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異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕
日時: 2013/04/02 00:26:38
名前: 孝(たか)

シンクロ解禁。
遂にはエクシーズ解禁?

一応GXなので…

サイバー・ドラゴン系

サイバー・ダーク系

サイバー・エンジェル系

宝玉獣系

ヴォルカニック系

化石(中生代騎士など)系

青眼の白龍系

三幻神

三幻魔

ブラマジガール。

D・HERO系

などのカードは原作キャラのみ使用出来る様にしてありますので、お気を付けください!!

特定のキャラの好感度次第でそれ系統のカードを受け取るのはありです。

以前まではモンスター・エクシーズは、召喚方法が特殊な融合モンスターカードでしたが、今幕よりエクシーズが解禁し能力覚醒によりエクシーズモンスターカードに進化しました。

そして、このリレー内では……

"表側守備表示での通常召喚"も可能です。

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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.95 )
日時: 2014/04/23 04:12:10
名前: 孝(たか)

クロノス「勝者!デュエルアカデミア万丈目準ナノーネ!!」

『『『『わああああああああああああああ!!!!!!!』』』』

 まさかの元々の攻撃力0デッキで3ターンの内に決着して見せた万丈目に対し、観衆達の大喝采が放たれる。

ライ「よっしゃああああああ!!!」
十代「ガッチャ!!超ブレイブだったぜ!!!」
ヴィオ「WAO!」

翔「さすがおジャマシリーズっす!」
美海「見た目はアレだけど、確かな実力。」

アルフ「VAMOLA!!」
神楽坂「やったぜ!流石万丈目!」
三沢「うむ。見事なプレイングだ!」

青迫「流石は万丈目サンダー!」
『『『サンダー!サンダー!!万丈目サンダー!!!』』』

万丈目「兄さん。これで、買収の話は白紙に戻して貰う。」
長作「馬鹿、な・・・私のレアカードデッキが!?こ、こんな、醜悪なモンスター達に負けるなど・・・」

 グリード・クエーサーのような攻撃力変化系モンスターならまだしも、雑魚の代表と言われていたおジャマ達に負けたのは屈辱でしかないだろう。

万丈目「会社経営者としては成功したかもしれないが、矢張りデュエルは素人だな兄さん。
攻撃力の制限など俺には何の枷にもならない。
・・・まして、心友達との絆が詰まったこのデッキでの敗北などありえないんだ!」

 十代達を心の友と評した万丈目。
 友であり、ライバルでもある十代達は、以前の万丈目には無い物を与え、眠っていたデュエリストの魂を目覚めさせたようだ。

長作「く…準よ…!」
正司「お前は万丈目一族としての誇りはないのか!?」
万丈目「・・・俺にとって、万丈目のプライドよりも、デュエリストとしての誇りを取る!
このアカデミアの心友やライバルたちと共に高めあい、限りないデュエルの道を突き進む!
デュエリストの道にゴールなど有りはしない!限界の先・・・その更に先を目指す!!それが俺達、デュエリストだ!!」

長作「準・・・!!」

 言われ、長作は弟である万丈目を眩しい物を見る様な眼差しを向ける。

万丈目「余計な真似はしないでくれ。俺は俺のやり方で最強のデュエリストへの道を進む!
もしも其れが不服だというなら・・・俺を万丈目の家から追放してくれても構わない!!」

 驚愕。万丈目には、其処までの覚悟が有ったのだ。

長作「・・・準。どうやら、お前は私達が思っていたよりも成長したようだな。仕事ばかりで、私の目も曇っていた様だ。」
正司「兄者!?」

長作「正司、よく見てみろ。準のあの顔を・・・アカデミアに入学した頃のひよっこではない。アレは・・・一人前の男の顔だ。
どうやら、私達は会社経営にかまけて、何時の間にか金儲けしか考えられなくなっていたらしい。
良いだろう、もう私は何も言わない。お前のやりたいようにやってみろ準。
そして、偶には帰ってこい。お前の言う最高の心友とやらを私に紹介してくれ。」

 もうそこには企業の長の顔ではない、一家の長男として、弟を見守る家族の目だった。

万丈目「兄さん・・・ありがとう。だが、その必要はない。アレが、俺の親友たちだ!」

 そういって、万丈目は十代達がいる客席を指す。
 そこには、万丈目に見える様にガッチャやVサインを向ける十代達が居た。

長作「アレが・・・ふっ。完敗だ。私にも、あのような友が居ればこんな事にはならなかったかもな。」
正司「・・・・・・認めない。認めるものか!?準!今度は私が用意したプロと戦ってもらうぞ!?」

 しかし、それでも認めないという万丈目家次男・万丈目正司が長作を押しのけるように前に出る。

 だが、既に意地と言うかムキになっているようにも見える。

長作「正司!何を!?」
正司「さっさと来い。プロデュエリスト共!」

??「なんやなんや。結局ワイらの出番かいな。」
??「あんまり急かさないでくれよ。僕達だって雇われたからにはきっちりやるさ。」

 なんだかどこかで聞いた様な声が聞こえる。

 そこに居たのは・・・

竜崎「ワイらが来たからにはけちょんけちょんにしたるで!」
羽蛾「ヒョーヒョッヒョッヒョ!俺の虫達が蹴散らしてやるよ。」

 雑魚だった。

 そして、観客達からは失笑が漏れた。
 当然だ。以前の制裁タッグデュエルで2人の実力は既に周知の事実なのだから。

??「おおっと。そいつは無理ってもんだな。」

バッ・・・・・スタンッ!!

 薄緑の髪をたなびかせ、観客席から飛び降りる影が1人。

??「プロ(笑)が二人掛かりで1年の生徒1人をボコるってのはモラルに反するだろ?なら、せめて2年の俺とやろうぜ?プロ(笑)さんよぉ?」
竜崎「誰やお前!?いきなり出てきて偉そうに!?」
羽蛾「ヒョーッヒョッヒョッヒョ!相手の実力も分からない様な奴が出てきてどうしようってんだ!」
万丈目「貴方は・・・一体?」

 自分達の事を棚に上げている時点でもう終わっているとしか言いようがない。
 万丈目も、いきなり出てきたこの人物に首を傾げる。

神音「あ、俺?神音・D・アンヴィレントってんだ。宜しくプロ(笑)。
実力を知ってるからこそ俺が出てきたんだろ?お前らなんて俺一人で余裕だっての(笑)
ほれ、さっさと構えろよ雑魚Aと雑魚B(笑)」
万丈目「アンヴィレントって・・・まさか、氷牙さんの!?」

 名字を聞いて氷牙と縁者である事を察した万丈目。それに対して神音も笑顔で返答する。

神音「おう。息子でい。学園祭だって言うから留学先から遅れてやってきたんだが、随分おもしれぇ事になってるからな。
ちょっとしゃしゃり出た訳よ。さっきのデュエル。見事だったぜ。父上の言う通りのデュエリストだった。」

 雑魚達を無視して会話に華を咲かせる2人に、雑魚達は地団太を踏む。

羽蛾「俺達を無視して会話に華を咲かせるな!?」
竜崎「ええ度胸しとるやないかワレ!?いてこましたんで!?」
神音「やってみろよ。雑魚共!?」

『『『デュエル!!』』』
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.96 )
日時: 2014/04/23 05:28:51
名前: 孝(たか)

羽蛾「先攻は俺だ!ドロー!・・・手札から魔法カード[おろかな埋葬]を発動!デッキから[甲虫装機ホーネット]を墓地に送る!
更に[甲虫装機ダンセル]を召喚!更に効果を発動!1ターンに1度、墓地か手札の[甲虫装機]1体を装備扱いで装備する!墓地のホーネットを装備して、そのステータス分数値がアップする!」

ダンセル:ATK1000→1500 星3→6

羽蛾「更に、手札の[甲虫装機ギガマンティス]の効果だ!手札から場の[甲虫装機]に装備して、装備モンスターの元々の攻撃力を2400にする!」

ダンセル:ATK1000→2400→2900

羽蛾「1枚伏せて、ターンエンドだ」手札2
神音「俺のターン。ドロー!」手札6

 この変則デュエル、どうやら順番は羽蛾→神音→竜崎→神音となるらしい。

神音「まずは速攻魔法[サイクロン]!伏せカードを除去。」
羽蛾「掛ったな!?罠発動![甲虫装機の手甲]!甲虫装機の装備カードとなり、守備力を1000アップさせる。だが、狙いはそこじゃない!」

