(DLORY DEY) ( No.1 ) |
- 日時: 2007/07/03 00:01:41
- 名前: 春歌
- 灰色の厚い雲が青い空を覆っている
「つまんなーい」 帽子を深く被りなおして前を見る 「まだまだ・・・か」 待っている愛おしい人はまだ来ない 「早く来て」、そう思いながらも 「まだこないで」って思ってる自分もいる 「もぉ最低!!!」 こんな天気の悪いじめじめしたところに 3・時・間もほうって置かれるなんて!! こんなとき、仲間は大切だなぁ・・・って思う だって、笑ってるみんなはきらきら光るダイアモンドみたいだったから でも、、、それは本気でぶつかった時じゃないと なかなか見れないんだよね〜〜〜 「責めれないのに、責めようとしちゃうんだよな〜」 あ〜もうっとびざを抱え顔を埋める マジで悩む、、、、 早く帰ってこい、そんなことを良いながら待ってたら
『迷ったときには風に聞けば良いぞ!!』
不意に貴方の言葉を思い出して、その通りに風に問う 「ねぇ、愛しのあの人はまだ来ないかしら?」 冗談半分、半分本気にして問う びゅぅっと強い風が吹いたと思うと 「よ!!」 「んな!!!なんで////」 上から声をかけたのはずっとまっていたあの人 自然に上を見上げるような形になって気がついた 「晴れてる・・・」 「んあ?それがどうした??」 「いや・・・先までくもってたから」 「ふ〜ん」 青い空で太陽は輝き、灰色だった雲も今は真っ白だ 貴方が連れてきてくれたのかな?・・・ そんなこと思いながら苦笑した 「ほら、行くぞ!!」 突然かけられた言葉に戸惑いながらも彼の後を追いかける 「あ!!まってよ!」 どしゃぶりの雨も、強い北風も まぶしい太陽も、流れる雲も 全部受け止めて、引き連れて 輝こう・・・・今しかないこの日々を!! 「ねぇねぇ・・・合言葉覚えてる?」 「あぁ、それがどうかしたか?」 「せーのでさ言わない?」 「?・・・いいぜ」 「「せーのっ」」 『GLORY DEY!!!』
私は旅路を急ぐ、青い空の下貴方に手を引かれて
GLORY DEY〜輝くその日〜 (ほかの人は違っても私たちは私たち ・・・・・・少なくとも貴方は私の太陽なのです)
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(電話越しの告白) ( No.2 ) |
- 日時: 2007/07/10 21:13:20
- 名前: Gard
- 参照: http://watari.kitunebi.com/
- トゥルルルル…………
コール音が耳に届く。 音がする度に心臓が鼓動を早くし、同時に銀色のシンプルな携帯電話を握る指に力がどんどん掛かっていった。 どくどくどく、と流れる血液の音まで聞こえてくるんじゃないかと思う。 想いを伝える手段は電話にしようと思ったのは三日前。 手紙で想いを伝えようと思ったのは二週間前。 あの人に告白しようと思ったのは一ヶ月前。 自分があの人が好きなんだと気付いたのは半年前。 ずるずるずるずる引き摺って、結局こうやって携帯を握りしめている。 あの人、つまり女子の憧れの的って言ってもいい、隣のクラスの栗宮恭哉(くりみやゆきや)君。 たまたま同じ委員会で、たまたま最初に隣の席に座って、たまたま彼が失敗しそうになったのを助けただけで向けられた言葉。
『ありがとう』
たったそれだけのことで、私は彼に恋をしてしまったのだ。 暫くの間は気付かなかったし、多分意図的に気付かないふりをしていたんだと思う。 彼の動向を気にしていながらも、私は極力彼に近付かなかったから。
