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異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕
日時: 2013/04/02 00:26:38
名前: 孝(たか)

シンクロ解禁。
遂にはエクシーズ解禁?

一応GXなので…

サイバー・ドラゴン系

サイバー・ダーク系

サイバー・エンジェル系

宝玉獣系

ヴォルカニック系

化石(中生代騎士など)系

青眼の白龍系

三幻神

三幻魔

ブラマジガール。

D・HERO系

などのカードは原作キャラのみ使用出来る様にしてありますので、お気を付けください!!

特定のキャラの好感度次第でそれ系統のカードを受け取るのはありです。

以前まではモンスター・エクシーズは、召喚方法が特殊な融合モンスターカードでしたが、今幕よりエクシーズが解禁し能力覚醒によりエクシーズモンスターカードに進化しました。

そして、このリレー内では……

"表側守備表示での通常召喚"も可能です。

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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.75 )
日時: 2014/01/01 16:06:16
名前: 孝(たか)

氷牙「さぁ、次の挑戦者はいるか!!俺もちょっと興奮しているからそろそろやりたい所だが・・・」

「は、はい!」

そこへ、1人の女性の声が・・・そこにいたのは・・・

氷牙「おおっと!ここに来て黒髪の美少女が名乗り出てきた!」
澪「ちょちょ・・・恥ずかしいから止めてくださいよ!?」

なんと、恥ずかしがり屋の澪が自ら挑戦を申し込んだのだ。

氷牙「悪い悪い。俺も少しばかり興奮してるからよ。で?相手は誰にする?・・・ま、聞くまでも無いだろうけどな」

チラリと氷牙はヴィヴィオの方へ視線を向ける。

澪「・・・ええ。ヴィヴィオちゃん!夏祭りのリベンジマッチ・・・受けてくれるか?」
ヴィオ「・・・・・・はい!喜んで!」

ヴィヴィオも澪の挑戦を受けて立つ。

氷牙は舞台を降り、2人の少女を舞台に立たせる。

ヴィオ「それじゃぁ早速・・・デュエ「待ってくれ」はい?」

デュエルの宣言をする寸前、澪がヴィヴィオを止める。

ヴィオ「あの、どうかしましたか?」
澪「いや、どうせだから・・・タッグデュエルにしないか?お互い、相手のデッキがどう言うものか大体を把握してるわけだし・・・より楽しめそうな気がするんだ。」

いきなりタッグデュエルを提案する澪。あの極度の上がり症にしては珍しい事だ。

ヴィオ「え・・・う〜ん。そうですね。面白そうです!じゃぁ、私のパートナーは・・・」
澪「あの、其処の金髪の子なんかどう、かな?金色コンビで・・・」

またも澪が提案する。ここまで来るとヴィヴィオも違和感を覚えてくるくらいだ。

エヴァ「・・・いいだろう小娘。誰に喧嘩を売ったのか思い知らせてやろう・・・。」

いつの間にか”黒魔導師クラン”の衣装を身に纏ったエヴァが承諾する。

ヴィオ「・・・じゃぁ、澪さんのパートナーは誰にしますか?やっぱり、律さんとか?」
律「タッグデュエルかぁ・・・結構久々だな!やるか澪!」

まだ交友は浅いが澪達軽音部がどのような仲か聞いているヴィヴィオは一番仲がいいだろう律を上げて見る。

澪「・・・いや、もうパートナーは決めてるんだ」
律「??澪?」

律の方も澪の様子がおかしい事に気付く。

澪「さぁ・・・準備が整いましたよ・・・・・・”ベアトリクス様”」

ゾクッ!!!

途端に背筋に悪寒が走る。

心臓を鷲掴みにされる様な・・・重く圧し掛かる緊張・・・そして・・・恐怖。

顔を上げた澪の口元には・・・鋭く尖った犬歯が見えている。

ヴィオ「澪・・・さん?」
エヴァ「やはりな・・・貴様の仕業か・・・ベアトリクス!!!!」

アハハハハハハハハハハハ!!!キャハハハハハハハハハハハハ!!!!

何処からともなく響く狂ったような笑い声。

幼子の様に透き通る様で、寒気のする様な狂声。

澪の影からズルリと現れるモノ・・・

長い金の髪・・・漆黒のドレスを纏う見惚れる程の美しい女性。

しかし、身体半分を侵食する様な黒い炎の様な刺青が神々しさよりも畏怖を抱かせる。

ベア「数日振りかしら・・・?」
エヴァ「やはり生きていたか・・・」

苦々しい表情でベアトリクスを睨みつけるエヴァ。

ベア「勿論よ。そして、この数日で地縛神は既に私の意のままとなったわ。あの日、私の生死を確認しなかった己を恨みなさい・・・さぁ!闇のデュエル(良からぬ事)を始めようじゃないの!!」

闇が・・・空を覆い、闇色の炎がトカゲの地上絵を作り出し、アカデミアを覆い尽くした。

氷牙「くっ・・・させぐわぁぁぁっ!?」

ヴィヴィオの代わり自分が出ようと乗り込もうとするが、闇色の炎の壁に触れた途端、氷牙は弾き飛ばされた。

氷牙「ぐ・・・あ・・・」

まさかほんの少し触れただけで弾き飛ばされるだけでなく、軽傷では済まない程の衝撃を受けた。

ベア「ふふふ・・・眠れ」

その一言で七精門の鍵を守護する者たち以外の人間が言葉通りに眠りについてしまう。

それは澪以外の軽音部メンバー達も例外ではなかった。

エヴァ「・・・何の真似だ?」
ベア「ふふふ・・・これで人間共は逃げる事は出来ないでしょう?そうすれば、貴女達は戦う以外に選択肢は無くなる。しかも、ここからは逃げられない。要は人質よ。」

ベアトリクスの行動にエヴァは疑問に思うと、すぐに返される。

ヴィオ「澪さん!目を覚ましてください!」
澪「・・・ふふ。ヴィヴィオちゃん。楽しい楽しい、闇のデュエルを始めよう・・・デュエル!」

それと共に、4人のデュエルディスクが強制作動する。

エヴァ「どうやら、やるしかない様だな。覚悟を決めろ。貴様、それでも氷牙の娘か!あの小娘を助け出したいならば勝て!」
ヴィオ「で、でも・・・」

闇のデュエルで相手をするのが自身の友達とあっては強気になれない。

普通のデュエルならばいざ知らず、闇のデュエルとなれば話は別である。

エヴァ「安心しろ。今の小娘は半吸血鬼化している。多少の傷はすぐに治る。」
ヴィオ「だけど・・・」
エヴァ「ちっ・・・いい加減にしろ!!!今、あの小娘を救えるのは貴様だけなんだぞ!?貴様が手を拱いていれば、貴様があの小娘に負ける。そして、小娘が正気を取り戻した時、心に傷を負うのが判らんのか!?」

いつまでも尻ごみしているヴィヴィオにエヴァは活を入れる。
今、澪を救えるのはヴィヴィオだけだと・・・。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.76 )
日時: 2014/01/02 13:01:03
名前: カイナ

カイ「戦略ミスだぜ、ベアトリクス」

ベアトリクス「!?」

と、闇色の炎の壁の外でカイがニヤリと笑いながら台詞を決め、その隣でカノンノも目を研ぎ澄ませる。二人はいつの間にか光で描かれた魔方陣の上に立っていた。

カイ「目撃者がいなくなるならこっちも遠慮なく精霊の力を使える。丁度この場にはさっきまで凄まじいデュエルが行われたおかげでデュエルエナジーが充満しているしな」

十代「そうか! それでこの壁をぶっ壊せば!」

カイの言葉に十代が歓声を上げ、カイとカノンノは両手に一枚ずつカードを持つとパンッと音を立てて手を合わせ、二枚のカードを重ね合わせる。決闘竜を呼び出す精霊界に伝わる儀式――合わせ札の儀式だ。二人の重ね合わせたカードが光を放ち、二枚のカードが融合して一枚の新たなカードと化す。

カイ「この場に集まったデュエルエナジーに――」
カノンノ「――私達の精霊の力を重ね合わせ、合わせ札の儀式にて精霊界を守護する竜を呼び出す!」

その言葉と共にカードから光が放たれ始め、二人の背後にオーラのように広がっていく。

カイ「星海を切り裂く一筋の閃光よ! 魂を震わし世界に轟け!!」
カノンノ「太古の森よりフィールドを制圧する精霊よ、かりそめの姿にその身をやつし降臨せよ」

二人は詠唱を行い、その手に生まれたカードを掲げた。

カイ「輝け、[閃光竜 スターダスト]!!!」
カノンノ「響け、[妖精竜 エンシェント]!!!」

叫び、カイの背後にバルバトスとのデュエルで彼を守護した黒きスターダスト・ドラゴンが、カノンノの背後に黒みがかった青色の胴長竜が姿を現した。

ライ「黒い、エンシェント・フェアリー・ドラゴン……」

その姿を見たライが、弟の扱っていたシグナーの竜を思い返しながら呟く。

カイ「闇を打ち払いたまえ、閃光竜様! シューティング・ブラスト!!」
カノンノ「お願いします、妖精竜様! フェアリー・テイル・ウィップ!!」

二人が指示をし、閃光竜の光のブレスと妖精竜の長い尻尾を叩きつける一撃が闇色の壁に激突。その衝撃がビリビリビリと空気を震わせる。

ベアトリクス「さ、させるかあああぁぁぁぁっ!!!」

壁を破られまいとベアトリクスが右手をトカゲの地縛神――Ccarayhuaのものに変えて二体の決闘竜目掛けて手を伸ばす。

カノンノ「フィールド魔法[ジャスティス・ワールド]を発動!」

しかしカノンノが瞬時にフィールド魔法を発動し、その時妖精竜の身体から光が放たれる。

カノンノ「妖精竜様の効果発動! フィールド魔法の力を借り、破壊の力を放つ! スピリット・ベリアル!!」
ベアトリクス「なっ!? ぐあああぁぁぁっ!!!」

妖精竜から放たれた衝撃波がベアトリクスを吹き飛ばし、ついに一部とはいえ闇色の壁が破壊、閃光竜と妖精竜がその内部に侵入。それと同時に再び闇色の壁が再生した。

十代「くそっ!! これじゃ逃げられねえ!!」
ヴァルツ「だが、閃光竜様と妖精竜様が入られた! 地縛神の力を得ているとはいえ、お二方の力はあんな器で耐えきれるものではない!」