 ダンセルの守備力がアップするが、すぐにサイクロンによって破壊される。

神音「ダンセルの効果で、デッキから甲虫装機を特殊召喚するんだろ?予想としては[センチピード]ってところか?」
羽蛾「それでもいいが、今回は違う。俺はデッキから[甲虫装機ギガウィービル]を守備表示で特殊召喚だ!」

ギガウィービル:DEF2600 星6

神音「・・・なるほど、そっちか。ま、このターンはもう邪魔が入らないみたいだから・・・遠慮なく行くぞ?」

 ニヤリとニヒルな笑顔で手札に手を掛ける。

神音「俺も、魔法カード[おろかな埋葬]を発動!効果でデッキから[星因士シャム]を墓地へ送る。
 そして[フォトン・スラッシャー]を特殊召喚!コイツは俺の場にモンスターが居ない時、手札から特殊召喚出来るのさ!
 更に[ゴブリンドバーグ]を召喚!召喚時に、手札からレベル4以下のモンスターを1体特殊召喚出来る!
来い![星因士ベガ]!ゴブリンドバーグは効果を発動した場合、守備表示になる。
 更に、ベガの効果発動![星因士]達は、召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に効果を発動する”タイミングを逃さない任意効果持ちのモンスター群”だ!
 ま、同名モンスターの効果は1ターンに1度しか発動できないがな。
ベガの効果で、手札からベガ以外の星因士を呼び出す!来い![星因士アルタイル]!アルタイルの効果で、墓地からアルタイル以外の星因士を守備表示で蘇生!出て来い![星因士シャム]!そしてシャムの効果により、相手に1000ポイントのダメージを与える!」
羽蛾「なにぃ!?うわああああ!?」LP4000→3000

スラッシャー:ATK2100
ゴブリンドバーグ:DEF0
星因士ベガ:ATK1200
星因士アルタイル:ATK1700
星因士シャム:DEF1800

一気に神音のフィールドが戦士族で溢れかえる。

神音「まだ終わらねえぜ?レベル4の戦士族モンスター5体でオーバーレイ!!」


十代「ご、5体のモンスターで!?」
ライ「エクシーズ召喚だって!?」


神音「5体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!世界の王者として君臨し、その鋭き槍にて世界を征しろ!No.86!!頂点に座せ!《H‐C ロンゴミアント》!!」

No.86ロンゴミアント:ATK1500 ORU5

カイ「あれは・・・ナンバーズ!?」
カノンノ「闇属性のナンバーズだけど・・・一点の穢れも感じないよ!?」


羽蛾「ヒョ、ヒョーッヒョッヒョッヒョ!5体の素材を使って呼びだしたのが、攻撃力たったの1500!全く届きもしないぜ!」
神音「はぁ〜〜これだから雑魚は困る。ロンゴミアントの効果は、素材の数でその力は強力になる。
ちょっと考えれば分かる事だろうが・・・まず1つ以上ある時、戦闘破壊耐性を得る。
2つ以上、攻守が1500アップする!
3つ以上、コイツ自身は自分以外の効果を受けない。
4つ以上、相手は召喚、特殊召喚を行えない!
5つ以上!1ターンに1度、相手の場のカードを全て破壊する!」

ロンゴミアント:ATK1500→3000

羽蛾「な、ななな・・・」
神音「受けろ。王者の一撃!”激烈槍葬撃”!!」

 ロンゴミアントが槍を頭上で勢いよく振りまわし、それを利用して横一閃。
一瞬にして羽蛾のフィールドを一掃した。

神音「本来、アルタイルの効果を発動した場合、テラナイト以外のモンスターは攻撃できないが、ロンゴミアントが制約を打ち消している。
更に、甲虫装機の弱点は、装備モンスターと装備カードが一度に墓地に葬られた場合は効果を発動できない。
つまり、お前はこのターン何もできないようなもんだ。行け!ロンゴミアント!雑魚Aに直接攻撃!”激烈槍”!!」

羽蛾「ぎゃあああああああああああああ!?」LP3000→0

 哀れ、変則バトルロイヤルルールデュエルでは1ターンしか持たなかった羽蛾。
 折角の甲虫装機シリーズも、羽蛾のせいでその力を全く発揮せずに終わった。

神音「ターンエンド」手札0
竜崎「ワ、ワイのターン。ドロー!」手札6
神音「ロンゴミアントの効果で、アンタはモンスターの召喚と特殊召喚が出来ない。ただ、モンスターのセットとかは出来るがな?」

 しかもX素材が3つ以上有るので効果も受けないという。

竜崎「ワ、ワイはモンスターをセット。カードを2枚セットして、ターンエンドや」手札3

 そう、竜崎には守りに徹するしか出来ないのだ。

神音「この瞬間、ロンゴミアントのデメリット効果。相手のエンドフェイズ毎にコイツのX素材1枚を取り除く。俺はシャムを取り除くぜ。」

 素材が4つに減った事で、少なくとも全体破壊効果は出来なくなったが、それでも、有り余る力がある。

ロンゴミアント;ORU5→4

神音「俺のターン。ドロー!ほぉ。魔法カード[増援]!デッキからレベル4以下の戦士族を手札に加える。俺が加えるのは、勿論星因士アルタイル!そのまま召喚!墓地のシャムを蘇生!シャムの効果で1000ダメージ!」
竜崎「ふぎゃ!?」LP4000→3000

 先の羽蛾と同じようにシャムに吹き飛ばされる竜崎。

神音「レベル4のモンスター2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚![フォトン・バタフライ・アサシン]!」

アサシン:ATK2100 ORU2

神音「アサシンの効果!素材1つを使って、フィールドの守備モンスターを表側攻撃表示に変更し、攻撃力を600ダウンさせる!”エキサイト・スケールス”!」

 そうして、竜崎のモンスターが臨戦態勢となる。

ベビケラサウルス:ATK500→0

神音「終わりだ。ロンゴミアントで直接攻撃!全力全壊!”ダーク・バニッシュメント”!!」
竜崎「のぎゃああああああああああああ」LP0

完 全 勝 利 !

2人のプロ(笑)を全部で10枚のカードで倒してしまった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.97 )
日時: 2014/04/24 23:19:03
名前: カイナ

竜崎と羽蛾というマイナーリーグ止まりとはいえプロデュエリストを二人まとめて一蹴した神音はふふんと得意気に鼻を鳴らし、正司はぐぬぬと声を漏らす。

正司「こうなれば……兄者! そのデッキを貸せ! 力の前に雑魚の偶然など二度も起きない事を教えてやる!!」
長作「見苦しいぞ正司! 落ち着け!」

正司はこうなれば自分の手で準を倒そうと考えたのか長作からデュエルディスクとデッキを奪おうとし、長作は見苦しいぞと怒鳴る。

正司「がっ!?」
長作「なっ!?」

しかしその直後正司が倒れ、長作は驚いたように声を漏らし倒れてきた正司を支えながら硬直する。

カイ「流石にこれ以上万丈目財閥の醜態を晒すのは得策ではないでしょう」
長作「な、え?……」

瞬間移動のごとく速さでカイが近づいて正司に当身をくらわせたのだ。しかもその直後カイは前世である精霊の身体能力を瞬間的に使用、再びその場から姿を消したため観客である生徒達からすれば正司が急に気を失ったようにしか見えていない。

準「兄さん……」
長作「準……ふ」

準の声を聞いた長作は弟の名を呼び、ふっと笑うと正司をおぶさるついでに自分が勝った後交渉に入る際に使おうとしていたのか秘書っぽい女性や黒服の男性を呼び、竜崎と羽蛾も運ばせる。

長作「デュエルアカデミアは諦めるとしよう……準」
準「はい」

長作はデュエルアカデミアの買収を諦めると宣言し、準を呼ぶ。それに準が僅かにきつい目つきで答えると、彼はふっと、優しく微笑んだ。

長作「良い友達を持ったな」
準「……」

そう言って彼は去っていき、兄からの思いもよらぬ言葉に準は固まってしまった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.98 )
日時: 2014/04/24 23:20:17
名前: カイナ

それから時間は過ぎ、十代達はレッド寮でコスプレデュエルの準備をしコスプレデュエルを開始する。

ネラ「コスプレデュエルいかがですかー! 今ならタッグデュエルも出来ますよー!」

元気のよいブラック・マジシャン・ガールことネラの満面の笑顔での呼び込みの声が響く。その腕の中にはガガガキッドのコスプレに強制変更させられたアルフが、ネラの柔らかい腕とさらに柔らかい胸に頭を挟まれ顔を赤くしてうつむいていた。なおレッド寮モブ男子がその男にとって天国といえる光景に対し嫉妬の視線も向けている。

