
だが、彼は見誤った。鏡夜は首を軽く傾げただけで避けてみせる。
子分「なろっ!?」
ブンブンと大振りで鏡夜に殴りかかる子分。
しかし、そんな大振りの攻撃を避けられない程弱くは無い。
子分「ぜぇぜぇ…てめぇ…嘗めてんじゃねぇ!!」
とうとう子分はナイフを取り出してしまう。
「「きゃあああああああああ!?」」
ナイフを取り出した事で、周りの一般人が悲鳴をあげる。
子分「ウルセェ!!黙りやがれ!?」 鏡夜「うるさいのは君だよ。折角の子供達の為のお祭りが、君のせいで台無しだよ。入り口にも看板を立ててる筈だよ。マナーを守れない方はお断りってね。あぁ、そっか。マナーの意味を知らないくらい馬鹿なんだね。ナイフを出したら迷惑な事すら分からないだから。」
鏡夜はいつものように相手を貶して挑発する。
子分「ヤロー…馬鹿にしやがって…ニィ…だったら、これでどうだあああああああ!!!」
そう言うと子分はさっきの少女に向かってナイフを振りかぶる。
子分「テメェのせいでこのクソガキが死ぬ事に!?なっ!?」
ガッチリと鏡夜は子分のナイフを持つ腕を後ろから掴み取る。
子分「なん、だと?!」 鏡夜「やっぱり馬鹿だね。人を殺してただじゃおかないのは君の方だってことも分からないみたいだね…それと…」
ギリリリと鏡夜は掴んでいる腕を万力の様に握りしめる。
子分「でででででで!?は、離せ!?」
子分はそれに激痛を覚え、ナイフを取りこぼす。
鏡夜「子供を狙う事しかできない屑には、”俺”は容赦しない」
それと同時に鏡夜の口調が突然変わる。
それは予兆。
鏡夜の怒りは子供を狙った時点で沸点を超えた。
ガシッ!と子分の肩を掴み、ガッ!と子分の足を蹴り、態勢を崩させる。
子分「で!?だだだだだだだ!?お、折れ、折れる!?」
子分を地に伏せさせた後、腕を後ろに回し捻り上げ、頭を掴んで地面に押しつけ、馬乗りになる。
鏡夜「たかが腕が折れそうなくらいで痛がるなよ。テメェみたいな屑が居たら、子供達が楽しめないだろうが。しかも、こんな小さな女の子に乱暴しようと怖がらせ、あまつさせこんな観衆の中で、お漏らし現場を見られた女の子が、どれだけ恥ずかしいと思ったか、どれだけ怖い思いをしたか。それを理解せず、自分の我を通そうとする。」
ミシミシと子分の腕が悲鳴をあげ始める。
鏡夜「今ここでテメェを殺してもまだ足りないくらいだ。」
ボソリと子分の耳にだけ聞こえるように呟く。
そして…
鏡夜「子供にしか振り回せないような腕なら…”要らないよな”?」 子分「ま、待て」
鏡夜「誰が待つか。」
そう言って鏡夜は頭を掴んでいる手に力を込めて、地面で子分の口を塞ぐと、ボキリ!!!!と、子分の”肘の骨”を捻じり折った。
子分「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?!?!?!?!」
子分は口を塞がれ、声にならない声すら上げる事は出来なかった。 激痛のあまり、子分は白目を剥いて泡を噴いて気絶した。
鏡夜「オラヨ!」 ヤクザ「ヌグッ…」
鏡夜は気絶した子分をその兄貴分であるヤクザに投げる。
鏡夜「そいつ連れてさっさと帰れ。そうでなければ…」 ヤクザ「き、貴様…俺達”雷堂一家”に手を出してただで済むと…」
鏡夜「寝言は寝て言えゴリラ顔。雷堂の名を騙るな。五流ヤクザ…いや、チンピラ風情が。」 ヤクザ「な、なんだと!?」