『あんた、栗宮が好きでしょ?』
親友と言ってもいい渡瀬礼子(わたせれいこ)ちゃんにそう言われ、私は半年前やっとこの恋心を認めることが出来た。 けれど彼は本当に女子の憧れの的で。 告白の決心が付かないままずるずると今まで来てしまったのだ。 でも、決めた。
トゥルルルル…………
コール音が耳に届く。 この気持ちを伝えるだけでもきっと楽になれる。 そう自分に言い聞かせて、私は今こうして恭哉君に電話を掛けている(電話番号は委員会で書かされたから知っていた)。 コール音が途絶え、代わりに、
『もしもし』
恭哉君の声が聞こえた。
「あ、あのっ、同じ委員会の鈴村玲奈(すずむられいな)ですけど」 『ああ、鈴村。……何か用事?』 「え、えと、その……」
ぐっ、と無意識に作っていた握り拳を更に握り混む。
「多分、色んな人に言われていて、私なんかに言われるの、迷惑だと思うんですけど」 『…………』
何も言わずに先を促してくれる。 だから私は決意を言葉に乗せた。
「あなたのことが、好きでした。好きです。このまま想っていてもいいですか?」
言った。言ってしまった。 これで拒絶されたらきっと、明日私は赤い眼で学校に行くのだろう。
『そう。鈴村は僕が好きなんだ』 「はい……」
拒絶されるんだろうか。 思わず強張る身体と声。けれど、聞かなければいけない。自分のためにも。
『ありがとう。じゃあ付き合おうか』
一瞬頭が真っ白になった。 今、彼は何と言った? あの恭哉君が私に、「付き合おう」って言った?
『嫌?』 「いいえっ! 是非、お付き合いさせてください」 『ならよかった』
柔らかな口調でそう言われ、思わず私も笑みを浮かべてしまった。 電話越しだけど、勇気を出してよかった。
『それじゃあよろしく、玲奈』 「はい、恭哉君」 『………………うん、これからはその「君」と敬語が敵か』 「え?」 『こっちの話』
――――――――――――――――――――――――― (>>4へ続く)
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(スマイル) ( No.3 ) |
- 日時: 2007/07/04 22:12:45
- 名前: 春歌
- なんで・・・俺のいないところで泣くんだよ
「っ・・ふぇ・・ふ」 んで・・・ 「ぅ・・・んぅ、、、ひう」 なんで俺のいないところで泣くんだよ 俺じゃ、、、頼りないか? そんなに・・・・・
ばん!! 「っ〜〜〜ってぇ!!」 「え?わぁ!!!、、、ご、ごめん;;」 何事も無いように話すお前をじぃっと見てたら 「なに?」って聞かれたからいつもと同じように「なんでもない」と答えた
さっきまで泣いてたくせにその事を感じさせない でも・・・
「ねぇ〜?さっきからどうしたの?」 「んでもねぇよ・・・」 「絶対おかしいって!!!」 「んじゃ・・・お前は?」
そう聞いたとき彼女の肩がびくっと跳ねるのが微かだが分かった
「なんの・・・事?」 「話したくないならそれで良い」
ぷいっとソッポを向く俺に彼女はあたふたして 思わずのどでククっと笑ってしまった そうすると彼女は抗議の言葉を投げる
話してくれとは言わないけれど・・・けど 一緒に旅をしてるんだ、少しは頼ってほしい
「なぁ・・・・」 「なに??」 「・・・少しは頼れよ」 「っ〜〜〜////見てたの?!?!」 「さぁな〜〜」 「もーーー!!!」 「はは!!」
そこで気がついた 彼女がとてもやさしく笑うのを まるで・・・・月 そんなことを思っていると彼女のキックが溝内にヒット!!
