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異世界大戦記7
日時: 2010/06/29 02:54:38
名前: 孝(たか)

鏡夜「封印されし記憶が蘇り、復讐鬼となった氷牙」

誠「ヴィヴィオ達の気転により、正気を取り戻す氷牙。」


氷牙「かつて、修復した夜天の魔導書を盗み出す手引きをし、主を変えた魔剣ベフフェゴールに宿る魂・アモン」

孝「逃げだされはしたが、すぐさまリィンフォースU達に捕縛されたダークゼロ達」


誠「アリシアとダークゼロ達の関係は?」

孝「鏡夜とアモンの仲違いした訳は?」

鏡夜「氷牙と仲間達とのこれからの接し方は?」

氷牙「一時凌ぎで虚数空間へと閉じ込めた謎のモンスターの正体とは?」

孝&誠「謎が謎を呼び…」

鏡夜&氷牙「闇に蠢く敵の思惑とは…」

孝&氷牙「異世界大戦記…」

誠&鏡夜「その7…始まります。」


なのはっぽくあらすじ書いてみました。

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Re: 異世界大戦記7 ( No.124 )
日時: 2010/10/29 00:44:17
名前: カイナ

するとその瞬間けたたましい警報が鳴り出し、ケンゾール達ははっとした表情を見せる。

ケンゾール「何事だ!?」
ヘイパー「し、侵入者です! ポ、ポケモンエリアに!」
カノンノ「カイだ!!」

ケンゾールの叫び声にやってきたヘイパーが声を出すとカノンノがどこに根拠があるのか声を上げる。もっとも自分を助け出してくれる王子様、それ即ちカイ。そう思う事が出来る信頼に絆、彼女にとって根拠なんていうものはそれだけで充分だ。

ケンゾール「よ、溶鉱炉様をお守りしながらこいつらをカジオー様の元に連れて行け! 残りは戦闘態勢!!」
溶鉱炉「あらあら、いきなり忙しくなったわね。さ、捕らわれのお姫様達はこっち」
カノンノ「え? あ〜……」
シェリー「……」

ケンゾールが指示を出すと溶鉱炉はクスクスと笑いながらそう言って抵抗させる暇すら与えずにカノンノとシェリーを引っ張っていく、ヘイパーが数人その後をついていき、ケンゾールはすぐに残った者達に指示を出し始めた。

一方こちらはレオ達、時空転移を行ってここにやってきたはいいものの思いっきり敵地のど真ん中に転移してしまった。四方八方からポケモンが襲い掛かり、レオ達は武器を抜いて応戦していた。

メリオル「いきなり敵地ど真ん中はいいけど、こんな状態は流石に予想外ね……」
レオ「まあな。とりあえずリィンフォースやプリキュアとやら達がカノンノ達をこっそり探しやすいように相手の気を引く。それが俺達の役目だぞ」

メリオルが扇子を振るって疾風を巻き起こしながら呟くのにレオが剣を振り回しながら囁き返す。

カイ「邪魔だてめえら死にたくなかったらどきやがれぇ!!!」

愛しの相手であるカノンノが攫われている本人のカイは完全にぶち切れている……ような演技を見せており、正に陽動のごとくこちらに注意を向けて彼は血桜を抜いてポケモン達に斬りかかっていた。ちなみに一応急所は外しているとはいえその太刀筋にほとんど容赦はない。それを見ながらレオとメリオルは隙をついてボールに手をやる。

レオ「メリオル、あいつらだ!」
メリオル「了解!」

二人はそう言いあうとボールを一個手に取り、上空に投げながら声を上げる。

レオ「頼むぞ、エルレイド!」
メリオル「サーナイト、お願い!」

そのボールから出てきたのは緑と白のシャープな外見のポケモンに彼とどことなく似たような感じの雰囲気があるポケモン。二匹が地面に降り立つと同時に二人は指示を出した。

レオ「サイコカッター!」
メリオル「サイコキネシス!」

指示を聞いた瞬間エルレイドは両腕の刃で相手ポケモンを斬り飛ばしていき、サーナイトは超能力の波動でポケモンを吹き飛ばす。

レオ「どうだ、こいつらはラルトス時代からの幼馴染、コンビネーションは抜群だぜ! 死にたくなかったらどけ!!」

レオがどこか得意げにそう言うが、ポケモン達はじりじりとまた距離を詰め始める。

レオ「洗脳でもされてんのか?」

それらの放つオーラに違和感があるのを感じ取ったレオはそうぼそりと呟いた。
それを監視カメラで見ている一人の人影がいた。

???「フフフ、あの緑髪がディセンダーとやらか……よし」

人影はくすりと笑ってそう呟くとボタンを操作、するとレオ達の方に異変が起きた。

ライ・アルフ「「わっ!?」」
エルフィ「きゃっ!?」

カイ「しまったっ!?」
ルキ「ひゃぁっ!?」
ミアハ「うわっ!?」

レオ「ライ、アルフ、エルフィ!?」
メリオル「皆!?」

ライ、アルフ、エルフィの三人が突如現れた大きな穴に、カイ、ルキ、ミアハも彼らが落ちたのとは別の穴に落ちていき、レオとメリオルが助けに行こうとするがそれをポケモン達が阻み、その間に穴は閉じていく。

レオ「分断されたか……」
メリオル「私達は二人きり、ね」

レオの呟きにメリオルはそう言う。それを聞いたレオはああと頷いて周りにいるポケモン達を眺め回す。全員数が少なくなったため楽勝とでもいうような余裕そうな笑みを見せているような気がする。

レオ「ま、戦闘は物の数じゃねえって思い知らせてやるか。いくぜ、アブソル、ドラピオン」
メリオル「そうね。おいで、ジバコイル、ロズレイド」

レオは不敵な笑みを浮かべながら新たに二体のポケモンを呼び出し、メリオルもくすっと笑って頷くと自分も二体のポケモンを呼び出した。

ルキ「う〜いたたぁ……」
ミアハ「うぅ……ここは?」

ルキとミアハは頭を押さえながら立ち上がる。すると二人の前にはカイが立っており、この部屋――長方形の、バトルフィールドを感じさせる――の向かいにはもう一人男性が立っていた。