ヴィヴィオと澪、ついでにエヴァが逃げられない事に十代が悔しそうに叫ぶが、その横に立つヴァルツが若干精霊としての自分を隠しきれてない台詞を吐く。ベアトリクスも格の違いを理解しているのかクッと絶体絶命とばかりの声を漏らす。

カイ・カノンノ「「……くっ……」」

しかしその直後、カイとカノンノが苦しそうに息を吐いて膝をつき、同時に閃光竜と妖精竜の身体が透けていく。

翔「ど、どうなってるんすか!?」
三沢「……まさか、あの力はカイとカノンノに大きな負担をかけるのではないか!?」

絶好のチャンスに起きたハプニングに翔が叫ぶと三沢が今の状況から分析し仮説を投げかける。

カノンノ「お、大当たり……」
カイ「本来合わせ札の儀式は数時間にわたり、決まった手順にて決闘竜様の御力を媒体とするカードに込める儀式……時間が足りなすぎる……」

ベアトリクス「フ、ククク……形勢逆転だな!!!」

既にほとんど透明になっている決闘竜を前に相手が逆転不可能だと知ったベアトリクスは一転して得意気な顔になった。

カイ「ああ。もうあんたを決闘竜様の御力で倒すのは不可能だ……だが」

カイは苦しそうな顔で、現在操られている澪を見る。

カイ「閃光竜様の効果発動! ソニック・バリア!!」

カイが叫ぶと同時に閃光竜が最後の力を振り絞り、澪を己の力を込めたバリアで包み込む。その直後、二体の決闘竜が消え去り、二人の手に握られていた媒体のカードがボロボロに破れていった。

カイ「どうにか、秋山さんに、閃光竜様のご加護を、与えた……闇のデュエルの、ダメージを完全に……防ぐのは不可能だが……これで、大分マシになるはずだ……」
カノンノ「も、もう無理……」

カイが息切れしながら説明、その横でカノンノはバタンキューと倒れていた。

エヴァ「よくやった! これであの小娘の心配はいらん!」

カノンノ「ヴィヴィオちゃん、精霊界を守る決闘竜様を……私達を信じて……勝って」

エヴァの元気づけるような言葉とカノンノの息切れしながらもお願いするような言葉。それにヴィヴィオは少し黙った後、やがてうんと頷いた。

ヴィヴィオ「分かりました! 私が澪さんを助け出します!」

ヴィヴィオは目を研ぎ澄ませて真剣な顔を見せて頷き、デュエルディスクを展開する。

四人『デュエル!!!』

そして四人の声が重なり合い、ついに闇のデュエルが幕を開けた。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.77 )
日時: 2014/01/04 01:48:54
名前: 孝(たか)

ピピピ・・・ピーーー LP8000

エヴァ「先攻は私か・・・ドロー!」

デュエルディスクによりライフポイントが設定され、ランダム選択により先攻を与えられたエヴァは気軽にドローする。

エヴァ「私のデッキは貴様に奪われたままだからな。取り返させてもらうぞ」
ベア「ふふ。やれるものならどうぞ?負ける気は無いけどね」

エヴァは憎々しげに睨む。それに対して余裕の態度を崩さないベアトリクス。

エヴァ「私は、[SDロボ・モンキ]を召喚!」

モンキ:ATK800

エヴァは猿をモチーフにした戦闘型ロボットを召喚する。

翔「まさかのロボットっすか!?」
万丈目「ギミック・パペットも機械族だったがな。予想はしていたが・・・似合わん。」

どう見てもゴスロリを着た少女が使うには予想できないカードではある。
彼女の容姿だけを見るならばどちらかと言えばピケクラの様なカードを好んで使いそうではあるが…。

エヴァ「モンキの効果発動!召喚に成功した時、手札から[SDロボ]を特殊召喚できる。出て来い![SDロボ・エレファン]!」

エレファン:ATK1400

モンキが目を光らせて救援シグナルを送信すると、空から像をモチーフにしたと思われるロボットが着地する。

三沢「今度は像型か・・・」

三沢はエヴァのゴスロリ姿に顔を赤らめつつ悟られない様にモンスターへの感想を述べる。

エヴァ「エレファンの効果発動!1ターンに1度、SDロボ1体のレベルをエンドフェイズまで8に変更する!当然、モンキのレベルを3から8へ変更。」

モンキ☆3→8

エヴァ「まぁ、エレファンはエクシーズモンスターの素材にする場合、機械族のエクシーズにしか使用出来ないがな・・・レベル8のモンキとエレファンでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」

十代「アイツって・・・ランク8のエクシーズしか持ってないのか?」
亮「俺は眼が醒めてからしか聞いてないが・・・それだけのタクティクスを持っているのは確かだな。」

亮とデュエルした時も氷牙とデュエルした時も、エクシーズモンスターは・・・というよりエヴァの扱うNO.は全てランク8しかいなかった。
だが、逆に考えればエヴァにはそれだけ卓越した技量があると言うのと同義である。

エヴァ「現れろ![廃品眼の太鼓竜]!」

太鼓竜:ATK3000

まるで子供の工作で作られた貯金箱の様な出来の締まらない残念竜がエヴァの前に姿を現す。

ベア「・・・・・・・」
澪「・・・・・・・」

ヴィオ「・・・え〜っとぉ・・・」
他一同「・・・・・・・」

エヴァ以外のほぼ全員が目を点にしてどう反応していいのかわからないと言う困惑で包まれる。

亮「攻撃力3000。見た目はどうあれ、強力なモンスターには違いないな。」

だが、アカデミアのカイザーである亮は真剣な表情でデュエルを見つめる。
海馬の激励?によって以前よりも風格が増したカイザーには見た目で惑わされる様な事は無い様だ。

エヴァ「何を呆けている?見た目で侮るようでは、貴様の程度が知れるな?カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」手札2
ベア「・・・ふふ。言ってなさい。そんなガラクタ、すぐに退場させてあげるんだから・・・ちっ・・・どうやら私のターンではない様ね。さぁ、貴方の出番よ?澪」

どうやらエヴァの次は澪のターンの様だ。つまり、エヴァ→澪→ヴィヴィオ→ベアトリクスの順らしい。

澪「はい。ベアトリクス様。ヴィヴィオちゃん・・・闇のデュエルを楽しもう!私のターン。ドロー!」

カミューラが操られていた時とは違い、理性はある様だ。だが、ベアトリクスによって操られている事には変わりない。

澪「私は、魔法カード[手札抹殺]を発動。互いのプレイヤーは手札を全て捨て、同じ枚数ドローする。私は5枚」
エヴァ「私は2枚だ・・・」

エヴァは自身の手札から墓地に送られたブリキンギョを見て表情を僅かに歪ませる。

澪「そして、[寡黙なるサイコプリースト]を召喚。召喚時、このカードは守備表示になる。」

サイプリ:DEF2100

澪「手札を1枚捨てて、サイコプリーストの効果発動!墓地からサイキック族モンスター1体を除外する。私は[サイ・ガール]を除外!更に、今捨てたのは[ゾンビキャリア]!手札1枚をデッキトップに戻し、墓地から特殊召喚!」

キャリア:ATK400

エヴァ「チューナーモンスターか・・・」
澪「レベル3のサイコプリーストに、レベル2のゾンビキャリアをチューニング!全てを抹消しろ!シンクロ召喚![A・O・J カタストル]!」

カタストル:ATK2200

ヴィオ「モンスターキラー・・・」
エヴァ「ちっ!面倒な・・・」

闇属性以外のモンスターを問答無用で抹殺する殺戮兵器カタストル。
レベル5で攻撃力はやや低いが、その効果は侮れない。

澪「サイコプリーストがフィールドから墓地に送られた時、効果発動!自身の効果によって除外したモンスター1体を特殊召喚する。舞い戻れ!サイ・ガール!そして、自身の効果で蘇生した場合、フィールドから離れたゾンビキャリアは除外される。」

サイ・ガール:ATK500

澪「サイ・ガールは除外された状態から特殊召喚された場合、デッキトップを裏側表示で除外し、サイ・ガールがフィールドから墓地へ送られた時、そのカードを手札に加える。」

ニヤリと嗤う澪にヴィヴィオは心を痛める。

澪「更に、速攻魔法[緊急テレポート]を発動。手札かデッキからレベル3以下のサイキック族1体を特殊召喚する。ただし、エンドフェイズに除外される。私はデッキから[調星師ライズベルト]を特殊召喚!そして効果発動。特殊召喚に成功した時、フィールドのモンスター1体を選択し、エンドフェイズ時までレベルを3つまで上げる。サイ・ガールのレベルを3つ上げる!」

サイ・ガール☆2→5

澪「レベル3のライズベルトにレベル5となったサイ・ガールをチューニング!逆巻け!我が主の復讐の黒炎!シンクロ召喚![メンタルスフィア・デーモン]!!」

メンタルデモン:ATK2700

悪魔の姿をしたサイキック族のエース級モンスターが現れる。

澪「墓地に送られたサイ・ガールの効果で、除外したカードを手札に加える。カードを2枚伏せて、ターンエンド」手札0

ここで、漸く澪のターンが終了する。手札は無くなったが、澪の場には闇属性以外に強いカタストルと、サイキックを対象とする魔法・罠の効果を無効にするメンタルスフィア、更にはリバースが2枚もある事で迂闊に攻める事も出来ない。

ヴィオ「わ、私のターン!ドロー!」

やはりまだ戸惑いが残っているのか、ヴィヴィオはどこかぎこちない。

ヴィオ「(落ち付いて、大丈夫。カノンノさんとカイさん、それから精霊の力を信じて・・・。)私は、[デブリ・ドラゴン]を召喚!効果発動!召喚成功時に、墓地から攻撃力500以下のモンスターを効果を無効にして攻撃表示で特殊召喚します。エヴァンジェリンさんの手札から捨てられた[オービタル7]を特殊召喚!」