鏡夜「雷堂一家に、”子供に手を出す様な屑”は居ない。貴様、雷堂の名を騙った事…後悔するぞ。なぁ…ピカ。いや、雷堂剣一。」
そう言うと、丁度騒ぎを聞きつけて到着したピカチュウこと、雷堂剣一が現れるのだった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.113 ) |
- 日時: 2012/08/03 11:44:11
- 名前: ミクニップ
- 剣一「…ったく、毎度毎度騒ぎ大きくしやがって…アンタもある意味迷惑のだかんな。兄貴」
どうやら出し物でも作ってたのか、愛用のひよこエプロン着用して、右手にパックに綺麗に入ったたこ焼きとフランクフルト持って気怠そうにこっちに来る剣一。
親分「…な、なんだ此奴?」 鏡夜「見た目はともかく、そいつこそ雷堂組組長の雷堂 才覇の実子で、現雷堂組の若頭、雷堂 剣一本人だよ」 剣一「だから後々面倒だからばらすなって…まぁいいや。で?騒ぎ起こしたのってアンタ等か?」 ヤクザ「だったらどうするってんだよ。あぁ?」
一応騒ぎの原因が此奴等にあるのは知っているが、あえて知らないことにしてやっている剣一。知ってか知らずか、相手が弱そうに見えるのか、懲りずに相手を見て態度をでかくするチンピラ。
剣一「いやさぁ、別にお前等が暴れようが何だろうが知ったこっちゃねぇんだけど…。今此処は夏祭り楽しんでいるお客さん達が居る訳だしさぁ、できればこれ以上暴れてほしくないって言うか、もし無理なら帰ってほしいんだよな」 ヤクザ「ハァ?何でテメェにそんな事言われなきゃなんねぇんだよ?」 剣一「勿論タダとは言わねぇよ。此処にお前ら二人分のたこ焼きとフランクフルトあっから、良い大人ならとりあえずこれで穏便に…」
バシッ!!ベチャッ
ヤクザ「テメェ…!俺達を舐めんなよ?そんな食い物ごときで俺達の怒り収めれると思ってんのか亜ぁ!?」
鏡夜とは違い、とりあえず穏便に済ませようとたこ焼きとフランクフルトを渡そうとする剣一。しかしそれが癇に障ったのか、相手はたこ焼きとフランクフルトを払いのけ、剣一の胸ぐらを掴む。そして必然的にたこ焼きとフランクフルトは地面に落下。さらにそれをこれ見よがしに親分は踏み躙って行く。…自分達の寿命が縮まるなんて思っても見ずに。
剣一「…オイ、テメェ。今何やった?」 ヤクザ「あぁ?」 剣一「聞こえなかったのか?…テメェ、俺が作った食い物に何をした?」
ガシッ…ミシミシミシッ…
ヤクザ「ぇ…ぁ、がっ…!?」 剣一「もう一度言ってやる。…テメェ、[今食い物粗末にしなかったか?]あぁ?」
胸ぐら掴まれているにも関わらず、相手の頭を掴み返し、頭蓋が軋むほどの握力で締め上げる剣一。 普段こそ教師メンバーの中では氷牙と同じく常識人的な立ち位置の此奴だが、唯一一番ブチ切れる時がある。それは[食い物を粗末にした時]だ。実は此奴の家はヤクザ稼業とはいえ、元々は電気産業の他に、食品関係にも携わっていたりする。その為か氷牙以上に料理関係の教育が徹底的に教えられており、その為かこういう場面になると、完全に激怒スイッチが入ってしまうのである。
剣一「俺ぁよ、昔っから喰い物粗末にする奴だけは嫌いでよぉ、見ただけでこうやって…」
メキメキ、ビキビキビキッ…!
ヤクザ「い、いあがlsdfghjkl;!!?あ、頭が、頭が割れ…!?」 剣一「あぁ安心しな。…俺はヤクザの若頭だが、殺しは好きじゃねぇんだよ。だが…」
ビキビキビキっ!!