メリオル「か、帰らなくて大丈夫なの?」
ヴァルツ「ネラがアルフ達と一緒にお祭りで騒ぐんだと聞かないんだ……」

メリオルの苦笑にブラック・マジシャンことヴァルツもため息をついてそう返した。

カイ「ま、お二人の力なら学園祭が終わるまでは充分持ちますよ。幸いにしてデュエルエナジーを溜めるにも困らない場所ですし」
カノンノ「あ、でも気分が悪くなったりとかしたらすぐ言ってくださいね?」

なお元精霊現人間のカイとカノンノはそう予測、声をかけていた。

レオ「ふあ……ところで神音、留学先は面白いか?」
神音「あー……正直な話、日本と比べたら刺激がない」

ネラが騒ぎアルフが巻き込まれ、ライとエルフィが苦笑。十代とヴィヴィオが一緒にデュエルを行い、万丈目はすっかり懐かれたおジャマ達を振り払うのに四苦八苦している光景を見ながらレオはふと欠伸を漏らして神音に質問、それに彼がそう返すとレオは苦笑交じりに「それはこの周囲が異常に刺激的なだけだ」とツッコミを入れ、神音も「違ぇねえ」と笑う。

神音「おっと、そういえば……」

と、そこで彼は思い出したようにそう呟いた。

神音「一つ、こっちに刺激的なお土産があるんだった。特に父上に?」
レオ「へぇ? どんなのだ?」
神音「そいつぁ秘密。ま、そう遅くならずに到着するよ」

神音の言うお土産にレオがどんなものかと尋ねると、彼は人差し指を立てて口に当てて秘密のジェスチャーを取り、にししと悪戯っぽく笑った。

翔「た、たたたたた、大変っすー!!!」

と、コスプレデュエルの客寄せのためチラシを配りに行っていた翔が焦りに焦った様子でチラシをばらまきながら走ってきた。

レオ「おう、どうした翔?」

翔「たったたたたた、大変なんすよ! ア、アアアアイドルが! アイドルがレッド寮に来たっす!!」

レオ「……ああそうか、神音がいるんだもんな。だが神音、この程度じゃ刺激的なお土産とは言えねえぞ?」

神音「いえいえ〜?」

翔の焦りながらの叫びにレオは冷静に返し、神音もケラケラと笑う。それに翔はぽかんとした顔を見せた。

???「えーっと、さっきの子……どうしたのかな? 私がレッド寮の人ですかって尋ねただけで走ってっちゃったけど……」
???「フェイト、君は自分の立場っていうのをもうちょっと理解してだね……」
???「まーまーユーノ君」

そこにそんな会話が聞こえ、金色の髪を長く伸ばした綺麗な少女が困ったように呟いていると、その横を歩くクリーム色の髪に翡翠色の瞳をした女顔の少年――男性風の制服を着ているため男性だと予想できる――が呆れたようにそう言い、それに茶髪をサイドポニーにした少女がにゃははと笑いながら治める。その横には金髪長髪の少女によく似た、しかしどこか幼げで快活無邪気な雰囲気を見せる金髪ツインテールの少女が苦笑、さらにその隣では青色の髪を右目を隠すように伸ばした長身でなかなかイケメンな少年も苦笑していた。

三沢「はっ、まさかあの二人はデュエルアイドル“ツヴァイ☆ウィング”のアリシア・テスタロッサとフェイト・テスタロッサ!?」
翔「や、やっぱそうっすよね! ぼ、僕フェイトそんに話しかけられちゃったっす!!」

その姿を見た三沢がまさかとばかりに声を上げると翔もこくこくと頷く。

ネラ「え? あー!!」

と、そんな話を聞いて気づいたのかネラがアルフを抱えたままなのは達の方に突進。

ネラ「なのはちゃんフェイトちゃんアリシアちゃん久しぶりーっ!!」

そしてそのままの勢いで三人に抱き付いた。

なのは「わぷっ! ネ、ネラさん! お久しぶりです!」
アリシア「ネラお姉ちゃん久しぶりーっ!!」

茶髪サイドテールの少女――なのはと金髪ツインテールの少女――アリシアが抱き返し、ネラも「おひさだねー!」と友達との再会を祝い抱きしめる。

フェイト「あ、あの、ちょっと……」

と、金髪ロングの少女――フェイトが困った様子でネラに声をかける。

フェイト「ア、アルフが苦しそう……」

ネラ・なのは・アリシア「「「……あ」」」

アルフ「きゅう……」

フェイトの言葉にネラ達三人が「あ」と声を重ねる。ネラが勢いのまま連れてきてしまいそのまま美少女四人の抱き合いに強制参加させられたというか偶然にもその真ん中に押し込まれた形になったアルフは美少女四人の、少なくとも平均以上と言っていい大きな胸に囲まれて頭に押し付けられ呼吸が苦しい以外に精神的に限界が来たのか目をぐるぐる渦巻にして気絶してしまっていた。なおレッド寮モブ男子がその男にとって楽園である光景に血涙を流している。

十代「おーなのはさんにフェイトさんアリシアさんだー」
翔「ア、アニキ! ツヴァイ☆ウィングと知り合いなんすか!?」

十代のあっさりした言葉に翔が声を上げる。

ヴィヴィオ「うんまあ知り合いって言うか、フェイ姉とシア姉のお母さん、プレシアさんが病気で亡くなっちゃって、お姉ちゃん達は他に身寄りがなかったからプレシアさんと旧友だった氷牙パパが保護者になったって言うべきかな?」
翔「……ほんと、氷牙さんってどんだけ顔が広いんすか……」

ヴィヴィオの言葉に翔は頭を抱え項垂れた。

ライ「でもあの男の人二人は知らないな……誰なんだろ?」
エルフィ「ま、予想はつくけどね。ふふ」

ライがクリーム色の髪と翡翠色の瞳の少年と、青色の髪を右目を隠すように伸ばした長身でなかなかイケメンな少年を見ながら首を傾げ、エルフィは何かを察したのかくすくすっと微笑んだ。

なのは「やっほー皆、久しぶり! 元気だった!?」

十代「俺は元気だぜ、なのはさん!」

そして寮まで辿り着き、なのはの元気な挨拶に十代はびしっとガッチャを決めながらそう言い、それになのはもうんうんと頷いてガッチャをし返す。

ヴィヴィオ「ねえねえなのはお姉ちゃんシア姉、そこの男の人達って誰?」

なのは「え、ヴィヴィオ、いきなり〜?」

ユーノ「あ、えーっと……初めまして、ユーノ・スクライアです」
弘政「……黒鷹弘政」

ヴィヴィオの何か期待したようなキラキラお目々での言葉になのはが照れたようなだが嬉しそうな言葉にクリーム色の髪に翡翠色の瞳の少年――ユーノが名乗り、その次に青髪を右目を隠すように伸ばした長身イケメン少年――弘政が名乗る。

フェイト「二人とも、私達が留学している先の学生で――」

フェイトが二人を紹介しようとする。となのはとアリシアが示し合せたようになのははユーノの、アリシアは弘政の腕に抱き付いた。

なのは「ユーノ君は私の――」
アリシア「弘政は私の――」

なのは・アリシア「「――恋人なんだー♪」」

『…………』

二人の告白にその場に静寂が走り、

『……ええええぇぇぇぇぇっ!!??』

直後驚愕の悲鳴(なお神音はこの展開を予想していたのかげらげらと笑っていた)が響き渡った。ちなみにユーノと弘政は二人揃って顔を赤くし慌てて空いている方の手をばたつかせている。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.99 )
日時: 2014/04/25 00:52:40
名前: 孝(たか)

氷牙「あ〜なんか騒がしいな。どうした?」

 ご隠居の猛毒薬の効果も切れ、鉄分豊富な食事や点滴で漸く快復した氷牙がレッド寮から顔を出す。

氷牙「お?お〜神音。学園祭三日目にしてやっと帰ってきたのか?」
神音「ただいま、父上。さっき顔見せに行ったら休養中だったみたいだから挨拶は後にさせてもらったぜ」

 ここに来て漸く親子が顔見せるというのもどうかと思うがそこはアンヴィレント家の持ち味?と言う事にしておこう。

氷牙「で?何の騒ぎだ?」

 挨拶もそこそこに騒ぎの原因をもう一度聞く氷牙。

神音「ああ、あそこ。フェイト達も一緒に来てんだよ。で、フェイトって天然だろ?自分が世界的有名なアイドルだって自覚が足りないから。
普段と同じように話しかけちまったって訳。で、其処に居る丸藤がフェイトに声かけれた奴。」
氷牙「あ〜〜〜うん。よくわかった。さすがフェイト。ブレないな・・・うん?んん!???」