「つぅ〜〜〜〜〜;;」 「あ!・・・。ごめ;;」 「いってぇ;;、本気で入ったぞ」 「う;;」
すまなそうに頭を下げてしゅんっとする姿は どこか、ウサギを思い浮かばせる
「あの・・さ」 「ん??なぁに」 「泣きたいときは・・・さ、俺のこときて泣けよな」 「え??・・・・・」
その意味を理解したのか顔を真っ赤に染めて うつむきながら小さく「うん」とつぶやいた
「ねぇ?・・・」 「なんだよ?文句あるのか??」 「いや・・・その違うの・・・」 「なんだよ?」 「・・・ありがとう」
ふわりと微笑まれて面目丸つぶれ 真っ赤になった顔を彼女にからかわれさらに真っ赤に・・・ でも、彼女が笑ってくれるならいいか・・・・ そんなことを思いながら彼女に仕返しするべく その思考をすべて、作戦のほうへとまわした
大切だだから、泣かないで 泣くのなら、俺の前で泣いて
(月の様にやさしいスマイルを俺にください)
(>>1の続き)
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(切っ掛けは、) ( No.4 ) |
- 日時: 2007/07/10 21:14:05
- 名前: Gard
- 参照: http://watari.kitunebi.com/
- 切っ掛けは、多分ほんの些細なこと。
僕自身でさえ、まさかそれが切っ掛けだったなんて、今も信じられない。 でも、あの時から君を目で追っていたんだ。
教室の窓からぼんやりと校庭を見ていたときのこと。 別に何があるわけでもない。何もないからこそぼんやりと見ていられるのだけれど。 何かあったらそれに集中してしまうから。 ふと、視界に入った黒を何となく目で追った。 長い黒髪を靡かせた少女が校庭を歩いている。
「そう言えばもう放課後だっけ」
くぁ、と欠伸をしながら見ていると、少女は野球部が球拾いをしているところに通りかかった。 危ないし関係ないのだから避けて通れば済むものを、何を思ったのか一緒になって球拾いを始める。 物好きだな、と思った。 けれどよく見れば、実際にちゃんと球を拾っているのは彼女と一人の野球部員のみで、他の部員はサボって談笑している。 怪しまれないように、一応しゃがみ込みながらも。 恐らくあの黒髪の少女はたった一人で球拾いをする野球部員を見るに見かねて手伝っているのだろう。
「お人好し」
今度は声に出して呟いた。 けれど見て見ぬ振りをする輩よりは好感を持てるな、とも思う。
「おーい、栗宮ぁー」
後ろから声が掛かった。 振り返れば、渡瀬礼治(わたせれいじ)。確か双子の姉が同学年の隣のクラスにいたはずだ。 そんな情報を知っていると、僕と礼治が仲がいいように思われるかもしれない。 でも特別仲がいい訳じゃない、と僕は思っている。なのに礼治はいつも僕に纏わり付いてくるのだ。 邪剣にもしないから多分、相手は友達か何かだと思っているだろう。 他人に興味がないからそう言うことにも、別段なんとも思わないのだけれど。
「なに」 「素っ気ねー。……何見てたんだよ、って聞こうと思ってさ」
そうして僕の視線の先にいる彼女を見て、
「あ、鈴村玲奈」
彼女の名前らしきものを呟いた。
「知ってるの」 「ああ、姉貴の友達。オレも結構仲いいんだぜ?」
ふぅん、とだけ返しておく。 鈴村玲奈、と頭の中で彼女の名前を繰り返す。多分またすぐ忘れるだろう。 そう思いながらまだ暫く見ていると、球拾いが終わったのか野球部員達が散り始めた。 ちゃんと仕事をしていた野球部員が、ぺこり、と彼女にお辞儀をするのが見えた。 そして、それに笑顔で返す(多分「気にしないで」と言っているのだろう)彼女。 ちゃんと見えた訳じゃあないのに、彼女の笑顔が見えた気がした。
(あ、れ…………?)