???「ふっ、この俺様のいる場に来るとは不運だな。一瞬で片付けてやるぜ、ポケモンバトルだ!! もし俺様に勝てたらこの先へと進めるカードキーを渡してやろう」
カイ「ミアハ、ルキ、下がってろ。この中でポケモン持ってるのは俺だけだ……おいお前。その勝負、受けた!!」

男性の明らかに噛ませ犬的な台詞を聞きながらカイは冷静に二人に指示し、その後男性の方を向きなおして彼の要求に答えると懐からボールを出して準備した。
Re: 異世界大戦記7 ( No.125 )
日時: 2010/10/30 13:29:00
名前: ミクニップ

ガチャッ・・・

溶鉱炉「はい。此処がカジオー様のお部屋ですよ?」
カノンノ「あ、はぁ・・・」

あれから何事もなくカジオーが居る部屋までやって来たカノンノ達3人。何だか分厚い扉を難なく開けた溶鉱炉に連れられて入ってみれば・・・

カノンノ「・・・何ですか?この武器の山・・・」

剣に弓に槍に斧、果てにはハンマーやモーニングスターまで、部屋の壁には無数の武器が飾られており、そして極めつけには部屋の奥には圧倒的な存在感を放ちながら巨大な竈らしき物体まで鎮座している。それ以外にあると言えば鉄や木材で作られたシックなテーブルと椅子、そして鉄砧やハンマー位である。しかも奥の竈のせいか部屋の温度は蒸し暑い。

カジオー「ふむ、ようやく来たか?」

突然、部屋の右側に存在した扉が開き、其処からこの部屋の主であり武器の追う、カジオーが姿を現す。

ヴィヴィオ「・・・貴方がカジオー・・・さん?」
カジオー「いかにも。儂は武器の王にして鍛冶の王、カジオーだ」

何故か服の所々がボロボロで顔にも傷があるカジオーだが、王なだけに威厳のある声を放ちながら椅子に座るカジオー。そして溶鉱炉はイソイソと椅子を準備すると、3人を其処に座らせ、紅茶の準備に取りかかる。

カジオー「ふむ、あの虚け者が言っていたが、『光を宿す者』が本当に奴等以外にも存在したのだな」
カノンノ「・・・・・・」
カジオー「警戒せんでも良い、儂はお前達を襲うなど考えておらん」

そう言ったカジオーは、あらかじめ置いてあったサブレを1枚摘んで口に運ぶ。そしてちょうど紅茶を沸かした溶鉱炉がティーカップにお茶を入れて4人の前に置く。

溶鉱炉「所で、一体何をしていらしたんですか?随分とボロボロですけど?」
カジオー「ふむ、カジオーの奴が出来損ないと言い出して拉致した人間を相手にしていてな・・・今はユミンパがその子を宥めようとしてるのだが・・・」


『うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』


突然聞こえた叫び声にビクリと肩を震わせるカジオー以外の4人。


『にゃぁぁぁぁ!!?ちょ、落ち着いてってば!?』

『嫌っ!!ステラ死ぬのは嫌ぁ!!シン!!シィン!!』


ガシャァァァンッ!!


『ぁぁぁぁぁぁ!!?そ、そんなの投げちゃ・・・ってぎゃぁぁぁぁぁ!!?』


ドガシャァァァン!!


何だか隣の部屋で凄まじい音が鳴り響いてる。それを聞いたカジオーは何だか難しい顔をしている。

カジオー「・・・現在もああなのだ。偶然持っていた銃を見た途端に錯乱してあんな風に・・・」
溶鉱炉「ぁぁ〜・・・。他の皆様はともかくとして、たまにありますよねそういう人・・・」
カノンノ「・・・あの、話の意味が全く分からないんですけど・・・」
カジオー「・・・ふむ、お前さん達には少々解り辛かったか」

そう呟くとカジオーは、とりあえず話しでも始める。

カジオー「・・・お前さん方、『ネクロノミコン』と呼ばれる魔導書を知っているか?」
ヴィヴィオ「・・・根黒の未婚・・・?」
カノンノ「違う違う、ネクロノミコンだよ」
溶鉱炉「アラビア人の「アブドル・アルハズラット」が著わしたとされる魔道書です。複雑多岐にわたる魔道の奥義が記されているとされ、それ故か魔道書そのものに邪悪な生命が宿ることもあると言われてます。そしてその力は強大で、「時を越え」たり「地下の大軍を出現させ」たりする事もできるらしいんです」
カジオー「・・・本来はアルハザードに実在した書物でな、『死者すら生き返らせる』事も出来るらしいのだ」
ヴィヴィオ「あ、氷パパの故郷だ!」
カノンノ「あ、そうなの?」
ヴィヴィオ「うん。前にパパが話してくれたよ」
カジオー「ふむ・・・その事は儂の部下から聞いているから知っているぞ?」
ヴィヴィオ「にゃ?そうなんですか?」
カジオー「儂の部下を舐めてもらっては困るな。あの魔王神の情報は大方知っている、それにあやつの故郷がどうと儂の知ったことでは無い。儂が問題視しているのは魔導書の方じゃからな」
Re: 異世界大戦記7 ( No.126 )
日時: 2010/10/31 14:03:40
名前: カイナ

カノンノ「ネクロノミコンネクロノミコン……あ!!」
溶鉱炉「どうしたんですか?」

話が一段落するとカノンノやヴィヴィオ達は人質だというのに危機感の欠片もなく楽しいティータイムになっており、その間にカノンノが何かを思い出しているような仕草をして突然声を上げると溶鉱炉が首を傾げる。

カノンノ「どこかで聞いた事あるなぁって思ったらクラースさんが持ってた本だ!」
カジオー「何!? あれがまだあったというのか!?」
カノンノ「うん、何の本かって聞いたらカノンノには難しい本だって返されて、ゼロスやチェスターとにやつきながら読んでた!」
カジオー「……カノンノとやら、それは間違いなく偽物だ」
カノンノ「えっ!?」