ヤクザ「あ、くぇrちゅいおぱsdfghjkl;:」zxcvbんm!!!!!!」 剣一「テメェは雷堂組(俺ら)を舐めてくれたからなぁ…。それ相応の落とし前位はつけさせてもらうからな?…オイ、テメェ等!!!」
『ヘイっ!若頭!!』
剣一の号令と共に、あちら此方から出て来るのは、うさちゃんエプロンしてたり手にヨーヨー持ってたりと緊張感が無いが、どいつもこいつも雷堂組が誇る腕利きのヤクザ達。
剣一「雷堂組(俺ら)の誇る掟は何だ!?」
『一つ!地域の人とのコミュニケーションを大切にするべし!二つ!飯は粗末にするべからず!三つ!受けた恩は千倍返し!四つ!老人子供は大切にすべし!!』
剣一「此奴等は調子に乗って俺らの名前を語り、それどころか俺の作った飯を地べたに投げ捨て踏み躙った!」
組員1「あんだとぉ!?」 組員2「若頭の作ったモン、地べたに投げ捨てるとは…生かしてかえさねぇぞテメェ等!?」 組員3「ブッ殺したる!!!」
剣一「だが、俺も流石に鬼じゃあねぇ。第一俺は殺しはしねぇ主義だ。…だから、テメェ等にチャンスをやろう」 ヤクザ「チャ、チャンス?」
剣一「この俺とデュエルしろ。そして勝てば逃してやる。…どうだ?やるか?」
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.117 ) |
- 日時: 2012/08/03 18:55:27
- 名前: カイナ
- カイ「なんか騒ぎが起きてるな……」
女性A「あの、たこ焼き一パック。マヨネーズ多めでお願いしてよろしいでしょうか?」 カイ「ああはい、喜んで。少々お待ち下さい…(…ま、余程のことが起きない限り持ち場を離れるわけにはいかないよな)」
カイも騒ぎには気づいていたものの持ち場であるたこ焼き屋を離れるわけにはいかないなと思いなおす。変なところ真面目である。そしてカイは無心にたこ焼き作りを再開する……
???「そこのお美しい方、私と一緒にダンスなどいかがでしょうか? 日本の盆踊りなるダンスをご教授ください」
そこになんか聞こえてきた、妙に彼には聞き覚えのある声。その声の方には赤い髪を長く伸ばし、着慣れていないような浴衣が着崩れている美形の男性が女性を口説いていた。
カイ(持ち場を、離れるわけには……)
???「すいまっせーん、焼きそばある分全部くっださーいっ!!!」 十代「え、えぇっ!?」
そこに突如聞こえてきた無駄にテンションの高い女性――健康的な葉っぱのように濃い緑色の髪をロングにしており、スタイルもかなり抜群で顔立ちも美人の部類に入る――の声と十代の驚く声、それを聞いたカイはたこ焼きをパックに入れてマヨネーズを多めにかけると女性客に手渡し、笑顔で口を開く。
カイ「も、申し訳ありませんお客様。少々席を外させていただきますので、お代はそこに置いといてください」 女性A「は、はぁ?……」
どこか引きつった笑顔でそういうカイに女性は呆けた声を漏らす。そしてカイは十代と焔の担当する焼きそば屋に向かった。
十代「あ、カイ! 助けてくれ! 焼きそば全部くれって言う客が来て大変なんだ!」 カイ「悪い十代、ちょいとこいつ借りるぞ」 ???「ありゃカイ、あんたこんなとこで何やってんのってちょちょちょっ!?」
十代の悲鳴をカイは聞き流し、女性の肩をがっしと掴んで引きずっていきついでにさっきのナンパ男も連れて行くと人気のない場所に連れ込み、二人を並んで立たせる。
カイ「What are you doing!!??」(何やってんだお前ら!!??)
そして開口一番英語で怒鳴り声を上げ、女性は僅かに目を逸らした。
???「S, Since work was completed, it came to the break travel……」(い、いやー、仕事終わったから息抜き旅行っていうかさ〜……) ???「I, I am offering as a secretary and a guard……」(お、俺様は秘書兼護衛としてお供を……) カイ「The Radiant Corporation president must not play a trick!」(レディアントコーポレーション社長がふざけるな!)