それがとても焼き付いて、見えた。
「おい、栗宮? いつも以上にぼーっとしてどした?」 「……なんでもないよ」 「そか?」
首を傾げる礼治にそう返しつつ、僕は帰っていく彼女の後ろ姿を見送った。
それから一週間後の委員会活動の時。 僕は彼女と初めて同じ委員会だったことを知り、隣に座り、言葉を交わした。 大事な決算報告書の計算ミスをする直前に(大変そうだなとお節介の血が騒いだのか)指摘してくれた。
「ありがとう」
そう言えば、あの時焼き付いたのと同じ(あの時は遠かったけど、他人に向けられたものだけど)柔らかな笑顔を浮かべて、
「気にしないで」
あの時と同じ(勝手に僕が思っていただけだけど)言葉を紡いだ。 瞬間、綺麗に笑う少女だと思った。 そして唐突に気付く。 僕はもうとっくに彼女の笑顔に囚われていたのだ、と。 あの日彼女を見掛けた時から。 あの日彼女から視線を逸らせなかった時から。 自覚したら、顔が紅くなりそうだったけど、ポーカーフェイスで(よく上手すぎて鉄仮面と言われる)乗り切った。 さあ、これからどうやって彼女を振り向かせようか。
そしてこの約半年後。 僕は彼女から電話を貰った。
――――――――――――――――――――――――― (>>2の続き) (>>7へ続く)
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(僕と君の想いが重なる日) ( No.5 ) |
- 日時: 2007/08/02 15:44:43
- 名前: 阿是羅◆T/m6vOA2DTM
- 今日は大嫌いな日直の日。
だけど今日はそんな日も・・・とても幸せな日になった。
夕日が教室を綺麗なオレンジに染めていて、日誌を書く綺麗な彼女の横顔もオレンジに染めていた。 俺、佐藤歩は運良く片想い中の菅原綾と日直になることができた。 ・・・何故運良くかって? それは今日、俺と日直をやるハズだった進藤が欠席だからだ。
俺は真剣に日誌を書く彼女を、正面からずっと見つめていた。 しばらくの間、彼女を見つめているがまったく気付かない。 ・・・・・・ニブい。 そして彼女はやっと俺の視線に気付いて俺の顔を見ながら、
「佐藤くん?私の顔に何かついてる?」
と。 マンガとかでよくある質問だ、と俺は思った。 俺は小さい声で「別に何も?」と答えた。 その答えの後、彼女はまた目線を日誌へと戻した。
教室内は、かりかり・・・とシャーペンで字を書く音とカチッコチッと言う時計の音しかしなかった。 そんな中、彼女のほうから口を開いた。
「ねぇ、佐藤くん。」 「何?」 「・・・好きな人とか、いる?」
衝撃的な質問で、俺は目を丸くしながら彼女を凝視した。
「あはは♪その顔、いるんだねっ?」
と、明るい声で彼女はいった。 そして俺は、
「なんでそんなこと、俺に聞くの?」
と、逆に質問してみた。 すると、彼女は夕日のせいか分からないがほんのりと頬を紅く染めて俺の目をまっすぐと見て言った。
「・・・佐藤くんのこと、好きだから。かな?」 「・・・へっ!?」 「だ、か、らっ!佐藤くんのこと好きだから。」
突然の告白で俺は頭が混乱した。 えっ、と・・・。 片想い中の彼女が俺のことを好き、ということは・・・つまり、 両想い!? そんなことを考えていると彼女が「返事は?」と聞いてきた。 ・・・だから、俺は素直に言ったんだ。
「俺も、菅原のことが好きだ。」
その後、彼女は今までで一番綺麗に微笑んだ。
そして俺は彼女の唇にゆっくりと優しくキスをした。
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(握った刀は、君と手を繋ぐには邪魔になる。) ( No.6 ) |
- 日時: 2007/07/05 22:50:07
- 名前: 黒瀬
- 参照: http://id29.fm-p.jp/8/ginduki/
- (オリキャラで銀魂攘夷戦争ねた。)