カノンノの言葉にカジオーが驚いたように返すと彼女は真剣な表情と声で言う。しかしそれを聞いたカジオーは呆れを隠しきれないような表情で呟き、それにカノンノは驚いたように返した。

一方その頃、こちらはカイ達。

ザンキ「俺の名はザンキ!」
カイ「しぶとそうな名前だな、残機とは」
ザンキ「やかましい!! とにかくバトルだ! 形式はフルバトル、持っているポケモンが全て戦闘不能になったら負け。お前が負けたら貴様らはここから出られず、万一お前が勝てればこの先へと進めるカードキーを渡そう」
カイ「よし!!」

男―ザンキの名乗りにカイが皮肉を返すと彼は吼えるように叫んでバトルの説明と確認をする。それを聞いたカイはよしと叫んで腰の血桜を抜いた。

ザンキ「待て待て待て! トレーナーの戦闘乱入は禁止だ!!」
カイ「あ、悪い。つい癖で」

血桜を抜いたカイを見たザンキが慌てて叫ぶとカイはついと言って会釈すると血桜を鞘に戻す。そして改めてボールを取り出した。それを見てザンキもふっと笑ってボールを出し、互いに放り投げる。

カイ「頼むぜ、キモリ!」
ザンキ「やってしまえ、ギガイアス!」

カイが出したのはキモリ、ザンキが出したのは岩の身体に棘のように鋭い赤い岩が生えたポケモン――ギガイアス。そしてカイは先手必勝というようにギガイアスを指差した。

カイ「一気に決めるぞ、電光石火からはたく! 連続攻撃!」

カイの指示を受けたキモリは一気にギガイアスに突進し、体当たりをくらわせるとくるんと回転して尻尾ではたきつけ、様々な方向から連続で攻撃を与える。それを見ていたザンキはふっと笑い、指示した。

ザンキ「岩雪崩れ」

その言葉を受けたギガイアスが空に向かって吼えるとどこからともなく岩が雪崩れのように降ってキモリを襲い、ギガイアスの目の前で動きが止まった瞬間頭突きでキモリを吹き飛ばした。

キモリ「キャモッ!!」
カイ「キモリ、無事か!?」

吹き飛ばされたキモリはカイの少し前で動きを止めて立ち上がり、カイの言葉にキモリは少しけほけほと咳をするがぐっと指を立てて返した。

ザンキ「ギガイアスの防御力はそんじょそこらの雑魚とは違うし攻撃力もトップクラス、そんな雑魚の攻撃じゃこいつに勝つなんて不可能だ! ゆけ、ロックブラスト!」

ザンキは得意げな言葉に続けて攻撃を指示し、ギガイアスは岩を飛ばして攻撃する。しかしその攻撃ならキモリがかわすのはたやすい。しかし防御が硬いとなるとどうしようもなかった。

カイ「しょうがない、ここはストライクで……ん?」

レオのドラピオン戦で使ったストライク一刀両断作戦でいこうと思ったがその時彼はキモリが何かのサインを出している事に気づき、カイはキモリのサインを注意深く観察する。そしてふっと笑って頷いた。

カイ「キモリ、俺の指示通りに突っ込め!」
ザンキ「自棄になったか!? そんな雑魚の攻撃なんてギガイアスには通じない! ロックブラストで撃ち落とせ!」

カイの指示を聞いたキモリは望むところというように頷いてギガイアスに突っ込み、ザンキはそれを見て笑いながらギガイアスに攻撃を指示した。キモリ目掛けて数多くの岩が飛んでくる。

カイ「右に30度上にジャンプしてその先にある速度の遅い岩を蹴って加速、続けて左に動いて突っ込み、岩の下を潜り抜けろ!」
キモリ「キャモッ!」

キモリはカイの指示通りに動いて全ての岩をかわし、その速度をどんどん上げていく。いや、それだけじゃない。キモリの中から何かのパワーが溢れ出している。

ザンキ「ば、馬鹿な!?」
カイ「俺はカノンノを助け出す、それが不可能と言われるならば可能にしてやるさ! こんな所で止まってられないんだよ!」

ザンキの言葉にカイはそう叫び、それに呼応するようにキモリのパワーが上がっていく。キモリの姿が変化し始めた。そしてカイは血桜を抜き、声を上げた。

カイ「ジュプトル! リーフブレードォ!!」

カイの言葉と共にキモリの進化した姿――ジュプトルは右腕の葉を刃のように研ぎ澄ませ、ギガイアスを斬り裂いた。そしてその一撃を受けたギガイアスはがくんと倒れる。

ザンキ「ば、馬鹿な……まさかクリーンヒットしたとでもいうのか……」
カイ「俺はカブトアーマーを持っているドラピオンの急所を見つけ出した。それに比べりゃ軽いもんだ……ご苦労さん。戻れ、ジュプトル」

ザンキの信じられんとばかりの言葉にカイはそう返してジュプトルをボールに戻す。それを聞いたザンキはくっくっくと笑ってボールを二つ取り出した。

ザンキ「奇跡を起こしたというわけか……だったら力でそれを捻じ伏せてやる! ダブルバトルだ!! ゆけぇドクロッグ、キリキザン!」
カイ「頼むぜ、ツチニン、イトマル!」

ザンキの突然の言葉にカイはそう言って二体のポケモンを呼び出し、ツチニンとイトマルはぐっと相手を見据えた。
Re: 異世界大戦記7 ( No.127 )
日時: 2010/11/01 00:40:24
名前: ミクニップ