女性と男性の言葉をカイは一蹴し、怒鳴る。ちなみに彼はレディアントコーポレーション副社長であり社長のご子息、すなわち……
???「あっははは。もーこらこら、そんな口聞いたらお母さん悲しいぞ?」
目の前にいるのは彼の母親であり外国ではそれなりに有名企業、レディアントコーポレーションの社長だ。
カイ「……あぁ、ここは日本だ、日本語で話すか……で、エデンにゼロスお前ら本当に何をやってんだよ? クラトスさんには大阪の食い倒れに行ってたって聞いてたんだが……」 エデン「うん、行ってきたわよ。そんで今はちょいと夏休みに珍道中」 カイ「仕事溜まってきてるってよ」 エデン「クラトスがいりゃ潰れやしないって、帰ったらぱっぱとすませりゃいいんだから。あ、そーいえばカイ、あんたKM財団との例の話、勝手に白紙にしちゃったんだって?」 カイ「ああ……駄目だったか?」 エデン「別にいいわよ。代表のあれ、キモールとか言ったっけ? あいつ気に入らなかったし」 カイ「同感。ああ、んでこの祭りの会場にはアンヴィレントファイナンシャル社長、氷牙・アンヴィレントがいるんだけど」 エデン「え? そうなの? そりゃー挨拶しとかないとね」 カイ「ちなみに現在は俺が留学してるアカデミアで教師もしてる」 エデン「ありゃー。そりゃ社長としても母親としても丁寧に挨拶しないとねー」
親子二人は再会して早々仕事の話やらをしていた。
そしてその頃こちらは剣一、彼はデュエルディスクを手にヤクザと対峙していた。
鏡夜「じゃあ剣一、後は任せるよ」 剣一「おう」
そう言い、ヤクザに泣かされた女の子を泣き止まさせてアフターフォローを始める鏡夜に剣一は静かに頷く。
剣一・ヤクザ「「デュエル!!!」」
そして二人の声が重なり合った。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.118 ) |
- 日時: 2012/08/03 18:58:20
- 名前: カイナ
- ヤクザ「俺が先攻だ、ドロー! 俺は[火炎木人18]を攻撃表示で召喚し、カードを二枚セット。ターンエンドだ!」
火炎木人18 攻撃力:1850
剣一「俺のターン、ドロー!」
ヤクザの場になんか燃えている木製人形が姿を現し、剣一のターンに移ると彼はカードをドローする。
カイ「あ、雷堂先生がデュエルしてる」 鏡夜「あれ、カイ君。たこ焼き屋は?」 カイ「ああ、戻ったら係の人が代わってくれまして。この人が連れてけ連れてけうっさいんですよ」
そこにやってきたカイに鏡夜が声を漏らすとカイは説明し、エデンを指す。
鏡夜「えっと?」 エデン「カイの母親のエデンです。いつも愚息がお世話になっていまして」 鏡夜「あ〜いえいえ」 カイ「ところでこの状況は?」
エデンの挨拶に鏡夜が返しているとカイが無意識の内に泣いていた女の子の頭を撫でながら――しかも撫でられている女の子はふにゃっとした表情になっている――尋ね、鏡夜はあぁと声を漏らす。
鏡夜「その女の子がヤクザに泣かされてね、しかも雷組を名乗ったから剣一がこらしめようとしてるのさ」 カイ「へ〜……雷堂先生って強いんですか? パン焼いてる姿しか見た覚えがないんですが……」 鏡夜「あぁ。まあ、僕達の学生時代、単純にデュエルの戦績で言えば剣一は下の方だね」
酷い言われようだった。
鏡夜「でも、あんなチンピラごときに遅れを取るほど僕達のチームは甘くないよ」
しかし、鏡夜はニヤリと笑みを浮かべてそう続け、それを聞いてか聞かずか剣一もにっと笑みを見せる。
剣一「俺は[剣闘獣ディカエリィ]を攻撃表示で召喚し、装備魔法[剣闘獣の闘器グラディウス]を装備! 装備モンスターの攻撃力を300ポイントアップさせる!」 剣闘獣ディカエリィ 攻撃力:1600→1900
剣一の場に現れたバッファローのような剣闘獣はその手にグラディウスを構える。