「坂田さん、」 瓦屋根に腰を下ろして空を仰ぎ見ている彼の背中に、声をかけた。 するとすぐに、おう、と返事が返ってきて、彼が軽く手をあげた。(けれど俺のほうに背を向けたままだ。) 「玻璃(はり)よォ。お前、俺のこと別にさん付けしなくてもいいからな? つーか、苗字じゃなくていいって。アホみてぇだろ」 俺の名前を呼びながら、呆れたように彼は呟く。 すんません、と謝ると、謝られても銀さん困っちゃうんだけど、とまた呆れたように笑われた。 隣に腰を下ろして、彼と同じ目線になってみる。空は真っ白だった。曇っているのだ。 屋根のしたに広がる地上だって、荒野ばっかりだ。豊かな森や町なんてどこにもない。 なぜなら、俺たちが壊してきたから。 「…………さか、……銀時さん」 「あん?」 「………あなたは、何を思ってこの景色を見てるんですか?」 「はあ?」 きょとん、としたように彼が濁り無い瞳でこちらを見つめてくる。 その目線に耐えられなくなって、俺は眼を逸らした。 気になった。白夜叉と呼ばれ、その名に負けないほどの働きぶりを発揮している彼が、 壊してきた平穏の路を眺めて、なにを思っているのか。 哀しくないの? 辛くないの? ………こんなことを考える、俺は、幼いんだろうか。甘いのだろうか。 或いは高杉さんみたいに、なにかの目的のため我武者羅に戦っていたら、そんなことは考えなかっただろうか。 「……べつに」 彼の声に、顔を上げた。 「なんも思わねぇよ。俺ァな」 「え……」 「だってそうだろ。ここで、感傷に浸ってる暇なんざ、俺たちにゃないんだぜ」 見返した彼の顔は、至極真剣だった。 しかしそれでいて、達観したような、なんとも思っていないような、軽い声音。 ああこれがこの人なのか。 そう単純に思った。同時に、頭の中で閃光がはじける。 ――そうだ。俺には、俺たちには、考える暇も悩む暇も嘆く暇もなかった。 寒々しい風が吹きぬけて、彼の銀髪を揺らす。 不意に、彼に初めて会ったときのことを思い出した。 彼に会ったのは正しく、戦場に等しい場所だった。 敵に囲まれ、俺と戦友数人が震えながらも刀を構えていた時。 遠くで、敵の悲鳴と金属音が聴こえた。 同時に銀色のなにかがこちらへと疾走してくる。 はっと気が付くと、俺と背中合わせになるような位置に――彼が居た。 『柄は力強く握れ。呼吸を整えろ。死ぬことは考えンな。生き抜くことだけを考えるんだ』 自身も刀を握って構えながら、導くように俺たちに小さく言った。 その言葉だけで俺たちの慄えは止まり、そして、彼の合図で一斉に飛び掛る。 走り出す直前に、背中を風が通り抜けたのがわかった。彼が走り出したことによって起こった風だ。 神風って本当にあるんだ、と思った。
そして今。 「……さみ。戻ろうぜ、玻璃」 立ち上がる彼を見上げながら、俺は、 (俺ァ、この人のために命を尽くすだけだ) と、自らの気持ちを再確認した。
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(気持ちはふくらみ続ける) ( No.7 ) |
- 日時: 2007/07/10 21:14:50
- 名前: Gard
- 参照: http://watari.kitunebi.com/
- 私が恭哉君と付き合い始めて一週間が経った。
未だに恭哉君の周りには、綺麗な人や可愛い人が絶えない。 休み時間に会いに行けば、私から恭哉君の姿を隠すかのようにいる彼女たちは、本当に恭哉君が好きなんだな、と思う。 だからきっと、私の存在をよく思っていない。 隣のクラスの入口から中を見て戻ってきた私に礼子ちゃんが言葉を掛けてきてくれた。
「ちょっと玲奈。あんたいい訳? ダンナが他の女に囲まれてて」 「……いいの、礼子ちゃん。もしかしたらほら、授業のことについて話してるかもしれないし」