カジオー「・・・まぁ良い、とりあえず本題に入るぞ」

とりあえずカノンノの思いではさておき・・・。とりあえず本題に入るカジオー。

ヴィヴィオ「えっと〜・・・、その『ネクロノミコン』って言う本がどうしたんですか?」
カジオー「ふむ・・・、半年前の話だ・・・」


半年前・・・

当時は暗黒連合が結成されてまだ数日と言った時期・・・。

マリオやなのは達スマブラメンバーとの戦いが少し激化してきた頃である。

ある日、アグニムが管理局の裏経由でとある遺跡を調査していた時、偶然にもある装置とネクロノミコンが発見。

それを解読し、『死者も生き返らせる事が可能』というのが判明され、それを知ったアグニムは半年掛けて装置の修復に成功。

そして彼はメンバー及び魔王神達を打ちのめすべく、『究極の再生群団』を作り上げる事に専念するのであった・・・。


カノンノ「・・・そ、そんなにすごいんだ、『ネクロノミコン』って・・・」
カジオー「ああ・・・、だがこれも序の口だ、あの魔導書は『その気になれば世界すら容易く破壊できる』力すら持っている」
シェリー「・・・」

その言葉を聞き、暫し沈黙が流れる・・・。

カジオー「・・・あの本は、あの本はあってはならない物だ」

重々しく口を開いたカジオー。その口ぶりから憎しみや憎悪が出ており、テーブルもメキメキと音を立てていた。

カジオー「・・・あれは『厄災』じゃ、存在するだけで災いが溢れる、希望すら無いパンドラの箱だ・・・!すぐにでも破壊せねばならんのだ!!あれは存在しては・・・」
溶鉱炉「カジオー様!!」
カジオー「っ!!」

溶鉱炉の怒鳴り声を聞いて平常心を取り戻すカジオー。

カジオー「・・・すまない、少し熱くなりすぎたわい」
ヴィヴィオ「・・・何か、嫌な思い出があるんですか?」
カジオー「昔の話だ、気にするな。・・・さて、とりあえずお前たちに話すのは他でもない」

そういうとカジオーは立ち上がり、いつの間に用意したのかある服を手渡す。それは・・・


カジオー「今から儂らは02達と共にダーク・パレスを出て行く。そのときにお前たちには『メイド兼建前上の人質』として同行してもらうぞ」


『・・・・ええええええええええええええええええええ!!?』


清楚な感じで紺色の女性専用の作業着・・・まぎれもなくメイド服であった。



一方その頃・・・


リィンフォース「・・・何とか潜入できたな」
リィン「はいです。後は囚われてるヴィヴィオちゃん達を探すだけですね」

レオ達が囮になってる頃、こちらはリィンフォース率いる捜索班。フレッシュプリキュア+α&splashstarと共に現在別行動中。

キュアブルーム「しっかし無意味に広いわねこの城・・・」
キュアピーチ「そうよねぇ、一体誰がこんなの建てたんだろ?」
サンフィス「大方、たいそう用心深い太守か金持ちの領主が建てたのだろうな」
リィンフォース「お喋りはそこまでです。・・・どうやらこの部屋が怪しいと思います・・・ハァッ!!」

ドガシャンッ!!

蹴り一発でドアを蹴破るリィンフォース。そして全員が中に入って見たものは・・・

パイン「ひぃっ!?」
リィン「にゃぁ!?」
リィンフォース「!!」

全員が見たもの・・・、それはカプセルの中に入れられ、感覚器官やら体やらを改造されている様々な世界のモンスター達の成れの果てであった・・・。

ピーチ「ひどい・・・」
スクナ「ああ、見れたものでは無いでゴザルな・・・」

あまりにも醜悪な光景に憤りすら覚える一同。

かなた「あ!?貴方達は・・・!?」
ランド「ぎゃぁぁぁ!!な、何でこんな場所に!?」
リィンフォース「しまっ・・・!」

ふと、後ろから声を掛けられ、振り向けば其処にはかなたとパートナーのイマジン3体が其処に居た。

ジーダス「待ちんしゃい!ワシらは今は戦わん!だから落ち着くのじゃ!」
ルドルフ「そうそう。だから落ち着いて下さい」

二体のイマジンにそういわれ、何とか落ち着く一同。
Re: 異世界大戦記7 ( No.149 )
日時: 2010/11/08 17:19:42
名前: カイナ

敵トレーナーA「ぎゃああぁぁぁ!!!」
敵トレーナーB「な、なんなんだよこのガキ共ぉ!!!」

ポケモンエリアのとある一エリア、そこの警備を担当していた名も無き敵トレーナー達はそう悲鳴を上げる。彼らの前には数多くの自分達の意のままに動くポケモンがいる、しかしそれらはあっという間に吹き飛ばされ戦闘不能にされていた。

ライ「おらおらおらぁ! ドダイトス、リーフストォーッム!!」
ドダイトス「ドダーッ!!」

ライが二本の刀でポケモン達を殺さないように斬り倒しつつドダイトスに指示、それを聞いたドダイトスは草の力を纏った嵐でライが斬り倒したポケモンを吹き飛ばしていく。

アルフ「いくよ、ゴウカザル! マッハパンチ、連打!!」
ゴウカザル「ウキャーッ!!」

アルフはゴウカザルに目にも止まらぬ速さでのパンチを指示しつつ自らもナックルを拳にはめてポケモン達を殴り飛ばしていく。しかもアルフの拳もゴウカザルに勝らずとも劣らぬ速さを持っていた。

エルフィ「いくわよ、エンペルト! ハイドロポンプ!!」

エルフィは鞭のように伸ばした間接剣で相手の攻撃をガードしつつ斬りつけながらエンペルトに指示し、凄い勢いの水流をかわしつつまた華麗にポケモンを殺さない程度に斬りつける。

敵トレーナーA「お、俺達じゃ敵わねえ……逃げろぉー!!」

圧倒的な実力の違いを見せ付けられた敵トレーナー達は一人の声を合図に蜘蛛の子を散らすかのように逃げていき、彼らのポケモンが全滅したのを確認すると三人はそれぞれの相棒であるポケモン達にそれらを見張るように指示して辺りを調べ始めた。そしてそこから繋がっている部屋を見るとアルフが声を出す。

アルフ「あ、パソコンがある」
ライ「お、やった!」

部屋の中にポツンとパソコンが置かれており、アルフとライはそう言ってパソコンに近寄って電源を入れようとする。しかしパソコンに全く反応がなく、二人が首を傾げるとその後ろから近づいたエルフィが気づいたように言った。