デブリ:ATK1000
オービタル:ATK500

ベア「チューナーと非チューナー・・・シンクロ召喚かしら?」
ヴィオ「いいえ。デブリ・ドラゴンはシンクロ素材になる時、他のモンスターのレベルは4以外でなければならないんだよ!私は、レベル4のデブリ・ドラゴンとオービタル7でオーバーレイ!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

ベアトリクスはヴィヴィオがシンクロに繋げると予想するが、全くの的外れ。
いつもならエースモンスターの聖王竜を出すが、今回はエクシーズモンスターを出す様だ。

十代「おおお!ヴィオもエクシーズ召喚か!?」
美海「ランクは4・・・素材はそれぞれ光属性と風属性、機械族とドラゴン族・・・つまり、縛りの無いエクシーズモンスター・・・恐らく、ナンバーズしかない。」

美海はこの状況から出せるエクシーズモンスターを予想する。

ヴィオ「来て!NO.44!”悠久の大義よ、今こそ古の眠りから目覚め、天空を駆ける翼となれ!”[白天馬スカイ・ペガサス]!!」

上空に三葉虫の化石の様なものが現れ、徐々にその形を変えていく。
その姿は、伝説の上の生物・・・ペガサス。右翼の付け根に自身を現す44の文様が浮かんでいる。

ペガサス:ATK1800 ORU2

美海「予想通り。ヴィヴィオのナンバーズ。」
翔「凄いよ美海ちゃん!」

美海は予想が当たったのか自分よりほんの数センチ背の高い翔を見上げながら微笑み、翔もそれを褒めた。

ヴィオ「スカイ・ペガサスのモンスター効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使って、相手の場のモンスター1体を選択して発動します。相手はライフを1000ポイント払う事でこの効果を無効にできます。払わなかった場合、選択したモンスターを破壊します!」
澪「ライフを1000払う。・・・ぐぅぅぅっ」LP8000→7000

魔法と罠に耐性を持っている様なものだが、モンスター効果には無力。故にライフを払うしかない。

ヴィオ「っ!?・・・カードを1枚伏せて、ターンを終了します」手札4

しかし、それによってライフを失い、闇のデュエルによる苦痛で表情を歪める澪を見て苦しむヴィヴィオだった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.78 )
日時: 2014/01/05 06:01:19
名前: ヘルマン

ベア「ふふ。漸く私のターンね・・・ドロー!」

ベアトリクスは漸く自分のターンが来た事で勢いよく、それでいて妖艶なポーズでカードを引く。

十代「・・・・・・なんか、見てて痛々しいな」
ライ「・・・そうだな。何か、イラっと来るな」

ベアトリクスのカードを引く動作に白けた視線を向ける十代達であった。

ベア「・・・外野は黙ってなさい。私は[ギミック・パペット‐死の木馬]を召喚。効果を発動するわ」

死の木馬:ATK1200

十代達の発言にイラツキながらも淡々と進めるベアトリクス。
召喚されたのは前回翔達とタッグデュエルした時にも使われた死の木馬だ。

ベア「死の木馬はフィールドのギミック・パペットを破壊できる。その効果で、自分自身を破壊。そして、死の木馬がフィールドから墓地に送られた時、手札の[ギミック・パペット]を2体まで特殊召喚出来るわ。よって、私は手札の[ギミック・パペット]・・・[ギア・チェンジャー]と[ネクロ・ドール]を特殊召喚するわ。」

ネクド:ATK0
チェンジャー:ATK100

翔「このパターンは・・・マズイっす!」

既に固定されている様なパターンにより、次に何が来るか容易に想像できてしまう。

ベア「ギア・チェンジャーの効果発動。フィールドのギミック・パペットのレベルをコピーする。ネクロ・ドールのレベルをコピーして、1から8に変更!」

チェンジャー☆1→8

ベア「レベル8のギア・チェンジャーとネクロ・ドールでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

色っぽい声でエクシーズ召喚の宣言をするベアトリクス。
闇のデュエルで緊迫している筈なのに、ベアトリクスの行動がそれを台無しにしているようであった。

見た目は確かに美女なのだが・・・どうも子供が背伸びして大人ぶっているようにしか見えないのだ。

ベア「現れなさい、No.15!運命の糸を操る地獄からの使者、漆黒の闇の中より舞台の幕を開けなさい![ギミック・パペット−ジャイアントキラー]!」

殺戮巨人:ATK1500 ORU2

例によってモンスターキラーのナンバーズ、ジャイアントキラーが現れる。

ベア「ジャイアントキラー!血祭りにあげなさい!オーバーレイユニットを1つ使い「させないよ!罠発動![奈落の落とし穴]!」なっ!?」

ベアトリクスがジャイアントキラーの効果を使おうとする前に、特殊召喚に対してヴィヴィオが罠を発動する。

ヴィオ「攻撃力1500以上のモンスターが特殊召喚された時、そのモンスターを破壊して、除外するよ!」
ベア「ちぃっ!忌々しい小娘ね・・・カードを1枚伏せて、ターンエンド!」手札2

手札を半分も消費して召喚させたナンバーズがあっさり除外されてしまい、二の足を踏んでしまうベアトリクスだった。

エヴァ「私のターン。ドロー!」

ここでエヴァンジェリンのターンへと戻ってきた。このターンから、バトルフェイズを行えるようになる。

エヴァ「私は、太鼓竜のモンスター効果を発動する。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、太鼓竜の攻撃力を次の相手ターンのエンドフェイズまで1000ポイントアップする!オーバーレイユニットのモンキを使い、効果発動!”腹太鼓”!!」

太鼓竜:ATK3000→4000

エルフィ「効果名がまさかのポケ〇ン!?」
翔「それだとライフポイントが半分削られちゃうっす!」

よもや某ポケットサイズの育成ゲーネタで来るとは誰も予想できなかっただろう。

エヴァ「安直だがピッタリだとは思わんか?・・・少なくとも、あの馬鹿よりはマシだと思っている。」

言って、エヴァはベアトリクスを指差しながら翔達に返事を返す。

一同『『『あ、それは言えてる。』』』
ベア「いちいち私を引き合いに出すんじゃないわよ」

何度もコケにされたせいかベアトリクスの額には青筋が幾つも浮かび上がっている。

エヴァ「バトルだ!太鼓竜でメンタルスフィアに攻撃!”ガラクター・ファット・ストリーム”!」

その見た目からは想像もできない様な極太のビームが太鼓竜の口から吐き出され、メンタルスフィアに一直線に突き進んでいく。

澪「罠発動![炸裂装甲]!攻撃モンスターを破壊する!」
エヴァ「甘いわ小娘!罠発動![トラップ・スタン]!このターン、全ての罠カードの効果を無効にする!」
澪「きゃあああああああああああ!?」LP7000→5700
ヴィオ「っ!?澪さん!!」

澪の叫び声に、またも反応してしまうヴィヴィオ。その表情は悲痛に歪んでいる。

エヴァ「カードを1枚伏せ、ターン終了だ・・・いい加減、覚悟を決めろ。闇のデュエルである以上、もう止まれん。勝って小娘を救うか、負けて小娘をどん底に落とすか。二つに一つだ」手札2

エヴァンジェリンは低い声でヴィヴィオに説教するが、見た目と違ってヴィヴィオはまだ14歳。エヴァンジェリンの様に、そう簡単に割り切れるものではないのだ。

澪「私の、ターン。ドロー!・・・バトル!カタストルで、太鼓竜を攻撃!”撃滅光線”!!この瞬間、カタストルの効果発動!闇属性以外のモンスターと戦闘を行う時、ダメージ計算を行わずに破壊する!」

カタストルのカメラアイから赤い光線が太鼓竜に向けて放たれ、ボディーの中核をなす太鼓が焼き尽くされ、太鼓竜は呆気なく破壊される。

エヴァ「太鼓竜の第2のモンスター効果発動!オーバーレイユニットを持った状態で太鼓竜が破壊された時、墓地の[SDロボ]1体を除外する事で、自身を特殊召喚する!モンキから部品を拝借し、蘇れ!廃品眼の太鼓竜!その後、墓地のSDロボ1体をオーバーレイユニットとして吸収する!墓地のエレファンを吸収!」

太鼓竜:ATK3000 ORU0→1

澪「カードを1枚伏せて、ターンエンド」手札0
ヴィオ「私のターン。ドロー!スカイ・ペガサスのモンスター効果を発動します!残ったオーバーレイユニットを使い、カタストルを破壊します!」
澪「再び、スカイ・ペガサスの救済効果で、ライフを1000払ってその効果を無効にさせてもらう。う、ぐぐううう・・・」LP5700→4700

再びスカイ・ペガサスの効果を使用するが、澪も再びライフを払って破壊を無効にする。

ヴィオ「・・・手札1枚を捨てて、[The トリッキー]を特殊召喚します。更に、チューナーモンスター[ジャンク・シンクロン]を召喚!効果発動!召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスター1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚します。私は、トリッキーのコストに使用した[ジェスター・コンフィ]を特殊召喚!」

トリッキー:ATK2000 ☆5
ジャンク:ATK1300 ☆3
コンフィ:ATK0 ☆1

ベア「チューナーと非チューナーしかもレベルはばらけている。合計は4・8・9・・・かしら?」
ヴィオ「・・・私、絶対に貴女を許さないから!☆1のコンフィと☆5のトリッキーに、☆3のジャンク・シンクロンをチューニング!”霧の名を冠する者よ!その力で、制圧して!”シンクロ召喚![ミスト・ウォーム]!!」

☆1+☆5+☆3=9

ミスト:ATK2500

ヴィオ「ミスト・ウォームの効果発動です!シンクロ召喚に成功した時、相手のフィールド上のカードを3枚まで持ち主の手札に戻します!私が選択するのは、カタストルと澪さんの伏せカード2枚です!」
澪「罠発動![和睦の使者]!このターン、私への戦闘ダメージを0にし、モンスターも戦闘では破壊されない。」