剣一「ディカエリィで火炎木人18を攻撃!」 ヤクザ「ぐぅっ……はん、この程度かぁ?」LP4000→3950 剣一「バトルフェイズ終了、メインフェイズ2に移行する。このバトルフェイズ終了のタイミングでディカエリィの効果発動! ディカエリィをデッキに戻す事でディカエリィ以外の剣闘獣を一体特殊召喚する! また、剣闘獣の闘器グラディウスは装備モンスターが自分フィールド上からデッキに戻る事によってこのカードが墓地へ送られた時、このカードを手札に戻す効果を持つ」
その言葉と共にディカエリィが消え、彼の場にライオンの遠吠えが響く。
剣一「来い、[剣闘獣アレクサンデル]!!! この剣闘獣はディカエリィの効果によってのみ特殊召喚できる。カードを一枚セットして、ターン終了を宣言する」 剣闘獣アレクサンデル 攻撃力:2400 ヤクザ「なっ、ななななななっ!?」
現れたライオンの剣闘獣にヤクザは驚いたように声を上げた。
ヤクザ「ぐっ、そっちのエンドフェイズに速攻魔法[スケープゴート]を発動! 羊トークンを四体召喚し、俺のターン、ドロー!」 羊トークン ×4 守備力:0
ヤクザはカードをドローする。とにやりと微笑んだ。
ヤクザ「魔法カード[強欲な壺]を発動し、カードを二枚ドロー! ひゃははっ! 俺は[超熱血球児]を攻撃表示で召喚!」 超熱血球児 攻撃力:500
エデン「あー、なるほど」 鏡夜「十中八九、あの伏せカードは」 剣一「あれだな」
ヤクザが召喚したモンスターを見た瞬間その場の大人三人はすぐに戦略を読む。
ヤクザ「リバースカードオープン[DNA移植手術]! フィールドの全てのモンスターの属性は俺が宣言した種族となる! 俺が宣言するのは炎属性!!」
鏡夜「超熱血球児の攻撃力はフィールドに存在するあのカード以外の炎属性モンスターの数×1000アップする」 エデン「しかも、相手モンスターも数えるため、現在炎属性モンスターは超熱血球児ちゃんを除けばスケープゴートの羊ちゃん四体とアレクサンデルちゃんの合計五体」 剣一「攻撃力は5500ってわけか」
大人三人がまたそう説明を挟み、その間に超熱血球児の背負う炎のオーラが大きく、熱くなる。
ヤクザ「ヒャハハハハ! これが俺の最強コンボだ! 手札を一枚捨てて[閃光の双剣―トライス]を装備! 超熱血球児の攻撃力を500下げる代わりに二回攻撃を可能とする!!」 超熱血球児 攻撃力:500→5500→5000
ヤクザは得意気に笑いながらそう宣言し、剣一の場を指す。
ヤクザ「終わりだ! 超熱血球児で二回攻撃! 熱血!! 二千本ノック!!!」
その言葉と共にカキンカキンカキンと燃え盛るボールのノックがアレクサンデルを襲う。
剣一「リバースカードオープン[和睦の使者]! このターン俺及び俺のモンスターが受ける戦闘ダメージを0にする!」
剣一がトラップを発動すると共に現れた修道服の女性達が結界を張り、攻撃を防ぐ。ちなみに超熱血球児が打ち損なってフライとなり飛んできた球は鏡夜が素手でキャッチした。
剣一「バトルフェイズ終了時、アレクサンデルの効果でアレクサンデルをデッキに戻し……[剣闘獣ベストロウリィ]を特殊召喚! そしてベストロウリィが剣闘獣の効果によって特殊召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カード一枚を破壊する! 俺が破壊するのは当然[DNA移植手術]!!」 ヤクザ「なにぃっ!?」 超熱血球児 攻撃力:5000→0
剣一の宣言と共に鳥の剣闘獣がDNA移植手術のカードを破壊し、超熱血球児の炎のオーラが治まる。
ヤクザ「ぐ、ぐぅっ! 俺はカードを二枚セットし、ターンエンド……」
ヤクザは意気消沈したかのように呟くが、その口元には笑みが浮かんでいた。
ヤクザ(俺が伏せたカードは二枚目の[DNA移植手術]、これを相手の攻撃宣言時に発動する事で超熱血球児の攻撃力は再び最低でも5000、スケープゴートに攻撃を仕掛けてきても[立ちはだかる強敵]により、死角はない……) 剣一「俺のターン、ドロー」