エルフィ「ここ電気が通ってないみたい……この辺に電気のコードがあれば電気技で充電できるかもしれないけど……」
ライ「よし!」

エルフィの言葉を聞いたライはよしと頷いて部屋を探りだし、アルフとエルフィもそれを手伝う。そして電気コードを見つけるとエルフィが確認した。

エルフィ「えっと……うん、これなら電気技で充電できるわ。あとパソコンが繋がってればいいんだけど……」
ライ「やってみりゃ分かるって。ライボルト!」
エルフィ「……そうね、レントラー! ショートしない程度にお願い」

エルフィの言葉にライは笑いながらそう言ってライボルトを出し、エルフィも笑みを浮かべながら呟くとレントラーを呼び出して二匹はコードに電気を送る。するとパソコンの電源がつき、エルフィが素早くそれを操作した。

ライ「ほんと、凄いなエルフィ……」
エルフィ「兵士としての経歴は伊達じゃないのよ……む、プロテクトがかかってる……」
アルフ「任しといて、プログラムだったらこれがいる」

ライの感嘆の言葉にエルフィはくすっと微笑みながらそう返すがパソコンのデータバンクにはプロテクトがかけられており彼女は表情を歪める。するとアルフは任せてと言ってボールを取り出し、開いた。

アルフ「頼むよ、ポリゴン2!」

そのボールの中から出てきたのはなめらかな形状の人工的なポケモン、そいつはパソコンに近づくとピピピと電子音みたいな声を出して眺め回し、アルフが指示すると光となってパソコンの中に入っていった。

アルフ「ポリゴンの身体はそれ自体がプログラム、パソコンのハッキングなんてお手の物だよ」
ライ「ポリゴン手に入れるためにスロットにはまり込んで父さん母さんに怒られたのが懐かしいな」
アルフ「う、うるさいな……兄さんだって同罪でしょ」
ライ「それを言ったらポリゴンは二人のコインを合わせて貰った奴だ! しかも俺の方が少し多かったし!」
アルフ「所有権を賭けてのポケモン勝負は僅差で僕が勝ったでしょ!?」
エルフィ「はいはい二人ともそこまで。プロテクトが解除されたから後は私の領分」

アルフの得意気な言葉にライが冗談交じりに言うとアルフが言い返し、二人の口喧嘩が始まる。それを見ていたエルフィはプロテクトが解除されたのを見ると呆れたようにそう言って二人をパソコンの前からどかし、パソコンを操作する。

エルフィ「さてと、レオさんとメリオルさん、カイさん達がどこにいるのか調べないと」
ライ「あとカノンノ達の居場所もね?」
アルフ「脱出経路もお願い」
エルフィ「はいはい、二人は見張りお願いね? さっきの逃げてった奴らが戻ってこないとも限らないし」
ライ・アルフ「「はーい」」

パソコンを操作しながらのエルフィの呟きにライとアルフが続けてそう言うと彼女ははいはいとあしらうように言った後見張りを頼み、それを聞いた二人は返事をすると部屋を出て行く。それを確認してからエルフィはパソコンの方を向きなおした。

エルフィ「さてと、やる事はもりだくさんね。ポリゴン2、サポートお願いね」
ポリゴン2「ピキー」

エルフィの言葉に電脳空間に入り込んだポリゴン2が画面からそう声を出した。


リィンフォース「それで、あなた方はここで何をしているんですか?」

一方捜索班、リィンフォースは突然出会ったかなた達に敵意がない事を確認した後そう尋ねた。
Re: 異世界大戦記7 ( No.150 )
日時: 2010/11/08 19:49:53
名前: ミクニップ

かなた「わ、私達は、その!02さんに言われて地下に・・・」
リィン「地下?地下に何かようなのですか?」
ランド「あ、うん。実は僕等、今から同盟を破棄してここから脱出しようと・・・」
ジーダス「これランド!!あんまり喋るんじゃない!!」

ドカッ!!

ジーダスに一喝され殴られるランド。

ジーダス「まぁ、喋ってしまったもんは仕様がないのぉ。ランドが言った党利、ワシらはこの組織のやり方に嫌気が刺してのぉ。じゃからこの騒ぎにのっとり、地下に存在する戦艦を使って此処からおさらばしようという訳なのじゃ」
スクナ「そうなのでゴザルか・・・」
サンフィス「所でご老人と貴婦人。この部屋は何なのだ?見たところ、何かを研究していたみたいだが?」
02「此処は奴・・・アグニムの生物実験場だ」

そんな時、いつの間に現れたのかリィンフォース達の後ろに02が出現する。

02「…ここに存在する生物達はな、アグニムや管理局が裏経由で密漁した生物達だ」
リィン「か、管理局がですか!?」

管理局の名前を聞いて驚くリィン。

02「驚くのも無理は無いな・・・。本局や評議会の奴等、本気で地上の掌握や全世界の管理などという戯れ言を実現させたかったらしい。その証拠に奴等、アグニムや我らの要求を聞く条件で我らのテクノロジーを利用していたからな。人体実験すら平気で行っていたみたいだし」
キュアパイン「酷い・・・」
サンフィス「エリーが聞いたら呆れる話だな」

予想以上に腐っていた管理局の実態に、怒り通り越して呆れる一同。

02「・・・許せないと思うか?」
『?』

そんな時、突如として呟く02。

02「・・・お前たちはこれを見て憤りを感じるか?無力さを感じるか?だがこれは現実だ。私たちが何をしたって到底変わることの無い現実だ」
かなた「・・・02さん・・・」
Re: 異世界大戦記7 ( No.151 )
日時: 2010/11/10 00:50:21
名前: カイナ