ヴィヴィオが選択した2枚の内1枚がチェーン発動されてしまった。実質的に戻せたのは2枚だけだが、カタストルをバウンス出来たのは大きい。

ヴィオ「攻撃しても意味は無いですね・・・カードを2枚伏せて、ターンエンドです。」手札0

そして、ここでヴィヴィオも手札を使いきってしまった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.79 )
日時: 2014/01/05 17:51:16
名前: カイナ

澪がヴィヴィオにデュエルを申し込むより少し前。アルフはアカデミアで売っていたお土産のTシャツやスカートなどの衣服に着替えたネラと一緒に改めてラーイエロー寮主催の縁日を回っていた。

ネラ「はい、あ〜ん♪」
アルフ「恥ずかしいから爪楊枝渡してよ。ネラ、僕をいくつだと思ってんのさ?」
ネラ「私にとってはいつまで経っても可愛い弟役だもん♪ それに、こういうとこではあ〜んがお約束なんでしょ?」
アルフ「どこのお約束なの!?」

ネラが爪楊枝にたこ焼きを刺してアルフにあ〜んとやり、アルフが子供扱いに対して不満そうに口を尖らせるとネラはえへへ〜と笑いながらそう言い、さらにその続けての言葉にアルフは顔を赤くして焦ったように叫ぶ。

ネラ「ほらほらお口開けて? はいあ〜ん?」
アルフ「だ、だから恥ずかしいってば……」

たこ焼きを刺した爪楊枝を手にニコニコ笑顔で迫るネラと頬を赤らめて少し狼狽えながら後ずさりをするアルフ。ぶっちゃけバカップルのいちゃつきにしか見えない光景だ。と、その時突然空がまるで曇り出したかのように暗くなっていく。

アルフ・ネラ「「ん?」」

直後突然ドサリ、と何かが倒れるような音を聞いて二人は音の方を向く。そこでは一人の外からの来客らしき男性が倒れていた。

アルフ「大丈夫ですか!?」

急病かもしれない。そう思ったアルフが大急ぎで近寄り、呼びかける。しかし彼はすぅすぅと寝息を立てている。どうやら寝ているだけのようだ。

ネラ「うっ……」

男性に駆け寄ったアルフを見ていたネラも急激に眠気に襲われる。が、それが何か魔術的なものによる現象だとすぐさま予測すると口を動かすことなく催眠系の術への対抗呪文を詠唱。素早くその術を発動し、眠気を覚ます。しかしその直後、縁日にいる人間全てが次々と倒れていき、アルフが駆け寄った男性と同じく眠りに落ちていった。

アルフ「わ、な、なに!? どうなってんの!? か、神楽坂君!? 皆!?」

アルフは慌てながらも焼きそばを作っていた神楽坂や他のイエロー寮生徒の方に走っていき、彼らを揺り起こそうとするが彼らは深い眠りについており起きる様子がない。

ネラ(これは魔術?……でもなんで? しかも少なくともこの場所にいる全員を一斉に眠らせるなんて……)

ネラは真剣な表情で今起きている現象の謎を解こうとする。

アルフ「!」

と、いきなりアルフが顔を上げ、虚空を見上げる。その時ネラはアルフの目の前に青く美しい身体をした胴長の竜が姿を現したのを見た。

ネラ(あれはエンシェント・フェアリー・ドラゴン様!?)

自らの世界――精霊界を守護するとされている伝説の竜の一体をその目で見たネラはアルフとエンシェント・フェアリー・ドラゴンが会話しているのを聞く余裕もないほどに驚き信じられないとばかりに目を見開く。そしてエンシェント・フェアリー・ドラゴンが消えるとアルフは慌てたようにネラの方に走り寄って彼女の手を掴んだ。

アルフ「ネラ、急いでレッド寮に戻ろう! 皆が危ない!!」
ネラ「え、え!?」
アルフ「ごめん、信じられないかもしれないけど、レッド寮で大変なことが起きてるんだ。ネラを危険に巻き込んじゃうかもしれないけど、目を離した方が怖いんだ……」

アルフは真剣な表情でネラに話しかけるが、周りで昏睡状態に陥っている人達を見ると心配そうな顔になる。ネラが同じ事になったら怖い、彼の目はそう語っていた。

ネラ「大丈夫だよ」

と、ネラは彼の、自分の手を掴んできていた手を自分の両手で包み込んだ。

ネラ「だって、アルフが私を守ってくれるんでしょ?」
アルフ「う……うん……!?」

まるでお姉さんのようにアルフを元気づけるように微笑むネラ。それにアルフは勢いに押されたように頷くが、直後ようやく自分がネラの手を掴んでいたことに気づいて顔を赤くする。

アルフ「……い、行こう!」

しかしアルフは手は握ったまま誤魔化すようにそう言ってレッド寮向けて走り出し、ネラもくすくすと笑いながら引っ張られるように彼の後に続いた。


ベアトリクス「私のターン、ドロー!」

一方レッド寮。ベアトリクスはやはり痛々しい妖艶なポーズでカードをドローする。と、そのドローカードを見た彼女の頬がニヤリ、と吊り上がった。

ベアトリクス「私はリバースカード[闇次元の解放]を発動。除外ゾーンから闇属性モンスターを特殊召喚する。出でよ、[No.15 ギミック・パペット−ジャイアントキラー]!!」
No.15 ギミック・パペット−ジャイアントキラー 攻撃力:1500

彼女の場に大きな闇の穴が開き、その穴の中から再びジャイアントキラーが姿を現す。しかしその姿を見たエヴァンジェリンはククッと笑う。

エヴァンジェリン「なんのつもりだ? オーバーレイユニットが存在しないエクシーズモンスターはバニラ同然。元々貴様のデッキは私のもの、それの攻略法など分かり切っている」

エヴァンジェリンはドヤ顔でそう言い切ってみせる。が、その言葉を聞いたベアトリクスの頬がまるで裂けたかのように吊り上がる。

ベアトリクス「攻略法が分かっている?……なら、あなたの知らないカードにより強化されていたらどう?」
エヴァンジェリン「なに?」

ベアトリクスの言葉にエヴァンジェリンがピクリと眉を動かすと、彼女はさっきドローしたカードをデュエルディスクに差し込んだ。

ベアトリクス「魔法カード[RUM−ブラッド・フォース]を発動!!!」

カイ・カノンノ「「ラ、RUM(ランクアップマジック)!?」」

ベアトリクスの発動したカードの名前を聞いたカイとカノンノが疲労困憊状態からでも驚愕の声を上げる。

翔「な、なんなんすか!?」
カイ「RUM、それはナンバーズの真なる力を目覚めさせる魔法の力!」

ベアトリクス「ふ、流石は元精霊。よく知っている……私はランク8のジャイアントキラー一体でオーバーレイネットワークを再構築! カオスエクシーズチェンジ!!」

翔が叫び、カイが解説。ベアトリクスが叫ぶと同時にジャイアントキラーが光の帯となって空中を踊り、地上に現れた光の渦に吸い込まれるとその渦の中央から爆発が巻き起こる。

ベアトリクス「運命の糸を断ち切る使者よ、我が英知によりて具現せよ!! [CNo.15 ギミック・パペット−シリアルキラー]!!!」
CNo.15 ギミック・パペット−シリアルキラー 攻撃力:2500

渦の中から吊り上げられるように金色の身体をし、銀色のまるで翼のような装飾をつけたジャイアントキラーが姿を現す。

カイ「なんでだ!? なんでお前がCNo.の存在を知っている!?」

ベアトリクス「私は元々No.96の力によって生まれた存在、No.の力の一端なんだからNo.の秘密を知っていてもおかしくはない」

カイの叫び声にベアトリクスは受け流すようにそう言い、エヴァンジェリンを睨んだ。

ベアトリクス「シリアルキラーの効果発動! カオスオーバーレイユニットを一つ使い、相手フィールド上のカード一枚を破壊する! また、破壊されたカードがモンスターカードだった場合、さらにそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!!」
CNo.15 ギミック・パペット−シリアルキラー カオスオーバーレイユニット数:1→0
エヴァンジェリン「なに!?」
ベアトリクス「私が破壊するのは当然エヴァンジェリン、お前のガラクタ竜だ! エクスターミネーション・スラッシャー!!」
エヴァンジェリン「ぐあああぁぁぁっ!!!」LP8000→5000

シリアルキラーの効果により太鼓竜が破壊されその元々の攻撃力3000のダメージを受けてしまい、ヴィヴィオと氷牙が「エヴァンジェリン(さん)!」と思わず悲鳴のような声を上げてしまう。

エヴァンジェリン「くっ……太鼓竜の効果発動! オーバーレイユニットを持った状態で破壊された時、墓地のSDロボ一体を除外する事で、自身を特殊召喚する! エレファンを除外し現れろ、[廃品眼の太鼓竜]!!」
廃品眼の太鼓竜 攻撃力:3000

翔「どうにか復活したっす……」
三沢「だがもう墓地にSDロボはいない、オーバーレイユニットが補充できなければ太鼓竜の蘇生効果も発動できん……」

三度太鼓竜がエヴァンジェリンの場に姿を現し、翔が不安げに声を漏らすと三沢も腕組みをして呟くように状況を説明した。

ベアトリクス「バトル! 私はシリアルキラーでスカイ・ペガサスを攻撃! ジェノサイド・ガトリング・バースト!!」
ヴィヴィオ「きゃあああぁぁぁぁっ!!!」LP5000→4300

シリアルキラーの腹部から現れたガトリング砲から弾丸が連射されスカイ・ペガサスを貫き撃ち落とすだけでは飽き足らずヴィヴィオにも弾雨が降り注ぐ。

ベアトリクス「私はこれでターンエンドよ」手札二枚

ベアトリクスは新たなるしもべであるカオスナンバーズを見上げ、クククと笑ってターンエンドを宣言した。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.80 )
日時: 2014/01/14 12:35:37
名前: 孝(たか)