それだったら邪魔するのは悪いと思う。 言えば、呆れたような顔をして溜息を吐く。 解ってる。そうじゃないことぐらい、私だって気付いてる。幾ら鈍いとか言われる私だって、気付く。 でも、あの人達の中に入っていく自信、ないの。 みんなとっても綺麗で、私なんか比べものにならないくらいだから。 曖昧に笑って礼子ちゃんを誤魔化して、私は休み時間を持ってきていた本で潰す。 これが付き合い始めてから一週間の間、ずっと続いていた。 本は一週間ずっと同じ本。 礼子ちゃんは小説に興味がないどころか、読むと頭が痛くなるとか言うから気付いてないだろうけれど。 私の本は、栞を挟んだページから一ページも進んでいなかった。 内容が頭に入ってこない所為だ。原因もわかってる。でも、どうしようもない。勇気も自信もない。 ああ、なんて落ち零れ。 最初は側にいられるだけでよかった。 ああやって恭哉君が女の子に囲まれるだろう事は、普段の彼を知っていたから告白したあとも容易に想像できた。 一番近くにいていいというお許しを貰った私は、それだけで満足していたのに。
望んでしまった。
彼の隣に唯一いられる女の子でありたいと。
願ってしまった。
自分から行動しない癖に。
本を閉じ、机の上に伏せる。机にくっついた頬は、木の冷たさを伝えてきた。 けれど、体温が頬を通してじんわりと机に伝わっていく。
「どうして、今のまま満足できないんだろう」 「あん?」
私の呟きに礼子ちゃんが首を傾げる。 聞こえなかったならそれでいいや、と思って口を閉ざす。 それに、今のはただの独り言だったのだから。
「そりゃああんた、人間には欲望があるからでしょ」
でも聞こえていたらしく、律儀に答えてくれる。 どうやら先程の「あん?」は「何を言ってるんだこの子は」という意味だったらしい。
「欲望があるから満足できないの。満足しようと思うのさ。……玲奈、あんたはどうなの?」 「私?」 「そう。どんどん膨らんでるんじゃない? 栗宮に対する気持ちが」
実際その通りなのだ。 彼と長い時間お喋りしたいし、彼の側にいたいし、彼の手を触りたい。 膨らみすぎて、自分では手に負えないぐらい。
「どうしたらいいと思う?」 「あんたね、栗宮が選んだ彼女なのよ? 自信持って甘えればいいの!」 「それどんな甘え方」
礼子ちゃんを見上げながらそう言えば、さあ? と小首を傾げてくれる。 相談相手、間違えたかなぁ。 そう呟けば冗談で軽く首を絞められる。 うん、明日こそは休み時間、恭哉君に話しかけよう。 礼子ちゃんとじゃれながら、私はそう思った。
――――――――――――――――――――――――― (>>4の続き) (>>13へ続く)
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(そこに空があるから) ( No.8 ) |
- 日時: 2007/07/09 19:11:00
- 名前: 春歌
- ふわり・・ふわり・・・雲が浮かんでる
旅に出て、あの人と知り合って、一緒に旅をして
「もう・・・3年か」
そして・・・・
「おい!」 「なに?」 「お前黄昏るの禁止」 「別に黄昏てなんて無いわよ」
いつものように口げんかして・・・
「何よ!!」 「何だよ!!!」 「大体貴方ってひとh!!・・っ」 「うわ!!おい、、、大丈夫か?」 「っ・・・・///////」
我ながらかっこ悪い・・・つまずいて転ぶなんて でも・・・・
「まぁ・・・いいかなぁ?」 「なにが??」 「なんでもなーい」
ニコリと笑ってやれば、ほら? 貴方の顔は真っ赤になって、照れ隠ししながら私のこと運んでくれるのよ 前にもこんなことがあった たしか・・・・
「たく、、、こんなときに大雨かよ」 「もー服びしょびsy。。。。っぅ」 「お・・・おい!!!」 「いた・・・」
あの時泥で足を滑らせて転んだ挙句、足をひねったという悲惨な結果を迎えた
「おい・・・・たくっ」 「ぇ?・・・まって、私歩けるから」 「こんな足じゃあるけねえぇよ・・・」 「んなこと・・・・・」 「いいから、こういうときは頼れよ」 「うん・・・」