エルフィ[到底変わらない現実、なんて諦めるのは早いんじゃないですか?]
リィンフォース「!? あ、あなたは、エルフィさん!? なんでここの回線に!?」

突然聞こえてきた声にリィンフォースが驚いて声を出す。まあ敵の基地であるここの回線の画面から声を出されちゃそりゃ驚くだろう。

02「お前みたいな小娘に何が――」
エルフィ[――ええ、私なんてせいぜい15年程度しか生きてない小娘よ。でも昔は子供兵士として到底変わらないと思ってた現実を味わってたわ。生まれた頃から軍の施設にいて物心ついた時には地獄のような訓練を当たり前のように受けていた、5歳の頃には手を血で染めてる。いつの間にか一緒に育ってきた友達がいなくなり、気を抜いたら自分も死ぬ。それが当たり前で、変わらない現実だった]

02の搾り出すような言葉にエルフィは画面の向こうから柔和に微笑みながら返し、続ける。

エルフィ[でも12歳の頃ライ達が私達の軍の施設に入ってきてね、その時には施設はどこかの軍にやられて崩壊状態、私もこのまま死ぬのかなって思ってた時にライがやってきたの。敵と勘違いして咄嗟に発砲したけど刀で弾かれ、私の武器のレイピアも折れててもう駄目だって諦めてた時にライってば俺は敵じゃないから安心してって笑ったのよ? 訳が分からなかった。それからレオさん達に会って私が唯一の生き残りって分かって、ライが必死で私を家に引き取るよう二人を説得、そのおかげで今私はここに生きている]
かなた「少し惚気入ってない?」

エルフィの過去話にかなたが呟く。

エルフィ[まあ最初の数ヶ月はある意味地獄だったわね、レオさん達の時空の一般常識や教養を学ばなきゃいけなかったし、でもライがいたから――]
02「本格的に恋する乙女の惚気に移行しているぞ! 結局何が言いたいんだ貴様は!?」
エルフィ[――あ、いけないいけない。まあつまり……あ、カイさんの居場所のデータ。あ、これ……]

エルフィの話が本格的な惚気になる前に02が止め、エルフィはいけないと苦笑した後データに気づいて一つくすっと笑い、その画像データを映し出した。

カイ[絶対に負けねぇ……頼むぞ、テッカニン! アリアドス!]
リィンフォース「嘘!? カイさんのポケモンはここに侵入する少し前に渡されたレベルなのに!?」

画像の先ではカイが使っていた二体のポケモンが進化した姿を見せており、それにリィンフォースが驚きの声を上げるとエルフィはくすりと笑って言った。

エルフィ[カイさん、ポケモンを渡されてからここに侵入するまで彼らが疲れない程度に猛特訓を重ねてたからね。足手まといになんてならない、絶対にカノンノを助け出してやるって……カイさんもライ達も現実じゃなくって理想を見て、その理想を現実にしてる。不可能を可能に、夢を形に、ってね。あいつらを見てたら遠くの現実を見て絶望するのが馬鹿らしくなるわ、理想を現実に変えるのは他ならぬ信念の剣ってね]

エルフィはくすくすと笑いながら言い、画面端のポリゴン2の報告を聞くと続けた。

エルフィ[まだハッキングはばれてないみたい、今の内にカノンノ達の居場所をつきとめてみるから。一回通信切るわね?]

彼女の言葉と共に通信が切れ、部屋内には静寂が走った。
Re: 異世界大戦記7 ( No.155 )
日時: 2010/11/10 12:21:58
名前: ミクニップ

02「・・・まぁ何だ、とりあえず私は現実を諦めかけてる・・・そういう事だ」

ドスッ

リィンフォース「がっ・・・!?」

刹那、一瞬にして02がリィンフォースの前まで移動すると、彼女の腹に鉄拳を叩き込み、瞬時に気絶させて担ぎ上げる。

リィンU「り、リィンフォース!?」
02「悪く思うな。とりあえずお前達は私と同行してもらうぞ?」

一体何処に潜んで居たのか、いつの間にか全員エヌゼットに囲まれてしまう。

02「・・・手荒な真似だけはするな。とりあえず付いてくれば、お前達の探し人も居る」

ここはとりあえず言うとおりしよう、そう思った救助班であった・・・。



カジオー「・・・さて、そろそろ部屋を出るぞ」
溶鉱炉「あら?もうそのような時間なのですか?」

カジオー差置いて女の子達とほのぼのムードやってた溶鉱炉。その間に準備を終えたカジオーは4人に話しかける。

カジオー「そうだ、これ以上彼奴らを待たせるのは流石に申し訳ないからな」
溶鉱炉「それは残念です。もう少し話をしていたかったのですが・・・」
カジオー「それは母艦に到着してからでもできる。とりあえずは行くぞ「さえるかよ!!」

シュッ!!ギィン!!

突然、何時の間にやって来たのか、カジオーの目の前にカイが現れて血桜を振るう。しかしそれを察したカジオーのハンマーで防がれると、そのまま距離を取る。

カイ「無事か、カノンノ!?」
カノンノ「カイ!?どうして此処にカイが!?」

カノンノが口にした疑問だが、そんなのは後ろを見てわかった。この野郎、さっさとバトル終らせ、地面に穴空けながら(・・・・・・・・・)進んでやがったのだ。

カジオー「ふむ・・・。どうやら貴様、カルシウム不足ではないのか?」
カイ「五月蠅い。とにかくカノンノと残りの二人を連れて帰らせて貰うぞ!!」
カジオー「それはできぬ相談だな。こやつらには遣って貰わねばならん事がある」
カイ「知るかそんなの!!とにかくテメェぶっ倒してカノンノw「え〜い♪」−ドガンッ!!−あが!?」

色々怒鳴ってるカイに対し、どっから取り出したのか、後ろから『落ち着け!!』と書かれた馬鹿でかいハンマーでおもっきし殴り倒す溶鉱炉。

溶鉱炉「あらあら、お姫様達が居るのに暴れてはいけませんよ?」

ニコニコと微笑みながら言いながらハンマーを担ぐ溶鉱炉。ただし、その周りからは、先程までには感じられなかった覇気が渦巻いている。


溶鉱炉「もしこれ以上暴れるのなら・・・、それ相応の覚悟をしてくださいな?」



溶鉱炉・能力・・・鋼鉄系の物を操り、武器として使用できる。さらに原作と同じで口からどろどろに溶けた溶鉱も吐き出す事も可能(ただし擬人体は手から)。しかし溶鉱にも限りはあるため、たまに鉄鉱石を食べる必要有り(そのためか好物)。
Re: 異世界大戦記7 ( No.156 )
日時: 2010/11/10 22:27:52
名前: カイナ