ヤクザがそう考えている間に剣一はカードをドローする。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.119 ) |
- 日時: 2012/08/03 18:58:52
- 名前: カイナ
- 剣一「俺は[レスキューラビット]を召喚し、レスキューラビットをゲームから除外する事で効果発動! 自分のデッキからレベル四以下の同名通常モンスターを二体特殊召喚する。俺は[剣闘獣アンダル]を二体特殊召喚!」
剣闘獣アンダル ×2 攻撃力:1900
剣一の場に二体の熊の剣闘獣が姿を現した。
剣一「さらに俺の場に剣闘獣が存在する事により手札から[スレイブタイガー]を特殊召喚し、効果発動! スレイブタイガーをリリースし、剣闘獣アンダルをデッキに戻し、デッキから[剣闘獣ラクエル]を特殊召喚! スレイブタイガーの効果によって特殊召喚された剣闘獣は剣闘獣の効果によって特殊召喚された扱いとなる! ラクエルはこの時元々の攻撃力を2100として扱う!」 剣闘獣ラクエル 攻撃力:2100
ヤクザ「だが、炎属性モンスターが増えた事で超熱血球児の攻撃力アップだ!」 超熱血球児 攻撃力:0→500
剣一「さあ、ここからが剣闘獣の真骨頂だ! 俺は剣闘獣ラクエル、剣闘獣ベストロウリィ、剣闘獣アンダルをデッキに戻す事で、モンスターをエクストラデッキから融合召喚する!!」 ヤクザ「なにぃ!? 融合魔法カードを使わない融合だと!?」
ヤクザの驚きの声の間に三体の剣闘獣が光となり、混ざり合っていく。
剣一「剣闘融合(グラディアルフュージョン)!! [剣闘獣ヘラクレイノス]!!!」 ヘラクレイノス[グオオオオォォォォォン!!!] 剣闘獣ヘラクレイノス 攻撃力:3000
彼の場に姿を現した存在――ヘラクレイノス。その雄叫びにヤクザは恐怖から来る震えを隠せていなかった。
剣一「剣闘獣ヘラクレイノスに魔法カード[野性解放]を発動! ヘラクレイノスの攻撃力を守備力分アップさせる!!」 剣闘獣ヘラクレイノス 攻撃力:3000→5800
カイ「こ、攻撃力5800!?」 鏡夜「あー、終わったね」 エデン「終わったわね」
野性を解放したヘラクレイノスの攻撃力にカイが驚きの声を上げ、鏡夜とエデンはうんうんと頷きあう。
剣一「剣闘獣ヘラクレイノスで超熱血球児に攻撃!」 ヤクザ「ま、まだ負けちゃいねえ! リバースカードオープン[DNA移植手術]! 俺は炎属性を宣言――」 剣一「剣闘獣ヘラクレイノスの効果発動! 手札を一枚捨てる事で、魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する! グラディウスを捨てる事でDNA移植手術の発動を無効にし、破壊!!」 ヤクザ「――なぁっ!?」
ヘラクレイノスの雄叫びがDNA移植手術のカードを発動すら許さずに破壊、そしてヘラクレイノスの一撃が超熱血球児を破りその衝撃波がヤクザにまで向かっていく。
ヤクザ「うわああああぁぁぁぁぁっ!!!」LP3950→0
一撃必殺。正にその言葉が似合う終わり方だった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.120 ) |
- 日時: 2012/08/04 01:52:02
- 名前: 孝(たか)
- ヤクザ「つ、つええ…」
剣一「たく、中身も屑なら腕も屑かよ。これなら公園で遊んでる子供達の方が強いぜ。」
ヤクザ共を見下しながらそう呟いていると、人垣を分けて出てくるものが居た。
氷牙「おい、何の騒ぎだ。子供達が遊びに集中出来ないだろうが。」
この夏祭りで一番の出資を行った氷牙である。 何故か氷牙の後ろの方には澪達も付いてきている。
剣一「おう!旦那。実はカクカクシカジカまるまるウマウマって訳でよ。こいつらどうしようかと思って…いっそ埋める?」 氷牙「アホ。ここは日本だぞ。土葬は禁止されてる。せめて火葬してやれ。活火山で。」
山の頂上から投げ入れろと?