そして氷牙は目撃する。

 アリシアが長身のイケメン少年――弘政に抱きついているところを・・・・

氷牙「神音。アレは何だ?」

 誰、とは聞かずに、何と聞く氷牙・・・先程ヴィヴィオが言ったように、氷牙はアリシアとフェイトの保護責任者なのだ。

 つまり、何が言いたいかと言うと・・・アリシア達も氷牙の娘と言う立ち位置にいる。それは・・・親馬鹿スキルが発動するという事だ。

神音「ん?んーーー ・・・うん。”フェイト”に聞いてみるといいよ」
氷牙「??分かった。おーい!」

 何やら含みのある言い方だが、既に親馬鹿スキルが出始めている氷牙は気にせずフェイト達の方へと向かった。

フェイト「あ、義父さん。」
アリシア「あ、パパだーー♪」
なのは「あ、氷牙さん!」

 最初に氷牙の事を義父さんと言うフェイト。それに続くようにアリシアが甘えるように氷牙をパパと呼びながら抱き、それに気付いたなのはが会釈をする。

氷牙「おっと・・・おう、フェイト、アリシア。それになのは。久しぶり、元気にしてたか?」
フェイト「うん。元気だよ」
アリシア「私も〜♪」
なのは「お久しぶりです。」

 美少女達に囲まれるイケメン。本来なら逆の立場なのだが、親睦のある仲なので彼らにとってはこれが普通の様だ。

氷牙「元気で何より。で、フェイト。彼らの事を紹介してくれるか?神音がお前に聞くように言ってたんだが?」
フェイト「神音が、私に??ん〜まぁ良いかな。えっとね、彼はユーノ。ユーノ・スクライア。向こうのアカデミアで知り合ったクラスメイトで、なのはの昔幼馴染だったとか・・・今はなのはの恋人」
なのは「えへへ〜♪」
ユーノ「は、初めまして。ユーノ・スクライアです!お噂はかねがね・・・」

 紹介されたてやや緊張気味に答えるユーノ。カチコチというかガチガチだ。

氷牙「・・・マジで?」
アリシア「マジマジ〜♪」
氷牙「あ〜ユーノ。俺達初めてじゃないぞ?」
ユーノ「・・・え?」

 どうやら氷牙はユーノと会うのは初めてではないという。アレだけ顔が広すぎると言っても過言ではない氷牙の事だ、どこかで会っていてもおかしくは無い。

氷牙「まぁ、覚えてないのも仕方ないか。お前の出産担当したの、俺だし。」

 どうやら初めても何も、生まれた瞬間からだったようだ。それを聞いたユーノはあまりの事実に目が点になった。

ユーノ「・・・ゑ?」
氷牙「お前が引っ越したのも4歳くらいの時だったしな・・・よくなのはと泥だらけになりながら遊んでたっけ。一緒にビニールプール入ったり一緒に風呂に入ったり・・・」
ユーノ「わーーーーわーーーーわあああああああ!?!」

 過去の恥ずかしいエピソードに慌てだすユーノ。久しぶりの再会に氷牙の方もからかいたいようだ。

氷牙「まぁ、何にしても。おめでとう。これからも仲良くな?因みに仲人は任せろw」

 既に氷牙にとっては将来2人が結婚する事は確定事項にするらしい。

なのは「にゃ!?にゃはは////」
ユーノ「あ、あうあうあう////」

 それによって茹でダコの様に顔を真っ赤にするのだった。

フェイト「それで、こっちの彼が弘政。(姉さんの)大切な人だよ?」

 ビシリ・・・空気が・・・止まった。

氷牙「大切な・・・人?」
弘政「えっと、黒鷹、弘政です。初めまして。」
アリシア「そう!わ・た・し・の恋人!」

 フェイトが大事な部分を言い忘れ、アリシアが恋人だと宣言する。
それにより、氷牙から並々ならぬ気配が沸き上がる。

氷牙「フェイトの、大切な人で・・・アリシアの恋人・・・だと?」
フェイト「え?あ、た、確かに大切だけどそれは友達としてであって別に私が弘政の事を好きってわけじゃ・・・」
アリシア「え?フェイトは、弘政の事、嫌い?」

 なんだかアリシアが悲しそうな顔でフェイトを見る。後ろ手に隠した眼薬は氷牙以外の傍観者には丸見えであるが。

フェイト「ちちち、違、別に嫌いだなんてそんな・・・」
氷牙「黒鷹弘政・・・貴様・・・フェイトだけでなくアリシアにも毒牙を掛けるとは・・・二股野郎にはお仕置きが必要なようだな・・・」

 何をどう勘違いしたのか、氷牙には弘政が二股を掛ける様な最低系男子にみられたようだ。

弘政「え?ちょっと・・・」
氷牙「貴様を生かしておくわけにはいかぬ・・・構えろ。デュ↑エ↓ル→だ!!!」

 義理とはいえ2人の娘が二股男(勘違い)の毒牙にかかったとあっては黙っていられない親馬鹿氷牙。

 言うが早いかデュエルディスクを起動させると、弘政を強制的に舞台の上に投げ放った。

弘政「わあああああああああ!?たたた!っと。」

 空中に投げ出されたがなんとか空中で身体を捻って上手く舞台上に着地する弘政。
いつの間にか腕にデュエルディスクも装着している。

弘政「って!?いつの間に腕にディスクが!?え!?えぇぇ!?!」

 あまりの出来事に思考が追い付かない。が、氷牙が対峙するとすっと頭が冷えていつもの表情に戻る。

氷牙「さぁ・・・二股最低男に制裁を・・・家の娘には手を出させえええええええええええええええええん!!!!!!!!!!!」
弘政「くっ・・・完全に勘違いしてる。こうなったら、言うとおりにデュエルして落ち着いてもらうしかないか・・・!?」

『『デュエル!!』』
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.100 )
日時: 2014/04/25 19:09:45
名前: カイナ

氷牙「いくぞ、俺の先攻ドロー!!」

氷牙はメラメラと目に炎を燃やしながらカードをドローする。

氷牙「俺は[フォトン・スラッシャー]を特殊召喚! このモンスターは俺の場にモンスターが存在しない時特殊召喚出来る! さらに手札の獣族モンスター[紋章獣レオ]を捨てて手札から[虚栄の大猿]を特殊召喚! 紋章獣レオが墓地に送られた時、デッキから紋章獣モンスターを一枚手札に加える! 俺は[紋章獣バシリスク]を手札に加える! [召喚僧サモンプリースト]を守備表示で召喚し、効果発動! 手札の魔法カード[カード・フリッパー]を捨ててデッキからレベル4モンスター[紋章獣ベルナーズ・ファルコン]を召喚! 効果発動! このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。自分フィールド上の全てのレベル5以上のモンスターのレベルを4にする!! 魔法カード[蘇生紋章]! 墓地から紋章獣モンスター、[紋章獣レオ]を特殊召喚!!」
フォトン・スラッシャー 攻撃力:2100
虚栄の大猿 攻撃力:1200 レベル:5→4
召喚僧サモンプリースト 守備力:1600
紋章獣ベルナーズ・ファルコン 攻撃力:1000
紋章獣レオ 攻撃力:2000

翔「こ、これでレベル4のモンスターが五体……」
三沢「いや、しかも一体はチューナーだ……」

氷牙の最初からクライマックスと言わんばかりのコンボに翔と三沢は頬を引きつかせる。

氷牙「ゆくぞ二股男! 俺はレベル4、ベルナーズ・ファルコンにレベル4となった虚栄の大猿をチューニング!! シンクロ召喚!! 轟け、[スターダスト・ドラゴン]!!! さらに! レベル4のフォトン・スラッシャー、サモンプリースト、紋章獣レオでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!! 来い、[ブリキの大公]!!!」
スターダスト・ドラゴン[ギシャアアアァァァァッ!!!]
スターダスト・ドラゴン 攻撃力:2500
ブリキの大公 攻撃力:2200