エヴァ「ぐ・・・ううぅ・・・わ、私の・・・ターン。ドロー!!」手札3
ベア「ふふ。いい表情ね。ゾクゾクしちゃう」

ペロリと妖艶な表情で指先を嘗めるベアトリクス。今までで一番さまになっているが、一同からしてみればやはりイラっとくる様だ。

十代「俺、今ほど視線で相手が殺せたらいいと思った事・・・無かったぜ」
焔「奇遇だな。俺も今同じ事を思っていた。」

瞳のハイライトを消して遠くを見るような仕草で低い声を出す2人に、3歩半引く一同であった。

エヴァ「ハァ・・・ハァ・・・流石に、闇のデュエルで3000ものダメージは、堪える、な・・・だが、みっともない姿を、曝す訳にはいかんのでな・・・いくぞ![SDロボ・ライオ]を召喚!更に手札から2体目のエレファンを特殊召喚!」

ライオ:ATK1200
エレファン:ATK1400

エヴァ「再びエレファンのモンスター効果を発動!ライオのレベルを8に変更!そして2体のモンスターでオーバレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!2体目の[廃品眼の太鼓竜]!!そしてそのまま効果発動!オーバーレイユニットのエレファンを使い、相手ターンのエンドフェイズまで攻撃力を1000ポイントアップだ!」

太鼓竜(U):ATK3000→4000 ORU2→1

エヴァ「まずは1体目の太鼓竜でシリアルキラーに攻撃!」
ベア「しかし、ナンバーズはナンバーズでなければ戦闘では破壊されない。この程度じゃ、痛くも痒くもないわ」LP4700→4200

500程度のダメージではベアトリクスにはそよ風程度にしか思わないらしい。

エヴァ「ならば2体目の太鼓竜でもう一度シリアルキラーを攻撃!”ガラクター・ファット・ストリーム”!!」

続いて、攻撃力4000の太鼓竜でシリアルキラーに再び攻撃を加えるエヴァンジェリン。

ベア「ふふふ・・・無駄無駄。その程度じゃ、私には蚊程も効かないわよ」LP4200→2700
エヴァ「・・・だが、ダメージは通っている。ハァ、ハァ・・・このまま、押し切って見せるさ・・・ターン、エンド」手札1
ベア「ふふふ・・・やれるものなら、やってみなさいな・・・」

エヴァンジェリンの威勢にも嘲笑で返すベアトリクス。だが、ベアトリクスは2つ見落としている。

それは、これがタッグデュエルである事、そして・・・そのパートナーが誰であるかを・・・。

澪「私のターン。ドロー!・・・あは!魔法カード[死者蘇生]を発動。墓地から[メンタルスフィア・デーモン]を特殊召喚!そのままバトル!メンタルスフィアで、ミスト・ウォームを攻撃!」

メンタルスフィアが僅かに攻撃力で劣るミスト・ウォームに攻撃を仕掛ける。

ヴィオ「少し勿体無いけど・・・罠発動![ブレイクスルー・スキル]!モンスター1体の効果を、エンドフェイズまで無効にします!」
澪「無駄だ!メンタルスフィアの効果発動!サイキック族モンスターが魔法・罠の効果対象にされた時、ライフを1000ポイント払う事で無効にする!”トラップ・キャンセル”!」LP2700→1700

メンタルスフィアが眼から妖しい光線を放ち、ヴィヴィオの発動した罠を塵にする。
そして、遂にメンタルスフィアの攻撃がミスト・ウォームに直撃する。

ヴィオ「きゃあああああああああっ!?」LP4300→4100
澪「この瞬間、メンタルスフィアの効果発動。メンタルスフィアが戦闘で破壊したモンスターの攻撃力分、ライフを回復する。ミスト・ウォームの攻撃力は、2500。」LP1700→4200

十代「折角のダメージが、回復しちまった!?」
三沢「これで互いのライフ差は100。しかも相手にはカオスナンバーズが居る・・・」

亮「だが、彼女たちの墓地には今発動させたあの罠が送られた。カオスナンバーズを倒す為の布石は用意されている。あとは・・・」
万丈目「彼女達が、カオスナンバーズの攻撃力を超えられるかどうかだ・・・」

エヴァンジェリンの太鼓竜がいるとはいえ、いつ破壊されてもおかしくは無いのだ。少しの油断が、決定的な勝敗の分け目となる。

澪「私はこれでターンエンドだ。」手札0
ヴィオ「私のターン・・・ドロー!!・・・やった!魔法カード[貪欲な壺]を発動だよ!墓地のモンスター5体をデッキに戻して、シャッフル・・・そして2枚ドロー!」

ヴィヴィオは墓地から『ジャンク・シンクロン』『The トリッキー』『ミスト・ウォーム』『デブリ・ドラゴン』『ブリキンギョ』を選択し、2枚ドローする。

ヴィオ「デッキは、信じれば必ず答えてくれる・・・そうだよね?代ちゃん。魔法カード[壺の中の魔術書]を発動!自分と相手はデッキから3枚までドロー出来る!私は、相手プレイヤーにエヴァンジェリンさんを指名します!」
エヴァ「どうやら・・・覚悟を決めた様だな。よくやったぞ。」

『『3枚ドロー!!』』

タッグデュエルの穴をついて自分達のみがアドバンテージを稼ぐヴィヴィオ達。これにより、2人の手札は互いに4枚になった。

ヴィオ「反撃・・・開始だよ!手札1枚を捨てて、再び[The トリッキー]を特殊召喚!更に、チューナー、モンスター[ジャンク・シンクロン]を召喚!効果発動!召喚時、墓地からレベル2以下のモンスターを効果を無効にして表側守備表示で特殊召喚するよ!」
ベア「ふふ・・・そうしてコンフィを出して、またミスト・ウォームでも出そうって魂胆でしょう?全く、芸が無いわね」

ヤレヤレと首を振って呆れたような仕草をするベアトリクス。

ヴィオ「墓地から・・・レベル2のモンスター[見習い魔術師]を特殊召喚!」
ベア「なに!?・・・なるほど、トリッキーのコストで墓地に送ったカードか・・・」

そう、ヴィヴィオはこの日の為にデッキを少し改良しており、その時にリクルーターであるこのカードをくわえていたのだ。

十代「レベルの合計は・・・10!」
ライ「とうとう来たか!ヴィヴィオのエースの出番だな!」

見守る仲間達も、ヴィヴィオのエースが来る事が予想出来た。

ベア「(ふふ、精々足掻きなさいな・・・私の場には、罠カード[奈落の落とし穴]がある。ジャイアントキラーを葬った時のお返しよ・・・)合計レベル10・・・だけど、どれ程強力なシンクロモンスターを出そうとも、カオスナンバーズの前では無力よ!」
ヴィオ「やってみないと、判らないよ!レベル2の見習い魔術師と、レベル5のトリッキーに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!!!”遥か太古に繁栄を導きし王の竜よ!長き眠りから醒め、その力を解き放て!”シンクロ召喚!・・・お願い・・・澪さんを助ける為に、私に、力を貸して・・・咆哮せよ!聖王竜セイバー・ドラゴン!!!」

聖王竜:ATK3000

遂に、ヴィヴィオのエースモンスターが顕現する。

ベア「甘いわ!罠発動![奈落の落とし穴]!私のジャイアントキラーの様に、奈落に落ちなさい!!」

シーーーーーーン。

威勢良く宣言して罠を発動させるベアトリクス。だが、聖王竜には全く効く素振りが無かった。

ベア「な、なに・・・?」
ヴィオ「聖王竜の効果・・・この子は、相手の魔法・罠・モンスター効果では、”破壊されない”」
ベア「なっ!?」

効果では破壊されない。つまり、ベアトリクスは折角の強力な罠カードを無駄に消費してしまったという訳だ。

ヴィオ「聖王竜のさらなる効果!この子が場に表側表示で存在する限り、私達の場の[戦士族]と[魔法使い族]は、私達の墓地のモンスターの数×200ポイント攻撃力をアップする・・・といっても、今はどちらも居ないけど・・・」

もしもどちらかの種族のモンスターが居れば、墓地のモンスターの数・・・5体分、つまり1000ポイントの攻撃力上昇を得られただろう。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.81 )
日時: 2014/01/27 20:52:39
名前: カイナ

ヴィヴィオ「さらに墓地からトラップ発動[ブレイクスルー・スキル]! 墓地のこのカードをゲームから除外し、相手フィールド上の効果モンスター一体の効果をターン終了時まで無効にする!」
ベアトリクス「っ!」

ヴィヴィオの墓地から発動した罠カードの効果にベアトリクスが息を飲む。

ヴィヴィオ「私が無効にするのは当然、シリアルキラー!」

十代「これでナンバーズじゃなくても戦闘破壊出来るぜ! いっけーヴィオ!!」

ヴィヴィオ「聖王竜でシリアルキラーを攻撃!! セイクリッド・クラスター!!!」
ベアトリクス「ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP4200→3700

聖王竜のブレスがカオスナンバーズを撃破し、ベアトリクスにダメージを与える。

ベアトリクス「くっ……手札の[ギミック・パペット−ナイト・ジョーカー]の効果発動!! 私の場のギミック・パペットが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、そのモンスターをゲームから除外する事で手札から特殊召喚!」
ギミック・パペット−ナイト・ジョーカー 守備力:1600
ヴィヴィオ「……私はこれでターンエンド」手札一枚

ベアトリクスの場に新たなギミック・パペットが姿を現し、ヴィヴィオはターンエンドを宣言する。

ベアトリクス「私のターン、ドロー!……ククク」

ベアトリクスはカードをドローするとクククと笑い、それをデュエルディスクに差し込んだ。

ベアトリクス「魔法カード[左腕の代償]! 手札を全て墓地に送る事で発動し、デッキから魔法カードを一枚手札に加える! 私が手札に加えるのは[命削りの宝札]、そのまま発動! 手札が五枚になるようにドロー!!」

一気に彼女の手札が五枚にまで増える。

ベアトリクス「墓地のネクロ・ドールの効果発動! 墓地のギミック・パペット、ジャイアントキラーをゲームから除外し特殊召喚!」
ギミック・パペット−ネクロ・ドール 守備力:0