カイ「こりゃまた、随分なご婦人ですねってな」
溶鉱炉「!?」

その言葉と共にさっき殴り倒されたカイが霧散し、溶鉱炉の背後から彼の声が聞こえてくる。さっきのカイは影分身だった。

カイ「今回ばかりは苛立ってるが冷静にしているように気をつけている。とにかく、カノンノとシェリーと……もう一人は連れて帰らせてもらうぞ」
ヴィヴィオ「わ、私、ヴィヴィオね?」

影分身とは違う冷静な言葉に続けて三人の顔を見て言うがヴィヴィオのところで詰まって顔を逸らす、どうやら名前を覚えてなかったらしい。それにヴィヴィオは苦笑しながら自分の名を名乗り、カイもおうと頷く。そして懐からボールを取り出した。

カイ「今の俺には新たな仲間たちがいる。頼むぞ、皆!」

その言葉と共にボールを投げ、その中から四体のポケモン――テッカニン、アリアドス、ストライク、ジュプトルが出てくる。

カイ「こいつらが俺のフルメンバー、そして俺も戦うぜ!……あ、そうだ。カノンノ、これプレゼントだ。可愛いぞ?」
カノンノ「ふぇ?……わぁ、可愛い!!」
エネコ「にゃぁ〜」

カイは真剣な目つきで言った後カノンノにボールを投げる。カノンノは不思議そうな表情をしていたがボールの中から出てきたポケモン――エネコを見ると可愛いと声を上げて抱きしめた。

カイ「ルキ、ミアハ、カノンノ達を連れて逃げろ!」
カジオー「させん!」

カイの言葉にカジオーはそう叫んで槌を掲げ、それと同時にヘイパーが彼らを包囲する。それにルキとミアハもむっとした表情で武器を構えた。

一方レオ達、二人はそれぞれ三体のポケモンを同時に操って敵ポケモンをなぎ倒しており、それらが全滅すると一息ついた。

アブソル「ハァ、ハァ……」
レオ「サンキュ、少し休むか……」

???「はーっはっは、そうはいかないぞ!!」
メリオル「誰!?」

荒い息をしているアブソルにレオはぽんぽんと彼をたたきながら労いの言葉をかけ、残りのポケモン達を眺め回しながら続ける。すると突然そんな声が響き、メリオルがその方を向いて声を出すとそこに立っていた一人の人影はポーズを決めながら言った。

リー「俺様はこのポケモン地区最強のトレーナー、人呼んでエリートのリー!」
レオ「ブルース・リーに謝れや、って言ってもこの時空のやつには分からんか」
リー「この俺様が来たからにはお前達はここまでだ!」
レオ「へいへい」

リーの言葉にレオは呆れたように呟くがリーは無視をして続け、それにレオはため息をつきながらポケモン達をボールに戻す。それを見るとリーはふっと鼻で笑った。

リー「降参か? まあそれが良い判断――」
レオ「――エリートさんに敬意を表して様子見の三体じゃなく本気の三体で行ってやるよ。そっちは六体全員、全力できな」

リーの得意気な言葉にレオは冷静な表情と声で言い、それにリーはムカッとした表情をすると六個のボールを取り出した。

リー「面白い、ほえ面かかせてやるよ! ゆけ、お前らぁ!!」

リーはそう叫んで六個のボールを全て投げ、中から六体のポケモンが出てきてレオに襲い掛かる。レオはそれを冷めた目で見ながらボールを三つ取り出す、メリオルは任せるわというように後ろに下がった。

レオ「ケッキング、ボーマンダ、ラグラージ……好きにしろ」

ボールから出てきた三体にレオはそうとだけ指示をする、その次の瞬間リーの六体のポケモンは全滅した。それにリーは唖然としているところにレオはすたすたと歩き寄る。

レオ「なんだ、エリート様も大した事ないな。具体的な指示なんて何一つ出してないあいつらに一蹴されるとは……言っとくが俺達のレギュラーポケモンは全員具体的な指示を出さなくても自分の判断で戦い、連携を取れるよう鍛えてるから」
リー「な、納得いかねえ……なんでケッキングが怠けてねえんだよ!?」

レオの言葉にリーがそう声を上げる。確かにケッキングというのは全ポケモンの中でもトップレベルの怠け者といわれているはずなのにレオのケッキングは怠ける様子なく戦っている、というかむしろ一番意気揚々と戦っていた。それにレオはああと頷いて答えた。

レオ「アブソル達は元々野生だったのをあいつらの意思を聞いて連れてきたんだが、あの三体はタマゴから育てたんだよ。中でもケッキングは俺の喧嘩好きな性格を受け継いじゃったのか戦闘においては一切怠けないんだよな」

レオはさらりとそう答え、リーの胸倉を掴んで言った。

レオ「さてと……ここに女の子が三人ほど連れてこられたはずだ、そいつらの居場所かお前らのボスのとこに連れてってもらおうか?」
リー「は、はい!」

レオの言葉にリーは怯えたような高い声で答え、レオは刀を取り出すと彼を人質に取り、ラグラージ達を護衛にメリオルと共に彼の案内で歩き出した。


エルフィ「よし、皆がいる場所が分かった……カイさん達も先に行ってるわ!」
アルフ「えっ!?」
ライ「よし、急ごう!」

エルフィの言葉にアルフが驚いた声を出すとライは一番に走り出す。

エルフィ「あ、ちょっと!? もう、地図も無いのに……ポリゴン2、地図データのインストールは出来た?」
ポリゴン2「ピキー!」
エルフィ「よし、行くわよ!」

エルフィは呆れたように呟いた後ポリゴン2に問いかけ、ポリゴン2が肯定のような声を出すと彼女は頷いて走り出し、ポリゴン2もパソコンから実体化して追いかける。

アルフ「あれ、僕のポケモンなんだよね……」

アルフもぼそりと呟いた後その後を追った。
――――――――――――――――――――
ちなみにカイはヌケニンの存在を知りません、持ってるには持ってますがいる事に気づいてません。
Re: 異世界大戦記7 ( No.158 )
日時: 2010/11/11 00:09:42
名前: ミクニップ