風華「ちょおおおおぉぉぉぉぉいっ!!!」
美海「大人げない……」

氷牙はワンターン目から己の切り札を含む二体のシンクロモンスター&エクシーズモンスターを呼び出し、風華がツッコミの声を上げると美海も呆れた様子で呟く。親馬鹿パワー炸裂である。

氷牙「俺はこれでターンエンドだ!!!」手札一枚(紋章獣バシリスク)

弘政「……ふぅ〜」

氷牙の猛々しいターンエンド宣言を聞いた弘政は目を閉じて自らを落ち着かせるように息を吐き、目を開く。

弘政「俺のターン、ドロー!」

冷静に、だが勢いよくカードをドローし、そのドローカードを見ると微笑を見せる。

弘政「俺は[レスキューラビット]を召喚し、レスキューラビットを除外して効果発動! デッキからレベル4以下の同名通常モンスター二体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される」

ヴィヴィオ「レスキューキャットを調整した効果だね」

弘政の召喚したモンスターの効果をヴィヴィオは分析する。

弘政「来い、[メルキド四面獣]!」
メルキド四面獣 ×2 攻撃力:1500

彼の場に二体の仮面モンスターが並ぶ。

アリシア「ゴーゴーレッツゴー! 弘政、がんばって〜!」

アリシアがいつの間にか両手にはめたぽんぽんを振って弘政を応援し、弘政はそのノリの良さに苦笑する。が、すぐに表情を引き締めた。

弘政「俺はメルキド四面獣二体をリリースし、来い、[仮面魔獣デス・ガーディウス]!!!」
仮面魔獣デス・ガーディウス 攻撃力:3300

メルキド四面獣二体が、場に現れた一枚のカードに吸い込まれたと思うとそのカードに爪で引っかいたような切り傷が発生、カードが砕けると同時に彼の場に仮面魔獣が姿を現した。

十代「攻撃力3300!?」
なのは「これが弘政君の切り札だよ!」
フェイト「ワンターン目から……飛ばすね」

その攻撃力に十代が声を上げ、なのはがぐっと拳を握って解説、フェイトも優しく微笑んで呟く。と、その優しい微笑みを察知したのか氷牙の怒りオーラが少し増えた……ような気がする。

弘政「バトルだ! デス・ガーディウスでブリキの大公を攻撃! ダーク・デストラクション!!」
氷牙「ブリキの大公の効果発動! オーバーレイユニットを一つ使い、相手モンスター一体の表示形式を変更させる! 俺は紋章獣レオを使用し、デス・ガーディウスの表示形式を変更!」
ブリキの大公 オーバーレイユニット数:3→2

主の指示と共に両腕を振り上げ敵へと飛びかかる仮面魔獣。しかしブリキの大公が自らの周りを旋回する球体――オーバーレイユニットを吸収して効果を発動し、デス・ガーディウスは守備の構えに変更させられた。

氷牙「さらに紋章獣レオが墓地に送られたことによりデッキから紋章獣モンスター[紋章獣アンフィスバエナ]を手札に加える」
弘政「く……俺はカードを二枚セットしてターンエンド」手札二枚
仮面魔獣デス・ガーディウス 攻撃力:3300→守備力:2500

攻撃をしのがれ、弘政はくっと唸るとカードを二枚セットしてターンエンドを宣言した。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.101 )
日時: 2014/04/26 02:15:09
名前: 孝(たか)

氷牙「俺のターン。ドロー!・・・デス・ガーディウス。フィールドから墓地に送られた時にデッキから[遺言の仮面]をサーチし、そのまま装備させ、コントロールを移す効果を持つ。
それを防ぐには、バウンスか除外だが・・・その伏せカード、片方は[魔のデッキ破壊ウイルス]と予想出来る。
デス・ガーディウス自体はそれなりに古いカードだが、扱いが難しいカードではある。二股最低系の癖にタクティクスは高い様だな。」
弘政「・・・誤解です。」

 二股最低系が誤解だと言おうとしたが、言葉足らずのせいで氷牙は更に勘違いを起こす。

氷牙「ほぉ?五回DEATHだと?俺を五回も倒すとは言ってくれるな?」
弘政「(え〜〜。あれだけ熱くなっているのにデス・ガーディウスだけで伏せカードを冷静に分析してるのにそこを聞き間違えるの!?)あ、いや・・・だから」

 だが、そんな弘政の様子などお構いなしに氷牙はデュエルを続ける。

氷牙「俺は手札の[紋章獣レオ]を捨て、[紋章獣アンフィスバエナ]を特殊召喚!アンフィスバエナは、手札の紋章獣モンスターを捨てる事で特殊召喚出来る。
そして[紋章獣レオ]の効果でデッキから[紋章獣ツインヘッド・イーグル]をサーチ!そのままツインヘッド・イーグルを召喚だ!
俺は!レベル4のツインヘッドとアンフィスバエナでオーバーレイ!2体の風属性モンスターで、オーバーレイネットワークを構築!雷を纏いて戦場を駆け廻れ!エクシーズ召喚!疾風迅雷![電光千鳥]!」

電光千鳥:ATK1900 ORU2

 雷を纏った鳥と言うより、雷が鳥の姿を取っている様なモンスターが現れた。

氷牙「電光千鳥のモンスター効果発動!エクシーズ召喚に成功した時、相手フィールドのセットカード1枚をデッキの1番下に戻す!」
弘政「ボトムバウンス・・・!」


アリシア「エクシーズ召喚に成功するだけでセットカードをデッキボトムにバウンス・・・素材を使う必要も無いけど、多分パパの発言からして、素材は風属性レベル4が2体って言う縛りがあるんだね?」
フェイト「多分、そうだと思う。でも、それだけじゃない気がする。」


氷牙「俺は、右側のセットカードを選択するぜ!」
弘政「右側・・・罠発動![デストラクト・ポーション]!自分フィールドのモンスター1体を破壊し、その攻撃力分のライフを回復する!
俺の場には、デス・ガーディウスが1体。」
氷牙「ちぃっ!ウイルスより面倒だな・・・その効果にチェーンして、[スターダスト・ドラゴン]の効果発動!「フィールドのカードを破壊する効果」が発動した時、コイツをリリースして発動する!その効果を無効にして、破壊する!”ヴィクテム・サンクチュアリ”!」

 スターダスト・ドラゴンが星屑を散らしながらデストラクト・ポーションと共に墓地に送られた。

弘政「破壊無効効果!?だが、モンスターが減った事には変わりない。」
氷牙「あまいな。電光千鳥の効果がこれだけの筈がないだろう?もうひとつの効果を発動する!
電光千鳥は1ターンに1度、自分のオーバーレイユニットを1つ使う事で、相手フィールドの表側表示のカード1枚をデッキトップにバウンスする!ORUのツインヘッドを使い、デス・ガーディウスをデッキトップへ!」


十代「セットカードだけじゃなく、表側表示のカードまで!?」
ヴィオ「エクシーズ時にはセットカードをデッキボトムに・・・」
三沢「ORUを使用した場合には表側表示をデッキトップに・・・」

なのは「素材に縛りがあるだけでこれだけの能力・・・凄いね、エクシーズモンスター!」
ユーノ「まずい!デス・ガーディウスが居なくなったら、氷牙さんのモンスターの攻撃力の合計は4100!このままじゃ・・・」

 電光千鳥の容赦ない効果に驚き、更にはフィールドの状況から弘政が不利である事に気付いたユーノが叫ぶ。

弘政「罠発動![魔のデッキ破壊ウイルス]!自分フィールドの攻撃力2000以上の闇属性をリリースして、相手の手札・フィールドの攻撃力1500以下のモンスターを破壊する!
更に、発動から3ターンの間、相手のドローしたカードを全て確認し、その中の攻撃力1500以下のモンスターカードも破壊する!デス・ガーディウスをリリースして効果発動だ!」
氷牙「くっ・・・やはりウイルスカードだったか!?」

 氷牙の手札に残っているのは攻撃力1000のバシリスクの為、破壊される。
そして、デス・ガーディウスがフィールドから墓地に送られた事により、効果が発動する。

弘政「この瞬間、デス・ガーディウスの効果も発動だ!デッキから[遺言の仮面]をサーチして、そのままモンスターに装備!俺は[ブリキの大公]を選択!」
氷牙「しまった・・・手札が無い以上、何もする事は無いターン終了だ。だが、この瞬間!墓地のスターダストの効果発動!自身の効果で墓地に行ったこのカードは、エンドフェイズに自己再生する!舞い戻れ![スターダスト・ドラゴン]!!」