再び彼女の場に二体のギミック・パペットが並ぶ。

ベアトリクス「私はレベル8のナイト・ジョーカーとネクロ・ドールでオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!! ぶっ壊せ、[No.40 ギミック・パペット−ヘブンズ・ストリングス]!!!」
No.40 ギミック・パペット−ヘブンズ・ストリングス 攻撃力:3000

ベアトリクスの場に新たなるナンバーズが姿を現し、彼女はにやりと笑う。

ベアトリクス「私はヘブンズ・ストリングスの効果発動! オーバーレイユニットを一つ使い、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターにストリングカウンターを一つ置く」
No.40 ギミック・パペット−ヘブンズ・ストリングス オーバーレイユニット数:2→1
メンタルスフィア・デーモン ストリングカウンター数:0→1
廃品眼の太鼓竜 ×2 ストリングカウンター数:0→1
聖王竜セイバー・ドラゴン ストリングカウンター数:0→1

エヴァンジェリン「そして相手、つまり次のターンプレイヤーである私だな。のエンドフェイズ時にストリングカウンターの乗っているモンスターを全て破壊し、その数×500ポイントのダメージを相手に与える……だが、次のエンドフェイズなどという悠長な事を言っているのであればお笑い草だ」

その言葉と共にヘブンズ・ストリングス自身を除く全てのモンスターにストリングカウンターが乗り、そのカードの本来の持ち主であるエヴァンジェリンはその効果の続きを説明し、ふんと鼻で笑う。

ベアトリクス「それはどうかしら?」

が、ベアトリクスも負けず劣らず相手を挑発し、手札を取る。

ベアトリクス「魔法カード[魔法石の採掘]を発動! 手札を二枚捨て、墓地から魔法カード一枚を手札に加える!」
ヴィヴィオ「まさか!?」
ベアトリクス「私が手札に加えるのは当然、[RUM−ブラッド・フォース]! そしてそのままブラッド・フォースを発動!! ヘブンズ・ストリングスをランクアップさせる!!」

ベアトリクスが墓地のRUMをサーチし、ヘブンズ・ストリングスのランクアップを宣言。「カオスエクシーズチェンジ!」という叫び声が響き渡った。

ベアトリクス「我が英知の結晶にて、悪魔よ蘇れ!! [CNo.40 ギミック・パペット−デビルズ・ストリングス]!!!」
CNo.40 ギミック・パペット−デビルズ・ストリングス 攻撃力:3300

その言葉と共に今度はヘブンズ・ストリングスがカオス化し、ベアトリクスはニヤリ、と頬を吊り上げる。

ベアトリクス「デビルズ・ストリングスの効果発動! このカードが特殊召喚に成功した時、フィールド上のストリングカウンターが乗っているモンスターを全て破壊し、自分はデッキからカードを1枚ドローする。その後、この効果で破壊され墓地へ送られたモンスターの内元々の攻撃力が一番高いモンスターのその数値分のダメージを相手ライフに与える!!!」

十代「なんだって!?」
三沢「今ストリングスカウンターが乗っているモンスターの中で元々の攻撃力が一番高いモンスターは廃品眼の太鼓竜とセイバー・ドラゴンの攻撃力3000! セイバー・ドラゴンは効果では破壊されないが、ダメージは変わらない!!」

デビルズ・ストリングスの効果に十代が声を上げ、三沢が状況を説明。デビルズ・ストリングスの効果により廃品眼の太鼓竜とメンタルスフィア・デーモンが破壊。聖王竜は己の効果によりなんとか耐えきった。

ベアトリクス「カードドロー! そして廃品眼の太鼓竜の攻撃力、3000ポイントのダメージを受けろ、エヴァンジェリン!!!」
エヴァンジェリン「く……ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP4100→1100

太鼓竜の爆発による衝撃波が一時収縮。それがいきなり大爆発を起こし、エヴァンジェリンの小さな身体を吹き飛ばす。これで先ほどのシリアルキラーと合計して6000ポイントのバーンダメージをもろにその身に受けたことになり、彼女がコスプレしているクランの衣服はボロボロ、帽子のウサギ耳もだらんと垂れ下がる。さらにはどこか切ったのか顔や口から血まで流れている。

エヴァンジェリン「まだ、だ……廃品眼の太鼓竜、効果、発動……オーバーレイユニットを持った状態で破壊、された時……墓地のSDロボ一体を、除外する事で、自身を特殊召喚する……エレファンを除外……出でよ……[廃品眼の太鼓竜]、さらに、墓地のSDロボ一体を……オーバーレイユニットとする。ライオをオーバーレイユニットとする……」
廃品眼の太鼓竜 守備力:2500 オーバーレイユニット数:1

それでもなお、彼女の闘志は折れていなかった。

ベアトリクス「いい様ね……まあ、ガラクタのオーバーレイユニットだけでも減らしておきましょう。デビルズ・ストリングスで廃品眼の太鼓竜を攻撃!」
エヴァンジェリン「くっ……エレファンを除外し、ゼェ……戻れ、[廃品眼の太鼓竜]」
廃品眼の太鼓竜 攻撃力:3000

デビルズ・ストリングスの攻撃で破壊された廃品眼の太鼓竜は再びSDロボのパーツを使って蘇る。しかしその力を発揮するためのオーバーレイユニットはもう存在しなかった。

ベアトリクス「デビルズ・ストリングスの効果発動。オーバーレイユニットを一つ使い、相手フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターにストリングカウンターを一つ置く」
CNo.40 ギミック・パペット−デビルズ・ストリングス オーバーレイユニット数:2→1
廃品眼の太鼓竜 ストリングカウンター数:0→1
聖王竜セイバー・ドラゴン ストリングカウンター数:1→2

デビルズ・ストリングスの効果により再び彼女らのモンスターにストリングカウンターが乗せられる。

ベアトリクス「さあ、もっと痛みに歪んだ顔を見せてちょうだい……ターンエンド」手札三枚

ベアトリクスは歓喜に震えるように身体を震わせ、頬を上気させて蕩けるような笑顔を浮かべながらターンエンドを宣言した。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.82 )
日時: 2014/02/01 05:07:47
名前: 孝(たか)

エヴァ「わた、しの・・・ターン・・・ど、ドロー・・・」手札5

いくら不老不死の真祖の吸血鬼とは言え、痛いものは痛い。
既に通算6000ものバーンダメージによる疲労は、着実にエヴァを蝕んでいる。

ベア「アハハハハハハハ!!!良い様ねえエヴァンジェリン!!今ならサレンダーを認めてあげなくもないわよ?無様に地に這いつくばって、頭を垂れて命乞いをしなさい!!」

これでもかという程折角の美貌を恐ろしく歪めながらエヴァを嘲笑うベアトリクス。

エヴァ「ふ、ははは・・・滑稽、だな・・・ベアトリクスよ・・・貴様、もう、勝った、気でい、るのか・・・?」
ベア「ああん?」

しかし、エヴァは痛みを耐えながらもそんなベアトリクスを嘲り返す。

エヴァ「デュエルとは、最後まで・・・分からんもの、だぞ?」
ベア「・・・ふん。そんな無様な姿で良くもまぁ・・・なら、もう手加減はしないわ!」

今まで手加減していたというベアトリクス。RUM以上の切り札があるというのだろうか?

エヴァ「ふふ・・・貴様が手加減などという、生ぬるい事を、する訳が、無い。早々に、RUMなんて、モノを、使っておいて・・・良く言う」
ベア「胸糞悪いわね。さっさとターンを進めなさいよ!」

エヴァの予想では、RUMも確かに切り札だろうが、残るナンバーズ。デステニー・レオのカオス化が最後の切り札だと予想している。
特殊勝利条件を持つデステニー・レオのカオス化だ。相当に強力な効果を秘めているに違いない。

エヴァ「(ならば・・・早々に決着を付けるしかない)伏せカードも無く、あるのは無意味となった闇次元の解放のみ・・・ならば今が攻め時だ!永続罠![輪廻独断]を発動!」


亮「あのカードは!」
焔「えっと・・・どんなカードだったっけ?」
三沢「発動時に種族を1つ宣言して発動する。以降互いの墓地のモンスターの種族を宣言した種族に変更するカード・・・DNA改造手術の墓地版といえるカードだ。」


エヴァ「私は、機械族を選択する!」
ベア「そんな事をして何の意味が・・・」
エヴァ「私の墓地のモンスターが機械族モンスターのみの場合、このカードは手札から特殊召喚出来る。現れろ・・・[ネジマキシキガミ]!!」

ネジマキ:ATK100

ベア「・・・ふん。何を出すかと思えば・・・レベル8で攻撃力100。エクシーズくらいしか使い道が・・・」
エヴァ「ネジマキシキガミは、1ターンに1度、相手モンスターの攻撃力を、エンドフェイズまで0にする!!デビルズ・ストリングスの攻撃力を0に!!」
ベア「なっ!?」

デビルズ:ATK3300→0

エヴァ「ナンバーズは、ナンバーズでなければ破壊できない・・・だが、ダメージは通る。速攻魔法[異次元からの埋葬]を発動!私は、除外されているエレファン2体と、モンキ1体を墓地に戻す!手札から[SDロボ・モンキ]を召喚!効果で[SDロボ・ライオ]を特殊召喚!更にモンキの効果発動!墓地の機械族モンスター1体を除外し、墓地の[SDロボ]か[オービタル 7]を手札に戻す。私は墓地から機械族となった[The トリッキー]を除外し[SDロボ・モンキ]を手札に戻す!」

流れる様に場を整えるエヴァ。ベアトリクス達の場には伏せカードが無い為、無警戒で進めていく。

エヴァ「更に!ライオの効果発動!墓地から[SDロボ]か[オービタル 7]が手札に加わった時、手札から特殊召喚出来る!来い!モンキ!!そしてレベル3のモンキ2体でオーバーレイ!!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!!エクシーズ召喚![虚空海竜リヴァイエール]!!」

虚空海竜:ATK1800 ORU2

エヴァ「更にリヴァイエールの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、自分か相手の除外されているレベル4以下のモンスターを自分の場に特殊召喚する!私の除外されている最後の[SDロボ・ライオ]を特殊召喚だ。そして、レベル4のライオ2体でオーバーレイ!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!!エクシーズ召喚![ギアギガントX]!」