氷牙「それから鏡夜。泣いた子を落ち着かせるのは良い。その子がお前になついたのも良いとしよう。でもな。総合受付のテント行って着替えさせろよ。風邪引くだろうが。」
忘れているかもしれないが、この少女はヤクザの子分のせいでお漏らしをしてしまっているのだ。 このまま放置していればいくら夏場でも風邪をひいてしまう。
鏡夜「あぁ、それもそうだね。よいしょっと」
自分がアンモニア臭くなる事などこの子が受けた羞恥に比べたら小さい事だと気にしないで抱き上げる。
当然、お姫様抱っこでだ。
観衆の中には羨ましがる人もちらほら居る。
氷牙「あぁ、それから日下(くさか)。お漏らし現場には念の為に水撒いとけ。多少だが早めに臭いも消えるだろ。」 日下「へい旦那。」
剣一の部下の一人を顎で使う氷牙。弟分の子分は自分の舎弟であるらしく、ジャイアニズム全開である。
しかもこの間、事の発端であるヤクザ共を視界の隅にすら入れていない。 文字通り、眼中にないのだ。
それに気付いたヤクザ…もといチンピラは…
ヤクザ「ヤ、ヤロォ…お、俺を無視すんじゃねぇ!!!!」
ドス(刃物)を取り出して氷牙に向かっていく。
どうやら学習能力は頗る低いらしい。
氷牙の背後から勢いよく刃物を突き刺そうと突撃するチンピラ。
澪「あ!!」
危ない。澪がそう叫ぼうとした時には遅かった。
ドンッ!ゴキリ!グチャッ!!
鈍く、何かがぶつかる音が響く。
氷牙の後ろ方面に居る者達は息を飲む。
しかし、それ以外の方面に居る者達は「おお!」と、どよめいていた。
何故なら…
ヤクザ「ゴ、ゴヒ…!?」
ヤクザの顔面に氷牙の右肘がめり込んでいたからだ。
ぶつかる直前に時間を戻そう。
氷牙はその常人離れした聴覚により、相手との距離を大体は把握できる。
そしてヤクザが後1、2歩で氷牙の背中に刃物を突き刺せる距離に来た途端、氷牙は半歩左にずれると、ヤクザの刃物は丁度氷牙の脇を素通りする。
素通りしたヤクザの腕を、剣一と会話しながら左手で掴み、軽く引っ張る事で更に勢いを増して態勢が崩れるヤクザの顔面に右の肘を叩き込む。
それと同時に、その体制のまま完全に伸びきったヤクザの腕を”細い枝を折る”感覚でゴキリとくの字にへし折り、更にその瞬間、右足の踵で、金的を行った。
鼻の骨を一撃で砕き、片手間で腕をへし折り、金玉を潰す。
流れるように、それでいて無駄のない最小限の動きで完・全・鎮・圧させたのだった。
氷牙「あぁ、それからさっき丁度トーナメントに出れる子を確保したぜ。軽音部をやってる3人組の女子高生。」 剣一「あれ?奇遇っすね。俺もさっき軽音部やってる2人組の女子高生をトーナメントに誘ったんすよ。何でも5人でやってるとか…」
氷牙「もしかしたらこっちの三人とそっちの二人合わせて5人が同じ軽音部だったりしてな」 剣一「あははは。まっさかぁ〜」
当の本人はそれでもヤクザを視界に入れる事は無かった。
氷牙「あ、夜須(やす)。このゴミ神社の裏手の方で蓑虫にしといてくれ。子供を泣かせて愉悦に浸るとかド腐れ外道変態キチガイには火葬する前に地獄見せっから。」
尚もヤクザとその子分を視界に入れず、剣一の部下を使ってこの場から追い出させる。
死ぬ前に地獄を見せ、尚且つ最終的には火葬が決定しているとか徹底し過ぎである。
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