スターダストATK2500

 ブリキの大公に気色の悪い仮面が取り付けられ、氷牙のフィールドから弘政のフィールドにふらふらと移動していった。
だが、スターダスト・ドラゴンが舞い戻った事で、多少の時間稼ぎは出来るだろう。

フェイト「自己再生!効果破壊を無効にしつつ、エンドフェイズに自己再生・・・」
なのは「ほぼ毎ターン仕えるカウンター能力って事だね。」
アリシア「見た目が綺麗なだけじゃなくて、効果も強い!」
ユーノ「・・・でも、発動条件が自分をリリースする必要がある以上、弘政にとってはそこまで驚異じゃないかもね?」

 そう、弘政のデッキには、偶然にもスターダスト・ドラゴンの弱点であるカードが入っているのだ。

弘政「確かに強い効果・・・でも、ブリキの大公のコントロールを奪った事で、其処まで驚異じゃない。俺のターン。ドロー!」手札3

 弘政はドローしたカードを確認して、微笑む。どうやらデス・ガーディウスに続くエースカードを引き当てた様だ。

弘政「俺は、[マンジュゴッド]を召喚して効果発動!デッキから儀式魔法または儀式モンスターのどちらかをサーチする!俺は[高等儀式術]を手札に加える!」


アリシア「来た!あのカードをサーチしたって事は・・・!」
ユーノ「弘政の2枚目のエースカードが来たんだね。」
翔「攻撃力3300のデス・ガーディウスだけでも厄介だったのに、ここで更に儀式モンスターも来るって事っすか!?」
十代「すっげー!!上級モンスターの応酬だ!?」

 弘政のタクティクスに友人や恋人、子供達は様々な反応を見せる。

弘政「魔法カード[高等儀式術]を発動!手札の[仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー]を選択し、デッキの通常モンスター・・・レベル4の[メルキド四面獣]1体とレベル4の[仮面呪術師カースド・ギュラ]1体をリリースして、儀式召喚!現れろ!仮面に潜みし悪しき魔獣![仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー]!!」

仮面魔獣マスクド・ヘルレイザーATK3200

翔「攻撃力3200!?」
十代「また3000越えのモンスターかよ!?」

 再び現れる攻撃力3000オーバーの仮面モンスター。
その迫力は醜悪な姿だけではないだろう。

弘政「バトルだ!ヘルレイザーでスターダストを、ブリキの大公で電光千鳥を攻撃!更にマンジュゴッドでダイレクトアタック!”ブリキの万念殺”!!」

 弘政の攻撃の指示により、ブリキの大公が持っていた剣を投げつけ、マスクド・ヘルレイザーがその力で投げだされた剣を操り2体のモンスターを切り裂き、マンジュゴッドが飛んでいた剣をキャッチすると、氷牙に向かって突き刺した。

氷牙「ぐああああぁぁぁぁっ!?」LP4000→3300→3000→1600
弘政「カードを1枚伏せて、ターンエンド。」手札0

 なんとか先制を決める事が出来た弘政。
これでお互いの手札は0だが、フィールドアドバンテージは圧倒的に弘政が有利だ。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.102 )
日時: 2014/04/26 19:48:16
名前: カイナ

翔「すごい……氷牙先生のモンスターを全滅させた……」
明日香「それだけじゃない。氷牙先生が圧倒的に不利よ」

翔がぽかーんとした表情で呟くと明日香がきつい表情を見せながら呟く。その言葉に翔達一部の視線がそっちに向くと、三沢が腕組みをした。

三沢「今の氷牙先生は魔のデッキ破壊ウイルスの効果を受けており、これより三ターン全てのドローカードを相手に明示せねばならない。もし次のドローカードが攻撃力1500以下のモンスターだった場合有無を言わさず破壊され、フィールド、手札に何もない状況で次の攻撃を受けねばならない。よしんば破壊されるカードではなかったとしてもピーピングという目的は果たされる。さらに現在氷牙先生の場に未知どころか全てのカードがない上に墓地はルール上公開情報……」

そこまで言って三沢は言葉を終え、引き取るように亮が「つまり」と続ける。

亮「氷牙先生はこれから三ターン全ての戦略を見透かされる事に他ならない」

翔「そんな……なんていうプレイング……」
ユーノ「弘政はなのは達が来る前は僕達の学校でも一、二を争うデュエリストだったからね」
なのは「にゃはは。そんな事ないよぉ、私達が留学してきてもトップクラスを余裕で維持してるじゃん」

翔が唖然としているとユーノがふふっと笑ってそう言い、それになのはがにゃははと笑ってそう返す。

フェイト「ぱっと見弘政のデッキはデス・ガーディウスやマスクド・ヘルレイザーとかの高攻撃力モンスターによる単純なビートダウン……に見えるけど、遺言の仮面やウイルスカード等による搦め手を駆使し相手を封殺、そこから確実に攻めていく事が真骨頂」
アリシア「うん! 弘政、そういう読みは凄く鋭いからね!」

氷牙「……貴様、俺の義娘をよくもそこまで誑かしてくれたな……」
弘政「だから違うんです……」

フェイトとアリシアが弘政を賞賛、氷牙がゴゴゴと怒りのオーラを背負って弘政を睨み、弘政は力なく呟く。

氷牙「俺のターン、ドロー!!」
弘政「魔のデッキ破壊ウイルスの効果により、ドローカードを確認させてもらいます」

氷牙が勢いよくカードをドローし、弘政は冷静に魔のデッキ破壊ウイルスの処理を行う。

氷牙「運が良かったな……ドローカードは[壺の中の魔術書]! 発動! 互いのプレイヤーはデッキからカードを三枚までドローする! 三枚ドロー!!」
弘政「三枚ドロー! さらにあなたのドローカードを確認する!」

互いに三枚のカードをドローし、弘政の言葉に氷牙はニヤリと笑ってドローカードを提示する。

氷牙「ドローカードは……[サイクロン]、[死者蘇生]、[和睦の使者]だ!!」
弘政「三枚とも魔法・罠!?」
氷牙「よって当然、魔のデッキ破壊ウイルスには引っかからない! そして速攻魔法[サイクロン]を発動! 遺言の仮面を破壊! 戻ってこい、ブリキの大公!!」

氷牙のドロー力に弘政は驚愕し、氷牙がその魔法の一枚を発動すると竜巻が起きて仮面を引っぺがし、仮面の呪いが解け正気に戻ったブリキの大公がズシンズシンと氷牙の場に戻っていく。

氷牙「魔法カード[死者蘇生]を発動! 墓地から[スターダスト・ドラゴン]を特殊召喚!!」
スターダスト・ドラゴン 攻撃力:2500

さらなる魔法により再び氷牙の場で星屑の竜が輝きを放つ。

氷牙「ブリキの大公の効果発動! オーバーレイユニットを一つ使い、相手モンスター一体の表示形式を変更する!」
ブリキの大公 オーバーレイユニット数:2→1
弘政「く……」
仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー 攻撃力:3200→守備力:1800

大公の効果によりヘルレイザーは下級モンスターでも破壊可能な守備力を晒してしまう。

氷牙「バトル! ブリキの大公で仮面魔獣マスクド・ヘルレイザーを攻撃!! 大公の一撃!!」
弘政「ぐあっ……」

大公の剣がヘルレイザーを斬り倒し、彼の場ががら空きになる。

氷牙「スターダスト・ドラゴンでマンジュ・ゴッドを攻撃!! シューティング・ソニック!!!」
弘政「うわあああぁぁぁぁっ!!!」LP4000→2900

そこにスターダスト・ドラゴンの攻撃が万の手を持つ仏を貫く。

氷牙「リバースカードを一枚セットし、ターンエンド」

そして氷牙はカード――和睦の使者――を伏せてターンエンドを宣言した。

弘政「俺のターン、ドロー! 魔法カード[貪欲な壺]を発動! 墓地のメルキド四面獣三体と仮面呪術師カースド・ギュラとマンジュ・ゴッドをデッキに戻してシャッフル、カードを二枚ドロー!!」

明日香「これで手札は五枚……」
三沢「しかもキーカードをデッキに戻した……」
万丈目「あの男、なかなかやるな……」

弘政は墓地にある通常モンスターカードやサーチャーをデッキに戻し、ドローを加速。明日香達がそう呟く。

弘政「魔法カード[D・D・R]を発動! 手札一枚をコストに、ゲームから除外されているモンスター一体を表側攻撃表示で特殊召喚! さらにこのカードを装備する! 俺が特殊召喚するのは当然[レスキューラビット]!」
レスキューラビット 攻撃力:300