虚空海竜 ORU2→1
ギガントX:ATK2300 ORU2

ベア「ギアギガントX・・・忌々しいモンスターめ!!!!」

前回は翔とアルフのタッグが使用し、ナンバーズを囮にキーカードを呼び寄せた忌々しいカードに更に顔を歪ませるベアトリクス。

エヴァ「ギガントXの効果で、デッキから[カードガンナー]を手札に加える。永続罠発動![リビングデッドの呼び声]!墓地からエレファンを蘇生!レベル8のネジマキシキガミとエレファンでオーバーレイ!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!!エクシーズ召喚!廃品などと嘲笑う愚か者に、意地を見せてやれ!![廃品眼の太鼓竜]!!」

ギガントX ORU2→1
太鼓竜:ATK3000 ORU2

またもや現れる廃品眼の太鼓竜。ガラクタにはガラクタなりの意地があるとベアトリクスを睨みつけるようにプシュー!プシュー!と蒸気を吐き出す。

エヴァ「そして、魔法カード[マジック・プランター]を発動!永続罠の[リビングデッド]を墓地に送り、2枚ドロー!漸くか・・・手札から速攻魔法[コード・チェンジ]を発動!」手札2(1枚はカードガンナー)
ベア「コード・チェンジだと!?」


亮「コード・チェンジ・・・発動ターンのみ、カードの効果テキストの種族を変更するカード・・・そうか!」
三沢「ヴィヴィオ君の聖王竜は、2種族の攻撃力を上昇させる効果を持っている。」
万丈目「しかも、2人の墓地のモンスターは今現在、7体存在する。」
十代「エヴァはきっと太鼓竜の効果も使うから、8体まで増える!」
翔「と、言う事は、8の200倍だから、1600アップっす!」


エヴァ「聖王竜の効果テキストにある戦士族をこのターンのみ機械族に変更する!更に太鼓竜の効果も発動だ!オーバーレイユニットのネジマキシキガミを墓地に送り、効果発動!!」
ヴィオ「ここで、聖王竜の効果も適用だよ!!」

ギガントX:ATK2300→3900
太鼓竜:ATK3000→4000→5600

ベア「ひっ!?こ、攻撃力・・・5600!?」
エヴァ「本来なら、リミッター解除も使って11200まで上げてやりたい所だが・・・その必要もないだろう。」

今のベアトリクス達の残りライフポイントは・・・4200。
攻撃力0となったデビルズ・ストリングスに太鼓竜の一撃を加えれば・・・一気に片がつく。

エヴァ「バトルだ!!無に還るがいい!!太鼓竜の攻撃!”殲滅のガラクター・ファット・ストリーム”!!」
ベア「や、やめ・・・ぎゃあああああああああああああああああ・・・なあ〜〜〜んちゃって♪」

太鼓竜の攻撃が、デビルズ・ストリングスに当たる直前、何かが立ちふさがる。

澪「墓地からモンスター効果発動。[ネクロ・ガードナー]。墓地から除外する事で、攻撃を1度、無効にする。」
エヴァ「なん・・・だと!?」
澪「私は、最初の手札抹殺で、”3枚”のネクロ・ガードナーを捨てていた。」
エヴァ「くっ・・・リヴァイエール、ギガントXの順で攻撃・・・」

エヴァは悔しがりながら攻撃宣言をする。

澪「リヴァイエールは受ける。ギガントXの攻撃をネクロ・ガードナーを除外して無効に。」LP4200→2400

ここで、聖王竜で攻撃してもネクロ・ガードナーで防がれるだけだろう。
それが判っているのか、ベアトリクスは既に勝った気でいるのか、ずっと高笑いを続けている。

そう・・・エヴァが俯き、ニヤリと笑みを浮かべながら最後のリバースカードをチラリと見ている事に気付かずに・・・。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.83 )
日時: 2014/02/19 04:03:19
名前: 孝(たか)

エヴァ「氷牙の娘・・・ヴィヴィオ、と言ったな?」

唐突にエヴァンジェリンはヴィヴィオに名を確認する。

ヴィオ「は、はい。そうです!」
エヴァ「・・・・・・恐らく、このターンでは決着はつかないだろう。下手をすれば、数ターンも経たぬ内に地縛神が出てくるだろう。」

ゴクリ・・・と、エヴァンジェリンの予想に喉を鳴らし、一筋の冷や汗を流すヴィヴィオ。

エヴァ「これは私の予想でしかないが、ベアトリクスを倒すだけではあの小娘を救う事は出来ん。」
ヴィオ「それって!?」

ヴィヴィオは嫌な予感がしてならない。

エヴァ「このデュエルで、”地縛神を破壊する”必要があるだろう。ベアトリクスがナンバーズと地縛神、二つの力を持ち合わせている事から考えて、地縛神を倒さずにデュエルに勝利したとしても・・・あの小娘に地縛神がベアトリクスから抜け出して小娘に憑依しないとも限らない。」
ヴィオ「!?・・・でも、地縛神は攻撃対象に出来ず、相手からの魔法・罠の効果を受けないそして直接攻撃能力を持ってます。対処するには、モンスター効果での破壊または無効化してからの戦闘破壊の二つ。」

改めて、地縛神の対処のしづらさを痛感する。そして、2人のデッキにはそれを可能とするカードは片手で数えられる程度しかない。

エヴァ「なんとしても、地縛神を対処できるカードを引き当てるんだ。あの小娘を助けたいなら、死ぬ気で引け!」
ヴィオ「・・・はい!」

そう言うと、エヴァンジェリンはキッとベアトリクスを睨みつける。

エヴァ「バトルだ!最後の攻撃だ!聖王竜で、デビルズ・ストリングスに攻撃!」
ベア「クスッ。今の内にネクロ・ガードナーを使いきらせるつもりでしょうけど・・・甘いわ!手札からカウンター罠発動!」
エヴァ「なん・・・だと!?」


十代「て、手札から・・・」
万丈目「カウンター罠だと!?」


ベア「カウンター罠[地縛神の供物]!相手が同じモンスターに2回以上攻撃宣言した場合のバトルフェイズ中に、手札から発動できる。相手モンスター1体の攻撃を無効にし、相手の場の特殊召喚されたモンスター2体を餌に、デッキから地縛神1体を次の自分のターンのエンドフェイズまで効果を無効にして特殊召喚する!!」


翔「デッキから・・・地縛神を呼び出すだって!?」
ライ「しかも、相手のモンスターをリリースしてだと!?」

風華「インチキ効果もいい加減にしろぉ!!」
美海「・・・BF使いの風ちゃんが言っても、説得力無い。」

風華「え!?酷いよみーちゃん!?」
三沢「・・・確かに、BFにも手札から発動できる罠が1つあったな。」


ベア「聖王竜の攻撃を無効にし、ギアギガントXと太鼓竜をリリース!・・・”5000年の眠りから覚め、今こそ覚醒せよ!!”[地縛神 Ccarayhua]!!!!!」

このアカデミアのある島よりも巨大なのでは?と思える程に巨大なトカゲがベアトリクス達の背後に現れる。

Ccarayhua:攻撃力2800

ベア「ただし、次の私達のターンのエンドフェイズまでにフィールド魔法が存在しない場合、私達の場のカードは全て破壊され、1枚につき500のダメージを受ける事になるけど・・・ね。」手札2
エヴァ「ちっ・・・よもや、このターンに地縛神が現れるとは・・・仕方ない。カードを1枚伏せて、ターンを終了する」手札1(カードガンナー)

己の軽率な行為に苛立ちを覚えながらも、ターンを終わらせるエヴァンジェリン。
それと同時に、ネジマキシキガミによって下げられていたデビルズ・ストリイングスの攻撃力が元に戻り、コードチェンジの効果も消える。

ベア「ふふふ・・・あとは1体ずつ消してあげるわ!」
澪「私のターン。ドロー!・・・ふふっ来たぞ!フィールド魔法[脳開発研究所]!」

澪がフィールド魔法をディスクに挿入すると、どこかの研究施設へと変化する。

澪「バトルだ!デビルズ・ストリングスで聖王竜を攻撃!」
ヴィオ「この瞬間、聖王竜のもう一つの効果を発動!フィールド上のこのカードをゲームから除外して、相手モンスター1体の攻撃を無効にします!」

ベア「攻撃無効効果・・・と言っても、その一回で打ち止めでしょうけどね・・・」
澪「ならば、地縛神でリヴァイエールを攻撃!」

エヴァ「かかったな!!罠発動!くらうがいい![聖なるバリア‐ミラーフォース]!攻撃宣言時に発動。相手の場の攻撃表示モンスター全てを破壊する!!」
ベア「え?きゃあああああああああああああああああああ!?!?!」

今は、ベアトリクスが発動した地縛神の供物によって地縛神の効果は無効になっている。
通常の方法で地縛神が出ていたのなら、Ccarayhuaは生き延びていただろう。

エヴァンジェリンも、ミラーフォースを引いた時、地縛神が出てきてから捨て札になると思っていた。
しかし、効果が無効になっている今なら、何の気兼ねも無く使用できる。

ベア「ア、ガ・・・そんな・・・じ、地縛神が・・・ち、力が・・・抜けて・・・?くっ・・・Ccarayhuaの効果発動!自身の効果以外で破壊された時、フィールドの全てのカードを破壊する!」

地縛神が破壊された瞬間、ベアトリクスが地縛神と融合した証である変色した腕や顔に激痛が走る。
だが、最後の悪あがきにとCcarayhuaの全体破壊が発動する。

エヴァ「ならばその効果にチェーンして罠発動![エクシーズ・リボーン]!墓地のエクシーズモンスター1体を特殊召喚し、このカードをオーバーレイユニットとする!蘇れ!廃品眼の太鼓竜!」