その後運ばれて私は近くの小屋で手当てを受けた
「おー・・・晴れたなぁ」 「うん・・・・」 「?どうかしたか」 「ううん・・・なんでもないよ!」 「そうか・・・」
その後も喧嘩しちゃって、いろいろあったけど・・・・
「ほら・・・いくぞ・・・」 「はーい」 「おい・・・なにしてるんだ?」 「え?だって足痛いし・・・・」 「はぁ・・・・・」
ほら?そういいながら、私のこと助けてくれる 幾日の空を越え・・・・・ また、新しい空の下 いまの私たちがいるから
「ねぇ・・・」 「んだよ」 「ありがとう・・・」 「・・・あぁ」 「あは!照れてるでしょう〜」 「てれてねぇよっ!!」 「ふふ・・・・・」 「ほっぽってくぞ」 「あー!!それはやめて」
大丈夫貴方となら・・・なんでもできる そこ空があるから、太陽があるから 陽の下で私たちは平穏な日々を送っています
(まだ自覚してない・・・・・ けれど、、もう少し互いの 気持ちに、心に、想いにきっと 気が付くのは、、もう少し先にあるから) (>>3の続)
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(SCREAM) ( No.9 ) |
- 日時: 2007/07/08 17:56:10
- 名前: 竜崎総久◆OMBM0w5yVFM
- 参照: http://ameblo.jp/html202/
- ……今日も、大音量。
耳を大切にしようなんて考えは捨てた。聴こえるか聴こえないか、最低限の音量で聴いてなんかいたら、自分がイライラする。だったら、自分が落ち着いて聴ける方を選ぶしかあるまい。 尚(すなお)はこの頃、自分の耳が悪くなるのを感じていた。……当然だろう。毎日4時間以上も、周りの音を完全にシャットアウトするくらいの音量で、ヘッドフォンをつけて音楽を聴いていては。 自分でも、いけないことなのはわかる。このままでは近い将来、「彼ら」の音楽を聴けなくなるだろう。 ……でも。音量キーを少し上げて、尚は思う。こうでもしないと、私は自分を保っていられない。 何かに八つ当たりしたいけれど、理性が邪魔をするから。感情に任せて、狂ってしまいたいけれど、メッキ張りの自分が、それを批判する。煮え切らない気持ちを、高まる衝動を静めるのは、今の尚には「彼ら」しか居ない。 しなくてすむのなら、依存なんてしたくない。「彼ら」が居なくなってしまったとき、尚が今の――普通の「尚」で居られる保障など、どこにもないのだ。 ……だったら。 今の私にできるのは、堕ちるところまで堕ちていくだけ。 もう一度、今度は大幅に音量キーを上げる。 ヘッドフォンから聞こえる割れかけた声は、どこか悲鳴のように思えた。
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(不眠の理由を僕に教えて) ( No.10 ) |
- 日時: 2007/07/08 18:15:55
- 名前: 桜
- 参照: http://mist26.jugem.jp/
- 例えば、君が僕を怨んでいるとしたら。
それは非常に脆い幻想なんじゃないかと思うんです。
「僕は姉さんとは違います」
同じなのは眼の色だけですし、
「君も、君のお兄さんとは別の人間だ」
大事な大事な、現実世界を忘却の彼方へ放り投げてまで駆け落ちした愚かな二人。 君が見ているのは何? そんなに大切だった? 何のために刃を振るうの?
「黙れよ、いい加減」
首筋を1センチ外して、壁に突き刺さったままの刀が震えている。 ああそうか、君は泣けないんだったね。
「………君は僕を殺せない、絶対にです」
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遅すぎる初投稿でした。
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