彼の場が歪み、その歪みの中からレスキューラビットがぴょんっと姿を現す。

弘政「レスキューラビットの効果発動! このカードを除外し、デッキからレベル4通常同名モンスター[メルキド四面獣]二体を再び特殊召喚!」
メルキド四面獣 ×2 攻撃力:1500

焔「最初と同じ展開……」
フェイト「弘政のモンスターでの戦い方はワンパターン。でも、だからこそ強い」
なのは「うん。自分が信じるモンスターをただひたすらに信じ、その意思を貫く」

弘政は自分のワンターン目とまったく同じ展開を作り出し、焔が呟くとフェイトとなのはがそう彼を評する。

弘政「メルキド四面獣二体をリリースし、来い、二体目の[仮面魔獣デス・ガーディウス]!!!」
仮面魔獣デス・ガーディウス 攻撃力:3300

アリシア「いぇーいっ! ゴーゴーレッツゴー!!」

そして弘政の場に再び、彼の切り札である仮面魔獣が姿を現した。その姿にアリシアはテンション高く彼を応援する。

弘政「バトル! デス・ガーディウスでスターダスト・ドラゴンを攻撃!!」
氷牙「ブリキの大公の効果発動! オーバーレイユニットを一つ使い、相手モンスター一体の表示形式を変更させる! デス・ガーディウスの表示形式を変更!」
ブリキの大公 オーバーレイユニット数:1→0

主の指示と共に両腕を振り上げ敵へと飛びかかる仮面魔獣。しかし氷牙はやはり最初のターンと同じく仮面魔獣の表示形式を変更せんと効果発動を宣言、ブリキの大公が自らの周りを旋回する球体――オーバーレイユニットを吸収し、己の効果を発動しようとする。

弘政「ここからが、違うっ! カウンター罠[闇の幻影]を発動!! フィールド上に表側表示で存在する闇属性モンスターを対象にする効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する! カウンター罠ならば、スターダスト・ドラゴンの効果はスペルスピードの関係上発動出来ないはずだっ!!」
氷牙「ちぃっ!?」

しかしブリキの大公が見上げた瞬間仮面魔獣が幻影となって消え去り、大公が驚いた様子で辺りを見回しているといつの間にか背後に回り込んでいた仮面魔獣の爪が大公を斬り刻む。そして改めて仮面魔獣はスターダスト・ドラゴンに襲い掛かった。

氷牙「トラップ発動[和睦の使者]!! このターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージは0になり、俺のモンスターは戦闘では破壊されない!!」

しかしその寸前、仮面魔獣の目の前に数多くの使者が現れその神々しいオーラに押された仮面魔獣は攻撃を諦めて弘政の場に飛び戻る。

弘政「リバースカードを二枚セットしてターンエンド!」手札零枚

そしてまたも、彼はカードを二枚セットしてターンを終えた。違うところと言えばこれで手札が尽きた事くらいだ。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.103 )
日時: 2014/04/26 21:25:53
名前: 孝(たか)

氷牙「俺のターン。ドロー!」
弘政「ドローカードを確認します。」

 氷牙はチラリと手札を見た後、弘政にその手札を曝す。

氷牙「俺が引いたカードは・・・[高等紋章術]!」
弘政「また、魔法カード・・・」

 氷牙のドローカードを確認して眉をひそめる弘政。
通常のデュエルであったならば確実に事故と言える引きだが、今はそれが幸いしている。

氷牙「そしてそのまま発動するぜ!コイツの効果は、墓地の紋章獣モンスター2体を選択し、特殊召喚する。そして、蘇生した2体のみを使用して、エクシーズ召喚を行う!」
弘政「墓地蘇生からのエクシーズだって!?」


三沢「驚いたな・・・まさか既にエクシーズ召喚をサポートするカードも作られていたとは・・・」
明日香「恐らく、この先行入手の中に入ってる物の一つかもしれないわね。」

 明日香はそういってレッド寮に備え付けられているカードダスをちらりと見るのだった。


氷牙「俺は墓地の紋章獣レオと紋章獣バシリスクを選択して蘇生!そのまま2体でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚![鳥銃士カステル]!」
弘政「またエクシーズモンスター・・・今度はどんな効果が・・・」

鳥銃士カステル:ATK2000

氷牙「コイツの効果は電光千鳥と似ているのさ!コイツは1ターンに1度、2つの内どちらかしか発動できない。俺は2番目の効果を発動!オーバーレイユニットを2つ使い、自分以外の表側表示モンスター1体を対象として発動する。そのカードを、デッキに戻す!」


ライ「今度は直接デッキに戻す効果か・・・」
風華「電光千鳥と違ってドローロックは出来ないけど、表側表示だけとはいえデッキにバウンスされるのは強力だよね。」
美海「氷牙小父さんの発言からして、もうひとつ効果があるみたい。」

 電光千鳥の下位互換とも言えるバウンス能力に、またも驚きを隠せない


氷牙「俺が選択するのは勿論デス・ガーディウスだ。」
弘政「っ・・・発動できるカードは、ありません。」

 言って、弘政はフィールドのデス・ガーディウスをデッキに戻してシャッフルする。

氷牙「そして墓地に送られたレオの効果で、紋章獣をサーチさせてもらう。俺が選ぶのは、[アンフィスバエナ]だ。アンフィスバエナを通常召喚し、墓地の1体目のツインヘッド・イーグルの効果を発動だ。ツインヘッド・イーグルを墓地から除外し、墓地の紋章獣2体をオーバーレイユニットを持たないエクシーズモンスターのオーバーレイユニットにする!」手札0

カステル:ORU 0→2

翔「ここにきて、再びユニットが復活したっス・・・これじゃぁ迂闊にカステルを破壊する訳にはいかないかも・・・」
美海「・・・そうでもない。紋章獣レオのサーチ効果は、1ターンに1度。このターンはもう紋章獣レオの効果を発動できない。」

万丈目「今破壊されずとも、次以降で破壊か効果を使われてしまえば3枚目のアンフィスバエナか何かしらの紋章獣をサーチ出来る。」
エヴァ「そうなれば、また2体の風属性で2体目の電光千鳥が再び現れ、奴の伏せカードはまた1枚デッキボトムに戻され、表表示のカードはデッキトップに・・・と言う訳だな。」

 いつからいたのか分からないがエヴァンジェリンも観戦していた。
ついでに自己紹介も済ませている様だった。

氷牙「さぁ、どうする?少なくともスターダストかカステルの攻撃を防がなくてはお前はこれでおしまいだ。バトル!アンフィスバエナで貴様にダイレクトアタック!」
弘政「くっ・・・罠発動![攻撃の無力化]!相手モンスターの攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する!」


アリシア「あわわわ!なんとか防ぎきったね。」
なのは「フィールドアドバンテージも逆転しちゃったね。」
フェイト「勝っていると言えばライフ差のみ。でも、レベルの高いあの2人だと、有って無いような差かもね・・・」


氷牙「俺はこれで、ターンエンドだ。」手札0
弘政「俺のターン。ドロー!・・・魔法カード[一時休戦]を発動。
互いのプレイヤーは、1枚ドローして、次の相手のエンドフェイズまで、全てのダメージを0にする。ドローなので、手札を確認させてもらう。」
氷牙「ドローカードは・・・ツインヘッド・イーグルだ。攻撃力は1200の為、破壊される。」

弘政「漸くウイルス効果でモンスターを破壊で来たけど・・・ツインヘッド・イーグルだったなら破壊できない方が良かったかも・・・。1枚伏せて、ターンエンド」手札0
氷牙「俺のターン。ドロー!ウイルス効果のラストターンだったな?ドローカードは・・・3枚目のレオだ!」手札2
弘政「最後のレオ・・・」

 漸く魔のデッキ破壊ウイルスで手札を破壊出来たが、それは墓地で効果を発揮するツインヘッド・イーグルであり、更には3枚目のレオを1ターン速く引かせてしまった事に、弘政は苦悶の表情を浮かべる。

氷牙「俺はアンフィスバエナの効果を発動。手札の紋章獣を捨てる事で、このターンのエンドフェイズまで自身の攻撃力を800ポイントアップする。」

アンフィスバエナ:ATK1700→2500

氷牙「そして、墓地に送られたレオの効果でデッキから紋章獣モンスター・・・[紋章獣アバコーンウェイ]をサーチ。
そのまま通常召喚。そして2体の風属性モンスター、アンフィスバエナとアバコーンウェイでオーバーレイネットワークを構築し、2体目の電光千鳥をエクシーズ召喚だ!」