カジオー「ああクソ!!こうなればワシも出すしかあるまい!!いでよ!!」

しゃらくさいと感じたのか、苦虫噛み潰した顔で3つのボールを投げるカジオー。

エアームド「エァァァァァァッ!!」
メタグロス「グロッ!!」
ハガネール「ガネェェェル!!」

大体予想した人もいるだろう。カジオーらしく3体とも鋼タイプのポケモンである。

カノンノ「ふぁ!?ボールから何か出ましたよ!?」
溶鉱炉「はい。あれはポケモンと言いまして、あなたの持ってるエネコと同じで、ある世界では極めてマイナーな生物です。あ、詳しくはこれで。とりあえずあげますね?」
カノンノ「え、あ。ありがとうございます・・・」

そう言って渡されたのは最新式のポケモン図鑑。

『ハガネール、鉄蛇ポケモン。イワークの進化形。地底深くに生息していたイワークが、100年以上の歳月をかけて体内に鋼を取り込んだ結果変化したと言われているポケモン。その鋼の体はダイヤのように固いとされている』
『エアームド、鎧鳥ポケモン。鋼の体と鋭い羽を持つポケモンで、その昔刀や包丁の素材としてその羽は使われていたとされる』
『メタグロス、鉄足ポケモン。メタングの進化形。2匹のメタングが合体して誕生したとされるポケモンで、4つ存在する脳はスーパーコンピューターよりも高性能と言われている』

カノンノ「うわぁ〜・・・、何だか強そうです」
溶鉱炉「それはまぁ、あの人が卵から育てていた子達ですから。並大抵のポケモンでも苦戦すると思いますよ?ちなみにエースモンスターは出してませんよ?」


 
メタグロスLv59 呑気 
エアームドLv51 やんちゃ 
ハガネールLv58 無邪気 






Dゼロ「おい野郎共ぉ!!もうちょい早くやれぇ!!」

『へぇい!!』

一方、此方は地下に存在する戦艦発着場では、ダークゼロの指揮の下にエヌゼットやヘイパー達が急ピッチで作業を進めていた。

アモン『フン、予定よりも30分以上遅れているな?』
Dゼロ「うっせぇな。予想以上に時間かかったんだから仕方がねぇだろ?それに02達も来てねぇんだし」

そう言ってDゼロは、これから自分らが乗り込む戦艦の1隻に目をやる。

Dゼロ「しっかしこれまた懐かしいの作ったもんだ。昔を思い出しちまうぜ」

懐かしむように見ている黒い戦艦・・・ナデシコ級戦艦を見るダークゼロ。

アモン『NERGAL ND-004・・・、確かお前が昔次元漂流で向かった世界に存在した戦艦を元に新たに設計した戦艦だったな。名前は確か・・・』
D ゼロ「[クロツバキ]。俺が世話になった[ナデシコ]を元に作った戦艦だ。全長398m、全高246.8m、全幅248m、総重量57,530トン、収容人員320名・・・。相転移エンジン3基、核パルスエンジンを6基搭載した[ナデシコ]よりも一回りデカい戦艦だぜ?武装はナデシコと畧同じだが、こっちはチューリップ(ワープ装置)無しでの単体ボソンジャンプを可能とした戦艦だ」
アモン『・・・本当に詳しいなお前』

何だか専門家みたいに喋ったダークゼロに若干引いたアモン。そんな中、1体のエヌゼット・・・エーヌが此方に向かってくる。

エーヌ「ダークゼロさま〜!詰め込みが終わったぞ〜!」
Dゼロ「お、そうか。じゃあ俺のエステちゃんもちゃんと格納庫に入れたか?」

エステちゃん・・・昔ダークゼロが乗っていたカスタムタイプエステバリス(グリーンフレーム)の事であり、とある世界を去る時にかっぱらったのでもある。

エーヌ「ちゃんと他のフレームも入れておいたし、02さまの機体も入れといたぞ〜」
Dゼロ「そうかそうか。・・・にしてもおっせぇなアイツら。何したんだろか・・・?」
02「私なら此処だが?」

突然後ろに出現した02に驚いて距離を取るダークゼロ。

Dゼロ「お、脅かすなよ・・・ったく」
02「すまない。丁度侵入者の相手をしていて遅くなった」

そう言って指さした先には、ちょうどナデシコ級の中へと連行されているプリキュアCチームが居た。

Dゼロ「オイオイオイ・・・。予定より少し早くねぇか?アイツらがくるのは準備が済んで少しした後だろ?」
02「その筈だったが、どうやら相手の中に次元移動が可能な奴が存在したらしい。私の落ち度だ。不良品掴まされたドラ○もんみたいな気持ちだ」
Dゼロ「何でド○えもんに例える?好きなのかドラえ○ん?」
02「昔憧れてたのだよ、半分こ刀とかキャンピングカプセルに」
Dゼロ「しっかも恐ろしくマイナーな道具チョイスだなオイ!?」




その頃・・・


エリー「怯むな!!相手に反撃のチャンスなぞ当てるなよ!?」

『了解!!』

アウムドラを魔王型デジモンから遠ざけ先導しているヴォーテクスからのエリーや氷牙の指示の下にアウムドラを囲むように散開しているメンバー達。

氷『いいか?俺達の目的はこの空域からの撤退だ!無用な争いは極力避けろ!!』
ルイージ「そんな無茶言われても!?」
エリー『弱音を吐くな!!後少しで転移の準備が完了する!!それまで持ちこたえるんだ!!』
ルイージ「ひぃ〜〜〜!!(泣)」

あまりにも多いデジモン達に弱音吐いてるルイージを一喝するエリー。

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