太鼓竜:攻撃力3000 ORU0→1

チェーンが処理され、場に出た太鼓竜とリヴァイエールを破壊され、互いの場の全てのカードが消え去る。

エヴァ「破壊された太鼓竜の効果!オーバーレイユニットのある状態で破壊され、墓地に送られた時、墓地の「SDロボ」1体を除外して復活する!墓地の[SDロボ モンキ]を除外し、復活!更に墓地の「SDロボ」1体をオーバーレイユニットにする![エレファン]をユニットに!」

澪「私・・・の、ターン。終、了・・・」手札0 フィールド・・・無し。

地縛神が破壊された事で、澪に対する洗脳が弱まった様だ。

ヴィオ「この瞬間。聖王竜のさらなる効果!自身の効果で除外された聖王竜はフィールドに舞い戻る!」

聖王竜:攻撃力3000

ベア「な、が・・・自己、帰還・・・だと!?」
ヴィオ「私のターン、ドロー!!バトル!!太鼓竜でベアトリクスに直接攻撃!」手札2
澪「ぼ、墓地の、ねね、ネクロ・がが、ガードナーの効果、はは、発動。墓地から、除外して、攻撃、むむ、むこう」

ベアトリクスの場にネクロ・ガードナーが立ちふさがり、太鼓竜の攻撃からベアトリクスを守る。

エヴァ「ヴィヴィオ・・・・・・トドメだ!」
ヴィオ「はい!聖王竜で、トドメの一撃です!これは、澪さんを洗脳した報いです!最大出力!”セイクリッド・ブレイザー”!!!!」

いつもなら周囲に浮かぶクリスタルビットに光線を乱反射させて死角から撃つ攻撃が、限界まで溜めこんだエネルギーを一気に解き放つ攻撃になった。

ベア「あ・・・ああ・・・いや・・・イヤアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?!!!?!??!」


LP2400→0

WIN ヴィヴィオ&エヴァンジェリン。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.84 )
日時: 2014/02/20 20:43:21
名前: カイナ

聖王竜の一撃を受けたベアトリクスは吹き飛んで闇の障壁に叩きつけられ、その瞬間障壁が砕け散ってさらにベアトリクスの身体が吹っ飛ばされる。それと同時に澪の膝が折れ、彼女はがくっと倒れた。

ヴィヴィオ「澪さん!」

ヴィヴィオが焦った様子で駆けつけ、氷牙も澪の元に走り寄るとすぐに触診し、状態を確認する。

氷牙「恐らく闇のデュエルによる疲労だけだ……カイの呼び出した閃光竜の力が闇のデュエルのダメージを抑えたらしい」
エヴァンジェリン「ベアトリクスは倒したからな。恐らく吸血鬼の呪縛も消えているだろう……まあ、まだ奴の因子が残っていれば私がどうにかしよう」

氷牙の診断にヴィヴィオが安心したように息を吐き、エヴァンジェリンが安心させるようにそう言うとヴィヴィオは微笑む。

ベアトリクス「おのれ……」

しかし、その瞬間聞こえてきた声に全員の背筋に悪寒が走る。

ベアトリクス「おのれえええええぇぇぇぇぇぇっ!!!」

そして倒れていたベアトリクスから闇の瘴気が発され、それがベアトリクスを包んでいく。

ベアトリクス「消えて、たまるか……」

闇が脈動し、爆発する。

ベアトリクス「キエルノハキサマラダアアアアァァァァァッ!!!」

その闇の中から、地縛神の力を吸収したのかCcarayhuaが少し小さくなり、顔だけがベアトリクスになったかのような存在が姿を現し、エヴァンジェリン達を握り潰そうと右手を広げて掴みかかる。

カイ「ホープ! ムーンバリア!!」

しかし彼女らの前に光が立ちはだかり、光の戦士ホープが肩パーツを展開してバリアを張り、その手を押し止める。

カノンノ「お願い、健ちゃん! 腐乱拳!!」
ベアトリクス「グウゥゥッ!? 精霊ゴトキガァッ!!!」

さらにカノンノが操るナンバーズ(多分カイから借りたのだろう)である巨大なフランケンシュタインがその腕を殴り返した。その時、氷牙の腕の痣が光り始める。

氷牙「竜の痣が……はっ!?」

その時氷牙はさらに自分のエクストラデッキのカード、スターダスト・ドラゴンが光を放っているのに気づき、何かを考えるとスターダスト・ドラゴンのカードを引き抜き、掲げた。

氷牙「来い、スターダスト・ドラゴン!!!」
スターダスト・ドラゴン[キシャアアアアァァァァァッ!!!]

氷牙が叫ぶと同時、スターダスト・ドラゴンが姿を現し、咆哮する。

ネラ「わ、あ、あれってまさか地縛神!?」
アルフ「エンシェント・フェアリー・ドラゴンが言った通りだ……」

そこにアルフとネラが合流。ネラが驚きのままに叫び、アルフはその叫びを聞かずに呟くと握っていたエンシェント・フェアリー・ドラゴンのカードを掲げる。その腕の痣はやはり光っていた。

アルフ「出でよ、エンシェント・フェアリー・ドラゴン!!!」
エンシェント・フェアリー・ドラゴン[はあああぁぁぁぁっ!!!]

アルフも己の持つシグナーの竜を召喚した。シグナーの竜の解放によりデュエルエナジーがさらに高まり、カイとカノンノは顔を見合わせると頷きあう。

カイ・カノンノ「「精霊変身!!!」」

そしてカイとカノンノも己の中に眠る精霊の力を解放。[ガスタの忍者カイ]と[ライトロード・レディアント カノンノ]の姿(カイはマイソロ3忍者下位レディアント装備、カノンノはカノンノ・グラスバレーの姿)になり、さらに一枚の装備魔法カードを取り出すとカイはそこから愛刀である忍刀血桜を、カノンノも大剣オータムリリィを具現化する。

ベアトリクス「ガアアアアァァァァァッ!!!」

エンシェント・フェアリー・ドラゴン[攻撃は私にお任せを!!!]

ベアトリクスの攻撃をエンシェント・フェアリー・ドラゴンの高い守備力が防ぎきる。

カイ「くらえ、血桜乱舞!!!」
カノンノ「ディバイン・ジャッジメント!!!」

そこにカイが血桜を振るうと同時に魔力のようなエネルギーがまるで散り行く桜の花びらのように辺りを舞い踊り、そう思うとそのエネルギーが刃となってベアトリクスを斬りつけ、さらにベアトリクスの真下に光の魔法陣が敷かれたと思うと強烈な光の波動がベアトリクスを襲う。

腐乱健[ゴオオオオォォォォォッ!!!]
ベアトリクス「ぐぅっがっごっはっげはっ!!??」

威力はそれほどでもないがその二撃に動きを止められたベアトリクスに腐乱健が突進していき、両拳を握りしめると腐乱拳を連続してベアトリクスへと叩き込む。そしてトドメのアッパーがベアトリクスの顎を抉り、その巨体を空中へと吹き飛ばした。

エンシェント・フェアリー・ドラゴン[今です!!!]

氷牙「いけ、スターダスト・ドラゴン!!!」
カイ「叩き込め、ホープ!!!」

エンシェント・フェアリー・ドラゴンが合図を出し、氷牙とカイが己の操るエースモンスター向けて叫び、スターダスト・ドラゴンが口内にエネルギーを凝縮。ホープが空中へと飛び上がる。

カイ「ホープ剣スラッシュ!!!」
ホープ[ホォーップ!!!]

ベアトリクス「ぐああああぁぁぁぁぁっ!!!」

ホープの右手に握る剣の斬撃がベアトリクスの身体を両断し、

氷牙「シューティング・ソニック!!!」
スターダスト・ドラゴン[ガアアアアァァァァァッ!!!]

ベアトリクス「ギャアアアアアアアァァァァァァァァァッ!!!」

スターダスト・ドラゴンのブレスがベアトリクスを呑み込んだ。そしてそのブレスが大爆発を起こし、直後、スターダスト・ドラゴンとエンシェント・フェアリー・ドラゴン、ホープに腐乱健の身体が透けていく。

カイ「デュエルエナジー、大分消費したな……」
カノンノ「変身が解除された……」

カイ達の身体、というか服が透けていき、パァンッと光が弾けると二人は先ほどの服装に戻る。

十代「やった……のか?……」

そして十代がぼそりと呟く。

エンシェント・フェアリー・ドラゴン[……まだです]

透けていくエンシェント・フェアリー・ドラゴンがそう呟いた。

エンシェント・フェアリー・ドラゴン[地縛神の力はほとんど破壊出来ましたが、あの闇の力は未だその力を保っている……ですが、私達はこれが限界……]

カイ「俺達ももう、精霊の力はしばらく使えそうにないな」
カノンノ「現役時代の数パーセントくらいしか力使ってないのにー」

エンシェント・フェアリー・ドラゴンの言葉にカイは精霊の力を解放するために必要なデュエルエナジーを消費してしまった事から呟き、カノンノはぶーぶーと文句をいうように口を尖らせる。

氷牙「あとは任せろ」

と、氷牙が彼らの前に出て拳をパンッと打ち鳴らした。

エヴァンジェリン「元々奴は私の闇……叩き潰すのは私の役目だ」

さらにエヴァンジェリンもそう言う。

エンシェント・フェアリー・ドラゴン[そ、そんな! 危険です!!]

ヴァルツ「心配はいりません」
ネラ「うん」

エンシェント・フェアリー・ドラゴンが危険だと叫ぶとヴァルツとネラがそう言う。その姿、そしてその正体を見抜いたエンシェント・フェアリー・ドラゴンははっとしたように息を吐く。

エンシェント・フェアリー・ドラゴン[あなた達は……なるほど。あなた達程の――]
ネラ「なんのこと? 私達はただの人間だよ?」
エンシェント・フェアリー・ドラゴン[――精霊が手助け……え?]

しかしその言葉をネラが遮り、要するに手助けしないという言葉を聞いたエンシェント・フェアリー・ドラゴンが呆けた声を出すとヴァルツはふっと笑って腕を組む。

ヴァルツ「氷牙の力は下手な精霊を超える。私が全魔力を解放し本気を出してどうにか渡り合えるくらいだからな」

そして、魔法使いの中でも指折りの力を持つ黒魔術師が氷牙の実力をそう評した。

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