ユーノ「なんて展開の速さだ・・・手札消費は激しいけども、それを補うサーチ能力と自己展開能力・・・」
亮「更には強力なバウンス能力を持つ2体のエクシーズモンスターに、表示形式を変更するブリキの大公・・・」
十代「しかも、今のカステルにはレオがユニットになってる・・・」
エヴァ「何でも使いこなすなアイツは・・・」汗

 エンジェルパーミッション、超速シンクロ、超速エクシーズの紋章獣、更にはズム&アラクネ。

 他にも使用してそうで空恐ろしく見えてきたエヴァンジェリンだった。

氷牙「電光千鳥の効果で、左端の伏せカードをデッキボトムに戻して貰うぜ?俺はこのまま、ターンエンドする。」手札0

氷牙:フィールド
スターダスト:攻
カステル:攻
電光千鳥:攻

弘政:フィールド
モンスター0
伏せ1枚。

弘政「っ!・・・俺のターン。ドロー!!」手札1
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.104 )
日時: 2014/04/27 03:40:58
名前: 孝(たか)

弘政「・・・・・・来た!2体目のレスキュー・ラビットを召喚!効果により、デッキからレベル4以下の同名通常モンスター2体を特殊召喚する!来い![仮面呪術師カースド・ギュラ]!」

カースド・ギュラ:ATK1500

弘政「レベル4の闇属性モンスター2体で、オーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!”ヴェルズ”の名を持つ騎士よ!今ここに現れ、全てを破壊するがいい!エクシーズ召喚![励輝士ヴェルズビュート]!!」

ヴェルズビュート:ATK1900

カノンノ「”ヴェルズ”!?そんな、まさか・・・!?」
カイ「いや、落ち付けカノンノ。神音さんのロンゴミアントの時と同じで、穢れが一切見受けられない。あの人の、弘政さんの心が澄んでいる証拠だ・・・!」

 氷牙もヴェルズという言葉に反応したが、カイ達の会話が耳に届いた事で冷静さを取り戻す・・・が、弘政の心云々は聞きとれていなかった。

弘政「更に永続罠発動![生贄封じの仮面]!」
氷牙「んな!?そのカードは・・・!?」

 弘政の発動した永続罠に仰々しく驚きを顕わにする氷牙。観客の生徒達もこの場面でそのカードを発動してくるとは思いもしなかったのだ。

翔「生贄封じの仮面・・・って、アレだよね?全てのリリースを不可能にする永続罠・・・?」
亮「そうだ。そして、スターダスト・ドラゴンの最大の弱点とも言える・・・」

アリシア「うんうん。発動条件がリリースしないといけないスターダスト・ドラゴン。その対策の1つがリリースを封じる事!」
フェイト「弘政は、デッキに不思議なこだわりがある。それは、カード名に「仮面」と名のついた物を好んで入れている事。」

ユーノ「デス・ガーディウスや儀式モンスターのマスクド・ヘルレイザーも出せなくなるけど、ヴェルズビュートを出すなら、この状況で発動したのも納得できる。」

 ヴェルズシリーズには厄介な効果が多いのはカイとバルバトスがデュエルしたところを目撃している対セブンスターズ・鍵の守護者達はよく知っている。

 だが、それと生贄封じの仮面のシナジーが良くわからないのだ。

弘政「ヴェルズビュートのモンスター効果発動!コイツは、相手の手札とフィールドのカードが、自分の手札とフィールドの合計より多い場合、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除いて発動できる!自分以外のフィールド上のカードを全て破壊する!!
ただし、この効果を使ったターンは、相手が受ける全てのダメージは0になる。」
氷牙「デミスのライフコストの代わりダメージ0の効果か・・・しまった!?この為の生贄封じか!?」

 そう、ヴェルズビュートの効果を確実に発動させる為に、邪魔なスターダスト・ドラゴンの効果を発動させない為の布石。
それが、弘政のデッキのコンセプトが偶然にも合致した結果であった。

 ヴェルズビュートが手に持つレイピアを指揮棒の様に振るうと大気が震え、嵐を巻き起こす。
それによって、生じた烈風と暴風が氷牙のフィールドを切り刻む!

氷牙「ぐおおおおおおおお!?くっ・・・ハエの癖になかなか強力な効果じゃねぇか・・・だが!カステルのオーバーレイユニットとなっていた紋章獣レオが墓地に行った事で、デッキから紋章獣をサーチするぜ!2体目のアバコーンウェイをサーチ!」
弘政「ターン、エンド・・・」手札0


なのは「なんとか、アドバンテージを稼げたね。」
アリシア「う〜〜ひやひやするよ〜」汗

 2人のデュエルを見ていて興奮する状況が何度も繰り返される、ハラハラドキドキ、ワクワクも止まらず、次はどうなる?何が起きる?
一同はそれを見守るのみだった。


氷牙「俺のターン。ドロー!!おっしゃ!魔法カード[貪欲な壺]を発動!墓地から5体のモンスターをデッキに戻し、2枚ドローするぜ!」

 そう言って、氷牙は5枚のモンスターを選択する。
紋章獣レオ×2 紋章獣アンフィスバエナ×2 鳥銃士カステル×1の計5枚を選択し、素早くシャッフルして、2枚ドローする。

氷牙「おっしゃー!ツイてるぜ!手札の紋章獣モンスター、アバコーンウェイを捨て、紋章獣アンフィスバエナを特殊召喚!そして、墓地のアバコーンウェイの効果発動!
選択した以外の墓地のアバコーンウェイを1体除外し、墓地から紋章獣1体をサルベージする!俺が加えるのは勿論、墓地に残った紋章獣レオだ!
そしてレオを召喚し、2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!再び現れろ!鳥銃士カステル!その効果で、ヴェルズビュートをエクストラデッキに戻すぜ!」
弘政「っ・・・ヴェルズビュートの効果は自分のメインフェイズか相手のバトルフェイズにしか発動できない・・・」

 そう呟くと同時に、ヴェルズビュートは弘政のフィールドから消え去り、エクストラデッキへと戻って行った。

氷牙「そしてオーバレイユニットとなって墓地に送られたレオの効果で、もう1度アンフィスバエナをサーチするぜ。そして、墓地の紋章獣ツインヘッド・イーグルの効果発動だ!コイツを墓地から除外して、紋章獣レオとアンフィスバエナを再びカステルのオーバーレイユニットにするぜ!」
弘政「っ・・・これで、次のターン。もう1度カステルの効果が発動される・・・」
氷牙「・・・いいや、お前に次のターンは無い。」
弘政「!?」

 ここで、氷牙から勝利宣言が行われる。

氷牙「魔法カード[蘇生紋章]!墓地の紋章獣1体を蘇生する!蘇れ![紋章獣バシリスク]!!」

 それは、弘政の魔のデッキ破壊ウイルスによって手札から破壊されたバシリスクであった。

弘政「攻撃力・・・1000!?」
氷牙「そうだ。そして、2体の攻撃力の合計は・・・」
弘政「合計・・・3000ポイント。俺には手札も無く、伏せカードも無く、墓地にも攻撃を遮るカードも無い。完敗です」
氷牙「・・・その潔さに免じて、一瞬で終わらせてやる。2体のモンスターでダイレクトアタックだ!!」

 氷牙のフィールドのバシリスク爪が!カステルの猟銃が弘政を襲う。

弘政「ぐわああああああああああああああ?!!?」LP2900→0

 デュエルの勝者は、親馬鹿パワー全開、氷牙の勝利だった。

氷牙「ほれ。立てるか?」
弘政「あ、はい、どうも。」

 デュエルが終わり、ソリッドビジョンによって吹っ飛ばされた弘政に手を差し出して引っ張り起こす氷牙。
そして・・・

アリシア「ダメエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!」

 ゴオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーンッ!!!!!!!

氷牙「ごへゃっ!?!」

 何を勘違いしたのかアリシアがフライパンを勢いよく振りかぶって氷牙の後頭部を砕かんばかりの猛烈なフルスイングを決めた。

『『『『・・・・・・えええええええええええええええええええええ!?!?!!?!?』』』』

 有無を言わさぬ強烈な一撃を目撃した一同は驚愕。
あまりの出来事に顎が外れるのではないかとういう程の衝撃だった。

あの、カイザー亮ですらも冷や汗を掻いている程であるのだから・・・。

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